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   初雪  雪折れ  雪国  雪籠  雪見  雪催  雪やどり  雪の精  豪雪

作品
作者
掲載誌
掲載年月
歩行者を見てほぼ解る雪の嵩 嶋田摩耶子 ホトトギス 201205
放課後の雪の近道獣道 佐藤いづみ ろんど 201205
北国の雪寧かれと祈るのみ 寺岡ひろし 雨月 201205
漫然と眺めてをれば雪しづり 笠井敦子 201205
朱の塔の雪華に身なり窶しけり 池端英子 ろんど 201205
陽の恵みはにかむように溶ける雪 鎌田慶子 ろんど 201205
裏側は牙をむく雪いやうまし 古林田鶴子 ぐろっけ 201205
輪飾の水雪かぶる外流し 澤田君子 万象選集 201205
列島の南を恋へり雪に住む 加藤千津 ろんど 201205
街灯がしきりに雪を降らしをり 矢野百合子 201205
脇締めて写真数枚雪の庭 濱田ヒチヱ ぐろっけ 201205
眩しめり日を返しくる今朝の雪 加藤千津 ろんど 201205
喝采を浴び雪中の大道芸 小林美登里 かさね 201205
深雪を戻りて声の大きかり 中山純子 万象 201205
深雪晴川馥郁と横たはり 上谷昌憲 201205
水雪の踏むも踏まずも滲むなり 原田達夫 201205
水辺までなぞへにうすき昨夜の雪 大島英昭 やぶれ傘 201205
去年の雪今年の幹をしたたれり 阿部すず枝 万象選集 201205
橋ほとり雪を被りし式部像 難波篤直 201205
生きてゐる証の灯深雪村 久染康子 201205
青空は根の国なるや雪卸し 工藤ミネ子 風土 201205
雪かむる真白き花の淑気かな 石川純子 万象選集 201205
雪しづる音の夜更けとなりにけり 大崎紀夫 やぶれ傘 201205
雪しまく千曲の瀬音昂れり 木内博一 春燈 201205
雪に蹴るサッカーボール良寛忌 園部早智子 ろんど 201205
雪に明け雪に暮れけりこの一日 加藤千津 ろんど 201205
雪の降る街を空中廊下より 師岡洋子 ぐろっけ 201205
雪の声聞かむと心耳すましける 水谷文謝子 雨月 201205
雪の暮仕舞屋赤く灯をともす 菊谷潔 六花 201205
雪の夜馬刺所望の学生等 水野範子 ぐろっけ 201205
雪を待つチャペルエコカーに囲まるる 鴨下昭 201205
雪悪路寸暇惜んで宅配夫 鎌田慶子 ろんど 201205
雪衣まとふ天女の楊かな 中田禎子 201205
雪煙赤のリュックの見え隠れ 藤井久仁子 ぐろっけ 201205
雪卸し見上ぐるに足仁王立つ 工藤ミネ子 風土 201205
雪卸す夫若やげる青き空 工藤ミネ子 風土 201205
雪五尺窓に出入りの高梯子 中石士亮 万象 201205
雪降るふる白一色の万華鏡 上家弘子 ろんど 201205
雪深しの先づお稲荷へ道つけて 佐藤玲華 ろんど 201205
雪晴の大夕焼となりにけり 橘正義 春燈 201205
雪晴れのティアラのごとき甲斐の嶺々 福島茂 201205
雪晴れや稜線確と八海山 松木清川 ぐろっけ 201205
雪被る平家を偲ぶ厳島 水野弘 ぐろっけ 201205
雪払ひ初日に地蔵掘り起こす 守山勝江 万象選集 201205
雪遊びしたる痕あり競売地 瀬島洒望 やぶれ傘 201205
雪霏々と家持偲ぶ虚子の句碑 尾崎みつ子 雨月 201205
屈強に老いたり雪を卸しつつ 工藤ミネ子 風土 201205
鍬くさびすげ替へてをり俄雪 能村研三 201205
