43      200句

   初雪  雪折れ  雪国  雪籠  雪見  雪催  雪やどり  雪の精  豪雪

作品
作者
掲載誌
掲載年月
神宿す松に雪あり情けあり 谷村幸子 201305
上杉領覆ふ生絹の艶の雪 池内結 ろんど 201305
餌台に雪の残れる翅音かな 杉浦典子 火星 201305
ひとつぶの恋が沈みぬ雪の海 松田都青 京鹿子 201305
一閃の雷にはじまる雪旋風 不破幸夫 馬醉木 201305
雨が雪そして百%雪 菅谷たけし 201305
一と色の雪のつくりし雪景色 大橋弘子 末黒野 201305
ふる里の風情を醸す雪並木 中川すみ子 201305
隠したきものの数々粉雪舞ふ 福永尚子 ろんど 201305
黒砂糖一キロ削る雪積む夜 田部井幸枝 201305
湯宿出て総身雪に恵まるる 久保東海司 201305
根雪道鴉の嗤ひ声聞こゆ 田中貞雄 ろんど 201305
日がな日の当らぬ田面雪深き 堺昌子 末黒野 201305
餅を焼く根雪の底の土如何に 古川忠利 ろんど 201305
夕日さす丹波の山の雪の襞 能勢栄子 201305
窯出しの陶を浄めの雪降りぬ 不破幸夫 馬醉木 201305
里人の護る観音雪明かり 山口キミコ 201305
留萌線終着駅に積もる雪 田中信行 201305
旅人が今日も雪かと尋ねけり 山本達人 かさね 201305
いつまでも雪の残りて村社裏 大西八洲雄 万象 201305
篁に雪降り込めり実朝忌 宮川みね子 風土 201305
繚乱の雪美しき恐ろしき 安斎久英 末黒野 201305
み言葉のやうに雪降るチャペルかな 岩岡中正 ホトトギス 201305
むささびか猿かこゑする雪月夜 高島鶏子 馬醉木 201305
助け合ふぬくもりありて深き雪 松木清川 ぐろっけ 201305
焼林檎白磁におかれ雪夜窓 丸井巴水 京鹿子 201305
常宿に湯花の泳ぐ雪のひま 鈴木石花 風土 201305
機音のひびいてゐたる雪の村 小川凉 201305
深雪晴れ常より広き宅地跡 今泉あさ子 末黒野 201305
深雪道踏む術聞きし夫の亡き 西川みほ 末黒野 201305
あかるさは雪後の月の空より来 熊谷ふみを ろんど 201305
身を癒す露天の風呂に雪の舞 高屋登喜子 201305
共に老い話はながし雪のよる 長憲一 201305
カリヨンの鳴りつづく街雪が降る 有本惠美子 ろんど 201305
雪あかりほのと象牙の仏さま 山路紀子 風土 201305
雪なだれ語り部は声潜めけり 佐藤信子 春燈 201305
雪のひま藁の結び目燃えのこり 坂口夫佐子 火星 201305
雪の坂褄取り下る二十歳の子 岩上行雄 末黒野 201305
雪の朝細き轍を譲り合ふ 浅岡麻實 末黒野 201305
雪の庭沢庵石も景となり 浅岡麻實 末黒野 201305
雪の夜の話はいつもさかのぼる 岩岡中正 ホトトギス 201305
雪詠みし師の句父の句選び読む 中原敏雄 雨月 201305
雪降るや清水一角すぐきられ 岸千手 201305
雪深しん晴着のはたち躊躇へる 今泉あさ子 末黒野 201305
雪晴の鳶の目にある山河かな 菊川俊朗 201305
雪道を歩く一通の封書持ち 山内碧 201305
雪白川ささらへ合はす口三味線 遠山みち子 201305
雪片のこれぞフーガや追ひ追はれ 内藤呈念 ホトトギス 201305
雪霏々と時に昭和の復興期 笹井康夫 201305
熊笹の一と葉吹かるる暮雪かな 不破幸夫 馬醉木 201305
存分な温泉と存分に降る雪を 久保東海司 201305
