昼の虫 2     67句

その松とその道のべの昼の虫  富安風生  米寿前

  虫時雨  虫しぐれ  虫すだく  虫の声  虫の音

虫の闇  虫の夜  虫売  昼の虫  残る虫

作品
作者
掲載誌
掲載年月
もののふの倹しき厨昼の虫 工藤義夫 馬醉木 201612
曲家の土間なめらかに昼の虫 能勢俊子 馬醉木 201612
走り根の谷戸の小路や昼の虫 椎名文子 末黒野 201612
だみ声のひとつ混じりぬ昼の虫 南うみを 風土 201701
昼の虫止みて下校の子らの声 富田要 万象 201701
登り来て市街一望昼の虫 遠山のり子 201612
膝行し見上ぐる佛昼の虫 岸洋子 201701
ジオラマに荷風の昭和昼の虫 荒井千瑳子 201701
大神宮の酒樽ひそと昼の虫 都築繁子 201701
病室へ廊下づたひに昼の虫 森俊人 201702
塵一つなき参道や昼の虫 菅野日出子 末黒野 201702
一仕事してひと休み昼の虫 小沼ゑみ子 末黒野 201702
一仕事してひと休み昼の虫 小沼ゑみ子 末黒野 201704
昼の虫日差拒んでをりにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201709
曲者の誤植をさがす昼の虫 高橋道子 201710
昼の虫消え入りさうな尼寺かな 山田六甲 六花 201710
ふるさとの座敷の広し昼の虫 中村風信子 馬醉木 201711
谷戸歩き足をとどめて昼の虫 片岡さか江 末黒野 201712
悲話語り継がるる城址昼の虫 吉川隆 春燈 201712
訥弁も巻き舌もあり昼の虫 永澤千恵子 201801
本堂につづく廻廊昼の虫 藤原若菜 春燈 201801
大樽を据ゑたる石や昼の虫 山田佳乃 ホトトギス 201803
潮風の地を這ふ松や昼の虫 岸洋子 201801
日曜の雨の音階昼の虫 稲畑廣太郎 ホトトギス 201809
参道の幅を狭めて昼の虫 稲畑廣太郎 ホトトギス 201809
鴨山に人麻呂逝くと昼の虫 山田六甲 六花 201810
印南を淡路を望み昼の虫 山田六甲 六花 201810
庭下駄の一歩に鳴きやむ昼の虫 近藤紀子 201811
水軍の墓鶴翼や昼の虫 和田照海 京鹿子 201811
軟膏のふた見失ふ昼の虫 篠田純子 あを 201811
庭下駄の湿りてをりぬ昼の虫 兒玉充代 201902
蜑露地はまた行き止り昼の虫 森田明成 201905
昼の虫災禍を嘆くかに鳴けり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201909
百歳の寝釈迦の耳に昼の虫 山田六甲 六花 201910
街騒を過ぎたるあたり昼の虫 藤井美晴 やぶれ傘 201911
昼の虫豊後水道鳴き浄む 山田六甲 六花 201911
骨密度あぐる体操昼の虫 粟原公子 201911
角欠けしお百度石や昼の虫 谷田貝順子 201911
マンションの細き中庭昼の虫 橋本美代 やぶれ傘 201912
捌き筆窓辺に吊し昼の虫 池野つむぎ 馬醉木 201912
読み返す丘の墓碑銘昼の虫 佐川三枝子 201912
水引の結び目かたし昼の虫 高橋佳子 馬醉木 201912
昼の虫一人の食事すぐ終はる 高橋まき子 風土 201912
歩道まで声はすれども昼の虫 堺昌子 末黒野 202001
画材屋の横に板切れ昼の虫 瀬島洒望 やぶれ傘 202002
遠近を確かにしたる昼の虫 湯川雅 ホトトギス 202002
昼の虫夜の舞台を仕上げゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 202008
昼の虫夜を近付けてをりにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 202009
昼の虫夜の舞台を仕上げゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 202010
昼の虫風禍のレクイエム奏で 稲畑廣太郎 ホトトギス 202010
昼の虫鳴きゐるところ抜けてゆく きくちきみえ やぶれ傘 202010
横積みの書が雪崩れけり昼の虫 山田六甲 六花 202011
読み終へてしばし空ろや昼の虫 仙田孝子 風土 202011
読み返す丘の墓碑銘昼の虫 佐川三枝子 201911
四阿の軒よりミスト昼の虫 篠田純子 あを 202011
地図に無き路地こそ昭和昼の虫 高木嘉久 202012
なほ奥へ踏み入りがたし昼の虫 与田幸江 末黒野 202012
鐘楼の末広がりに昼の虫 笹村政子 六花 202012
高館に義経偲ぶ昼の虫 延川笙子 六花 202012
結願の錫杖きよめ昼の虫 有賀昌子 やぶれ傘 202101
音域を違へて鳴ける昼の虫 山田閏子 ホトトギス 202102
隅つこと言ふ居心地や昼の虫 角野良生 202105
寄辺無く昼の虫鳴く都心かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 202109
空壕の闇の一隅昼の虫 小張志げ 春燈 202112
框より見上ぐる賞状昼の虫 中田みなみ 202112
街騒を突き抜けてくる昼の虫 升田ヤス了 六花 202201
街路樹は都市のオアシス昼の虫 稲畑廣太郎 ホトトギス 202209
昼の虫日差を恋うてゐる音色 稲畑廣太郎 ホトトギス 202210
空壕の闇の一隅昼の虫 小張志げ 春燈 202212
本堂へ続く坂道昼の虫 大川暉美 末黒野 202301
坪庭にゆるき風あり昼の虫 石黒興平 末黒野 202302
昼の虫 →1      

 

2023年9月26日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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