年の暮 1         151句

年の暮月の暮日のくれにけり    正岡子規

数へ日 年惜しむ 年の内 年の暮 年用意 行年 極月 年歩む 年移る 年送る 年守る

作品
作者
掲載誌
掲載年月
人生を語るも年の暮らしく 稲畑汀子 ホトトギス 199812
紙で指切りたる怪我も年の暮 稲畑汀子 ホトトギス 199812
年の暮口をへの字の隼人瓜 松崎鉄之介 199902
薬湯を呑むひま惜しむ年の暮 水田清子 199902
年の暮とぼけ上手な夫と居て 的場うめ子 ぐろっけ 199903
稼ぐ灯のどれも裸や年の暮 土田栄 199904
コートより前掛のぞく年の暮 青野博子 199904
出産を控えし妻に年の暮 稲畑廣太郎 廣太郎句集 199912
人多きことも東京年の暮 稲畑廣太郎 廣太郎句集 199912
送る子と帰り来る子や年の暮 白鳥婦じゑ 酸漿 200002
いい腹と医者に褒めらる年の暮 松崎鉄之介 200002
遊心のしきりに動く年の暮 保坂加津夫 いろり 200002
聞き流すことも身につき年の暮 志水千代子 俳句通信 200002
裏向きにかけあるのれん年の暮 原茂美 俳句通信 200002
部活動の紅きジャージー年の暮 保田英太郎 風土 200003
読んでゐぬ本積んであり年の暮 根岸善行 風土 200003
笑むごとき吽の口許年の暮 庄中健吉 200003
年の暮どさりと柚子を貰ひけり 小山梧雨 200003
年の暮靴底に聞く工事音 山梨幸子 200003
入籍を娘が告げに来る年の暮 佐々木孝子 200003
死装束いまだに迷ふ年の暮 中村祭生 ぐろっけ 200003
年の暮鯉の大鍋土間に炊く 小野誠一 春耕 200004
本ばかり増えてきたりし年の暮 小林光美 春耕 200004
化石句碑建ちて安らぐ年の暮 松崎鉄之介 200101
ひとり居の何も出来ない年の暮 熊谷みどり いろり 200101
かかとねんごろに洗ふも年の暮 鷹羽狩行 200102
家計簿と眼鏡買い足す年の暮 松沢久子 いろり 200102
ふる里に速達を書く年の暮 松沢久子 いろり 200102
湯気立てて蛸の吊らるる年の暮 岡田万壽美 俳句通信 200102
吊革に紐垂れてをり年の暮 根岸善行 風土 200103
渋滞に慣れねばならぬ年の暮 二村蘭秋 雨月 200103
小鳥屋に眼白売らるる年の暮 永見博子 酸漿 200103
過ぎ去りしことはうつくし年の暮れ やのかよこ 船団 200103
溜めし箱捨つるほかなし年の暮 足利徹 ぐろっけ 200103
すぐころぶ妻の手をとる年の暮 鈴木とおる 風土 200104
二次会は甘党ばかり年の暮 池田久恵 ぐろっけ 200104
黙しつつ日々穏やかに年の暮 後藤洋子 ぐろっけ 200104
チェイサーを御堂筋で撒く年の暮 宮嵜亀 船団 200107
靴紐を取り替へてをり年の暮 宮森毅 六花 200111
あたたかき年の暮れなり海見をり 川上美穂子 酸漿 200201
土を掘る音の間近に年の暮 渡邉友七 あを 200201
それぞれの飯碗替る年の暮 赤座典子 あを 200201
どの部屋にも亡き妻のゐる年の暮 白岩三郎 馬醉木 200202
安息とならぬ入院年の暮 福永鳳水 円虹 200202
菜園のしづけさにゐる年の暮 高野清風 雲の峰 200202
捨てがたき亡夫の名刺や年の暮 浅井千鶴子 いろり 200202
銀行を行ったり来たり年の暮 福田みさを いろり 200202
まだ父の在りし故郷年の暮 保坂加津夫 いろり 200202
年の暮予定あれこれ日毎立て 塚村素代 いろり 200202
ふけし顔母に似て来し年の暮 原絹江 いろり 200202
開け閉めの栓のいろいろ年の暮 藤岡紫水 京鹿子 200202
明眸の医師へ口開く年の暮 野澤あき 火星 200203
宅配の忙しき人の年の暮 相澤健造 いろり 200203
買足してなほ買ひわすれ年の暮 小山漂葉 酸漿 200203
海見ゆる路地に魚売る年の暮 荒川優子 春耕 200203
万燈にひしめく人や年の暮 木内美保子 六花 200203
古里は翼拡げて年の暮 市川伊團次 六花 200204
もの焚いて炎色ゆたかに年の暮 金田きみ子 200204
お薬の袋新し年の暮 塩川キヨミ ぐろっけ 200204