繊月の空より雪の舞ひ始む 土井三乙 風土 201205
窓枠にとどくと見ゆる雪の嵩 加藤千津 ろんど 201205
大屋根の雪がとけだし白湯うまし 中山純子 万象 201205
大雪は里一村を呑み込めり 松木清川 ぐろっけ 201205
ドカ雪に日本海側白無垢に 山口庸子 ぐろっけ 201205
玄関に雪吹き入れて御慶かな 森和子 万象選集 201205
後期高齢笑ふ元気が雪降ろし 吉田克美 ろんど 201205
御食国若狭路狭く雪深し 木曽鈴子 ぐろっけ 201205
御饌の田の雪散らしたる初鴉 太田明子 万象選集 201205
天心に月雪道を戻りけり 小林のり人 春燈 201205
度度の大雪予報身に徹ふ 木曽鈴子 ぐろっけ 201205
降る雪や広告着けし路線バス 瀬島洒望 やぶれ傘 201205
月島に雪の残れる夕間暮れ 古川夏子 201206
雪霏々と津軽三味線叩き弾き 森山暁湖 万象 201206
雪嵩を問へば五尺と里の姉 松木清川 ぐろっけ 201206
新生のこころに眺む雪景色 井上醇女 ホトトギス 201206
和蝋燭の炎のゆらぐ雪の夜 萩原すみ 春燈 201206
ざらめ雪歩兵のように歩かねば 松川悠乃 ろんど 201206
墓石の雪を払ふや姉妹 萩原すみ 春燈 201206
如月の空より雪や細格子 金田和代 かさね 201206
うるう年忘れないでと雪都心 鎌田慶子 ろんど 201206
閏年に積雪の来て幸あらむ 北村香朗 京鹿子 201206
閏日の雪や頻りに地震誘ふ 田中貞雄 ろんど 201206
ふる雪のしづけさに箸とりにけり 近藤牧男 六月 201206
英彦山は雪積むころか久女の忌 野畑さゆり 201206
高浪の穂先雪片掴みたる 小林愛子 辻楽師 201206
この月のカレンダーは雪マーク 東秋茄子 京鹿子 201206
鷺翔ちて芹田の雪を散らしけり 井村和子 風花 201206
屋根の雪きょうも見上げる父祖の土地 鎌田悟朗 ろんど 201206
三寒を四温につなぐ雪降れり 山村幸苑 馬醉木 201206
山一つ夕日敷きつめ雪のひま 工藤ミネ子 風土 201206
おみくじの雪より白く結ばれて 田丸千種 ホトトギス 201206
母に降る雪とは違ふ雪が降る 直江裕子 京鹿子 201206
あ、雪といえばりんりん鈴りんりん 中原幸子 船団 201206
幌付きの馬東で行く峡深雪晴 藤田かもめ ぐろっけ 201206
さながらに雪の爆弾越のくに 川井秀夫 ろんど 201206
薮の雪ばさりと午後のひかりかな 伊藤希眸 京鹿子 201206
融雪剤ナスカの景を刻みけり 上家弘子 ろんど 201206
すこやかに老いぬ手を取る雪の坂 工藤ミネ子 風土 201206
心音につきくる夜の雪しづく 土屋草子 ろんど 201206
深雪晴神木に手をおきにけり 貫井照子 やぶれ傘 201206
神宮の百の社に雪降り積む 吉田葎 201206
神杉のひと羽榑きに雪脱げり 森山暁湖 万象 201206
青笹を敷きて氷室の雪供ふ 井村和子 風花 201206
雪しまき伏見義民の碑を匿す 古田光子 ぐろっけ 201206
雪しんしん留守居に繙く方丈記 神田惣介 京鹿子 201206
雪に又積み来る夜の独りかな 加藤千津 ろんど 201206
雪ねぶり土くろぐろと弛びたる 加藤みき 201206
雪の夜の絵本をぬける白いねこ 火箱ひろ 船団 201206
雪を割るだけの鉞町住ひ 工藤ミネ子 風土 201206
雪割りの鶴嘴振ふをんなかな 天野美登里 やぶれ傘 201206
