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   初雪  雪折れ  雪国  雪籠  雪見  雪催  雪やどり  雪の精  豪雪

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書その他
雪晴の月山鳥居凛と立つ 菅原孟 かさね 201302  
雪晴やきつねの消えし石ぬれて 山田六甲 六花 201302  
線香を束ねて焚かむ雪降り来 山田六甲 六花 201302  
戸締りを説く警官に雪降り来 柴田志津子 201302  
胡麻干すや八溝は雪のしまくらし 相澤和子 ろんど 201302  
鳥どちの脚か細くてささめ雪 工藤義夫 馬醉木 201302  
降る雪や紙幣に残る明治人 千田百里 201302  
絵襖の奥より寝息雪くるか 山田美恵子 火星 201303  
自動ドア入る雪付けし杖の人 菅野蒔子 末黒野 201303  
南画めく五重の塔に粉雪霏々 橋本靖子 201303 興福寺・五重塔
根雪来て暫し大地に別れ詩 佐藤淑子 201303  
踏みしめて雪の感触こそ天恵 湯橋喜美 201303  
塔つつむ飛雪を窓に奈良茶粥 渡会昌広 馬醉木 201303  
レコードに針下りて雪降りはじむ 林昭太郎 201303  
大雪や杖に腕を継ぎ足して 吉村摂護 201303  
警策に雪の香立てり禅御堂 石崎浄 風土 201303  
雪片の降り込みざまに川流る 竹内弘子 あを 201303  
雪晴れて北辰天に定まれり 池内とほる かさね 201303  
雪降り積む静けさおそろしくなりぬ 菅野蒔子 末黒野 201303  
雪の墓地踏み沈む身を傾けて 石崎浄 風土 201303  
雪しまく背後より来る津軽弁 森岡正作 201303  
雪かぶる数多の鉢の息づかひ 塩千恵子 201303  
積雪にひと文字何を描こうか 佐藤淑子 201303  
餌台へ真赤な林檎雪が降る 田中藤穂 あを 201303  
一人ではまだ踏めぬ子に雪こんこ 湯橋喜美 201303  
凍て雪の夜の道帰る娘かな 上原重一 201303  
ノーベル賞受賞者へ降る雪の華 関根ひろみ 201303  
煙突の愚直の高さ深雪晴 定梶じょう あを 201303  
湯に浸り見ゆる川岸雪化粧 後藤克彦 かさね 201303  
遁逃のやまびこ山は深き雪 大畑善昭 201303  
鈍色の空に比良の嶺雪白く 木戸宏子 201303  
この雪は根雪になると呟きぬ 清水節子 馬醉木 201303  
念力のゆるみて屋根の雪しづる 湯橋喜美 201303  
温々と朝の目覚めに雪けはひ 早崎泰江 あを 201303  
ごみ置き場はさんで雪を捨てにけり きくちきみえ やぶれ傘 201303  
白鳳仏拝むや髪に雪とめて 渡会昌広 馬醉木 201303  
山裏は雪の降るらし比叡仰ぐ 谷口俊郎 201303  
平凡に優るものなし雪景色 佐瀬晶子 ろんど 201303  
毎日の雪肩腰を鍛へよと 大畑善昭 201303  
木々の雪落として鳥の飛び立ちぬ 鈴木セツ 201303  
海鳴りの遠吠えとなる雪の町 竹田ひろ子 ろんど 201303  
淋しめば霏々となりゆく暮雪かな 西村梛子 馬醉木 201303  
街騒を呑みこむ東京雪景色 千田敬 201303  
壘地あり凾館本線雪のなか 吉弘恭子 あを 201303  
廓跡に一つ星なる雪の茶屋 坂上香菜 201303 ミシュラン
角笛や雪のヒュッテに吹きて買ふ 山本町子 風土 201303  
梟の瞳のしんと雪眠らせて 園部早智子 ろんど 201303  
