雪折れ    96句

雪折も聞えてくらき夜なる哉   蕪村

作品
作者
掲載誌
掲載年月
雪折れの竹に隠るる墓いくつ 山田弘子 春節 199503
雪折の谺のあとの杉匂ふ 岡本明美 春耕 199903
雪折の赤松にほひ止まぬなり 児玉輝代 199904
雪折れの生木の匂ひ喪に急ぐ 山田夏子 雨月 199905
雪折の清しき木の香身にまとふ 小菅暢子 200005
雪折れてまだそのままや宮内庁 丸山佳子 京鹿子 200103
雪折れの一幹を杉囲みをり 鈴木まゆ 馬醉木 200104
郵便夫一字の雪折り返す 鈴木まゆ 馬醉木 200104
雪折やいま尾長鳥群れ立ちぬ 前川みどり 春耕 200104
雪折れの竹の音する夜更かな 加澤嘉孝 春耕 200104
雪折やかの世の枝の腥き 中原道夫 銀化 200104
雪折の椴松の香や露天の湯 岡田貞峰 馬醉木 200105
雪折れの幹枝々に支へられ 杢子安子 200105
大櫟真つ逆さまに雪折す 山田弘子 円虹 200106
沢こだま雪折れ竹の匂ひけり 鈴木恭子 200204
背戸の土手土止竹も雪折れす 八木葉子 酸漿 200204
素描めく雪折れにほふ杉木立 池元道雄 馬醉木 200205
雪折の竹の匂ひの真新し 長沼三津夫 200206
雪折れし一枝の塞ぐ女坂 岩崎皓子 雲の峰 200302

 悼 伊住政和様

雪折の若木の力惜みけり

稲畑汀子 ホトトギス 200302
灯ともして雪折の音と気づくなる 村上一葉子 200303
雪折を聞きしよりこのていたらく 土井田晩聖 銀化 200303
雪折竹淘汰と言へば栓も無き 能村研三 200403
雪折の数にたぢろぐ作務はじめ 藤原照子 余韻 200403
めりめりと雪折れの竹音立つる 植竹美代子 雨月 200405
雪折れの谷川かかるけもの橋 丸山冬鳳 京鹿子 200407
雪折の音四方より夜を深む 長田秋男 酸漿 200503
雪折れの真竹にこゑをかけ通る 林裕子 風土 200504
雪折れの松に紅さす夕茜 梶川智恵子 200504
雪折れの幹に紅はしりけり 中村房子 馬醉木 200505
雪折れの桜老樹を前にして 服部早苗 200507
雪折の音竹林の闇を裂く 小島左京 ホトトギス 200509
雪折のこだま灯落とす里々に 豊田都峰 京鹿子 200603
丹後路や雪折れ杉の数知れず 片山喜久子 雨月 200604
雪折れの海棠咲けり二つ三つ 山形悦子 万象 200608
雪折といふ一瞬の木の叫び 長山あや ホトトギス 200705
雪折の枝をごつたに御所ケ谷 百瀬七生子 海光 200705
雪折の枝すさまじき大江山 岩木茂 風土 200705
雪折れの谺の中に武田菱 木山杏理 京鹿子 200707
雪折に杉の千年幕閉ぢる 稲畑廣太郎 ホトトギス 200801
雪折に皮一枚の生きてをり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200801
雪折の弾け嵯峨野にこだまかな 高谷栄一 200804
雪折れの竹の悲鳴や夜の静寂 隅田享子 200805
雪折のつづけざまなる露天風呂 谷村祐治 雨月 200805
雪折れの水仙それでも咲いて見せ おかたかお 200806
藪の黙破り雪折竹どつと 吉田節子 ホトトギス 200807
渾身の力及ばず雪折す 吉田節子 ホトトギス 200807
雪折の命のあかし掌に残る 吉田節子 ホトトギス 200807
雪折とならず戻つてをりし竹 稲畑汀子 ホトトギス 200902
雪折れの灌木多し鯖街道 竹内悦子 200904
雪折の音するばかり奥吉野 阿布里唯 炎環 200904
雪折や安達太良山の青き空 小熊幸 炎環 200904
雪折の木霊に暮るる雲母坂 三嶋隆英 馬酔木 200905
雪折の音と分りしまでのこと 稲畑汀子 ホトトギス 201001
雪折の一枝ならざる明るさよ 稲畑汀子 ホトトギス 201001
雪折のまんさくに花をどりをり 阿部ひろし 酸漿 201003
雪折れの水仙にある蘇生術 辻直美 201004
雪折の生木が匂ふ逢魔刻 北川英子 201103
雪折れのアロエを起こす松の内 坂口夫佐子 火星 201104
雪折れの松の齢の百余年 森屋慶基 風土 201105
境内の雪折斯くもかくもかな 宮原悦子 雨月 201105
雪折の片付け作務のつづく日々 宮原悦子 雨月 201105
防風林松の雪折修羅をなす 宮原悦子 雨月 201105
ぱんぱんと雪折れ竹の鳴る母郷 吉村摂護 201106
雪折れの枝を呑みこむ雪解川 濱谷和代 万象 201106
雪折れの椿大樹の暦日を 川村欽子 雨月 201106
雪折れの傷に突つ込む吹雪かな 布川直幸 201202
雪折れの谺の祖谷の温泉にあり 池田倶子 雨月 201202
雪折れの竹の上の天ぬけゐたり 河崎尚子 火星 201203
雪折れも聞えて暗き露天風呂 吉成美代子 あを 201203
そこここに雪折のある陽射しかな 松本周二 かさね 201204
雪折れを杖に西行庵遠し 石垣幸子 雨月 201204
雪折の竹はげしかり鳥立ちぬ 石田阿畏子 馬醉木 201205
雪折れの始末に寺苑おほわらは 宮原悦子 雨月 201205
雪折れを踏んで殺生石あたり 安藤久美子 やぶれ傘 201206
雪折れの竹ふかぶかと辞儀をせり 鈴木セツ 201303
雪折れの折れ目の痛みまざとあり 大畑善昭 201303
雪折の八ツ手の枝の生々し 高橋あさの 201303
雪折のひびく夜更や漆塗 高島鶏子 馬醉木 201305
雪折の竹に日の射す朝かな 松本正生 やぶれ傘 201306
国引きのごと雪折をひきずり来 原友子 201405
雪折れの枝の断面茜さす 橋本順子 201405
雪折れの松の脂玉太りけり 久染康子 201405
雪折れの小枝一輪猪口に挿し 神山市実 やぶれ傘 201406
雪折れの深き生疵遺愛の木 笠井敦子 201405
真夜響く雪折れ杉のいのちの音 佐川三枝子 201504
雪折れの杉の匂へる居久根かな 小林輝子 風土 201505
雪折れの竹に行く手を遮られ 國保八江 やぶれ傘 201506
雪折れの松の匂へる雛納 大沢美智子 201705
雪折の松の香りや奥の院 鈴木静恵 春燈 201804
雪折の音人声と聞く夜更 稲畑廣太郎 ホトトギス 201811
雪折れと言ふ軒折れも続発し 池田崇 202104
雪折れの音に眠れぬ一夜かな 土江比露 春燈 202105
闇ふるはせて雪折れの竹の音 南うみを 風土 202204
雪折れの葱を甘しと帰郷の子 原友子 202208
雪折れの枝にやさしく春の雪 相川健 202210

 

2023年1月16日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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