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   初雪  雪折れ  雪国  雪籠  雪見  雪催  雪やどり  雪の精  豪雪

作品
作者
掲載誌
掲載年月
雪をのせ輝きを増す茶臼岳 仁平則子 201104
雪を被て神々遊ぶ山となる 苑実耶 201104
雪暗の三日つづける鳰のこゑ 蘭定かず子 火星 201104
雪暗やティッシュが箱を立ち上がり 浜口高子 火星 201104
雪竿の辺へ突つ込みし轍あり 大畑善昭 201104
雪警報解けて故郷へ向ふ道 坂根宏子 201104
雪降りて時間長者となりにけり 小西和子 201104
雪降るや内に静まり難きもの 松川悠乃 ろんど 201104
雪降る日注射嫌ひの医者通ひ 伊藤憲子 201104
雪参道恋のみちゆき踏みし跡 降幡加津 ろんど 201104
雪晴れて無疵の空の広がれる 宮崎左智子 201104
雪積むやふつと聴力への不安 富川明子 201104
雪道に合格祈願の守り札 篠田純子 あを 201104
雪敷けり木立囲ひの美術館 飯田角子 酸漿 201104
雪明り温泉街は坂ばかり 吉成美代子 あを 201104
雪霏々と近江を白に変えてゆく 泉田秋硯 201104
仙人の臥所としたる松の雪 岩下芳子 201104
先頭の代れど雪に迷ふかな 久津見風牛 201104
浅井三代朝倉五代雪の底 田中芳夫 201104
うず高き雪捨場あり子らの声 柿崎寿恵子 酸漿 201104
てふてふのやうな雪くる女正月 大坪景章 万象 201104
「大雪」とさらりと云へる湖北人 小澤菜美 201104
大雪や列柱の穴曝さるる 土居通子 ろんど 201104
大琵琶も嶺々も眩しき深雪晴 磯野しをり 雨月 201104
滝見の湯雪はしきりと湯煙に 安藤久美子 やぶれ傘 201104
故郷の駅名隠す雪の嵩 中川すみ子 201104
注連に雪はらはら高峰秀子の訃 大島翠木 201104
けふも雪故郷丹波に兄病みて 西田史郎 201104
トンネルを抜ければ車窓雪明り 山口キミコ 201104
雲が雲越す羽の盆地雪止まず 森屋慶基 風土 201105
田に降りて暮雪の鷺のひかりあふ 中村翠湖 馬醉木 201105
昼のごと明るき雪の夜の景 石川元子 酸漿 201105
村の湯をうめるに雪を運びくる 大崎紀夫 やぶれ傘 201105
掃除機を逃げまはる犬雪が降る 有本惠美子 ろんど 201105
前窓の雪明りにて紙を漉く 泉田秋硯 201105
雪明りしづかに含むニトロかな 阪本哲弘 201105
雪燈籠闇のほつこりあたたかき 小坂優美子 馬醉木 201105
雪晴れの空の蒼茫信濃なる 宮入河童 201105
雪を被て補修半ばの時計塔 山田智子 201105
雪の夜糸繰る音が子守唄 松原智津子 万象 201105
雪しまきピリオドのなきメッセージ 遊橋惠美 風土 201105
気の迷ひほどの雪降る葬の朝 岩藤礼子 やぶれ傘 201105
しんしんと雪降る街を冷凍車 柴田志津子 201105
鴉翔ち一塊の雪落ちにけり 大久保白村 ホトトギス 201105
簓(ささら)もて門柱の雪はらひたり 谷村幸子 201105
集落や丈余の雪に埋もれて 岡田史女 末黒野 201105
この里に生きてゆくなり雪積る 岡田史女 末黒野 201105
おごそかや飯豊嶺の雪まだ消えず 滝沢幸助 春燈 201105
はじめての大雪チワワ踏み出せず 武田貞子 ぐろっけ 201105

悼冨松寛子さん

