年の暮 3         200句

いねいねと人にいはれつ年の暮   路通

数へ日 年惜しむ 年の内 年の暮 年用意 行年

 極月 年歩む 年移る 年送る 年守る

作品
作者
掲載誌
掲載年月
喜寿すぎて走らぬと決め年の暮れ 品川鈴子 ぐろっけ 201101
気付きたる豌豆蒔も年の暮 阿部ひろし 酸漿 201101
年の暮癖の直らぬ竹箒 岡佳代子 201102
開発の街ビル毀つ年の暮 森下康子 201102
捕獲箱にかかる野良猫年の暮 宮崎左智子 201102
積み上げし雑誌かたむく年の暮 岡佳代子 201102
見廻りの消防隊や年の暮れ 竹内悦子 201102
年の暮声かけられる箒売り 池田光子 201102
年の暮研屋目立て屋来ずなりぬ 大西八洲雄 万象 201102
身ほとりに続く訃報や年の暮 谷泰子 ぐろっけ 201102
朝市の賑はひもまた年の暮 大里快子 酸漿 201102
断捨離の言葉溢れる年の暮 森山のりこ あを 201102
鴉とてせはしなく飛び年の暮 早崎泰江 あを 201102
ミシンの目飛びぐせつきて年の暮 秋葉貞子 やぶれ傘 201102
病む友の声に張りあり年の暮 原田圭子 ぐろっけ 201102
あわたゞし掃除買物年の暮れ 原田圭子 ぐろっけ 201102
年の暮主に優る電動機 山口博通 ぐろっけ 201102
年の暮母手作りのにしん漬 山崎里美 201103
デパ地下の蒲鉾パレード年の暮 和田郁子 201103
デカルトに似たる乞食や年の暮 片山博介 春燈 201103
年の暮無産書淫の徒となんぬ 片山博介 春燈 201103
同級生の訃報も届く年の暮 山田智子 201103
ブロンズの裸婦像洗ふ年の暮 岩下芳子 201103
年の暮ワインのコルク抜く音も 宮川みね子 風土 201103
年の暮弁財天の亀の首 竹久みなみ 風土 201103
断捨離を不言実行年の暮 和田 政子 201103
堂裏に伐りたる枝や年の暮 仲山秋岳 万象 201103
年の暮ひらき直りの八十路かな 川崎光一郎 京鹿子 201103
八十路坂越したくもなし年の暮 川崎光一郎 京鹿子 201103
終電の尾灯遠のく年の暮 坊野貴代美 ぐろっけ 201103
夢までも吾を急かせる年の暮 城下明美 ぐろっけ 201103
筆洗と筆を頂く年の暮 飯田角子 酸漿 201103
年の暮歯医者通ひの終りけり 先崎きくよ 酸漿 201103
みほとけの千手多忙や年の暮 安武晨子 201104
競馬場の砂のくろぐろ年の暮 天野美登里 やぶれ傘 201104
年の暮フランス鍋の奉仕品 山口ひろよ 201104
路地裏に遊びし子等去り年の暮 神田惣介 京鹿子 201104
化学屋は洗ひが得意年の暮 山下青坡 201105
手作の蒟蒻とどく年の暮 多田容子 酸漿 201105
句碑除幕ありし一劃年の暮 稲畑汀子 ホトトギス 201112
句碑除幕てふ華やぎも年の暮 稲畑汀子 ホトトギス 201112
由緒ある宮に句碑建つ年の暮 稲畑汀子 ホトトギス 201112
朗々の托鉢僧や年の暮 竹内悦子 201202
陸奥に歓喜贈らん年の暮 笠井清佑 201202
ありがたや障子畳無き年の暮 金田和代 かさね 201202
人込みになぜか虚しき年の暮 長島清志 かさね 201202
吊るされしままの背広や年の暮 都丸美陽子 春燈 201202
貰ひ来し薬の嵩や年の暮 伊地智浅江 春燈 201202
祖母の訓への仏恩感謝年の暮 大橋敦子 雨月 201202
釘打つ音日がなききをり年の暮 大西八洲雄 万象 201202
年の暮あれこれ用事重なりぬ 筒井八重子 六花 201202
大年の暮るる長崎山囲ひ 荒井千佐代 201203
町内に護符くばらるる年の暮 柴田志津子 201203
よれよれのおくすり手帳年の暮 中下澄江 201203
ご無沙汰の閼伽桶に花年の暮 青木ちづる 201203
アスファルトを湯気わたりくる年の暮 大山文子 火星 201203
折鶴のふわつととばむ年の暮 本多俊子 201203
かばかりの用に手間どる年の暮 中島昌子 201203
青丹よし奈良の墨買ふ年の暮 山田春生 万象 201203
臍の緒を出しては仕舞ひ年の暮 内山タエ 末黒野 201203
乾物屋のはだか電球年の暮 渡辺絹代 末黒野 201203
犬あやし犬に咬まれる年の暮 水野弘 ぐろっけ 201203
法然の書にも逢ひたき年の暮 山本喜朗 雨月 201203
愚かさを睨む仁王や年の暮 山崎稔子 末黒野 201204
マヌカンを後ろ手に見る年の暮 池端英子 ろんど 201204
気長にと医師に言はるる年の暮 寺岡ひろし 雨月 201204