雪降るや弔花の匂ふ蔵座敷 田中臥石 末黒野 201206
雪纏ひオブジェをなせる森の木々 中村嚢介 ホトトギス 201206
雪道を来て湯に沈めたる震へかな 安藤久美子 やぶれ傘 201206
窓に雪アイロン掛けのはかどらず 陽山道子 船団 201206
蔵王より雪の颪や震災忌 田中臥石 末黒野 201206
堅雪に黄砂のまじりをりにけり 林いづみ 風土 201206
大騒ぎするも積雪数センチ 松木清川 ぐろっけ 201206
庭にすずめ大雪予報適中す 布川孝子 京鹿子 201206
天国を徒行く母か雪仰ぎ 平賀扶人 馬醉木 201206
降る雪に積りし雪に見入りけり 國保八江 やぶれ傘 201206
高円山たかまどの雪に日当る針供養 城孝子 火星 201206
雪の夜の髪を黄泉へと梳る 柴田佐知子 201207
深雪より出てブロンズの胸豊か 松川悠乃 ろんど 201207
縦横に畦くつきりと雪影色 長憲一 201207
跳ね返す力をためて雪の笹 土屋草子 ろんど 201207
道とへば顎で向うと雪の辻 長憲一 201207
視界一転灰色となり小雪散る 丹生をだまき 京鹿子 201207
酒蔵へ続く木曽路の雪轍 宮田香 故郷 201207
夕映えに鶴の舞ひ降る雪の原 川井素山 かさね 201207

夫は

穢れなき雪の轍や古稀迎ふ

工藤ミネ子 風土 201207
たてがみの雪振り払ふ放れ駒 長憲一 201207
雪の舞ふ中の頬笑み道祖神 宮田香 故郷 201207
雪やまず増しゆく傘の重みかな 米田文彦 かさね 201207
雪踏やときにオリオンふりあふぎ 小谷延子 万象 201207
蒼空や雪割り日和賜はれり 佐藤玲華 ろんど 201207
古き酒肆屋根に名残りの雪積みて 田島昭久 かさね 201207
朝の道昨日の雪の凍てにけり 菊地崇之 かさね 201207
御快癒をと記帳の列に細雪 北村和代 ぐろっけ 201207
神杉をしづりし雪の天に散る 木村享史 ホトトギス 201208
老木もしばし華やぐ雪の朝 塚原洋子 201208
きさらぎの雪の一と夜となりしこと 河野美奇 ホトトギス 201208
天に雪親しき人の地に還る 鈴木セツ 201208
千体の弥陀に捧げむ雪の峰 塩貝朱千 京鹿子 201209
雪二尺ほども積りて蟹の宿 和田郁子 粥の味 201209
ふる雪に声さんざめく寺泊 北崎展江 くりから 201209
湯のことをゆっこと言ひて雪の宿 北崎展江 くりから 201209
祭神は狼なりし雪降り積む 北崎展江 くりから 201209
コレステロールほどに積りし木々の雪 和田郁子 粥の味 201209
木の巣箱向きむきに雪降りをりぬ 北崎展江 くりから 201209
初市の雪に投げ出す鰤一尾 北崎展江 くりから 201209
松の雪鯉の頭へしづりたる 木村享史 ホトトギス 201209
雪しまく水は堰かみ堰を越え 長憲一 201209
雪一と日連なる峰を降り分けて 長憲一 201209
踏めば鳴る万年雪を楽しめり 福島せいぎ 万象 201210
金鎚の火花匂へり雪来るか 林昭太郎 あまねく 201210
大いなる雪のはじめが掌にのりぬ 林昭太郎 あまねく 201210
「関の扉」を觀て木挽町雪明り 酒井秀郎 返り花 201211
さようならとりあえず君雪になれ 木村和也 船団 201212
摩周湖は藍甕雪に囲まれて 高瀬博子 六花 201212
白神の樹を擦る音は雪を呼ぶ 能村研三 201212
山頂の雪を含まば甘露なり 松本文一郎 六花 201212