ふいに聞く知らせなごりの雪を踏む

雨村敏子 201105
暗やみに絣織りなす粉の雪 浅田奈美 酸漿 201105
投網打つ人の孤影や深雪晴 千坂美津恵 201105
東京の雪ふるさとへ電話する 堀内一郎 あを 201105
東大に雪降りしきる大試験 松崎雨休 風土 201105
踏みしむる音ここちよき朝の雪 山口裕子 万象 201105
遠眼してふるさとの雪深きを言ふ 成瀬櫻桃子 櫻桃子俳句選集 201105
南天や実も葉も今は雪の中 藤波松山 京鹿子 201105
この国に明日ありやとて雪に老ゆ 滝沢幸助 春燈 201105
菜花畑対岸雪の比良の嶺 松村富子 201105
拝殿の闇に雪降る初詣 稲岡長 ホトトギス 201105
音のなき雪受け止むる掌 小川玉泉 末黒野 201105
白鳥句碑まで三尺の雪わけて 小林愛子 万象 201105
白道に紛れ込みたり雪明り 中野京子 201105
筆擱くや前もうしろも雪しづる 雨村敏子 201105
四温日や雪の呪縛を解かれゆく 吉田裕志 201105
家並ひくき街道つづく深雪晴 宮崎左智子 201105
文机に座すや名残りの雪明かり 田中臥石 末黒野 201105
別の世や雪ある庭の無音界 望月晴美 201105
ささめ雪六人姉妹しかと生き 上家弘子 ろんど 201105
母の忌の降り積む雪の静かなる 野澤あき 火星 201105
北向きの部屋の明るし深雪晴 山口裕子 万象 201105
門灯を封じてさらに雪止まず 上坂渥子 雨月 201105
夜の雪の街灯に降る一途さよ 七田文子 201105
隣人の突然の死に雪が舞う 樋口正輝 ぐろっけ 201105
列島は雪よ建国記念の日 大坪景章 万象 201105
露座仏の膝にたためる雪衣 小坂優美子 馬醉木 201105
霏々といふ雪を知らざる総住まひ 菅谷たけし 201105
寄書に亡き人の名や雪明り 萩原すみ 春燈 201105
幾度も文書き直す夜半の雪 緑川啓子 馬醉木 201105
ソナタと聴けり軒よりの雪しづり 大橋晄 雨月 201105
その奥に白鳥病めり深雪晴 小林愛子 万象 201105
進むほど雪厚くなる段畠 鈴木愛子 ぐろっけ 201105
人を待つ愉しさの雪舞ふことよ 成瀬櫻桃子 櫻桃子俳句選集 201105
かまくらや口もふさがる又も雪 藤波松山 京鹿子 201105
水雪を踏むや来し方透きとほる 山崎@靖子 201105
ダイヤモンド婚は雪かの時も雪 井口光石 風土 201105
正に今クライマックス雪霏霏と 白髭美佐子 201105
「城崎にて」執筆の部屋雪あかり 鈴木愛子 ぐろっけ 201105
赤卵ゆであがりたり外は雪 谷村幸子 201105
雪しまく父参戦の爾霊(にれい)山 辰巳比呂史 201105
雪と住み福祉おにぎり届けらる 西出俊子 酸漿 201105
雪ならず落花が吾が庭ふぶき来る 大橋敦子 雨月 201105
雪に雪時間に時間積みて住む 古屋元 201105
雪のひま青空のまま暮れにけり 門伝史会 風土 201105
雪の嵩減り燈籠も白衣脱ぐ 西出俊子 酸漿 201105
雪の中静まり返る湯沢町 赤座典子 あを 201105
雪の庭石ら黙して座せるのみ 伊藤和子 201105
雪の日や裾上げに針持つことも 鈴木榮子 繭玉 201105
雪まぜの雨となりたる電話なり 井上信子 201105
雪も灰も小さき島にもう降るな 遠藤とも子 ぐろっけ 201105
雪景色ばかりの一日列車旅 泉田秋硯 201105