鎌倉に大雪のあり実朝忌 神蔵器 風土 201303  
鴉らもひもじくあらん雪を漕ぐ 大畑善昭 201303  
初旅の近江路晴のち雪となる 大橋晄 雨月 201303  
書道展拈華微笑の深雪晴 上原重一 201303  
小雪舞う友皆逝きて一人旅 水野弘 ぐろっけ 201303  
久女忌の雪は斜めに降りにけり 藤井美晴 やぶれ傘 201303  
雀らや雪の晴れ問を海へ来て 浜福惠 風土 201303  
成人日洗礼のごと雪降り来 和田政子 201303  
折鶴の飛び翔ちさうな深雪晴 河口仁志 201303  
折鶴は空を恋ふるや雪の朝 田下宮子 201303  
雪あとの闇の定まり来たるかな きくちきみえ やぶれ傘 201303  
雪しまき六甲の月かき消して 山田六甲 六花 201303  
雪しまく関ヶ原へとやみくもに 明石文子 ぐろっけ 201303  
雪つれてきたり猛烈低気圧 鈴木セツ 201303  
雪の信濃二尺の歩幅孤独にす 神田恵琳 跫音 201303  
雪の声夜のしじまを深くして 鈴木セツ 201303  
雪の日や砂町銀座賑やかに 鈴木良戈 201303  
チェーンを手に途方にくれぬ雪の道 池内とほる かさね 201303  
雪を来て天平仏にこころ澄む 渡会昌広 馬醉木 201303  
雪一面路肩を逸れし深轍 大畑善昭 201303  
雪降る降る此度は度胆抜かれしよ 千田百里 201303  
雪合戦敵も味方も頬赤し 苑実耶 201303  
雪雫光の楽の絶ゆるなし 松井志津子 201303  
雪晴や水のたましひ戻りたる 近藤喜子 201303  
雪積むや睡りの中へ遊びゆく 古川夏子 201303  
雪道に足をとられて老いを見る 山本達人 かさね 201303  
雪舞ひて墨絵のごとき木立かな 山本達人 かさね 201303  
雪片を追ふ雪片の速さかな 鈴木良戈 201303  
川の辺の露天の出湯の雪深し 小林美登里 かさね 201303  
旋回の鳶の空より粉雪舞ふ 宮田香 201303  
走り根は走りのままに雪誘ひ 米山のり子 馬醉木 201303  
月山が陣張る雪の鎧着て 佐藤淑子 201303  
大雪の夕べ明るき小名木川 鈴木良戈 201303  
湖北より雪の匂ひの見舞客 北川英子 201303  
朝の窓きのふを全て消して雪 中田禎子 201303  
直線も抛物線も雪合戦 福島茂 201303  
沈黙のにぎはひ夜の雪降り積む 北川英子 201303  
庭下駄に宿の屋号や雪の朝 田中浅子 201303  
降る雪や龍太の雪の百句読む 上原重一 201303  
穢れなき雪の富嶽の裾遠く 山口郁子 末黒野 201304  
雷鳴のひと声混じり雪止まず 小川玉泉 末黒野 201304  
葉の上に積った雪がおばけのよう 鈴木香奈 201304  
山羊を連れ雪の湖岸を散歩人 坂上香菜 201304  
音閉ざし視界を閉ざし雪が降る 大木清美子 201304  
屋根に乗る雪の布団の厚さかな 高橋美恵 末黒野 201304  
日輪の所在さだかに雪時雨 奥田智久 ホトトギス 201304  
ひとり居の午後の静寂に雪しづり 笠井敦子 201304  
叡山の空に日の在り雪しまき 大竹淑子 風土 201304  
軒先の雪を落してより屋根へ 太田チエ子 末黒野 201304  
大寒の緞帳あがる雪路の忌 清水由恵 201304  
犬五匹御してをんな来深雪晴 折橋綾子 201304  
待雪草乙女の像を遠囲み 辻知代子 201304  
船橋の旋回窓や雪霏々と 増田菖波 春燈 201304  
