虫の音 2    97句

虫の音の中に咳出す寝覚めかな    丈草

  虫時雨  虫しぐれ  虫すだく  虫の声  虫の音

虫の闇  虫の夜  虫売  昼の虫  昼の虫  残る虫

作品
作者
掲載誌
掲載年月
鳴き頻る虫の音の実に悲しけれ 辰巳あした 雨月 201508
虫の音は句を追ふ胸に灯を点す 辰巳あした 雨月 201508
虫の音の三楽章はスケルツォ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201509
虫の音に包まれてゆく帰宅かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201509
鍵かけてをれば虫の音自ら 稲畑汀子 ホトトギス 201509
虫の音の大きうねりに村眠る 平田はつみ 馬醉木 201511
雨音に負けず虫の音迫り来る 和田政子 201511
虫の音の押し寄せてゐる非常口 浅田光代 風土 201511
虫の音やひとつ残るは我待つ灯 菅谷たけし. 201512
虫の音や眼をとじて見ゆるもの 本多俊子 201512
通夜零時過ぎてし虫の音が元気 定梶じょう あを 201512
かすかなる虫の音静寂深くせり 加藤静江 末黒野 201512
庭草を刈りて虫の音遠くなり 広田貞治 風土 201512
虫の音を容れて読みたり昆虫記 森清堯 末黒野 201601
虫の音を聞き分けてより眠られず 芝田幸惠 末黒野 201601
虫の音の闇に染み入る人の影 岡山敦子 京鹿子 201602
虫の音や乗換駅の地下通路 青木朋子 201602
虫の音に包まれてゆく旅心 稲畑汀子 ホトトギス 201609
快晴の野よ虫の音よ旅心 稲畑汀子 ホトトギス 201609
考へるとき虫の音の外にあり 稲畑汀子 ホトトギス 201609
独り居に虫の音もまた友なりき 大湊栄子 春燈 201610
虫の音の更けていつしかマンドリン 窪田佳津子 雨月 201611
雨音ときそふ虫の音夜の更けて 窪田粧子 馬酔木 201611
鍬洗ふ水の流れと虫の音と 吉武美子 201612
鈴虫の音を張る真夜のひびかひて 丸尾和子 雨月 201612
目を閉ぢて虫の音を聞く湯舟かな 田中信行 201612
虫の音の会話に入るカフェテラス 後藤眞由美 春燈 201612
虫の音のふるさとの闇濃くしたり 飛高隆夫 万象 201612
虫の音のはたと止みけり来るは誰ぞ 松本三千夫 末黒野 201612
坪庭といふ虫の音のパッケージ 七種年男 輪中の空 201612
稿一つ終へて虫の音友とせり 植村蘇星 京鹿子 201701
虫の音の集く中なる眠りかな 赤松赤彦 六花 201701
虫の音聞く己が鼓動を聞くやうに 高倉和子 201701
虫の音に虫の音重ね暮れゆける 稲畑廣太郎 ホトトギス 201709
虫の音の読経とも一忌日かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201709
虫の音の波打つやうに引くやうに 大畑善昭 201711
虫の音は眠りを誘ふオルゴオル 大日向幸江 あを 201711
虫の音を秋田音頭と聞做しぬ 小田嶋野笛 末黒野 201712
虫の音に耳を傾け独り酒 小川玉泉 末黒野 201712
虫の音に引き込まれゆく寝入りばな 堀岡せつこ 201712
虫の音を掻い潜りたる眠りかな 久保夢女 201712
虫の音を明日も聞かむとして眠る 高木晶子 京鹿子 201712
虫の音や駅から自宅鳴き通す 溝渕弘志 六花 201801
虫の音のときにたかぶる闇のあり 藤生不二男 六花 201712
虫の音のいよよ深める四更かな 荒井ハルエ 春燈 201802
ちりばめしごとき虫の音古戦場 松田明子 201802
