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   初雪  雪折れ  雪国  雪籠  

雪見  雪催  雪やどり  雪の精  豪雪

作品
作者
掲載誌
掲載年月
雪熄めり歩きて星をひとりじめ 西村梛子 馬醉木 201403
窓に雪ふるさとの雪新年会 坪内稔典 船団 201403
息ひそめ地に伏す礎石雪の朝 狭川青史 馬醉木 201403
太棹の撥の勢ひ夜の雪 福島茂 201403
どさどさと雄心覚ます屋根の雪 能村研三 201403
貯木場音無く雪の匂ひけり 野坂民子 馬醉木 201403
天帝の一喝雪の舞ひ来たる 池内結 ろんど 201403
降る雪の心音を聴く深山里 石川寿夫 ろんど 201403
つごもりや雪積む国の蕎麦とどく 三枝正子 万象 201403
雪降り来たちまち白く変身す 菅野蒔子 末黒野 201403
雪の津軽0番線に乗り替へる 和田照海 京鹿子 201403
雪くるか大釜の辺に薪積まれ 西村節子 火星 201403
初旅や湖に降る雪眺めつつ 岡本尚子 風土 201403
初冠雪もう登れざる山ばかり 宮井知英 201403
林中の雪のしづれのささ破れ 豊田都峰 京鹿子 201403
出涸らしの茶に雪暗のつのりけり 山田美恵子 火星 201403
望郷の胸を濡らせりしづり雪 コ田千鶴子 馬醉木 201403
粉雪の舞軽やかにアン・ドゥ・トゥア 松田和子 201403
背負ひたる思ひ浄むる雪の峰 伊藤厚子 ろんど 201403
駅伝を寿ぎたる比叡雪化粧 谷口俊郎 201403
降る雪や征露記念の石燈籠 鎌田悟朗 ろんど 201403
一献を父へ供ふや雪の庭 永島雅子 春燈 201404
ぽつかりと深雪の底の泉かな 玉田瑞穗 万象 201404
バスの窓拭へば生るる雪景色 難波篤直 201404
ふところの中にも雪が湯もみ唄 秋葉貞子 やぶれ傘 201404
一人ゐてどこかで雪のドサと落つ 吉成美代子 あを 201404
綾取りの額寄せ合ふ雪明り 久保東海司 201404
雨いつか雪になりたる港町 野村鞆枝 京鹿子 201404
ランナーの越えし路肩の雪の嵩 安斎久英 末黒野 201404
もう帰らぬふるさと雪の深からむ 土井三乙 風土 201404
ひと夜さの弥山の雪や浦の凪 水田壽子 雨月 201404
みづうみも湖西の岸も雪に消ゆ 中原吟子 雨月 201404
湯煙の大湧谷や雪時雨 池谷鹿次 末黒野 201404
陶土うつ手力峡の深雪晴 高瀬史 馬醉木 201404
今夜また無言の便り積る雪 鎌田慶子 末黒野 201404
遠峯にまだ雪あらず都鳥 林範昭 火星 201404
往時偲ぶ雪合戦の園児等に 仁平則子 201404
入浴剤シュワッと溶けて外は雪 藤井美晴 やぶれ傘 201404
屋根よりの落雪響く朝の床 笠井清佑 201404
三歳経し霊還り来よ雪あかり 池元道雄 馬醉木 201404
買物はパンと決めたり雪の道 早崎泰江 あを 201404
あたりしづめし山門の垂り雪 坂口夫佐子 火星 201404
発砲のあときらきらと雪しづり 南うみを 風土 201404
飛雪払へば裾は吹浦ふくらの砂まじり 渕上千津 201404
市果てて魚屋花屋と雪の染み 工藤ミネ子 風土 201404
師を見舞ふ心句碑まで雪を踏み 中原吟子 雨月 201404
ざくざくと雪を踏みしめ夜の道 鈴木江奈 201404
試験日のお清めほどを雪降れり 吉田政江 201404