消化器が突つ立つてゐる年の暮 市川伊團次 六花 200207
買ひ出しの車に待つて年の暮 市川伊團次 六花 200207
淀屋橋水豊かなる年の暮 波田美智子 をりをりに 200208
生といふものに執着年の暮 高浜年尾 円虹 200212
鶏の声ののびやか年の暮 滝沢伊代次 万象 200212
大声の八百屋魚屋年の暮 滝沢伊代次 万象 200212
年の暮賑やかすぎて孤独なる 斉藤静枝 あを 200301
年経るを瞬時と思ふ年の暮 芝宮須磨子 あを 200301
早ばやと夕餉決めをり年の暮 綱頭久子 築港 200302
塗師蔵のうるしの匂ひ年の暮 高野荘司 築港 200302
水槽の敷砂洗ふ年の暮 川瀬さとゑ 雲の峰 200302
年の暮丸き笑顔の米屋かな 永田あき 酸漿 200302
厨房で書きし履歴書年の暮 滝本香世 百鳥 200302
鶏小屋の板の釘浮く年の暮 藤井昌治 200302
決めかねてコイントスせり年の暮 名取袿子 200303
招福の羊の土鈴年の暮 玉川悠 遠嶺 200303
同窓のまた一人減る年の暮 上原一郎 築港 200303
一年を売り尽す声年の暮 岩林勇雄 築港 200303
整然と畑の畝盛り年の暮 井手由紀江 築港 200303
ことことと終始煮炊の年の暮 国包澄子 築港 200303
三味線を譲る話や年の暮 石川英利 百鳥 200303
どつこいしよ立つや座るや年の暮 阪西敦子 円虹 200303
年の暮橋を歩いてゐるところ 木下野生 200303
名碗に白湯の一杓年の暮 祐森彌香 遠嶺 200304
ユニセフに寸志の募金年の暮 泰江安仁 百鳥 200304
百円シヨツプに買ひ呆けをり年の暮 北村香朗 京鹿子 200304
アルバムの顔みな笑ふ年の暮 孝子・フォン・ツェルセン 円虹 200305
余生とはあなどりがたし年の暮 角直指 京鹿子 200305
今日も葬明日も葬と年の暮 角直指 京鹿子 200305
年の暮くるくる回る三輪車 陶山泰子 ぐろっけ 200305
信楽焼の子狸あたる年の暮 上田みつ子 帆船 200312
尻餅の身に冷えはしる年の暮 渡邉友七 あを 200401
やはりまた虚子へともどる年の暮 藤井昌治 200401
木簡の文字の薄るる年の暮 加藤峰子 200402
年の暮庭の木々の葉全て落ち 中村公代 雨月 200402
金魚の水新しくして年の暮 早崎泰江 あを 200402
離村せし隣家小暗し年の暮 宮原國夫 雲の峰 200402
堂縁に飯櫃乾く年の暮 渡辺周子 雲の峰 200402
失せしもの思ひがけなき年の暮 小牧喜美子 遠嶺 200403
もう誰も急かせてくれぬ年の暮 加藤君子 火星 200403
年の暮目の薬師より屠蘇散来る 佐藤輝子 200403
教科書のチョークを払ひ年の暮 澤藤蓑助 200403
押売りの声の尖れる年の暮 綿谷美那 雨月 200403
参道を只一人掃く年の暮 高木智 京鹿子 200403
病室に母をのこして年の暮 仙入麻紀江 草の花 200403
港湾を船の往き来す年の暮 川瀬信子 築港 200403
故老より所作事習ふ年の暮 梁瀬照恵 ぐろっけ 200403
軋むほど眼鏡を拭きて年の暮 桑島啓司 200404
電話魔に居留守の一手年の暮 竹内悦子 200404
児が親の歩幅に合はす年の暮 中元英雄 河鹿 200404
気ばかりが先走りして年の暮 橘沙希 月の雫 200404
懸案の書類に付箋年の暮 冨永道子 百鳥 200404
夫と子に和服仕立てて年の暮 冨永道子 百鳥 200404
やり果せねばならぬ枷年の暮 稲畑汀子 ホトトギス 200412
申年の世間は荒れて年の暮 山田六甲 六花 200412
ことごとく骨折り損の年の暮 小川匠太郎 200412
包帯の白は明るし年の暮 山田六甲 六花 200501
改札を切符抜け出る年の暮 渡辺君恵 帆船 200501
剣山をひとつ求めし年の暮 小林朱夏 200502
ねんごろに蹠洗ふ年の暮 鈴木多枝子 あを 200502
引越の車ここにも年の暮 上原一郎 築港 200502
年の暮人みな吾を追ひ越して 柴田毅 築港 200502
人並の痛風もらふ年の暮 松崎鉄之介 200502
馬油を足裏に塗る年の暮 松崎鉄之介 200502
年の暮晋山祝ふ飛天の画 松崎鉄之介 200502

