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   初雪  雪折れ  雪国  雪籠  雪見  雪催  雪やどり  雪の精  豪雪

作品
作者
掲載誌
掲載年月
鯉揚げに届く酒瓶粉雪舞ふ 山尾玉藻 火星 201202
電線の雪截金のごとく散る 細野恵久 ぐろっけ 201202
夜の雪メール届かぬ子を待てり 須賀敏子 あを 201203
自在には湯の滾る音雪深し 松本信子 かさね 201203
枝先に雪の雫の伝ひけり 久永つう 瀬戸の海 201203
大空に雪の匂ひを嗅ぎにけり 志方章子 蟋蟀 201203
雪積むや四角四面の丸くなり 北川英子 201203
京菓子のみなこぶりなり深雪晴 浅井吉雄慈 夕端居 201203
深雪晴飛行機雲の龍めきて 藤見佳楠子 201203
駅前に演説一人雪きざす 緒方佳子 火星 201203
はじめての雪父の忌の供物とも 箕輪カオル 201203
雨が雪に変る予感が背を走る 丹生をだまき 京鹿子 201203
一山に陵ふたつ雪舞へり 徳田千鶴子 馬醉木 201203
曇り来て小雪まじりの雪となる 筒井八重子 六花 201203
比叡山より一ひらの雪便り 根岸善行 風土 201203
聞き馴れし雪の立山風の盆 後藤比奈夫 ホトトギス 201203
時計屋に時売るごとく雪明り 岡部名保子 馬醉木 201203
自動車のライトのみ見え雪しまく 宮原悦子 雨月 201203
花嫁のヴェールのごとし初冠雪 辻香秀 201203
黙を解く一語に和む雪の夜 清水節子 馬醉木 201203
我が心弾めば雪となりにけり 根岸善行 風土 201203
夕されば母子急がす雪しまき 小林美登里 かさね 201203
羅漢千一塊となし今朝の雪 塩路隆子 201203
海までの雪ひと色や魂鎮め 北川英子 201203
露天湯の燭に浮かびて雪の影 小澤菜美 201203
喩ふれば幼の無垢や雪五尺 森下康子 201203
瞬きをして確かむる尾根の雪 久永つう 瀬戸の海 201203
幾千の鬼哭の海へ雪降れり 池元道雄 馬醉木 201203
深雪晴旅運大吉飛行雲 大日向幸江 あを 201203
神杉の酒と卵へ雪散りく 西村節子 火星 201203
桐畑氏の文に湖北は二度雪と 大橋敦子 雨月 201203
雪くるか色のあふるる玩具箱 栗原公子 201203
雪しまき猿の湯浴の果しなく 山口誠 馬醉木 201203
雪しまく待合室に船を待つ 浅井吉雄慈 夕端居 201203
雪になる布袋の臍を拝んだ日 坪内稔典 船団 201203
雪のある頁が欲しく母を呼ぶ 堀内一郎 あを 201203
雪の朝バッハの調べ流れ来る 松村光典 やぶれ傘 201203
雪もよふ雑木林に榾積めば 山本耀子 火星 201203
雪を被て神々遊ぶ山となる 苑実耶 大河 201203
雪降り降る日を中天に翳らせて 加藤千津 ろんど 201203
雪降るや父逝きし日の空に似て 志方章子 蟋蟀 201203
雪降れり脳につかはぬところあり 辻美奈子 201203
ちちははの棄てし故郷根雪来る 藤原照子 201203
雪積みて音なき余呉の暮しかな 和田崎増美 雨月 201203
雪待つや北窓塞ぐその日まで 井田実代子 雨月 201203
雪道の車は莚踏みゆけり 天野美登里 やぶれ傘 201203
繰り返す着陸態勢雪しまく 吉成美代子 あを 201203