粉雪や都会の朝に音はなく 土井久美子 201404
埋め処の棒を越えんと雪しんしん愛犬死す 石坂比呂子 末黒野 201404
満月の雪の予報の空にあり 松村光典 やぶれ傘 201404
花子は象千の言葉で雪に立つ 佐藤喜孝 あを 201404
手に手取り湯にゆく瞽女や雪明り 三屋英俊 万象 201404
手元にも雪降る雪中田植かな 工藤ミネ子 風土 201404
朱鷺来しと噂広がる雪の街 坂根宏子 野山の道 201404
夜の雪駅の時計の針の位置 今井弘雄 春燈 201404
夜は雪の瓦礫を戻る落し蓋 柳本渓光 末黒野 201404
冬の雨雪の予報は裏切られ 松村光典 やぶれ傘 201404
厚揚げに舌焼く夕べ雪が降る 田中藤穂 あを 201404
県民歌流るる雪の市果てる 工藤ミネ子 風土 201404
雪晴れや背伸びしてゐる庭の松 松嶋一洋 201404
雪載せし併走貨車の岐れゆく 松井志津子 201404
雪しぐれへぎ蕎麦囲む老舗かな 坂根宏子 野山の道 201404
雪しづる峠や白き日つつみ 豊田都峰 京鹿子 201404
清々し雪一色の峡の里 羽賀恭子 201404
真夜どよもす飛雪や衿を正したり 渕上千津 201404
新聞と三センチほど今朝の雪 鎌田悟朗 末黒野 201404
谺する湯桶の音や雪穂高 布川孝子 京鹿子 201404
与謝はいま大雪なるか蕪村の忌 原田しずえ 万象 201404
裸婦像の眼ざしに雪しづりけり 山田美恵子 火星 201404
粛々と雪積む中や大試験 水原春郎 馬醉木 201404
旅三日雪の城崎外湯巡る 重田修 末黒野 201404
界隈の雪深き里となりにけり 赤座典子 あを 201404
連日の遅配の詫び状雪垂 赤座典子 あを 201404
老犬が老人を曳く雪の道 松嶋一洋 201404
穢れなき雪後の天や雲白き 松本三千夫 末黒野 201404
箒目の残れる雪や馬の墓 玉田瑞穗 万象 201404
滑る雪お互い無言弥次郎兵衛 鎌田慶子 末黒野 201404
あかときの雪の伊吹嶺こがね色 井口淳子 201404
深入りて雪韻まとふ森のカフエ 塩貝朱千 京鹿子 201404
真白なる雪にも優る一枚の絵 水谷直子 京鹿子 201404
真夜中のモノクロ映画外は雪 大川ゆかり 201404
義経の舟出し浜や粉雪舞ひ 難波篤直 201404
喫茶去に膝を寄せたる雪しぐれ 多田文子 201404
久々の雪に来ぬバス戸惑ひぬ 笠井清佑 201404
虚子句碑に一礼雪の高野去る 樺山翠 雨月 201404
たたなづく奥羽山脈雪深し 羽賀恭子 201404
星生る雪に兎の跳ねし跡 浜口高子 火星 201404
声の無き真赤な小屋に雪しきる 石坂比呂子 末黒野 201404
昔話雪の近江に数多く 中原吟子 雨月 201404
雪しぐれ地上の音を吸ひつくす 大木清美子 201404
雪しづり詠めば余命の軋みけり 渕上千津 201404
雪しづるひとすぢ茅葺きの昼 豊田都峰 京鹿子 201404
雪しまく旧海軍の赤煉瓦 辻知代子 201404
雪に発ち雪に戻りて旅はじめ 土井三乙 風土 201404
雪の降る枕木の道行きにけり 有賀昌子 やぶれ傘 201404
雪の宿蟹買う朝の赤財布 山根征子 201404
雪の中鵯の声透き通る 早崎泰江 あを 201404
雪の舞ふ蟹の朝市人溢れ 重田修 末黒野 201404
雪の夜や窓の灯映ゆる白川郷 永島雅子 春燈 201404