かたづけぬこともをりあひ年の暮 橋本くに彦 ホトトギス 201205
死海の水嘗めたる年の暮れにけり 須賀充子 パミール越え 201206
せはしくてさて変らざる年の暮 酒井秀郎 返り花 201211
草木染暦頂く年の暮 稲畑汀子 ホトトギス 201212
稿債を仕上げることも年の暮 稲畑汀子 ホトトギス 201212
蓬髪に古刹の匂ふ年の暮 田中貞雄 自註句集 201301
年の暮地球自転を速めける 塩路隆子 201302
年の暮今年も届く年貢料 竹内悦子 201302
誰が吹くトランペットや年の暮 渡辺安酔 201301
メモを手にあれやこれやの年の暮 本郷宗祥 かさね 201302
年の暮スマートフォンに突き当たる 篠田純子 あを 201302
米兵の通ふステーキ年の暮れ 松田和子 201303
手の甲にメモ書き残る年の暮 不破幸夫 馬醉木 201303
ひもすがら助手なき厨年の暮 和田政子 201303
一湾を一望の墓地年の暮 上原重一 201303
荒物屋の箒逆さに年の暮 杉浦典子 火星 201303
仕舞湯に来し方思ふ年の暮 大文字孝一 春燈 201303
瓶底の酒蠢めけり年の暮 森谷達三 春燈 201303
年の暮駅に喪服の五六人 今泉あさ子 末黒野 201303
苦も楽もすべて身に付き年の暮 加藤八重子 末黒野 201303
買出しのメモを片手に年の暮 峰幸子 末黒野 201303
論客の馬の骨野郎年の暮 瀬川公馨 201303
自転車のよろけつつ行く年の暮 永田万年青 六花 201303
年の暮至福のときや珈琲タイム 池内結 ろんど 201303
慶事増え懐忙し年の暮 藤井久仁子 ぐろっけ 201303
子犬もらふ話纏まる年の暮 松井洋子 ぐろっけ 201303
年の暮決して開かぬ玉手箱 まつのたく ろんど 201204
年の暮惑ひ数分くじ売場 村田とくみ ぐろっけ 201304
情のある他人でゐたい年の暮 松田都青 京鹿子 201304
お土産は英語の絵本年の暮 丸田信宏 京鹿子 201304
呪文めく鰤の競り声年の暮 城戸緑 末黒野 201304
買物や妻と二人の年の暮 行川秀雄 末黒野 201304
水槽に魚の綺羅咲く年の暮 布川直幸 201312
水槽に魚の綺羅咲く年の暮 布川直幸 201312
南座にまねき上りて年の暮 木戸宏子 201402
負ひしもの捨つるもさみし年の暮 横田初美 春燈 201402
並走は覆面パトカー年の暮 北川英子 201402
野良猫を追ふなおろかし年の暮 鈴木阿久 201402
人込にぶつかり詫びる年の暮 長崎桂子 あを 201402
年金や句に馴染まずも年の暮 鈴木阿久 201402
膝かばい家事も手抜きの年の暮 先山実子 ぐろっけ 201403
暮六つの鐘嫋々と年の暮 佐々木新 春燈 201403
宝籤八卦に竦む年の暮 石坂比呂子 ろんど 201403
しんとく丸てふ説経節の年の暮 瀬川公馨 201403
喪の知らせあまりに多き年の暮 松原智津子 万象 201403
段ボール潰すバイトや年の暮 笹村政子 六花 201403
塗り稚児の頭にほこり年の暮 坊野貴代美 ぐろっけ 201403
古着屋の金の繍年の暮 本西一代 201403
日暮まで賑はふ地蔵年の暮 池田節 春燈 201403
豚運ぶ車に抜かれ年の暮 広渡敬雄 201403
同胞の順の昇天年の暮 山口キミコ 201403
踏切に車列の長き年の暮 池谷鹿次 末黒野 201404
日めくりの一枚重き年の暮 岡山敦子 京鹿子 201404
年の暮零戦映画にノイズなし 半田稜 末黒野 201404
時差呆けと言うてもをれず年の暮 足立典子 雨月 201404
キャンパスの静けきことも年の暮 大橋晄 雨月 201404
整然と畝の続くや年の暮 土谷倫 船団 201406
越えて来し山ふりかへる年の暮 上原重一 201602
常の道歩幅広げて年の暮 岡野ひろ子 201602
忘れたることを探して年の暮 松嶋一洋 201602
風呂掃除磨くに磨く年の暮 大木清美子 201603
窓少し開けて息抜く年の暮 黒澤登美枝 201603
大川に舟が船曳く年の暮 坂本徹 201603
悼みつつ名簿消したる年の暮 高木典子 雨月 201603
母の杖ぬぐひ納むる年の暮 野畑さゆり 201603
主無くて庭は荒れはて年の暮 東秋茄子 京鹿子 201603
年の暮白紙撤回ままならず 前田美恵子 201603
包丁の背で肉叩く年の暮 土井三乙 風土 201603
タイマーに振りまはされし年の暮 鈴木庸子 風土 201603
あれこれと手抜きなれども年の暮 松崎雨休 風土 201603
