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   初雪  雪折れ  雪国  雪籠  雪見

 雪催  雪やどり  雪の精  豪雪

作品
作者
掲載誌
掲載年月
雪やみて尖り頭の嬰生まる 吉田和子 ぐろっけ 200807
雪積んで一枚となる千枚田 田島洋子 200807
どか雪を卸す二月も末てふに 安原葉 ホトトギス 200807
海鳴りに醒むる夜更けの雪の宿 小山徳夫 遠嶺 200808
弔ひの一夜が明ける果ての雪 森津三郎 京鹿子 200808
沼舟に雪積む昼の岸景色 小澤克己 遠嶺 200808
水すこし飲み雪中の鴉飛ぶ 藤田宏 長城 200808
母葬り暮雪の里に籠りけり 柴崎甲武信 月日 200811
帰りたるあとに雪来しことも旅 稲畑汀子 ホトトギス 200811
雪なくて光太郎小屋寂し過ぎ 勝原文夫 ペン皿 200811
神鶏の長鳴き雪を呼びにけり 山尾玉藻 火星 200812
雪富士に長き夕映寒の入り 神田美穂子 万象 200807
雪原の星座晴れこそわが世界 小澤克己 遠嶺 200808
雪原のはるかなくぼみ呻きけり 鈴木直充 素影 200811
水雪の十歩がほどを難渋す 伊藤白潮 200812
雪こぼる好爺良漢また帰天 品川鈴子 ぐろっけ 200812
雪に閉すこの店開けば花舗の筈 岡本眸 200812
雪中の歓声おほかた他愛なし 岡本眸 200812
この雪に阪神淡路偲ぶ朝 稲畑廣太郎 ホトトギス 200901
一片の雪享けし掌の透きとほる 丹羽啓子 馬醉木 200901
なすすべもなく雪しまきやり過ごす 稲畑汀子 ホトトギス 200901
一願の小石投げれば山に雪 松田都青 京鹿子 200901
東京の雪やとつぴんぱらりのぷ 北島和奘 風土 200901
細雪身に添ひ齢加へけり 岡本眸 200901
白雲のパフもて富士の雪化粧 林翔 馬醉木 200901
四囲の山引き寄せ飛騨は雪の前 柴崎英子 200901
墓原の雪を掴みて力湧く 瀧春一 深林 200901
冠雪の富士相模湾越しにかな 丑久保勲 やぶれ傘 200901
浪費の悔と雪の泥濘いつまでも 瀧春一 深林 200901
曼陀羅華天にし白山初冠雪 中山純子 万象 200901
韋駄天に加速つきたり山に雪 伊藤希眸 京鹿子 200901
アパートのかぼそき欄も雪を積む 瀧春一 深林 200901
帰路にある雪の予報を聞きしより 稲畑汀子 ホトトギス 200901
雪のきて里は藁屋の嵩にして 豊田都峰 京鹿子 200901
雪ふかき室堂喫茶は待ち時間 澤田緑生 馬醉木 200901
雪ほろろ闇の表に息を足す 伊藤希眸 京鹿子 200901
雪まとふ浅間小浅間朝日さす 阿部ひろし 酸漿 200901
雪刷きて秋天限る甲斐白根 手島靖一 馬醉木 200901
雪浅間夜明の雲を秀にまとふ 阿部ひろし 酸漿 200901
雪明り太古の土器に人の貌 瀧春一 深林 200901
土偶を守る家のうつばり雪雫 瀧春一 深林 200901
雪来るか海の匂ひのほんだはら 山田みづえ ぐろっけ 200901
浅間嶺に雪来し人のさわがしき 石原みどり 炎環 200901
灰色に都心染めゆく朝の雪 稲畑廣太郎 ホトトギス 200901
大観峰嶺越しの雪が紅葉染め 澤田緑生 馬醉木 200901
甲斐駒の雪の襟立て晴れわたる 阿部ひろし 酸漿 200901
降る雪の勢ひ失せてさまよひぬ 岡本眸 200901
ポーカーの目と指見つめつづけ雪 丹沢亜郎 炎環 200902
点描の街となりゆく夜の雪 駒野目信之 春燈 200902
クルーズにアナウンスされ雪の比良 泉田秋硯 200902
大雪の好天なれど寒き日よ 小山ナオ子 酸漿 200902
大口をあける児飛雪食べんとて 林翔 200902
