時 雨 9   199句

春時雨  秋時雨  初時雨  時雨  青時雨 青葉時雨

村時雨  片時雨  時雨雲

作品
作者
掲載誌
掲載年月
東から西へ走りし片時雨 佐藤恭子 あを 201502
国宝の千手観音時雨聞く 宮濱安子 201502
湯けむりに夢千代像やしぐれける 竹内悦子 201502
初時雨しなの五号に身をゆだね 橋本靖子 201502
湖の上に光を落とし時雨けり 中川すみ子 201502
時雨るるや長信号の交叉点 吉田宏之 201502
竜馬伝しぐれに濡るる隠れ宿 小林久子 201502
放れ馬途方に暮るる初時雨 廖運藩 春燈 201502
時雨るるや動くとも見えで沖の船 廖運藩 春燈 201502
時雨るるや角が重荷の牛の老 廖運藩 春燈 201502
裏山の峰より村のしぐれ初む 嶋崎豊子 雨月 201502
時雨にはしぐれの匂ひ一人行く 西川織子 馬醉木 201502
遣り過ごす京の時雨や七味買ひ 窪田粧子 馬醉木 201502
青不動詣で帰りの時雨かな 一民江 馬醉木 201502
杉戸絵に残る胡粉や村時雨 市村明代 馬醉木 201502
時雨るるやお染の塚に香けむり 谷村祐治 雨月 201502
重波は時雨岬を責め足らず 能村研三 201502
案の定若狭に入りて時雨けり 熊川暁子 201502
入館の列のしんがり初しぐれ 門伝史会 風土 201502
独房に腹心の句や時雨れけり 鈴木石花 風土 201502
夕しぐれ子に諭されてをりにけり 生田恵美子 風土 201502
野宮に黒木鳥届や初しぐれ 岡本尚子 風土 201502
しぐれ傘振つて入りぬ美術展 水井千鶴子 風土 201502
時雨るるや三年坂の切山椒 井口ふみ緒 風土 201502
行き違ふ列車待つ間のしぐれかな 生田作 風土 201502
旧道の形にひと栖む夕しぐれ 深澤鱶 火星 201502
焼芋屋の笛の連れ来し時雨雲 渡辺数子 火星 201502
電柱の相合傘に夕しぐれ 藤田素子 火星 201502
闇に寝て時雨過ぐれば無音なり 小林朱夏 201502
かまぼこの底板厚し初しぐれ 柴田志津子 201502
橋上にしばし見詰むるしぐれ虹 小川玉泉 末黒野 201502
初時雨隠し十字の耶蘇の墓 松本三千夫 末黒野 201502
時雨雲小坪漁港に厚かりし 松本三千夫 末黒野 201502
登校の児竜にそそぐ初時雨 佐々木永子 末黒野 201502
不忍の池のさざ波夕時雨 佐々木永子 末黒野 201502
痛き足さすりておれば初しぐれ 鈴木阿久 201502
野宮に安産祈願所しぐれけり 岡本尚子 風土 201502
兼六園しぐれの傘を持ち歩く 生田恵美子 風土 201502
時雨来る濡れればあの日が消えさうで 松田都青 京鹿子 201502
オムレツを綺麗に返す夕時雨 北川孝子 京鹿子 201502
独り言にひとり頷き夜のしぐれ 北川孝子 京鹿子 201502
しぐれ虹ふくふく育つ京野菜 塩貝朱千 京鹿子 201502
知らぬ人傘に入れと村時雨 北村道子 京鹿子 201502
大灘の紺を深めて時雨かな 伊藤よし江 201502
夕暮の肩たよりなき時雨かな 有松洋子 201502
はるかにす江口の岸や片時雨 谷村祐治 雨月 201502
ひとしきり時雨れて又もしぐれけり 細川コマヱ 雨月 201502
時雨傘開くに庇借り申す 荒井和昭 201502
場末なる馴染の店や夕時雨 生方義紹 春燈 201502
踏み出してすぐ戻りたる時雨かな 荒井和昭 201502
掛軸の幽霊出し夕時雨 竹田ひろ子 ろんど 201502
スケッチを一時中断時雨来る 井口淳子 201502
雨戸打つほどの雨音小夜時雨 國保八江 やぶれ傘 201502
湯けむりに夢千代像やしぐれける 竹内悦子 201502
時雨日や寒さ支度をあれこれと 山荘慶子 あを 201502
北山の空に居着きし時雨雲 足立典子 雨月 201503
山の手の晴れゐて町の時雨れけり 宮平静子 雨月 201503
肩すかし喰つて時雨るる夜となりぬ 山内碧 201503
まどろむや時雨来て去る理髪店 生田作 風土 201503
時雨くる横断歩道犬抱へ 横田晶子 風土 201503
時雨傘すぼめて下る歩道橋 上辻蒼人 風土 201503
時雨来て鳶は番で電線に 佐藤正人 京鹿子 201503