雪止まずコンビニの灯の煌々と 小川玉泉 末黒野 201105
雪止みし空のぼんやりしてゐたる きくちきみえ やぶれ傘 201105
雪止みて障子に映る鳥のかげ 池田いつ子 酸漿 201105
雪雫うなじにくぐる大鳥居 石川叔子 201105
雪深き土地に生れて雪嫌ひ 西村純代 201105
雪晴の大涌谷や黒玉子 内田三郎 末黒野 201105
雪晴の明日を約して冷え急に 稲岡長 ホトトギス 201105
雪大佛雀一家を肚に抱き 久津見風牛 201105
雪踏みてはだし詣の道作る 和田崎増美 雨月 201105
雪道の足跡に水たまりたる きくちきみえ やぶれ傘 201105
雪無言書かざる一語一語積む 成瀬櫻桃子 櫻桃子俳句選集 201105
雪明りしづかに含むニトロかな 阪本哲弘 201105
雪明り不幸が音を立てゝ行く 樋口正輝 ぐろっけ 201105
雪野行くあたり真つ赤に炎(ほむら)立つ 久津見風牛 201105
うすれゆく地縁血縁過疎の雪 中田のぶ子 ろんど 201105
葬終ゆ飛島海峡雪しまく 和田照海 京鹿子 201105
見はるかす北信五岳深雪晴 峰尾秀之 201105
大雪にきしむ屋根音ひびくなり 西出俊子 酸漿 201105
綻びをつづくる常着雪遠嶺 中山純子 万象 201105
坪庭に雀ばらばら@細雪 恒成久美子 ぐろっけ 201105
紬織る夜の雪の気を織り込めて 成瀬櫻桃子 櫻桃子俳句選集 201105
なんとまあ白川郷に雪の壁 坂上香菜 201105
降る雪や白き教会白を積む 中尾廣美 ぐろっけ 201105
靴先で知る堅雪の固さかな 渡邉孝彦 やぶれ傘 201106
雪滴連ねて枝の艶めける 柳澤宗正 万象 201106
雪しまく大津波あと胸緊むる 市橋香 ぐろっけ 201106
新しき俳句手帳に雪の句書く 野沢しの武 風土 201106
国宝の墨絵の無地に雪の嵩 鳳蛮華 201106
佐保姫の打掛け羽織るほどの雪 森屋慶基 風土 201106
猫車畑に残され雪が降る 高村俊子 万象 201106
屋根の雪生活を籠めて音も無し 稲岡長 ホトトギス 201106
屋根も木もどかと雪載せ小正月 野沢しの武 風土 201106
傘に雪昼餉の魚焼く臭ひ 渡邉孝彦 やぶれ傘 201106
壊滅の町を鎮めの雪霏霏と 新実貞子 201106
出荷道時に真向ふ雪浅間 齋藤博 やぶれ傘 201106
外燈を通るとき雪大となる 嶋田摩耶子 ホトトギス 201106
老いたりし友よりの文雪しづる 秋葉貞子 やぶれ傘 201106
詫びて済むことにもあらず雪つのる 野沢しの武 風土 201106
鶺鴒のひとり遊びや深雪晴 高村俊子 万象 201106
しんしんと雪降る街を冷凍車 柴田志津子 201106
神杉の雪舞ひ降りる石畳 秋葉貞子 やぶれ傘 201106
雪しまく阿蘇駆け下る放れ馬 長憲一 201106
啓蟄の雪やうなじをまた隠す 田中一美 ろんど 201106
くれむつの梵鐘の音も雪の中 長憲一 201106
登り窯休める背ナの雪深し 池田倶子 雨月 201106
荒灘をおさへて雪の降りやまず 長憲一 201106
地図上はこんなに近い雪しんしん 火箱游歩 船団 201107
東京の雪にとまどふハイヒール 橋本くに彦 ホトトギス 201107
黄昏の雪の恋路を北狐 金山藤之助 201107
野兎駈くる雪の疎林や谷地坊主 金山藤之助 201107
小雪舞ふ西の河原や湯の煙 小滝奈津江 酸漿 201107
震災に停電更に雪降れり 千葉惠美子 末黒野 201107