雪舞ふや漬物石の沈む泡 石田厚子 馬醉木 200902
おおらかな心地にながむ垂雪 ことり 六花 200902
木曾五木亭々と雪待ちてをり 村井二郎 馬醉木 200902
山々に降りくる雪の子守唄 近藤喜子 200902
白魚のやうな指もて雪まろげ 山田六甲 六花 200902
音吸うて雪の積もりてゆきにけり ことり 六花 200902
飛雪もてえぶりの篝燃え立たす 鷹羽狩行 200902
揚げ舟に雪積む夜となりにけり 大崎紀夫 やぶれ傘 200902
終列車音なく着けり雪の駅 荒井書子 馬醉木 200902
稜線に砲音ひびき雪来るか 小澤克己 遠嶺 200902
和帽子の黒きが雪をはじきをり 小澤克己 遠嶺 200902
冠雪の石鎚山晴るる惜命忌 石本秋翠 馬醉木 200902
岩根噛む神の大杉雪来るか 間宮あや子 馬醉木 200902
深々と雪降る中へ豆を撒く 山嵜ヤス子 酸漿 200902
かまくらに余りし雪をならしけり 稲畑汀子 ホトトギス 200902
随筆を繰るをとどむる雪時雨 ことり 六花 200902
生きる事苦も楽もあり外は雪 山嵜ヤス子 酸漿 200902
生くること絶つより難し雪の声 山崎ゆき子 炎環 200902
節分の雪に欠席てふ電話 稲畑汀子 ホトトギス 200902
雪のお降り何んと言っても遠刈田 堀内一郎 あを 200902
雪のせて枯枝とリス絵になる旅 堀内一郎 あを 200902
雪暗の川沿ひをゆくチンドン屋 山尾玉藻 火星 200902
雪化粧といふ名の冬至南瓜かな 遠藤実 あをかき 200902
雪降るか円空仏の衣紋線 伊藤無迅 炎環 200902
雪折とならず戻つてをりし竹 稲畑汀子 ホトトギス 200902
靴箱に払ひ切れざる雪の跡 ことり 六花 200902
銭湯の灯のやさしさも雪後なる 岡本眸 200902
つながりし消息古都の雪の朝 稲畑汀子 ホトトギス 200902
息ころし箔置く筆や細雪 石田厚子 馬醉木 200902
くるぶしの内を打ちくる雪つぶて 山田六甲 六花 200902
受け入れぬ救急病棟雪が降る 吉村摂護 200903
富士を背に愛鷹山の初冠雪 山口まつを 雨月 200903
音もなし疎林を辿る雪の尾根 伊藤いな栄 酸漿 200903
音たてて柏が雪を払ひける 伊藤いな栄 酸漿 200903
二人ゐてこその老い坂雪世界 藤本秀機 200903
雪すかし思へば露地木増やされず 若島久清 万象 200903
聖樹立つ雪の結晶鏤めて 前川千恵子 雨月 200903
深雪晴飛翔眩しきこふのとり 藤見佳楠子 200903
ミンク小屋雪の重みに拉げたり 安部康子 万象 200903
ぽっかりと巨きな温泉(ゆ)壺雪世界 中田みなみ 200903
まほろばの丹の橋みゆる雪安居 飯塚ゑ子 火星 200903
駅高架比良冠雪に真向かへり 松村富子 200903
棟瓦締め上げ雪に備へをり 若島久清 万象 200903
遠富士もひかりて雪の三原山 代田青鳥 風土 200903
遠嶺の雲よりこぼれ雪のこゑ 石山雅之 遠嶺 200903
虹生るる雪の残れる嶺の上 山田六甲 六花 200903
白鳥の首の直角雪くるか 城孝子 火星 200903
しなやかに角巻の雪はらひけり 藤原照子 200903
オブジェめく池の枯蓮雪化粧 高根照子 200903
伽藍へと果てなき石段しづり雪 木村美猫 ぐろっけ 200903
飛騨の里雪に雪積む合掌家 堀田こう 雨月 200903
舞ひ初めし雪片ほほに一年忌 益本三知子 馬醉木 200903
雪→ 33      

 

2021年12月2日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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