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   初雪  雪折れ  雪国  雪籠  雪見

雪催  雪やどり  雪の精  豪雪

雪ふりに菊屋が酒のにほひ哉  金瓐

作品
作者
掲載誌
掲載年月
三夜降り身の丈尺余越えし雪 小林輝子 風土 201805
雪の日を選べるやうに犬逝けり 小林輝子 風土 201805
雪晴の白樺に日の余りたる 中杉隆世 ホトトギス 201805
街の色セピアに変へて雪しきり 石黒興平 末黒野 201805
雪三寸靴あとしるき朝の庭 堺昌子 末黒野 201805
自動ドアー雪連れて来るミニ喫茶 大内幸子 六花 201805
犬小屋の屋根にも薄く雪積る 平居澪子 六花 201805
道路鏡覆ひて夜半の雪はげし 小川玉泉 末黒野 201805
水つぽい雪を欄干より落とす きくちきみえ やぶれ傘 201805
降る雪や帰り支度に熱いお茶 篠原敬信 六花 201805
雪雲の城なき城を覆ひけり 笹村政子 六花 201805
ここらまで雪がと指して垣繕ふ 青谷小枝 やぶれ傘 201805
雪雫トタンにあたる音続く 白石正躬 やぶれ傘 201805
雪明り部活ををへし子の戻る 秋山信行 やぶれ傘 201805
気がかりは根雪の下の作り物 時澤藍 201805
パリ想ふ東京駅の雪景色 田中信行 201805
木々すり抜けて粉雪の時計台 庄司久美子 201805
ジャズ爆発ニューオーリンズに雪しまく 近藤紀子 201805
奉書紙今立はいま雪の中 加藤みき 201805
火の硝子吹けば七色雪しぐれ 石橋幾代 201806
雪の中バス根の国を行くごとし 山内碧 201806
塩の道ここに途切れて霏々と雪 深川淑枝 201806
剥製の狼に雪降りだしぬ 深川淑枝 201806
雪晴れやきらめいてゐる椿の葉 太田チヱ子 末黒野 201806
部屋の中明るくなりて雪景色 水谷直子 京鹿子 201806
草田男の雪も斯く降り続きしや 石黒興平 末黒野 201806
小吹雪が雪のしづるを誘へる 赤川誓城 ホトトギス 201806
山に雪ブックカフェの窓開く 坪内稔典 船団 201806
早く死ぬ老人が好き山に雪 坪内稔典 船団 201806
家壊す音の止みをり雪降りをり 土井三乙 風土 201806
望郷の猫も杓子も山も雪 陽山道子 船団 201806
しずり雪ほどの隙き問に国の影 阪野基道 船団 201806
降りつづく雪降り残す墓石かな 藤波松山 京鹿子 201806
冬の雪アンテナ壊し立去りぬ 藤波松山 京鹿子 201806
目ざめれば見渡す景色雪白し 水谷直子 京鹿子 201806
白き雪空からチラチラ降りはじめ 水谷直子 京鹿子 201806
アメリカの冬の天気や雪もやう 水谷直子 京鹿子 201806
雪の軽ろさ水の重さとなりにけり 亀井福恵 京鹿子 201806
三尺の雪と戦ひ疲れたり 太田チヱ子 末黒野 201806
雪見舞届きぬ雪の故郷より 下田奉枝 雨月 201806
大太鼓打つや震へる雪の嶺 田代貞香 201806
抜け道の露地に演歌のやうな雪 山田正子 201806
雪のせて沈んでゆきし錦鯉 西住三惠子 201806
雪来るか夜の柱のまた軋む 深川淑枝 201806
小便に起きて見入るや雪明り 柴崎和男 やぶれ傘 201806
わづかなる苆にも雪は積もりけり 柴崎和男 やぶれ傘 201806
雪溶けて部活始まる日曜日 神山市実 やぶれ傘 201806
そこここから雪割る音の昨日今日 神山市実 やぶれ傘 201806
引き揚げの海雪卍雪卍 角野良生 201807
老残の塵を戴く日陰雪 服部早苗 201807
縮緬は丹後の雪の重さかな 角野良生 201807
