年惜しむ         156句

離れ住みてひとつの年を惜しみけり   上村占魚

数へ日 年惜しむ 年の内 年の暮 年用意 行年 極月 年歩む 年移る 年送る 年守る

作品
作者
掲載誌
掲載年月
処女句集形見となりし年惜む 稲畑汀子 ホトトギス 200001
自負も悔も胸におさめて年惜む 稲岡長 円虹 200002
八ヶ岳晴るる展望台に年惜しむ 田中藤穂 水瓶座 200002
年惜しむ悲しい酒に涙して 保坂加津夫 いろり 200003
大切な友を亡くせし年惜む 今井千鶴子 ホトトギス 200004
ネオン散る運河の波に年惜しむ 笹本翠月 宝船 200011
二十世紀行く年惜む明治者 安陪青人 雨月 200103
雉鳩の年惜しむかに含み鳴く 大熊庸介 200103
富嶽図よ応挙よと年惜しみけり 武井清子 200103
割箸のふたつに割れて年惜しむ 伊藤翠 船団 200105
俯瞰して二十世紀の年惜む 稲畑汀子 ホトトギス 200112
年惜む心集めて円き卓 稲畑汀子 ホトトギス 200112
学会の済みし安らぎ年惜む 稲畑汀子 ホトトギス 200112

池見恒夫長逝

年惜む従兄の中の従兄逝き

大橋敦子 雨月 200201
ちちははへ展墓をもつて年惜しむ 能村研三 200202
年惜しむ戦の一字を贈り名に 森茉明 京鹿子 200202
馥郁と闇あり産みし年惜しむ 辻美奈子 200203
馴染みたる港の景に年惜む 村田明子 円虹 200204
板の間をいくたびも踏み年惜しむ 武井美代子 風土 200204
師が句集「遊行」抜き出し年惜しむ 瀧新珠 京鹿子 200204
年惜む時にはいつも百合鴎 中嶋陽太 ホトトギス 200205
年惜しむ治癒せし母とワイン汲む 信崎和葉 六花 200301
担ふ石それぞれにあり年惜しむ 品川鈴子 ぐろっけ 200301
来し方の手帳の嵩や年惜しむ 永田延治 帆船 200302
短冊を虚子の句に替へ年惜しむ 神蔵器 風土 200303
風のごと動く老僧年惜しむ 柴田久子 風土 200303
メモ帖に未完の俳句年惜しむ 柴田久子 風土 200303
年惜しむ体ふかくを病んでゐて 長沼紫紅 200304
バザールの薬膳カレー年惜しむ 齋藤宣子 帆船 200402
義理立ての干戈避くべし年惜しむ 奥村鷹尾 京鹿子 200402
一本のこの杖と居て年惜しむ 村越化石 200402
水蓮の大きな花に年惜しむ 丸山照子 火星 200403
老境に入りての速さ年惜む 細川コマヱ 雨月 200403
生きてなほ働く幸の年惜しむ 竹原惣一 200403
絵蝋燭花みなとけて年惜しむ 小川文子 京鹿子 200403
病む人へ届く機関誌年惜しむ 田村園子 200403
年惜しむ夜空を星のまたたける 塩川雄三 築港 200403
神苑を掃く音微か年惜しむ 庄野房女 築港 200403
網繕ふ漁夫と話して年惜む 鎌田篤 雨月 200404
年惜しむ薬袋どっと抱へ込み 竹内方乃 ぐろっけ 200405
年惜しむ出納帳の赤字〆め 竹内方乃 ぐろっけ 200405
登り来て金時娘と年惜しむ 橘澄男 山景 200408
悲喜のうち喜の強かりし年惜しむ 橘澄男 山景 200408
還暦も半ばをすぎて年惜しむ 山田六甲 六花 200412
年惜む木立の中を日と歩み 岡本眸 200501
師の言葉胸深くおき年惜しむ 水田清子 200501
年惜む信子先生逝きましし 大橋敦子 雨月 200502
年惜む鏡の前に目つむりて 岡本眸 200502
生きてゐる丈で幸せ年惜しむ 大西正栄 雨月 200503
年惜しむ炎柱高き鉋屑 飯塚ゑ子 火星 200503
経蔵をゆるゆる廻り年惜しむ 青木久子 遠嶺 200503
鰐口の綱振りゆらし年惜しむ 松村東亜未 200503
古時計時報に合わせ年惜しむ 河原昭子 六花 200504
年惜しむ象の足踏み頻りなり 原田達夫 虫合せ 200506