鶏小屋の回りの雪のとけやすし 高倉和子 夜のプール 201203
大雪の針目大きく走らせり 奥田順子 火星 201203
胡麻干すや八溝雪のしまくらし 相澤和子 ろんど 201203
朝ぼらけ紅ひとはけの雪の嶺 藤井久仁子 ぐろっけ 201203
朝焼や雪道を行く豆腐売 米田文彦 かさね 201203
朝凪に雪の立山現れにけり 大坪景章 万象 201203
後悔のあと先雪の降り積もる 高倉和子 夜のプール 201203
紅さして仕上がるこけし雪の夜 田下宮子 201203

父逝く

降る雪や舐犢の愛てふ思ひをり

松橋利雄 光陰 201203
幾重にも雪の重なる山の黙 竹田ひろ子 ろんど 201204
勧進の法螺貝透る深雪村 渕上千津 201204
小説を伏せぬとほくの森に雪 蘭定かず子 火星 201204
恙なく古事記読みをり雪降り来 神戸京子 ろんど 201204
夢探すルーペが一つ二月雪 堀内一郎 あを 201204
菩提樹の実の雪しづく純子句碑 野上智恵子 万象 201204
母の忌や雪はまんじと降るが佳し 柴田朱美 京鹿子 201204
辞儀させて一夜に庭を統ぶる雪 荒井千瑳子 201204
挽きたての珈琲の香や雪しんしん 栗原公子 201204
白地図の海岸線の雪しまき 定梶じょう あを 201204
いくさ跡浄めし雪や関ヶ原 坂上香菜 201204
背丈ほど雪掘る父の忌の墓参 山口誠 馬醉木 201204
毒蜘蛛を弔ひて降る小雪なり 森田子月 ぐろっけ 201204
降りしきるゲリラ雪をばカメラぜめ 畠山昭司 201204
天皇退院日本列島雪つづく 堀内一郎 あを 201204
長崎の兄貴経由の雪だより 齋藤厚子 201204
堅雪の杖立というかくれ里 増田一代 201204
蔵開き予期せぬ雪と良き地酒 青木英林 かさね 201204
葬ひの車の轍雪を噛む 柴田朱美 京鹿子 201204
雪激し生家すつぽり飲みこまる 柴田朱美 京鹿子 201204
雪尺の珍しく立つ道路かな 加藤千津 ろんど 201204
雪暗のはやばや灯る隣家かな 田中藤穂 あを 201204
雪の夜は嗅覚聡き獣めく 竹田ひろ子 ろんど 201204
雪の日に生まれし吾れにさかのぼる 堀内一郎 あを 201204
雪のせて二日の山の霽れてきし 山本耀子 火星 201204
雪しまき眠らぬ比良を畏れけり 小澤菜美 201204
プラ容器だけの晩めし細雪 樋口正輝 ぐろっけ 201204
一対の鴉斜めに雪模様 大日向幸江 あを 201204
雨雪と変る瞬時をさり気なく 折橋綾子 201204
みぞれ雪空芯菜の炒めもの 能村研三 201204
わたくしと雪後の月にある妙高 豊田都峰 京鹿子 201204
ビル街のすき間の山に雪積もる 蟻蜂 六花 201204
バイク音遠ざかり雪舞ひ始む 柳生千枝子 火星 201204
涛音へなだるる雪の棚田かな 杉浦典子 火星 201204
遠景に雪の比叡の泰然と 伊東和子 201204
汚れなき雪の棚田や風の跡 坂上香菜 201204
おぞましや雪に転倒入れ歯折る 小林清之介 風土 201204
傘閉ぢて開きて雪の兼六園 竹内悦子 201204
山々に宿の樹木に雪の花 渡辺安酔 201204
音もなく香もなくひねもす細雪 渡辺安酔 201204
MPの立ちし十字路小雪舞ふ 神田惣介 京鹿子 201204
八甲田の行軍の悲話深雪漕ぎ 松岡和子 201204
舞落つる塔の雪塊あさぎ空 吉村さよ子 春燈 201204