県境の根雪に落花又落花 岡田桃子 201807
流金の鰭すきとほる夜の雪 大沢美智子 旬日 201808
雪回廊巡るバス旅五月来る 鍋島武彦 末黒野 201808
あしたもう見られぬさくら吹雪かな 芝田幸惠 末黒野 201808
雪の峰旧軽井沢に芭蕉の碑 須賀敏子 あを 201808
雪がつむ猥雑な色消しながら 松本秀一 船団 201809
初雪や抒情の調べはじまりぬ 松永みよこ 船団 201809
雪道にイケメンモデル靴汚し 三池しみず 船団 201809
成層圏より地吹雪見えますか 三宅やよい 船団 201809
雪の下増えきて庭の庭らしく 志方章子 六花 201810
郵便夫雪の匂ひをまとひ来る 小原芙美子 風土 201811
山に雪旅路の帰路の華やげる 稲畑汀子 ホトトギス 201811
旅の帰路彩る山の雪見つつ 稲畑汀子 ホトトギス 201811
山に雪来たるを見つつ急ぐ帰路 稲畑汀子 ホトトギス 201811
雪になるかも知れぬ旅心して 稲畑汀子 ホトトギス 201811
雨雪になりさうと聞き旅にあり 稲畑汀子 ホトトギス 201811
糸繰りの十指せはしき雪の朝 布施政子 馬醉木 201812
雪しんしん電話を切りて眼つむれば 西川織子 馬醉木 201901
峰に雪塩田平はいとほしき 石森理和 あを 201901
ふたたびを雪の解けざる東京に 稲畑汀子 ホトトギス 201901
雪の齟齬ありしと聞くも朝のこと 稲畑汀子 ホトトギス 201901
六甲の雪に規制のある山路 稲畑汀子 ホトトギス 201901
待つ心どこかにありて雪の朝 稲畑汀子 ホトトギス 201901
雪掘つて火の匂ひなす蕗の薹 神蔵器 風土 201901
降る雪の音のとどきて鯉眠る 神蔵器 風土 201901
君だけが狙はれてゐる雪礫 稲畑廣太郎 ホトトギス 201901
つながりし電話が告げてをりし雪 稲畑汀子 ホトトギス 201901
雪の地へ帰る旅路の無事祈る 稲畑汀子 ホトトギス 201901
雪降りしその後解けざる日々いくつ 稲畑汀子 ホトトギス 201901
雪降るや空気しづかに重くなる 内山花葉 201901
雪掻きす白にとてつもなき重さ 望月晴美 201901
雪来るか越の空突く高梯子 森岡正作 201901
鶏鳴けり雪の電車の棚の上に 水原秋櫻子 馬醉木 201901
雪を待ち屋根の勾配能登瓦 定梶じょう あを 201902
初雪や過ぎしひととせ隠したる 七郎衛門吉保 あを 201902
伊吹山越ゆれば雪の景となり 柿沼盟子 風土 201902
峠まで雪の来てゐる花背村 栗坪和子 201902
大根引く雪の遠嶺に背を向けて 谷村祐治 雨月 201902
新雪の遠山大き樽洗ふ 中田禎子 201902
無バッハよ雪の夜の深さかな 水野恒彦 201902
吹雪く夜や火影に越前竹人形 夏生一暁 馬醉木 201902
山寺の根雪一気や冬椿 服郎鹿頭矢 馬醉木 201902
雪一片胸にとどめて神父老ゆ 丹羽啓子 馬醉木 201902
丸き背に病名告げらる雪降る日 中山未奈藻 201902
初雪やカメラレンズに山迫り 市ヶ谷洋子 馬醉木 201902
都鳥水布浪布雪の布 佐藤喜孝 あを 201902
躬の内のどこか光った雪の朝 佐藤喜孝 あを 201902
網結けば電気の球の納屋に雪 定梶じょう あを 201902
なまはげが来るぞこれほど雪積めば 増成栗人 201903
雪 →56

 

2022年1月29日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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