年の暮 2         130句

吾書てよめぬもの有り年の暮    尚白

数へ日 年惜しむ 年の内 年の暮 年用意 行年 極月 年歩む 年移る 年送る 年守る

作品
作者
掲載誌
掲載年月
農足袋の疲れ果てたる年の暮 芝生南天 河鹿 200603
鮮魚車の水たらしつつ年の暮 久保アツ子 河鹿 200603
教室の空席目立ち年の暮 澤藤蓑助 200603
深々と錨打たれぬ年の暮 工藤義夫 馬醉木 200603
夕星にせかされてをり年の暮 市川玲子 春燈 200603
皿は皿小鉢は小鉢年の暮 久保田万太郎 春燈 200603
魚屋の大箱飛んで年の暮 武井美代子 万象 200603
形代がポケットにあり年の暮 大山文子 火星 200603
ひきつれる足をなだめて年の暮 中上照代 火星 200603
錻力屋の日々を出で行く年の暮 松崎鉄之介 200603
鳳凰の形に雲浮く年の暮 安田とし子 ぐろっけ 200603
防犯の役を引き受け年の暮 秋田直己 ぐろっけ 200603
親の星子の星ひかる年の暮 重本文子 百鳥 200603
翡翠の瑠璃光り飛ぶ年の暮 増田八重 酸漿 200603
免許証忘れて戻る年の暮 川崎光一郎 京鹿子 200603
年の暮そわかそわかの落暉かな 奥村邦子 200603
労られ居て淋しかり年の暮 大西正栄 雨月 200603
妻病みてしどろもどろの年の暮 廣瀬義一 雨月 200603
笑ひ声ひとり加はり年の暮 斉藤裕子 あを 200603
浅草にうどんを啜る年の暮 小林愛子 万象 200604
魚屋の水掃く音も年の暮 栗下廣子 万象 200605
年の暮の心最后につんのめる 瀧春一 瓦礫 200606
稿債の催促電話年の暮 稲畑汀子 ホトトギス 200612
街の色変りかはりて年の暮 稲畑廣太郎 ホトトギス 200612
術なくて笑つてしまふ年の暮 柴田佐知子 200612
大皿割れ肝の坐りし年の暮 中田みなみ 200612
床軸を無の一字とす年のくれ 竹貫示虹 京鹿子 200612
来年の福を探しに年の暮 水谷ひさ江 六花 200701
恙なく母を送れり年の暮 牧原佳代子 酸漿 200701
バンカーの砂うつくしや年の暮 鷹羽狩行 200702
会ひし人今日幾人や年の暮 藤野智弘 200702
手のどこの切れたる血やら年の暮 篠田純子 あを 200702
鍼打ちて身の箍しめる年の暮 杉本重雄 200703
印伝の財布つややか年の暮 後條さと子 200703
鞭木嘗草にとほき凡医や年の暮 三嶋隆英 馬醉木 200703
俳人の墓に回りし年の暮 君塚敦二 春燈 200703
石段に夢二を偲ぶ年の暮 鈴木石花 風土 200703
寄らず過ぐ旧白洲邸年の暮 門伝史会 風土 200703
鳥一羽枝揺らしゐる年の暮 浅田光代 風土 200703
年の暮先師の遺児と歓語せり 松崎鉄之介 200703
年の暮預りし児に水庖瘡 甲田雅子 200703
煎薬路地迄匂ふ年の暮 足利ロ子 ぐろっけ 200703
老犬の白内障や年の暮 浮田胤子 ぐろっけ 200703
年の暮雷雨のつのる日となりぬ 菊地惠子 酸漿 200703
杵上ぐる度に山容れ年の暮 中田みなみ 200703
歳だけが一つ遺され年の暮 貝森光洋 六花 200704
出征日なりしと夫や年の暮 高倉恵美子 200704
曾根崎に片袖濡らす年のくれ 小形さとる 200704
旧道のこゝも閉店年の暮 松尾緑富 ホトトギス 200705
鏡中の船の灯りし年の暮 百瀬七生子 海光 200705
何かしてをらねば老ゆる年の暮 角直指 京鹿子 200705
のつそりと猫には年の暮なかり 横山迪子 六花 200706
失せ物の気がかり年の暮てふに 松尾緑富 ホトトギス 200707
物忘れいよよ激しく年の暮 松尾緑富 ホトトギス 200707
たちまちに遠ざかる日々年の暮 稲畑汀子 ホトトギス 200712
示談書の乙に捺印年の暮 中島玉五郎 200801
庭師らの口手八丁年の暮 小林峰月 春燈 200802
年の暮誰も使はぬ絹の針 大西八洲雄 万象 200802
ねずみ穴そのままなるに年の暮 本間羊山 風土 200802
加古川より野菜の届く年の暮 松崎鉄之介 200802
年の暮江戸前鰈久し振り 松崎鉄之介 200802
年の暮宝くじ買ふ列長々 深澤テル子 200802
年の暮木魚は高音つづくなり 鈴木多枝子 あを 200802
抱き取りて遺影を拭ふ年の暮 矢島久栄 200803
匂ふまで包丁研ぎて年の暮 柴田久子 風土 200803
