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   初雪  雪折れ  雪国  雪籠  雪見  雪催  雪やどり  雪の精  豪雪

作品
作者
掲載誌
掲載年月
真向うに初冠雪の伊吹山 三川美代子 201102
松ヶ枝を垂りし雪の降り来たる 山田六甲 六花 201102
初晴や雪のしづくのとどめなき 藤生昇三 六花 201102
初冠雪村の寡黙と山の黙 竹田ひろ子 ろんど 201102
北嶺も南山も雪来る頃か 大畑善昭 201102
北窓の夜景の彼方雪来るか 北川英子 201102
押し黙る越の田んほに雪来るか 田中一美 ろんど 201102
好々爺・女将に雪の客一人 根岸善行 風土 201102
追試験明日は雪の予報かな 定梶じょう あを 201102
大カーブ雪落し行く夜行バス 篠田純子 あを 201102
よく晴れて自づから威の雪の峰 岡部玄治 201102
みちのくは雪と聞く夜の菊膾 廣瀬雅男 やぶれ傘 201102
ロープウェーの昇る山頂雪と言ふ 永島雅子 春燈 201102
年の瀬や窓一色の雪景色 高木智 京鹿子 201102
播但線木々は黙して雪衣 武田ともこ ぐろっけ 201102
梅園の蕾の尖(とがり)隠す雪 ことり 六花 201102
思はずに雪のぬかるみ直登す 角谷美恵子 ぐろっけ 201102
家鳴して窓に目をやる雪夜かな ことり 六花 201102
放たれし鳥もどるらし雪しまき 武田ともこ ぐろっけ 201102
夜の雪トランプの付き回り来し 藤原照子 201102
野狐のふはりと雪の闇に跳ぶ 山田六甲 六花 201102
立ち話降りくる雪に遮られ 中尾廣美 ぐろっけ 201102
老いの手を取りあひてゆく雪の道 根岸善行 風土 201102
患者食あまさず食べて雪ふらす 渡辺鶴来 春燈 201102
寝台車に醒めどこまでも雪景色 北川英子 201102
身震ひをすれば全山雪垂る 瀬口ゆみ子 ぐろっけ 201102
昔色街の裏口雪の声 根岸善行 風土 201102
雪くるか日野菜の茎のまくれなゐ 蘭定かず子 火星 201102
雪しまき自己更新のちからかな 能村研三 201102
雪の夜は李白と酒に酔ふばかり 片山博介 春燈 201102
雪濡れのたてがみを梳く調教師 久保東海司 201102
雪付きし馬の背に向く砂と風 角谷美恵子 ぐろっけ 201102
雪舞うて君の心を白くせり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201102
雪霏々と日暮の道の遠かりき 岡佳代子 201102
茎漬くる権現山に雪来しと 谷村祐治 雨月 201102
軽々と雪積む中を駆くる鹿 ことり 六花 201102
大阪に珍らの雪の大晦日 大橋敦子 雨月 201102
元旦や雪を冠りて並ぶ屋根 筒井八重子 六花 201102
啄木鳥のゐて雪晴れの朝かな 白石正躬 やぶれ傘 201102
店に入る雪の小さき橋渡り 根岸善行 風土 201102
倒れこみ救急車待つ雪の道 長谷川としゑ ぐろっけ 201102
降る雪に雪の南極なつかしく 原田圭子 ぐろっけ 201102
降雪の予報下模試へペダル踏む 蓮尾みどり ぐろっけ 201102
雪竹の風情眺めて朝湯かな 冨田ヒナ江 201103
雪降りてはらからの幸(ゆき)つもるかな 上田玲子 201103
雪をくぐり雪をくぐって物干竿 定梶じょう あを 201103
雪の来るけはひに木々の夜のさわぎ 豊田都峰 京鹿子 201103
雪しづる音にも慣れて山の寺 坂根宏子 201103
青空の中より雪の生まれけり 竹久みなみ 風土 201103
文部省唱歌うたひつ雪を踏む 岡佳代子 201103
燦然と鴟尾跳ねてゐる雪後かな 塩路隆子 201103
アタモの雪ははのしぐさを憶ほゆる 近藤公子 201103
のぞみ号をキャンセルさせし夜の雪 中川すみ子 201103
ひよどりの群大雪の渓渡る 中島節子 ぐろっけ 201103
一茶忌の信濃は雪となりにけり 近藤幸三郎 風土 201103
みはるかすもののひとつに雪比叡 豊田都峰 京鹿子 201103
庭の雪とけて現はる陶狸かな 安本恵子 201103
ココア吹く子の住む町に雪降れり 浅木ノヱ 春燈 201103
ぼた山の傾ぐ形に雪降れり 大内和憲 万象 201103
みちのくの大雪煙原野かな 坂上香菜 201103
ワイシャツの襟の固しよ雪来るか 林昭太郎 201103
塔聳ゆ雪来る前の碧き空 浜福恵 風土 201103