村里にほどよき雪の蛇綱かな 大竹淑子 風土 201305
肩甲骨肋骨雪も消えはじむ 大畑善昭 201305
てんしきや一枚肋に雪が降る 中島陽華 201305
大雪や振袖のひとブーツ履き 滋野暁 末黒野 201305
大雪や童心やがて恐怖心 入江節子 ろんど 201305
托鉢の僧一列に雪に消ゆ 長憲一 201305
とめどなき雪の雫のオルゴール 中村ふく子 201305
朝の雪きしきしと踏み投函す 土井ゆう子 風土 201305
朝の日にまばゆく雪の浅間山 橋場美篶 末黒野 201305
町すべて見ゆるわが家の雪卸す 園部蕗郷 春燈 201305
田舎バス待つ雪礫投げ合うて 大西八洲雄 万象 201305
にはとりの止まり木高き雪月夜 小林のり人 春燈 201305
ぬばたまの闇に雪積む母忌日 宮崎紗伎 春燈 201305
降る雪や池へ磯馴(そな)るる男松 瀬島洒望 やぶれ傘 201305
襖また動かず雪を卸さねば 安原葉 ホトトギス 201306
堅雪野いまだしたたか一考忌 土屋草子 ろんど 201306
雪襖丈余にひろぐ空蒼き 上家弘子 ろんど 201306
象連れて明日来やがれ、おっ雪だ 坪内稔典 船団 201306
百姓一揆の昔を今に残ン雪 滝沢幸助 春燈 201306
東京の雪積み列車みちのくへ 西川みほ 末黒野 201306
堂暗く廊なほ暗し寺深雪 安原葉 ホトトギス 201306
最徐行したるに雪の七曲り 河野美奇 ホトトギス 201306
日を弾く雪より生れし座禅草 田中佐知子 風土 201306
屋根の雪どすんと落ちて忌日なる 田中一美 ろんど 201306
山に雪醤油おかきの三枚目 陽山道子 船団 201306
怖づ怖づと身に添ふ歩幅深雪道 西川みほ 末黒野 201306
羅漢さま頭の雪をそのままに 白石正躬 やぶれ傘 201306
六十日雪階上がる暮しかな 佐藤淑子 201306
生木裂くムンクも絶句重い雪 鎌田慶子 ろんど 201306
雪が舞うカナダヘ手紙書く手筈 陽山道子 船団 201306
雪に生れてほむらのごとし座禅草 田中佐知子 風土 201306
雪の日暮はちちが過ぎははが過ぐ 水野恒彦 夢寐 201306
雪の夜はヴィエナの街を飲み歩く 松村光典 やぶれ傘 201306
雪卸す音にも雨の重さかな 安原葉 ホトトギス 201306
雪積みて刻失ひぬ花時計 西川みほ 末黒野 201306
大雪や遺跡半ばの小さき村 鎌田悟朗 ろんど 201306
降る雪に偲ぶ人ある秋田かな 藤井啓子 ホトトギス 201306
叔父の葬裾を端折りて雪の道 村田とくみ ぐろっけ 201307
渋滞の堀川通り北は雪 吉田光子 ぐろっけ 201307
寄せ植ゑの赤藍黄花雪のせて 村田とくみ ぐろっけ 201307
虚子言ひし雪の小諸を住み憂しと 木村享史 ホトトギス 201307
雪しまく青き太陽中空に 江見悦子 朴の青空 201307
駆逐艦雪風スコールに消ゆる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201307
雪霏々と四辺をとざす独りつきり 山本敏子 ぐろっけ 201307
父の雪袴しつかと庭弄り 尼嵜太一郎 ぐろっけ 201310
老ひとり雪のしらせの身に迫る 竹貫示虹 京鹿子 201311
日本海忽ち消して雪の靄 稲畑汀子 ホトトギス 201311
さつきまで雪の大山見えてゐし 稲畑汀子 ホトトギス 201311
雪しまき表情二転三転す 稲畑汀子 ホトトギス 201312
もう逢へぬ雪の別れとなりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 201312