雪濡れのたてがみを梳く大根馬 久保東海司 201304  
雪晴や人を怖れぬ石たたき 熊切光子 末黒野 201304  
雪時雨きて何もかも失ひし 奥田智久 ホトトギス 201304  
雪煙あげて滑走ハチ高原 塩路遼 201304  
雪の夜心臓三百グラム也 岡本尚子 風土 201304  
雪こんこゴメンと決して言わぬ人 津田このみ 船団 201304  
積む雪や足形のなき母の家 五十嵐紀子 201304  
神宿す松に雪あり情あり 谷村幸子 201304  
みほとけも夢見る頃か雪積る 山田暢子 風土 201304  
ふるさとと違ふ雪降り凍りけり 田中臥石 末黒野 201304  
わけありて一人呑む酒外は雪 溝渕弘志 六花 201304  
遠景に陽光まぶし雪の比良 辻知代子 201304  
左手に鞄右手に雪の傘 濱野新 やぶれ傘 201304  
鍋のものふつふつ煮ゆる外は雪 石垣幸子 雨月 201304  
最後まで賽の目切りに雪卸 森屋慶基 風土 201304  
二日はや待つた無しなる雪卸 森屋慶基 風土 201304  
奥琵琶の菅浦隠し雪しまく 山口キミコ 201304  
細雪舞ひつつ肩にそつと消ゆ 水谷直子 京鹿子 201304  
日矢攻めに滑り落ちたる屋根の雪 岡野ひろ子 201304  
濡れ縁に小鳥来てゐる雪の朝 中村月代 末黒野 201304  
拝聴の目の端軒端の雪雫 池田澄子 201304  
傘二つ高さ違へて雪こんこ 亀井紀子 201304  
剥製の鳥の瞳や雪明り 坂上香菜 201304  
白一色まるで異世界雪の町 鈴木香奈 201304  
山幸の神の宮居や瑞の雪 大竹淑子 風土 201304  
コンビニの灯に安堵する雪の町 秋山白兎 現代俳協ネット句会 201304  
病窓に見下ろす街や雪激し 服部早苗 201304  
粉雪や凡てに丸まり積りゆく 水谷直子 京鹿子 201304  
編み進むごと松の枝の雪帽子 中山良子 末黒野 201304  
法堂への渡り廊下に鐘と雪 近藤紀子 201304  
北陸本線雪と乗り込む宮参り 浜口高子 火星 201304  
花街の雪しぐれなる別れかな 神田恵琳 春燈 201304  
借りて着る雪のマントを賞められて 松田泰子 末黒野 201304  
寂として暮雪積み上げ大欅 米山のり子 馬醉木 201304  
首都圏は雪に弱さを曝けだし 松木清川 ぐろっけ 201304  
華やぎの鞠庭清め霏々と雪 手島伸子 雨月 201304  
ざわめきを包み込みゆく雪しきり 久世孝雄 やぶれ傘 201304  
我が町をおとぎの国に雪の朝 五十嵐章子 201304  
夕日落つ寸前雪野の縹色 宮坂恒子 201304  
しづる雪轟音となる湯に沈み 椿和枝 201304  
街の色消して降り積む雪の花 山口郁子 末黒野 201304  
篁の雪を散らして初雀 臼村喜久代 万象 201304  
括られて雪に無援の桑畑 永峰久比古 馬醉木 201304  
鄙の町の三寺(さんでら)まゐり雪積もる 木戸宏子 201304 飛騨古川
颯爽とはいかず雪の交差点 野村鞆枝 京鹿子 201304  
乾坤の息ゆたかなる今朝の雪 中島芳郎 201304  
冠雪の嶺々綺羅をなす大熊野 高地勝峰 馬醉木 201304  
寒の雨しづかに雪を溶かしをり 戸田澄子 末黒野 201304  
しんしんと雪降る後の騒がしく 新倉ゆき江 末黒野 201304  
小米雪意志あるごとく額を打つ 宇都宮敦子 201304  
診察のこたへは加齢霏々と雪 菅野蒔子 末黒野 201304  
人影を雪のかき消す句座帰り 斉藤マキ子 末黒野 201304  