雪一面庭の明かりは隣から 石原健二 やぶれ傘 201404
雪警報解けて故郷へ向かふ道 坂根宏子 野山の道 201404
雪降れば何より転倒怖い齢 鎌田慶子 末黒野 201404
雪合戦を語るばあちゃん武勇伝 大堀賢二 201404
雪深とサスペンスめく街となり 森下康子 201404
雪晴や親しき位置にひもすどり 工藤ミネ子 風土 201404
雪積むや類人猿の如く往く 野村鞆枝 京鹿子 201404
雪舞ふをしばし見とれて夢心地 原田たづゑ 春燈 201404
雪明り藁稭長者の塀の白 西村滋子 京鹿子 201404
貸衣裳ぬらし雪中成人式 上家弘子 末黒野 201404
喧騒も汚れも消して雪霏霏と 野村鞆枝 京鹿子 201404
大雪に生木の裂けのとどまらず 大日向幸江 あを 201404
大雪や潤む灯火白き凪 水谷直子 京鹿子 201404
滝裏の雪に残れるけもの跡 石垣幸子 雨月 201404
故郷は予報通りの雪の景 坂根宏子 野山の道 201404
恥かしや湯の岳初の雪帽子 松嶋一洋 201404
湖風に雪さらさらと野をまろぶ 塩路隆子 201404
猪臭し猪曳ずりし雪もまた 南うみを 風土 201404
ある高さより雪片のかたち見ゆ 熊川暁子 201404
朝市や雪諸共に棹秤 阪本哲弘 201404
御近所のみんな親切雪の朝 田中藤穂 あを 201404
甲冑をでんと据ゑたる雪の宿 阪本哲弘 201404
にはとりを脇がかへに来雪のひま 山尾玉藻 火星 201404
降り積る雪、雪地球重くなる 池内結 末黒野 201404
降る雪は女の肌の透けるごと 羽賀恭子 201404
しぶしぶと雫となりぬ屋根の雪 黒澤登美枝 201404
茨線の雪ほろと落ちぽろと落つ 大崎紀夫 やぶれ傘 201405
はらと雪ふりそめてみるみるうちに 山西商平 ホトトギス 201405
ビル風に舞ふ雪の呑む鴉かな 西川みほ 末黒野 201405
もう少しあともう少し雪の屋根 鎌田悟朗 ろんど 201405
塔包む雪に舞ふ音なかりけり 小川玉泉 末黒野 201405
灯を奪ひ雨戸を鳴らす雪の精 小川玉泉 末黒野 201405
日の渡る厚き雪被し家並かな 菅野蒔子 末黒野 201405
入院のベッドにて問ふ雪の嵩 市川玲子 春燈 201405
この雪も孫へ合格祝ひなる 土屋実郎 末黒野 201405
屋根の雪落ちて静寂のなほ深む 菅野蒔子 末黒野 201405
音のして古き暗渠の雪濁り 神戸京子 ろんど 201405
白銀の神の造形雪景色 平井紀夫 201405
碑前祭明日に母郷の雪の宿 上家弘子 ろんど 201405
姿よき枝を一つに松の雪 中山良子 末黒野 201405
風紋の著けき雪野日矢眩し 吉田久子 万象 201405
試し撃つスペンサー銃深雪晴れ 布川孝子 京鹿子 201405
亡き夫のすべるなに覚め雪の朝 西川みほ 末黒野 201405
亡き夫の夢に覚めけり雪の夜 大橋伊佐子 末黒野 201405
暴れ雪日本列島席捲す 上家弘子 ろんど 201405
捨てられて白き砦となりて雪 山田暢子 風土 201405
捨て雪の流るる水の冥さかな 河村啓花 ろんど 201405
明るげにして辛さうな雪の彩 石坂比呂子 ろんど 201405
花頭窓に嵌りて庭の松の雪 杉山瑞恵 雨月 201405
シクラメン廊下に充つる雪後の日 小川玉泉 末黒野 201405
週末の朝森閑と深雪晴 小川玉泉 末黒野 201405
乱世の大雪となる毘沙門天 大坪景章 万象 201405