悼成瀬櫻桃子氏

年の暮別れ烏のあと追へり

松崎鉄之介 200502
鈴振りて籤大当り年の暮 辻井桂子 雲の峰 200502
捨つるものある幸せや年の暮 菅原健一 200502
月光に雨戸開けおく年の暮 岸野美知子 酸漿 200503
雪明残しつ年の暮れゆけり 夏目満子 酸漿 200503
飼猫の鈴取り替へる年の暮 高田佐土子 築港 200503
身辺の事ままならず年の暮 神田一瓢 雨月 200503
一湾の泊船灯る年の暮 松林順子 雨月 200503
年の暮卒然として二人逝く 橋本梢明 200503
土日が何となく邪魔年の暮 加藤君子 火星 200503
胴長き犬を洗へり年の暮 後藤博司 栴檀 200503
一文字の真名まなに映すや年の暮 山田富朗 遠嶺 200503
銀河系の端つこに棲み年の暮 川崎光一郎 京鹿子 200503
橋に佇ち橋を見てゐる年の暮 川崎光一郎 京鹿子 200503
効能を信じて耐える年の暮れ 竹村尚絋 200503
万札のくずせば失せる年の暮 島本知子 ぐろっけ 200504
病み上りの顔をほころび年の暮れ 山田耕子 京鹿子 200504
篁に風のひそめる年の暮 佐久間多佳子 京鹿子 200504
泥鰌屋に浄め塩踏む年の暮 間宮あや子 馬醉木 200504
呉服座に落語聞きゐる年の暮 大平勝子 栴檀 200505
地球儀を回してみても年の暮れ 松山律子 六花 200512
年のくれ珈排館にワグナー鳴る 竹貫示虹 京鹿子 200512
犒ひて古き筆捨つ年の暮 林翔 馬醉木 200601
文具屋に子と混じりをる年の暮 岡本眸 200601
芝浜に刻忘れをり年の暮 水原春郎 馬醉木 200602
妻の忌の甥姪ばかり年の暮 松崎鉄之介 200602
肺へ癌転移と告ぐる年の暮 松崎鉄之介 200602
年の暮 →2      

 

2020年12月28日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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