虫の音の畳の角より上りけり 田尻勝子 六花 201810
虫の音や眼は一点の赤い星 平沢恵子 春燈 201811
虫の音の透く夜噛みしむ今日一と日 小川すみれ 京鹿子 201812
かすかなる虫の音静寂深くせり 加藤静江 末黒野 201812
虫の音の眠れぬ夜のゆたかかな 早川八重子 末黒野 201812
鈴虫の音を松虫は知つてをり 高橋将夫 201812
虫の音の今夜はうすれ枕かな 深川敏子 春燈 201812
虫の音はなべて片仮名闇揺らす 尾野奈津子 春燈 201812
序破急に虫の音退る野外能 佐藤保子 馬醉木 201901
虫の音を集めて回る蓄音器 たかはしすなお 201901
虫の音に悪阻おさまる一時よ 仲里奈央 201909
虫の音を聞く耳となりゆけるかな 稲畑汀子 ホトトギス 201909
虫の音に悪阻おさまる一時よ 仲里奈央 201909
虫の音と夜空を浮遊してをりぬ 田尻勝子 六花 201910
虫の音に誘はれ路を迷ひたり 植村蘇星 京鹿子 201910
虫の音を俯瞰してゐる鳥語かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201910
浴槽に聴く虫の音やひと日終ふ 溝越教子 春燈 201911
虫の音に猛りし日々の鎮もれり 中山惠子 201911
虫の音の列車呑み込み熊本平野 田尻勝子 六花 201912
鈴虫の音や母逝きし日と同じ 志方章子 六花 201912
虫の音や泥棒猫の通り過ぐ 志方章子 六花 201912
虫の音の子守唄にはならずなり 永田万年青 六花 201912
虫の音や開け放しおく寝間の窓 中山惠子 201912
とりどりの虫の音野外コンサート 岩月優美子 201912
虫の音に包囲されたるテロリスト 高橋将夫 201912
虫の音や語り尽せぬ忌に集ふ 櫛橋直子 雨月 201912
オクターブ上がる虫の音夜の更けり 石井秀一 風土 201912
かすかなる虫の音深くせり静寂 加藤静江 末黒野 202001
恋生まれしか虫の音のはたと止む 山岡和子 船団 202003
虫の音に公園の朝動き初む 稲畑廣太郎 ホトトギス 202010
虫の音や玄関静々いとまこふ 植村蘇星 京鹿子 202010
蝉の声夜はいつしか虫の音に 田中藤穂 あを 202010
虫の音のぴたりと止みし殺気かな 高橋将夫 202011
微かなる虫の音静寂なほ深く 加藤静汀 末黒野 202012
虫の音を風に聴きたく荒野まで 山西商平 ホトトギス 202102
勝ち誇る虫の音すごき三日の月 菊谷潔 六花 202102
虫の音のか細きソロや明け近し 山口郁子 末黒野 202104
虫の音を濡れ色に染め雨上る 稲畑廣太郎 ホトトギス 202109
高原の遠き虫の音闇深し 内山みち 末黒野 202111
虫の音や匠は人を黙らする 本多遊方 春燈 202112
今生の虫の音今宵はじまりぬ 藤原若菜 春燈 202201
虫の音を眠れぬ夜の友とせり 遠藤レイ 春燈 202201
幽かなる虫の音闇を深くせり 加藤静江 末黒野 202201
虫の音に流されてゆく時間かな 平井裕子 ホトトギス 202202
虫の音や一番電車の来る頃か 辻泰子 春燈 202211
虫の音や匠は人を黙らする 本多遊方 春燈 202212
虫の音の終の一声地に還る 稲畑廣太郎 ホトトギス 202211
虫の音に浸りつ家路はや暮れて 小山すみ子 末黒野 202212
虫の音を包む夕風出湯の里 高橋詩 202301
秋の暮れ虫の音絶えし山の宿 増田裕司 やぶれ傘 202302
かすかなる虫の音静寂深くせり 加藤静江 末黒野 202302
虫の音 →1

 

2023年9月13日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。