高原の雪の夜明となりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 201312
この雪を喜んでゐて帰路忘れ 稲畑汀子 ホトトギス 201312
舞ふ雪の積る心のありそめし 稲畑汀子 ホトトギス 201312
止みさうに止みさうに雪つのりをり 稲畑汀子 ホトトギス 201312
魔物とも魔法使ひかとも雪よ 稲畑汀子 ホトトギス 201312
又逢ふを約せし彼の雪の葬 稲畑汀子 ホトトギス 201312
萬華鏡幼なき雪の日も見ゆる 瀧春一 花石榴 201312
九州に雪連れて来し雨男 稲畑廣太郎 ホトトギス 201312
雪の舞ふ辺りが由布と案内人 稲畑汀子 ホトトギス 201312
足湯する秋岳の雪仰ぎつつ 片岡久美子 201312
太陽と雪の共存ある山路 稲畑汀子 ホトトギス 201312
後ろ髪雪に引かれてをりにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201312
天国に近しと思ふ雪の嶺々 稲畑廣太郎 ホトトギス 201312
常闇に鏡管玉雪が降る 柴田佐知子 201401
東京の雪の予報を聞いて寝る 稲畑汀子 ホトトギス 201401
ふるさとは山国雪の来るころか 土井三乙 風土 201401
めでたしや湖に降る雪青く 山田六甲 六花 201401
東京の雪の消息聞くばかり 稲畑汀子 ホトトギス 201401
灯ともせば百鬼しりぞく雪の底 柴田佐知子 201401
日が燥ぐアルミ車輛の雪あした 峰崎成規 201401
「冠雪」とメールで届く世界遺産 秦和子 201401
連れ添うてをり雪片は雪片と 千田敬 201401
雪となり来しと気づけば止んでをり 稲畑汀子 ホトトギス 201401
雪となる前に帰りてをりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 201401
雪交りそめお降でありしかな 稲畑汀子 ホトトギス 201401
雪凍ててゐる東京へ旅予定 稲畑汀子 ホトトギス 201401
雪道を転べば分る歩き方 稲畑汀子 ホトトギス 201401
あらためて山立ちあがる初冠雪 岡部玄治 201401
元朝の雪は常よりやはらかし 高橋将夫 201401
とりけもの踏みし池底雪くるか 山尾玉藻 火星 201401
港に灯いつしか窓の桟に雪 大崎紀夫 やぶれ傘 201401
転びても転びてもまだ雪の道 稲畑汀子 ホトトギス 201401
ねえねえと呼ぶ君のこゑ山に雪 井上石動 あを 201401
雪降り来カッターナイフの刃を折れば 林昭太郎 201402
謹むに似て大雪の麓の灯 ほんだゆき 馬醉木 201402
狛犬の背なに粗目のかざり雪 山田六甲 六花 201402
最終便あなたが消えてそして雪 安居正浩 201402
膝掛に母の残り香雪来るか 植村一雄 201402
北側に厚く溜りし屋根の雪 中島玉五郎 201402
夢に聞く父の謡や雪の夜 宮田豊子 春燈 201402
名山を並べて安曇野雪を待つ 田村すゝむ 風土 201402
出羽丘陵雪を乗せたる畑仕事 工藤ミネ子 風土 201402
旅立ちの言葉のこさず雪明り 久保久子 湖心 201402
シベリアのまずは一枚初冠雪 鎌田悟朗 ろんど 201402
金閣寺の鳳凰翔べり深雪晴 中島昌子 201402
雪ふるか地蔵に赤のよだれ掛け 定梶じょう あを 201402
雪交や石の匂ひの風が吹き 山田六甲 六花 201402