湯治場の深雪晴して木々の影 加藤克 201103
遠目には幻想といふ雪であり 竹田ひろ子 ろんど 201103
南天に雪こぼれ落ち日の光 續木文子 あを 201103
悩みごと多し義士の日雪あらず 次井義泰 201103
芭蕉句碑肩まで雪に埋もれたり 中島節子 ぐろっけ 201103
屋根の雪二階の窓を塞がむと 能勢栄子 201103
売店の笑顔や雪の旅始め 渡辺安酔 201103
山彦の間の一瞬や深雪晴 塩路隆子 201103
標識の雪に埋もるる夕鴉 田中文治 火星 201103
父思ひ出す雪垣の締め具合 高橋将夫 201103
舞ひ降りて雪より白き鴻の鳥 坂本鴻 六花 201103
文部省唱歌うたひつ雪を踏む 岡佳代子 201103
イタリアアルプス雪の青嶺をかがやかす 田中きよ子 酸漿 201103
ささめ雪番傘似合ふ真砂女かな 佐瀬晶子 ろんど 201103
母逝きて雪の鴎となり賜ふ 塩路隆子 201103
鹿児島雪電話の母の弾む声 斉藤裕子 あを 201103
北東北綺羅なす雪を深くおき 大畑善昭 201103
牧場と看板ひとつ雪野かな 赤座典子 あを 201103
未だ温き妻の手白し窓の雪 高谷栄一 201103
木彫り鷹出羽三山の雪を呼ぶ 近藤幸三郎 風土 201103
目覚めれば無音の世界雪積みて 中島節子 ぐろっけ 201103
我が庭の狭庭ながらも雪景ぞ 大橋敦子 雨月 201103
里雪の降りしきるのみみてをりぬ 小林のり人 春燈 201103
宿の灯を消せば南部の雪明り 園部蕗郷 春燈 201103
すぐ雪の解けて六甲山笑ふ 稲畑汀子 ホトトギス 201103
鐘ごーんと雪被る椿崩れずに 伊藤希眸 京鹿子 201103
喜寿なれや雪の坂道蟹歩き 藤原照子 201103
起きて雪手の出しやうもなき程に 大畑善昭 201103
ライターの火の立ち上り雪来るか 安達実生子 201103
雪しづる音にも慣れて山の寺 坂根宏子 201103
雪しんしん飛び交ふやうに津軽弁 渡辺安酔 201103
雪はげしひと日厨に煮物の香 木戸宏子 201103
雪はげし先師の忌なる討入日 園部蕗郷 春燈 201103
雪まとふ姿を闇に百日紅 阿部ひろし 酸漿 201103
雪もやに現れし一樹のひぐれいろ 豊田都峰 京鹿子 201103
雪化粧男体山のワイドビュー 前川ユキ子 201103
雪降らば人は孤独を楽しめる 小澤菜美 201103
雪降りつぎ咲き初む梅をいたぶれる 大橋敦子 雨月 201103
雪降る夜五右衛門風呂の至福かな 松岡和子 201103
雪止みて今宵も月の明かりかな 牧原佳代子 酸漿 201103
雪止んで一閃の日矢眩しめり 渡辺安酔 201103
雪晴れや厨いきいき音のして 松井志津子 201103
雪凍てて風音明日を占へり 加藤克 201103
雪埋む線路の先に狐ゐて 赤座典子 あを 201103
掻く雪の捨て場を託ちたる媼 中島節子 ぐろっけ 201103
「雪恨めし」と母の電話や里訪へず 山崎里美 201103
荘厳に朝より聳え雪の嶺 小澤菜美 201103
つるつるの雪道誰も小幅の歩 大畑善昭 201103
村百戸のみこんでゐる雪浅間 外川玲子 風土 201103
月光の深雪の底の千曲川 山本浪子 風土 201103
大海の沖より陸へ飛雪かな 大竹淑子 風土 201103
犬跳ねてゐたらむ雪の足跡よ 築城百々平 馬醉木 201103
啄木鳥や雪晴となる大晦日 長田秋男 酸漿 201103
知床斜里曽遊の駅の雪しまく 赤座典子 あを 201103
地蔵立つごとき檜葉垣雪明り 坂上香菜 201103
鳥海を咫尺に屋根の雪卸す 園部蕗郷 春燈 201103
雪激し今年の前途告ぐる如 金山藤之助 201104
雪掘れば重みにも耐へ野菜たち 能勢栄子 201104
雪を来て雪の匂のわつぱ飯 コ田千鶴子 馬醉木 201104
雪の日は雪に従ひ書に籠る 村上悦子 雨月 201104
雪となるあしたの庭の楽しくて 鎌倉喜久恵 あを 201104
雪しまき眼鼻口てふ顔の穴 東亜未 あを 201104
甘栗の袋が真つ赤山に雪 林昭太郎 201104
初社尺余の雪を踏みしめて 大竹淑子 風土 201104
路地裏の話のはずむ雪の朝 東亜未 あを 201104
海に雪青森行きの深夜バス 外川玲子 風土 201104
姿見の奥も山並み雪眩し 大畑善昭 201104
こんもりと屋根雪染めし夕日あり 柿崎寿恵子 酸漿 201104
膝の水抜く針太し外は雪 高倉恵美子 201104
山里の雪しんしんと暮れゆける 伊藤久江 201104