悼 金子兜太氏ご母堂様

母上を語られしこと年惜む

稲畑汀子 ホトトギス 200512
年惜しむ時計の羅馬数字かな 定梶じょう あを 200602
年惜しみ居るや長居の客と吾 村越化石 200603
とことはの鎮魂の灯に年惜む 岡淑子 雨月 200603
亡き数の星と瞬き年惜しむ 禰寝瓶史 京鹿子 200603
顔ぶれの揃ひしことに年惜む 桑田青虎 ホトトギス 200605

悼 河野扶美様

年惜み小国を偲ぶばかりかな

稲畑汀子 ホトトギス 200612
ヒマラヤ杉の大樹の下に年惜しむ 田中藤穂 あを 200701
布巾縫ふ一針づつに年惜しむ 木下ふみ子 馬醉木 200703
年惜しむ田舎芝居に莚敷き 大西八洲雄 万象 200703
鐘の音は遠くに在りて年惜しむ 石川龍士 春燈 200703
年惜しむとは人惜しむことなりし 伊藤白潮 200703
夭逝の詩人を悼み年惜しむ 山本漾子 雨月 200703
年惜む日当る山と翳る山 小林登喜枝 万象句集 200703
師の講議胸に残して年惜しむ 青木久子 遠嶺 200704
帆柱の揺れ天上へ年惜しむ 百瀬七生子 海光 200705
今年ほど人惜み年惜みたる 稲畑汀子 ホトトギス 200712
観音に詣で行きしか年惜しみ 村越化石 200802
子の家辞し利根の夕日に年惜しむ 詫摩まつ子 200803
一語にも睫毛向き合ひ年惜しむ 中村恭子 200803
顧みて八十路となりし年惜む 松尾緑富 ホトトギス 200804
手に慣れし包丁拭ひ年惜しむ 島田和子 風土 200804
枯菊の鉢片寄せて年惜しむ 橋本貞二 酸漿 200902
生くること俳句にありし年惜しむ 武田漣 炎環 200903
西山に残る三日月年惜しむ 改正節夫 ぐろっけ 200904
小さき事長く語りて年惜しむ 峰村浅葱 炎環 200904
和泉式部に六字名号年惜しむ 間島あきら 風土 200905
一門に慶事も過客年惜む 藤浦昭代 ホトトギス 200906

悼 長谷川登美様

孝養をつくされしこと年惜む

稲畑汀子 ホトトギス 200912
輝ける御生涯の年惜む 稲畑汀子 ホトトギス 200912
石積に栄華のあとや年惜しみ 井口淳子 201002
挽歌めく夜の波音年惜しむ 小川玉泉 末黒野 201004
鴨川の風を抱きて年惜しむ 四條進 201004
高僧の皺深きかな年惜しみ 笠井清佑 201102
電飾の中之島ゆき年惜む 金森信子 雨月 201103
銀行のステンドグラス年惜しむ 有本南陵 ろんど 201103
又一人偲ぶことより年惜む 稲畑汀子 ホトトギス 201112
これよりの時間刻々年惜む 稲畑汀子 ホトトギス 201112
守護神は文珠菩薩や年惜しむ 吉田政江 201203
「芝浜」を語る談志で年惜しむ 渡部節郎 201203
午夜に入りまだ明明と年惜しむ 田代貞枝 201203
懐にエンディングノート年惜しむ 和田政子 201203
毀れゆく父の手を取り年惜しむ 石田きよし 201203
胸熱き日々給はりし年惜む 近藤きくえ 201203
手にあまること多すぎも年惜しむ 豊田都峰 京鹿子 201203
高潔の青畝先生年惜む 大橋敦子 雨月 201301
年惜む通勤の靴磨きつつ 工藤義夫 馬醉木 201302
つつつつと落ち葉の走り年惜しむ 松本周二 かさね 201303
年惜しむ昨日の灯しすでに過去 小山繁子 春燈 201303
笑みだけで嬰との会話年惜しむ ス丸田信宏 京鹿子 201303
晩学の句座を重ねて年惜しむ 岡井マスミ 末黒野 201303
年惜しみつつ反古の火を昂ぶらせ 久保東海司 201303
年惜しみひと日ひと日の影を追ふ 寺田すず江 201303
年惜しむ栞を深くして閉づる 永田圭子 ろんど 201303
参道に反省多し年惜しむ 長崎桂子 あを 201303
長崎の夜景眼下に年惜む 築城百々平 馬醉木 201402
年惜しむ掬うてもまた鍋に泡 浜口高子 火星 201403
鳴物をみんなで鳴らし年惜しむ 辻水音 201403
鴨族の裔の泣き声年惜しむ 有本南陵 ろんど 201403
年惜しむ夫は寡黙に螺子を巻く 上田由姫子 京鹿子 201501
文字盤の手垢のAや年惜しむ 井上石動 あを 201502
目薬を点して一分年惜しむ 須賀敏子 あを 201502
年惜しむかな小恙のひと日さへ 窪田佳津子 雨月 201503
年惜しむメンバー十五いとこ会 井口ふみ緒 風土 201503
たつぷりのハンドクリーム年惜しむ きくちきみえ やぶれ傘 201503
年惜しむ抽斗のものみな戻し 菊川俊朗 201503
蝋燭の炎の骸や年惜しむ 佐渡谷秀一 春燈 201503
愛蔵の虚子の句茶盌年惜む 竹下陶子 ホトトギス 201508
師の句集繰返し読み年惜しむ 鈴木静恵 花こぶし 201508
里山の猿の親子や年惜しむ 鈴木静恵 花こぶし 201508