雪止まぬ話しかけたくなる疼き 鴨下昭 201402
掃き寄せて居座りの雪もう根雪 大畑善昭 201402
原子炉の雪に除染の力なし 西川織子 馬醉木 201402
根雪らし分銅下がりきりのまま 石坂比呂子 ろんど 201402
今未明戦闘に入れり雪もやう 定梶じょう あを 201402
朝日より沈む日が好き雪野原 粟津さくら 201403
雲間より初冠雪の嶺白し 齊部千里 ぐろっけ 201403
ふる雪や岩に彫られし無の一字 柴田志津子 201403
やけくそに今日は掻けたる雪の嵩 石坂比呂子 ろんど 201403
唐突の腓返りや雪霏霏と 池内結 ろんど 201403
東京が雪國になる寝酒かな 篠田純子 あを 201403
遠ざかるものに妻の忌雪降り出す 田村すゝむ 風土 201403
日ざしきて老松昨夜の雪こぼす 菅野蒔子 末黒野 201403
黄昏の明るさ増せり雪の屋根 上家弘子 ろんど 201403
山門の奥ひろびろと雪浄土 林八重子 馬醉木 201403
病める日や硝子のむかう雪が降り 中山純子 万象 201403
病床の母も眺めむ雪世界 松田和子 201403
噴煙を押へてゐたる阿蘇の雪 長憲一 201403
粉砂糖まぶして雪の聖菓かな 服部早苗 201403
粉雪の舞軽やかにアン・ドゥ・トァ 松田和子 201403
粉雪舞ふ電光ニュース果のなき 片岡久美子 201403
片足を雪に埋めて道譲る 布村松景 春燈 201403
夕の雪少し日暮を遅らせて 横田矩子 201403
幼児に語る童話や窓の雪 安立公彦 春燈 201403
しづり雪笹藪の笹にほひけり 久染康子 201403
連山の一枚仕立て雪を被て 久染康子 201403
六甲山牧場へ行かうもうすぐ雪が降る おーたえつこ 201403
笊盛りの魚に雪のちらほらと 安藤久美子 やぶれ傘 201403
初浅間雪のはだへの艶めけり 荒井千瑳子 201403
しんしんと雪の任地へ峠越え 秋葉雅治 201403
昇りきる三重櫓雪の嶺 三輪慶子 ぐろっけ 201403
城址より遠山雪の降るらしや 大橋晄 雨月 201403
顔見世の道行すべて雪の中 手島伸子 雨月 201403
深雪被て黒部電車の湯町寝に 桂樟蹊子 201403
水仙を捨てたる雪が少し凹む安住敦 安住敦 春燈 201403
去ぬ人を急かせてゐたり雪晴間 石坂比呂子 ろんど 201403
杉林も羅漢の座り雪来れば 柳本渓光 ろんど 201403
菅浦の要害の門雪しづく 坂上香菜 201403
生きて笑うて雪のモノクロ写真かな 有本惠美子 ろんど 201403
声かけて庭石一つ雪菩薩 神蔵器 風土 201403
雪こんこ指きりげんまん果たすとき 高貴美子 201403
雪しづる昼の林の日を乱し 豊田都峰 京鹿子 201403
雪しまき越えれば明日の見えて来る 貝森光洋 六花 201403
雪の傘高さ違へて会ひにけり 亀井紀子 201403
雪の嵩頭上注意の旗隠す 工藤ミネ子 風土 201403
雪暗や防風の松まばらなる 小林成子 火星 201403
雪交ぜや外地赴任の子を送る 棗怜子 春燈 201403
雪降り積む白は無言の色かとも 楠原幹子 201403
雪深々街の灯白くなりにけり M谷和代 万象 201403
雪深々灯火の渡る鍋囲む 笹井康夫 201403
雪晴れや媼の散歩杖二本 仁平則子 201403
雪浴びの一対の鳰潜りづめ 久保東海司 201403
雪→44      

2020年12月24日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。