屋根ごとに雪積み峡は青きひぐれ 豊田都峰 京鹿子 201104
燈籠祭朱の極まりて雪となる 築城百々平 馬醉木 201104
東から西から風に小雪舞ふ 鎌倉喜久恵 あを 201104
ひとり住む山科の里雪しんしん 杉本綾 201104
雲堂の半ば埋もるる深雪かな 大竹淑子 風土 201104
降る雪に火屑飛びつく吉書揚 山口美貴子 火星 201104
天の声ふきぬけてゆく雪の上 松原仲子 201104
けふも雪音沙汰のなき両隣 能勢栄子 201104
竹生島詣欠航雪しまく 磯野しをり 雨月 201104
戸を繰れば果して雪の朝かな 笠井敦子 201104
大屋根に落ち小屋根落ちしづり雪 半沢一枝 末黒野 201104
駅離る雪の外房電車来ず 田中臥石 末黒野 201104
ひさびさの雪ついばめる雀どち 早崎泰江 あを 201104
一キロのポストは遠し雪の道 能勢栄子 201104
ひた寄するものの一つに湖の雪 生田作 風土 201104
鞍馬より雪の匂ひの体して 雨村敏子 201104
雨やがて雪となりたる夕まぐれ 三村武子 酸漿 201104
合掌家五尺の雪の無音界 水谷芳子 雨月 201104
東京に雪を降らしめ無帽なり 堀内一郎 あを 201104
黒板の裏は大雪退路なし 松田都青 京鹿子 201104
那須野原風に逆巻く雪煙 仁平則子 201104
二月はや半ばを過ぎし雪月夜 阿部ひろし 酸漿 201104
再会の啄木像の雪はらふ 石田きよし 201104
妻の顔明るく直視庭の雪 達山丁字 201104
奥能登や雪積む音のセピア色 杉本光 201104
日矢射すや小千谷縮の雪晒し 杉本光 201104
沖さしてゆく船のあり雪の峰 清水侑久子 201104
穏やかな雪の元旦神籤引く 池田加寿子 201104
下町やかりそめに積む屋根の雪 上谷昌憲 201104
斑鳩の仏の涙雪明り 池田加寿子 201104
悲しみは降り積むものか雪に似て 青木陽子 酸漿 201104
産院にあがる産声深雪晴 大畑善昭 201104
子の瞳輝く雪の金閣寺 河本利一 201104
夫逝きて何を描かむ雪の画布 辻香秀 201104
思はざるどか雪となる大旦 宮原悦子 雨月 201104
福寿草雪に囲まれゐたりけり 谷合青洋 酸漿 201104
粉雪舞ふ通し矢の娘の紺袴 西垣順子 201104
明洞(ミョンドン)のネオンに雪の降り始む 廣見知子 201104
綿雪やふいの別離を受入れず 須賀敏子 あを 201104
会津より雪の匂ひの賀状かな 久米なるを 201104
浴しけり大注連縄の雪しづり 坂口夫佐子 火星 201104
かうかうと雪降る中の星一つ 神蔵器 風土 201104
露天湯に雪の降り込む大旦 土井三乙 風土 201104
あの屋根の雪に包まれ父在す 石田きよし 201104
掛蕎麦の大盛雨は雪となる 東亜未 あを 201104
藪暮れて雪ふる音となりにけり 生田作 風土 201104
初荷船こんもり雪を積みて着く 山口順子 201104
初詣赤子に雪の道ゆづる 大竹淑子 風土 201104
初雀発ちて雪片散らしたる 土井三乙 風土 201104
鶯啼庵止む気配なき雪の景 高木千鶴子 酸漿 201104
寒念仏辻に草鞋の雪落とす 大竹淑子 風土 201104
小雪舞ふ日にも反戦言ひたけれ 椿和枝 201104
少年を駆けまはらせて雪積もる 蟻蜂 六花 201104
甘樫の薄雪はらふ仏の座 塚山田美恵子 火星 201104
尻餅におっかな吃驚雪の道 増田一代 201104
神杉のふたもと雪の舞ふなかに 安藤久美子 やぶれ傘 201104
垂(しず)り雪浅き眠りを吹き飛ばす 宮脇百百子 201104
漁船のランプに映る雪の里 山本節子 201104
京に住み近年稀な雪景色 増田一代 201104
積る雪大仏池を覆ひけり 笠井清佑 201104
雪あそび笑くぼ変らず右側に 森理和 あを 201104
雪しぐれ昼餉の饂飩すすりをり 山荘慶子 あを 201104
雪しまく地上に不意といふ油断 安武晨子 201104
雪しんしん卯の花炒つてをりにけり 栗栖恵通子 201104
雪ですよ窓辺によせる車椅子 清水佑実子 201104
雪の肩十九を並べ自刃墓 コ田千鶴子 馬醉木 201104
雪の上に雪積む会津嫂を訪ふ 高瀬史 馬醉木 201104
雪の竹しなやかにあり風すこし 外川玲子 風土 201104
雪 →39      

2020年12月14日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。