眠られぬ枕の中も雪が降る 柴田佐知子 201212
夜の闇を塗布する雪の声しきり 布川直幸 201212
終着駅レールに雪の降り続く 江見悦子 万象 201212
初冠雪母ちゃん紙からウォシュレット 森理和 あを 201212
少年を駆けまはらせて雪積もる 出口誠 六花 201212
神招く声の響けり雪の空 江見悦子 万象 201212
雪しづる路地や味噌蔵匂ひ立ち 藤井君江 馬醉木 201212
雪の朝濁りて速き只見川 江見悦子 万象 201212
雪の匂ひして自画像は七本指 遠山陽子 201212
雪煙あげ神の杉倒さるる 江見悦子 万象 201212
雪激し火の粉を噴ける歳の神 江見悦子 万象 201212
白神の風騒風狂雪来るか 森岡正作 201301
近江美濃決戦の場は雪溜まり 品川鈴子 ぐろっけ 201301
鬚剃りの金気の強し雪くるか 我門行男 201301
雨上ると鋼のやうな八ヶ岳に雪 藤森すみれ 201301
根雪踏む音まとひつく古戦場 鈴鹿けい子 京鹿子 201301
夜の雨は雪に電話は圏外に 林昭太郎 201301
荷を結ぶ雪の便りを聞きながら 井上信子 201301
窯跡の陶片拾ひをれば雪 大崎紀夫 やぶれ傘 201301
真新しき雪をまとひし茶臼岳 仁平則子 201301
たをやかな絆生みたり雪の国 紀川和子 201301
雪しんしん一心不乱に小豆選る 仁平則子 201301
雪近し茂邉地の驛は一軒家 佐藤喜孝 あを 201301
雪深き地の電話とてつながりし 稲畑汀子 ホトトギス 201301
雪礫投げ来る人の憎からず 蒲田豊彦 雨月 201301
街燈に雪が積もりぬ酒すする 長島清山 かさね 201302
雪晴やピカソの青の越の空 三澤治子 万象 201302
骨埋める国へ飛雪のタラップ踏む 品川鈴子 ぐろっけ 201302
おがくづに雪の匂ひや猟期来る 広渡敬雄 201302
降る雪や夜は牛肉か豚肉か 安居正浩 201302
一昼夜根詰めて降りもう根雪 大畑善昭 201302
案ずるは雪に鎖されたる君よ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201302
踏切の一灯雪の羽越線 三澤治子 万象 201302
砂山の晶子の歌碑へ雪しづく 三澤治子 万象 201302
日本の臍はフクシマ深雪晴 大日向幸江 あを 201302
翁いふ柿なり年は雪多し 近藤紀子 201302
白川郷雪に粧ふ堤の木 菅原孟 かさね 201302
粉雪舞ふ水面に映る金閣寺 鷲見たえ子 201302
頬杖に夜を預けて雪の音 ほんだゆき 馬醉木 201302
花りんご遠嶺は雪をのせゐたり 大内佐奈枝 万象 201302
落人の神社の赤き幣や雪 池端英子 ろんど 201302
しんしんと白鳥句碑へ雪の嵩 三澤治子 万象 201302
省略の始まりいよよ山に雪 北川孝子 京鹿子 201302
水雪の降江ば師のこゑ師の破顔 高橋道子 201302
杉ぶすま直立にして雪しまく 能村研三 201302
筋書きの通りのドラマ雪の夜 国包澄子 201302
雪に閉ざされし旬日語らるる 稲畑汀子 ホトトギス 201302
雪やんで星は神話を組みはじむ 豊田都峰 京鹿子 201302
雪止めの屋根のまぶしき神迎 浜口高子 火星 201302
雪食うて喉乾きけり如意ヶ嶽 広渡敬雄 201302
      雪→ 42

2020年12月20日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。