立山に雪積む貴人畳かな 竹内悦子 201405
両隣り雪の多さを挨拶に 石坂比呂子 ろんど 201405
路地は雪鉄瓶鳴りて茶の香り 神田惣介 京鹿子 201405
外灯の消えては点り雪止まず 小川玉泉 末黒野 201405
垣に積む雪の象形文字よむ 酒本八重 201405
楮晒す雪より白くなれかしと 室伏みどり 雨月 201405
粥噴きて窓さらさらと雪くるか 上野紫泉 京鹿子 201405
小樽運河らふそく明かりの雪景色 落合裕子 万象 201405
甘露煮の火のとろとろと雪しまく 茂木なつ 春燈 201405
新居得て深雪の嵩を計りけり 相澤和子 ろんど 201405
寄り道をしながら太る雪まろげ 田丸千種 ホトトギス 201405
帰宅せり眼鏡の縁に雪のせて 北本奈津子 万象 201405
深雪晴れ小屋離れたる孔雀かな 小泉欣也 ろんど 201405
深雪漕ぐ老犬荒き息遣ひ 吉田久子 万象 201405
真昼とも紛ふ深夜の雪あかり 中山良子 末黒野 201405
吹き込みし雪や隙間のありどころ 菅野蒔子 末黒野 201405
郷愁の加賀や降り積む今朝の雪 大松一枝 201405
郷土誌を読み耽る夜雪しまき 大霜朔朗 末黒野 201405
積む恥の隠れてしまふ雪の嵩 石坂比呂子 ろんど 201405
雪あかり野面や月の沙漠とも 茂木なつ 春燈 201405
雪かぶる白虎隊の墓城遙か 布川孝子 京鹿子 201405
雪しづる白猫の飛び降りしかに 升田ヤス子 六花 201405
雪しまく本郷は坂多き町 上谷昌憲 201405
雪しんしん木々に一夜のオブジエかな 安永圭子 風土 201405
雪のあと知人のやうな陽を賜ふ 酒本八重 201405
雪の坂ペンギンの歩となりにけり 芝田幸惠 末黒野 201405
雪の朝しじまの包む街となり 桂敦子 201405
雪の日のジヤズのながれる定食屋 畑佳与 京鹿子 201405
雪の夜の溲瓶銀河の音のする 山田暢子 風土 201405
雪の夜はらんぷが欲しくなりにけり 山田暢子 風土 201405
雪の夜騒ぐ鴉や終夜 藤波松山 京鹿子 201405
雪激しバレンタインの日なりけり 小川玉泉 末黒野 201405
雪激し朝より煮込むカレーの香 芝田幸惠 末黒野 201405
雪降るは遠くの方がよく見ゆる 飛高隆夫 万象 201405
雪止まぬ空の暗さや深爪す 佐藤弘香 ろんど 201405
雪上がり鷽鳴き合へる雑木山 林陽子 万象 201405
雪深々ナースの所作のてきぱきと 市川玲子 春燈 201405
雪晴といふ太陽の上機嫌 菅谷たけし 201405
雪晴の牛ながながと鳴きにけり 内海良太 万象 201405
雪浴びて山山ぐつと近づきぬ 芝田幸惠 末黒野 201405
雪霏々と御高祖頭巾の祖母の影 上家弘子 ろんど 201405
前人の跡を跳び行く雪の道 松本文一郎 六花 201405
兄逝きて雪のふるさとひたまぶし 石井耿太 火星 201405
蒼穹に雪の大山耀へる 宮原悦子 雨月 201405
息つめて鶴の目を描くしづり雪 浜口高子 火星 201405
月光をこぼし檜皮の雪雫 高久正 201405
うつくしき言葉を探す雪の日は 中山純子 万象 201405
てのひらに雪の結晶みなちがふ 飛高隆夫 万象 201405
雪→ 45      

2020年12月26日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。