それぞれにこの世の雪を見てゐたり 服部早苗 201304  
晴れの日は雪のにほひの仄かなり 太田チエ子 末黒野 201304  
静寂なる枯山水に雪の華 片岡久美子 201304  
静寂の雪により添ふ三日かな 浜福惠 風土 201304  
積雪の高さを目もて測りけり 久保東海司 201304  
銀閣に深まる風情雪の朝 坂根宏子 201304  
銀世界手品の一手夜の雪 水谷直子 京鹿子 201304  
うしろより抜きゆく車窓(まど)の雪けむり 浜口高子 火星 201304  
雪かぶる風見の鶏や阪神忌 庵原敏典 末黒野 201304  
雪しまく奥の細道むすびの地 明石文子 ぐろっけ 201304  
雪しまく黒一色の修行僧 中石紀美代 万象 201304  
雪しんと眠れぬ夜の闇深し 熊切光子 末黒野 201304  
雪の奥を雪ふる赤子泣いてをり 井上菜摘子 京鹿子 201304  
雪の道父の迎えにホットする 丹後みゆき ぐろっけ 201304  
雪の夜の帳に沈む尾灯かな 谷口律子 末黒野 201304  
雪の野に砦のごどき変電所 柴田志津子 201304  
雪はたく人影映す大戸かな 松岡和子 201304  
雪卸終へて掘り出す厨かな 太田チエ子 末黒野 201304  
雪景色愛でつつ運ぶビールかな 松村光典 やぶれ傘 201304  
雪時雨駆け込み宿の軒浅く 大内幸子 六花 201304  
雪晴や振袖どつと出で来る 奥田順子 火星 201304  
雪積むやペンギン歩きの親子連れ 野村鞆枝 京鹿子 201304  
雪積もる墓に法事の焼香す 濱野新 やぶれ傘 201304  
雪道や着物の袖を掻き抱き 田中臥石 末黒野 201304  
雪道を褄高く取り晴れ着の子 橋本美代 やぶれ傘 201304  
雪明り白き車も薄茶色 水谷直子 京鹿子 201304  
雪予報すぐに目の行く子の任地 布川孝子 京鹿子 201304  
雪熄みてをり黒白(こくびゃく)の海の町 田中臥石 末黒野 201304  
ギプス切る雪の寒波となりにけり 宮川みね子 風土 201304  
ちりちりと雪降りしきる降りしきる 松村光典 やぶれ傘 201304  
窓開けて腕を延ばして雪掴む 松村光典 やぶれ傘 201304  
足さばき華麗な蹴鞠粉雪舞ふ 西垣順子 201304  
検問の兵士乗り込むバスに雪 陽山道子 おーい雲 201304 韓国
町の色空の色消し雪降れり 森屋慶基 風土 201304  
トンネルを抜ければ越後雪霏々と 森下康子 201304  
コーヒーの粉を多めに初深雪 山口ひろよ 201304  
校章は雪の結晶風花す 塩見英子 雨月 201304  
滴滴と物干竿の雪雫 椿和枝 201304  
天井の染み何々ぞ雪明り 鳳蛮華 201304  
電柱の根元に雪や数寄屋橋 丑久保勲 やぶれ傘 201304  
降る雪に目鼻なくして羅漢仏 門伝史会 風土 201304  
予報通り雪の朝に目覚めけり 苑実耶 201305  
眉に雪のせて別れを惜しみけり 松本恒子 ぐろっけ 201305  
縁台の雪丸火鉢京の町 藤本秀機 201305  
ペトロとは岩のことなり雪の嶺 岩岡中正 ホトトギス 201305  
朝まだき神の光かブルーの根雪 水谷直子 京鹿子 201305  
草千里白また白の雪千里 白水良子 201305  
雪の鳩足を真赤にして歩く 横田晶子 風土 201305 雪 →43

2014年12月24日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。