雪が降る人差し指は誰のもの 陽山道子 船団 201107
雪割つて道拡げたり建国日 野沢しの武 風土 201107
雪跡のスノードロップ風を待つ 加藤千津 ろんど 201107
言ふすべなし地震の瓦礫に雪まで積み 丹生をだまき 京鹿子 201107
えんぶりの終の夜の雪街に森に 野沢しの武 風土 201108
どか雪まだ大方残り寺僧逝く 野沢しの武 風土 201109
寝返りの父に手を貸すはじめて雪 荒井千佐代 祝婚歌 201110
雪の底生きるあかしの放尿す 佐藤喜孝 あを 201110
会津は雪十七に逝く墓ならぶ コ田千鶴子 花の翼 201111
霙やがて雪にかはりぬ無言館 コ田千鶴子 花の翼 201111
雪しまき我が身は青き燭となる ことり 六花 201112
雪の上に金の炎のとぶ焚火 大橋桜坡子 雨月 201112
ねがへりをうつねがへりをうち雪か 定梶じょう あを 201201
とほくまなこ屋根の雪をばおもひをり 吉弘恭子 あを 201201
炭火は尉に雪降る速さ感じをり 水野恒彦 201201
子びたりでよし雪癖の二月尽 伊藤白潮 201201
北から雪葬りの朝と思ひけり 堀内一郎 あを 201201
車窓には雪一枚となりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 201201
関ケ原どころか雪に阻まるる 稲畑汀子 ホトトギス 201201
帰路にして雪の遅延といふことも 稲畑汀子 ホトトギス 201201
記憶確と雪の神秘に初伊吹 大橋敦子 雨月 201201
摂津より雪の便りがあらうとは 稲畑廣太郎 ホトトギス 201201
ともかくも雪の消息伝へたく 稲畑汀子 ホトトギス 201201
立山の冠雪遥か夫の郷 中尾廣美 ぐろっけ 201202
点滴に刻うつりゆく雪降りつつ 川端俊雄 火星 201202
瞽女往きし径は一筋雪しまく 阪本哲弘 201202
ふるさとに雪降りをらむ根深汁 湯橋喜美 201202
遠山に雪置くのみの内子かな 山田六甲 六花 201202
夜を徹すいのりの肩に雪降りつむ 丸山佳子 京鹿子 201202
外に雪部屋に暖炉の薪はぜる 丸山酔宵子 かさね 201202
小雪舞う包帯の指杖を振る 水野弘 ぐろっけ 201202
雪の夜を灯す蒔絵の筆撰 高島鷄子 馬醉木 201202
雪の来るまでに囲へるもの囲ふ 上坂渥子 雨月 201202
雪を呼ぶ雲気に見ゆるうらおもて 小野寺節斤 風土 201202
雪を被て名も無き山の威風かな 久染康子 201202
雪割りてやうやく進む渡し舟 あさなが捷 201202
雪近し北に住まひて予報聞く 加藤千津 ろんど 201202
雪降つて山のほころび繕へり 竹田ひろ子 ろんど 201202
雪載せて山ふところは粧へる 岡本敬子 万象 201202
雪晴の雪に荷を解く若狭蜑 高島鷄子 馬醉木 201202
雪凍つる地に踏み出せり旅一歩 コ田千鶴子 馬醉木 201202
雪来るか肩寄せてゐる墓の群 生田作 風土 201202
喪の服の釦も黒し雪がくる 中山純子 万象 201202
剣玉のかちんかつんと雪を呼ぶ 林昭太郎 201202
大雪や歯科医のぬるき漱水 上谷昌憲 201202
古里の山の冠雪言ひ見舞ふ 中島讃良 ろんど 201202
暖炉に火窓打つ雪のしんしんと 丸山酔宵子 かさね 201202
      雪→ 40

2020年12月16日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。