竹箒買ひ換へてをり年の暮 高橋正江 末黒野 201603
年の暮絶えて久しき賞与享(う)く 松本文一郎 六花 201603
棟上げの餅の撒かれる年の暮 秋山信行 やぶれ傘 201604
青竹を宮司伐りたる年の暮 横田敬子 201604
昇級の襟章光る年の暮 吉村摂護 201604
躓きて繕ひ顔す年の暮 須藤美智子 風土 201604
散髪のケープを開て年の暮 中嶋陽子 風土 201604
年の暮灯る家殖ゆ新開地 原田達夫 201604
ふり返る反省ありて年の暮 稲畑汀子 ホトトギス 201612
物焚ける尻暗がりの年の暮 山田六甲 六花 201701
街頭に出店の並ぶ年の暮 小野喬樹 馬醉木 201702
先生の握手に照れる年の暮 加藤峰子 201703
しきたりの甦り来る年の暮 三橋玲子 末黒野 201703
乱帙のままの反故書や年の暮 三橋玲子 末黒野 201703
引越しの荷造り急ぐ年の暮 高橋正江 末黒野 201703
痛飲は通院となる年の暮 田中臥石 末黒野 201703
新しき友もひとり居年の暮れ 柳田美代子 やぶれ傘 201703
封筒の中に空気や年の暮 広渡敬雄 201703
財は無しヘソクリも無し年の暮 植村蘇星 京鹿子 201703
年の暮御朱印帳の滲む墨 菅野日出子 末黒野 201704
遠回りするも人道年の暮 植村蘇星 京鹿子 201704
ロボットの悔ゆるを知らず年の暮 甕秀麿 201704
新聞の集金早し年の暮 横田敬子 201706
火の跡をきれいに均す年の暮 柴山志津子 201801
風呂敷を柔らに結ぶ年の暮れ 丸井巴水 京鹿子 201801
折込みのめつきり多き年の暮 犬嶋テル子 春燈 201802
吾と同じ着メロの鳴り年の暮 小川流子 201802
良きことを十個指折り年の暮れ 秋岡美津子 201803
ひたすらに診療を待つ年の暮 大石よし子 雨月 201803
省略に切れ字したたか年の暮 植村蘇星 京鹿子 201803
成す事を一日延ばし年の暮 永田万年青 六花 201803
足る足らむ心の持ちやう年の暮 植村蘇星 京鹿子 201803
もう未だの言葉の文(あや)や年の暮 植村蘇星 京鹿子 201803
そのうちにとは何時の事年の暮 植村蘇星 京鹿子 201803
望郷のひとらを高む年の暮 植村蘇星 京鹿子 201803
年の暮こゑをかけつつ位牌拭く 有賀昌子 やぶれ傘 201803
流木が河口をのぼる年の暮れ 藤井美晴 やぶれ傘 201803
赤玉をひきて微苦笑年の暮 志藤章 末黒野 201804
些事なるもすぐに済まさむ年の暮 森清堯 末黒野 201804
蹲踞の水音やさし年の暮 長田厚子 末黒野 201804
ゆきずりの社に祈る年の暮 大野芳久 やぶれ傘 201804
やつて来る人も海鼠も年の暮 松本秀一 船団 201809
それとなく省略増やし年の暮 森清堯 末黒野 201902
捨てられぬレコード重し年の暮 石川りゅうし 201902
平成の名残りを惜しむ年の暮 植村蘇星 京鹿子 201902
雑踏の時を蝕む年の暮 鈴鹿呂仁 京鹿子 201902
昼酒に少し冗舌年の暮 黒滝志麻子 末黒野 201903
如何せむ一日足らむ年の暮 植村蘇星 京鹿子 201903
一枚の友逝く知らせ年の暮 櫛橋直子 雨月 201903
絶え間なく雲去来せり年の暮 有松洋子 201903
なんとなく小走りになる年の暮れ 松村光典 やぶれ傘 201903
年の暮れ巣鴨地蔵を詣でけり 橋本美代 やぶれ傘 201904
絶ちがたき絆あれこれ年の暮 宮元陽子 末黒野 201904
ライブ終ヘマニキュア落す年の暮 鈴木石花 風土 201904
本籍地人手に渡る年の暮 小沢えみ子 201905
背比べ抜かされそうな年の暮れ 吉宇田麻衣 201905
失敗は笑つてすます年の暮 河原敬子 201906
検診を受けねば無病年の暮 西住三惠子 201906
喫茶店の忘れ物箱年の暮 山田正子 201907
年の暮日がな一日ワインかな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201912
年の暮恙長引くかも知れず 稲畑廣太郎 ホトトギス 201912
立ち止まることも時には年の暮 稲畑汀子 ホトトギス 201912
チンドン屋の聖者の行進年の暮 篠田純子 あを 202001
今日ひと日一日を全う年の暮 植村蘇星 京鹿子 202002
年の暮 →4      

 

2021年12月29日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。

 
21/12/29 2021年12月29日 2021年12月29日