枝移り小鳥の雪を落としけり 松本周二 かさね 201204
粉雪が風と手をとりタンゴかな 大堀賢二 201204
粉雪舞ふうなじ二本の舞妓さん 鷲見たえ子 201204
鉾杉や一陣二陣の雪煙 豊田都峰 京鹿子 201204
手のひらに雪片受けて口づけす 渡辺安酔 201204
用水路の鯉驚かすしづり雪 坂上香菜 201204
裸電球ことに激しく雪の寄る 吉田葎 201204
竜吐水置かる回廊雪しまく 藤田かもめ ぐろっけ 201204
連山や馬の眉毛に付きし雪 橋本順子 201204
六甲の北は小雪のちらつくと 平田恵美子 ぐろっけ 201204
霏々と降る雪影幽し漉屋窓 塩路隆子 201204
松の雪傘の雪へと落ちにけり 安藤久美子 やぶれ傘 201204
菖蒲の芽かどうかといふ畦に雪 篠田純子 あを 201204
城下町由緒正しき雪降れり 中島玉五郎 201204
譲り合ひ目線のからむ雪の橋 福永尚子 ろんど 201204
幾万の石碑清めし雪明り 園田雅子 ろんど 201204
真夜の雪造化三神の息迫る 神戸京子 ろんど 201204
騎士立てる姿や雪のプラタナス 松本周二 かさね 201204
人住まぬ家にまばゆき屋根の雪 早崎泰江 あを 201204
水琴窟きくに並びて雪の庭 谷村幸子 201204
水路閣薫条として粉雪舞ふ 坂根宏子 201204
声揃へ大縄飛びや粉雪舞ひ 鈴木照子 201204
西行堂狛犬に乗る日陰雪 赤座典子 あを 201204
昔日のなつかし今日の雪景色 佐藤健伍 201204
積まぬ雪愚痴聞かされてゐる如し 落合晃 201204
跡取りの無くて父祖の地雪まつり 高野春子 京鹿子 201204
切株の白き昔年雪が降る 熊谷ふみを ろんど 201204
雪ぐれや大たはし吊る荒物屋 福本郁子 火星 201204
雪しづりさそふ旭の峠越 豊田都峰 京鹿子 201204
雪しづれ誘ひ誘はれ峠越ゆ 豊田都峰 京鹿子 201204
雪しまく浅間の煙りなほ白し 丸山酔宵子 かさね 201204
雪つんでみなまろきかな無縁仏 松岡和子 201204
雪に酒男はよろこび尽したし 服部郁史 京鹿子 201204
雪に灯す茅葺村は山麓 豊田都峰 京鹿子 201204
雪の華きそひて精霊語り合ふ 犬塚芳子 201204
雪の宿粗朶ちらちらと燃えてをり 佐々木薫 かさね 201204
雪の夜に遊ぶ影絵の指狐 鈴木照子 201204
雪ふりつむ愛の深まるやうにかな 近藤喜子 201204
雪もやを脱げば全景妙高なる 豊田都峰 京鹿子 201204
雪を愛で雪を恨みて十年過ぐ 竹田ひろ子 ろんど 201204
雪を被て円相となる出羽丘陵 池内結 ろんど 201204
雪降り積むいのちつなぎの長電話 あかさか鷹乃 ろんど 201204
雪載せて長距離トラック上京す 田村すゝむ 風土 201204
雪止みて風の日暮れとなりにけり 吉田きみえ 末黒野 201204
雪斜め二・二六は忘れられ 堀内一郎 あを 201204
雪晴れて輝き眩し朝の庭 丸山酔宵子 かさね 201204
雪晴れて雪より白き鷺の立つ 落合絹代 風土 201204
雪晴れの鴉太りて来たりけり 井上信子 201204
雪晴れや離ればなれに家十戸 荒木稔 ぐろっけ 201204
雪模様一喜一憂の診断書 渡辺安酔 201204
雪落し身震いするや跳ぬる笹 岡野安雅 かさね 201204