悼 田村元様

思ひ出をなつかしみ年惜みつつ

稲畑汀子 ホトトギス 201512
八百号祝ぎし記念の年惜む 磯野しをり 雨月 201602
住み替へて位牌と語り年惜しむ 岡野ひろ子 201603
山襞を出づる煙に年惜しむ 矢野百合子 201603
健啖の米寿を囲み年惜しむ 野畑さゆり 201603
千年の杉を拝み年惜しむ 柴崎英子 201604
自問して自答にならず年惜しむ 北川孝子 京鹿子 201604
島ばかり海ばかり見て年惜む 岩岡中正 ホトトギス 201606
千年の大樹を仰ぎ春惜しむ 清水佑実子 201606
伊豆榮に句の友五人年惜しむ 田中藤穂 201611
月替り年惜めとや偲べとや 稲畑汀子 ホトトギス 201612
年惜むやつと二人になれし時 稲畑廣太郎 ホトトギス 201612
もう何も残すものなく年惜む 稲畑廣太郎 ホトトギス 201612
年惜む仕事の山を睨みつつ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201612
年惜しむ入相の鐘里ごころ 植村蘇星 京鹿子 201703
加齢てふなりの夢あり年惜しむ 植村蘇星 京鹿子 201703
一つづつ石段上り年惜しむ 戸栗末廣 201703
流木の返らざる日々年惜しむ 村田あを衣 京鹿子 201704
綾絹で拭くみほとけや年惜しむ 高橋和女 風紋 201709
不足なきよはひ賜り年惜む 竹下陶子 ホトトギス 201710
年惜しむ胸の火種は秘めしまま 西村白杼 京鹿子 201801
滝行のごと打たせ湯に年惜む 森藤千鶴 馬醉木 201802
年惜しむあれそれこれと忙しきも 棚橋朗 201803
日本丸眺め近寄り年惜しむ 橘正義 春燈 201803
日々使ふもの身ほとりに年惜しむ 亀井福恵 京鹿子 201804
琴責の玉三郎に年惜しむ 山本喜朗 雨月 201902
井戸に塩・米・酒供へ年惜しむ 岡本尚子 風土 201903
使いよき筆を洗うて年惜しむ 石黒興平 末黒野 201904
健康に過信ありしか年惜む 稲畑汀子 ホトトギス 201912
年惜しむひと日筑波嶺見て飽かず 安立公彦 京鹿子 202002
水を截る鯉の背鰭や年惜しむ 能村研三 202002
年惜しむ三井の晩鐘有為の風 安田優歌 京鹿子 202003
身の熟し連れと憂ひて年惜しむ 岩崎藍 末黒野 202003
老楽の心澄みゆき年惜しむ 阪倉孝子 202003
さくらのぞみひかりこだま年惜しむ 辻響子 202003
銀幕のトラさん恋し年惜しむ 田中信行 202004
勿体なき人逝かしめし年惜む 木村享史 ホトトギス 202005

 

2020年12月26日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。