見えぬものもろもろ見えて年の暮 柴田久子 風土 200803
はるかなるものへ目のゆく年の暮 中村洋子 風土 200803
畑隅に大きな穴や年の暮 内海良太 万象 200803
讃美歌の熱唱をきく年の暮 加地芳女 雨月 200803
しみじみと吾が影を見る年の暮 松崎鉄之介 200803
庖丁を研いで待ちたる年の暮 梶井和呼 酸漿 200803
母と子の心触れ合ふ年の暮 大野ツネ子 酸漿 200803
托鉢の坊の幼し年の暮 中村輝子 酸漿 200803
歯にハリと弾けし米菓年の暮 布川直幸 200804
エプロンを夫に買ひたる年の暮 後藤晴子 万象 200804
格闘するもの数多あり年の暮 高橋英子 ぐろっけ 200804
全身で堪へる痛み年の暮 宮崎高根 200804
駅中にカフェラテの渦年の暮 服部早苗 200804
海峡を行き交ふ船も年の暮 東良子 首座星 200804
齢忘れあれこれ忘れ年の暮 浅井青陽子 ホトトギス 200805
唇に第九親しむ年の暮 久永つう 六花 200805
挨拶をしてすぐ帰る年の暮 稲畑汀子 ホトトギス 200812
年の暮石を蹴りつつ坂下る 新関一杜 京鹿子 200812
山鳩のててぽぽててと年の暮 佐藤眞隆 京鹿子 200901
転がれる薬の行方年の暮 伊藤憲子 200902
次々と喪中の報せ年の暮 宇治重郎 200902
行列の先見ず並ぶ年の暮 岸ゆうこ 炎環 200902
浚渫の舟池に浮く年の暮 山田春生 万象 200902
二人ゐて一人ひとりの年の暮 吉成美代子 あを 200902
雲水の覇気秘むる相年の暮 竹内悦子 200903
理髪店に待つ児愚図るや年の暮 竹内悦子 200903
星こぼれさうな夜空の年の暮 中山静枝 200903
碩徳の変の一文字年の暮 薗田英冶 遠嶺 200903
絡み合ふ糸まだ解けず年の暮 小原徳男 遠嶺 200903
版元へ句稿持込む年の暮 鈴木石花 風土 200903
だるまの眼大きく入るる年の暮 山崎靖子 200903
鶏小屋の鶏出払へる年の暮 飯塚ゑ子 火星 200903
刃物屋の古りし看板年の暮 助口弘子 火星 200903
年の暮腸わた除く新煮干 羽生きよみ ぐろっけ 200903
本棚のこけしの艶や年の暮 大坪景章 万象 200903
剃刀と筆買ひ足せり年の暮 大西八洲雄 万象 200903
山の端の夕日惜しみつ年の暮 東芳子 酸漿 200903
豆腐屋の劇吠も忙し年の暮 伊藤公子 酸漿 200903
見舞ひしをかひなく思ふ年の暮 筒井八重子 六花 200903
年の暮理髪の日時予約して 松尾緑富 ホトトギス 200904
年の暮予定通りに片付かず 松尾緑富 ホトトギス 200904
職解かれ蹴る石もなき年の暮 松川都青 京鹿子 200904
弾まねば何か失ふ年の暮 松川都青 京鹿子 200904
人波に委ね揺れゆく年の暮 飯田角子 酸漿 200904
釘箱に打つ釘さがす年のくれ 宮崎安汀 春燈 200904
神棚の札出しきれず年の暮 小浦遊月 酸漿 200905
灯さねば点らぬ孤独年の暮 藤岡紫水 京鹿子 201001
咆哮の干支の虎買ふ年の暮 三川美代子 201002
船のため橋撥ね上げて年の暮 鷹羽狩行 201002
余命ふと思ひてゐたる年の暮 戸辺信重 春燈 201002
年の暮希望の花芽首を出す 池田光子 201002
客も手をかざす七輪年の暮 石原光徳 酸奬 201002
とにかくに電話の多し年の暮 斉藤裕子 あを 201002
年の暮無性に話したき日なり 長崎桂子 あを 201002
饗しの角屋の贅や年の暮 山口キミコ 201003
追伸のやうな雲ゆく年の暮 高橋ちよ 201003
献米の勧進届く年の暮 落合由季女 雨月 201003
地下道を出てつきあたる年の暮 織田喜美子 春燈 201003
ボイジャーに積みたい句あり年の暮 佐田昭子 ぐろっけ 201003
かむろみの里に憩へり年の暮 石井邦子 酸漿 201003
骨盤のゆがみ整へ年の暮 倉持梨恵 201004
病室に何もせぬ癖年の暮 北村香朗 京鹿子 201004
小指噛むほどのあきらめ年の暮 松田都青 京鹿子 201004
床屋より夫へ時刻と年の暮 倉橋千代子 末黒野 201004
雑踏の一人となりて年の暮 丁野弘 201012
年の暮→ 3      

 

2020年12月29日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。