雪落ちて防風ネツト揺らしけり 藤波松山 京鹿子 201204
雪林の軋み悔なき命終を 柴田朱美 京鹿子 201204
空調を静かに雪の青磁展 小西和子 201204
前傾の縦一列や深雪路 北川英子 201204
蒼穹にメタセコイヤ聳つ雪世界 松本周二 かさね 201204
大雪にふるさとの道渋滞す 佐藤健伍 201204
湖へ出て遊子の気分山は雪 竹内悦子 201204
着雪林白日ひとつ上げゐたり 豊田都峰 京鹿子 201204
朝日浴ぶ手児奈堂より雪しづり 河口仁志 201204
広重絵ごとくに傾げ雪の傘 和田郁子 201204
校門に雪の残れる日曜日 藤井美晴 やぶれ傘 201204
天空樹峙つ朝や深雪晴 町山公孝 201204
渡れずの橋あり雪の深き里 中川すみ子 201204
降る雪のとざす前山後山 加藤千津 ろんど 201204
えんぶりや鉦や太鼓や舞ふ雪や 千田敬 201204
雪晴や隣家の娘母となる 芝宮須磨子 あを 201205
雪へ傘ひらき腰より歩き出す 丸井巴水 京鹿子 201205
積雪に車数台足とられ 東秋茄子 京鹿子 201205
鏡湖に雪棹ひとつ傾きぬ 岩城茂 風土 201205
植木鉢形さまざまに雪の嵩 濱田ヒチヱ ぐろっけ 201205
初電話どれも雪から始まりぬ 淡路雪子 万象選集 201205
出港の汽笛にしづる松の雪 野茂木弘子 万象 201205
賀状来る雪の匂ひのあるやうな 廣瀬雅男 やぶれ傘 201205
風あらば枝よりはらり雪軽き 関根ひろみ 201205
化粧筆にいろの残れり垂り雪 杉浦典子 火星 201205
白い雪ただ一面に白い雪 吉野夢宙 201205
道祖神の視野の果てなる雪浅間 木下ふみ子 馬醉木 201205
東京は雪いつでも死は突然 直江裕子 京鹿子 201205
島一つ眠れるごとく雪に暮れ 尾崎みつ子 雨月 201205
轟音は暖気の証し屋根の雪 鎌田慶子 ろんど 201205
ひとひらひとひら雪片ひとひら落ちてくる 瀬川公馨 201205
一むらの木賊の節に雪降れり 金田けいし ろんど 201205
底しれず降り積む雪の実朝忌 水野恒彦 201205
肩を組む深雪連峰茂吉の地 池内結 ろんど 201205
ほつこりと雪の明りや白川郷 佐藤洋子 201205
ホスピスの施設と知れる雪明り 足立良雄 201205
やまかひに堪へかねゐたる暮の雪 菊谷潔 六花 201205
一瞬に雪化粧せし六甲山 中井光子 ぐろっけ 201205
みしみしと雪の怪かし通りたる 中田禎子 201205
バイキング雪の明りの粥掬ふ 上谷昌憲 201205
童話村扉開けても開けても雪 上谷昌憲 201205
鈍色に消ゆる早池峰雪しづり 上谷昌憲 201205
最後まで雪が降りゆく物語 松田都青 京鹿子 201205
猫柳ふるさとはなほ雪深し 松浦陵保 万象選集 201205
年重ね下山は早し雪の道 三浦澄江 ぐろっけ 201205
屋根雪を風のばら撒く日和なる 嶋田摩耶子 ホトトギス 201205
不意の雪赤提灯も霞む宵 丸山酔宵子 かさね 201205
父祖の地は捨てたし降りし雪一丈 園部蕗郷 春燈 201205
仏の名冠す村あり雪深く 工藤ミネ子 風土 201205
粉雪や化石にならむと寝落つかな 吉弘恭子 あを 201205
      雪→41

2020年12月18日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。