旅ひと日残し湖北に初しぐれ 福島照子 京鹿子 201503
時雨来て雑木林の落ちつけり 丹羽武正 京鹿子 201503
中山道六十九次初時雨 金子正道 京鹿子 201503
草ロール転がりしまま時雨れけり 佐々木紗知 京鹿子 201503
塔を消し甍を消して時雨くる 伊藤希眸 京鹿子 201503
兜煮をせせりてをれば時雨過ぐ 宇都宮敦子 201503
自販機に人待つ明かり小夜時雨 笹村恵美子 201503
納豆の絲落しけり初しぐれ 柳本渓光 ろんど 201503
時雨るるやはんなり傾ぐ傘の紺 佐藤凉宇子 ろんど 201503
絵手紙の小菊の匂ふ時雨かな 河村啓花 ろんど 201503
残照に時雨の雲の底光る 三屋英俊 万象 201503
また次のしぐれ来てをり橋の町 萩庭一幹 馬醉木 201503
奈良町の南京黄櫨に時雨かな 内海保子 万象 201503
切なげに立ち尽くすパイロン小夜時雨 呉文宗 春燈 201503
追へば消ゆまぼろしの世にしぐれ虹 塩貝朱千 京鹿子 201503
一時雨あるやも仰ぐ杉の末 安斎久英 末黒野 201503
片時雨人影のなき扇塚 加藤静江 末黒野 201503
筑波山天辺見せて時雨過ぐ 横田晶子 風土 201503
温泉玉子バッグに温し片時雨 荒井千佐代 201503
そぼ濡るる天の磐戸にしぐれ来て 小林久子 201503
時雨るれば星図となれり硝子窓 佐用圭子 201503
ところにより時雨の駅に下りにけり 石田きよし 201504
訪問の鍼医が帰る夕時雨 吉村摂護 201504
ゆき行きて寺町と知る時雨傘 半田稜 ろんど 201504
伊賀上野忍町時雨れゐたりけり 上辻蒼人 風土 201504
みちのくの湖を昏めてしぐれけり 山田閏子 ホトトギス 201504
万葉の歌碑建つ丘のしぐれけり 齋藤朋子 やぶれ傘 201504
時雨過ぐ未だ刈られぬ稲垂れて 眞田忠雄 やぶれ傘 201504
悉皆屋古き暖簾に京時雨 延川五十昭 六花 201504
骨付きのチキン頬ばる初時雨 陽山道子 船団 201505
車庫入れの音に目覚めぬ小夜時雨 波多野孝枝 末黒野 201505
亡き夫の話をすれば時雨けり 田代貞枝 201505
八卦見の時雨見上ぐる中華門 佐渡谷秀一 対座 201505
鳩小屋をのせたる屋根の時雨けり 大崎紀夫 虻の昼 201510
川下の空をあかるく時雨けり 大崎紀夫 虻の昼 201510
朝風呂を沸かし漁夫待つ初時雨 渡部恭子 馬醉木 201510
アスパラの先つちよ少しぐれにけり きくちえみこ 港の鴉 201510
晴れの国へ時雨を発ちて来し旅路 稲畑廣太郎 ホトトギス 201511
初時雨弥撒へ昂る歩幅かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201511
快晴の油断となりぬ時雨かな 稲畑汀子 ホトトギス 201511
初しぐれ明るき油断ありしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201511
御縁とはつかず離れず初時雨 稲畑汀子 ホトトギス 201511
初時雨ふと息を抜くほどのもの 稲畑汀子 ホトトギス 201511
消息の乗つて来たりし初時雨 稲畑汀子 ホトトギス 201511
僧遷化せし消息と初時雨 稲畑汀子 ホトトギス 201511
運慶の狗子とわが寝る夜の時雨 水原秋櫻子 馬醉木 201511
北山杉越え来て京の初しぐれ 河口仁志 201512
大川を吸ひ上げるかに時雨雲 稲畑廣太郎 ホトトギス 201512
朝時雨より目覚めゆく川の町 稲畑廣太郎 ホトトギス 201512
赤れんぐわ潤すほどの朝時雨 稲畑廣太郎 ホトトギス 201512
朝時雨本降りとなるまでの黙 稲畑廣太郎 ホトトギス 201512
警策の如く鮎の背打つしぐれ 久保東海司 201512
ここからは鯖街道や片しぐれ 中谷富子 201512
モネの池通りすぎたる初しぐれ 中谷富子 201512
五合庵しぐれは靴にしみてきし 佐藤三男 万象 201512
初時雨構へ変へたる出版社 名和政代 万象 201512
片時雨脚の短き虹の立ち 石井秀一 風土 201512
時雨来て伊皿子坂の急勾配 遠山みち子 201601
売り出しの客の乏しき時雨かな 宮崎靖夫 201601
鉄平石しぐれに濡るる傳茶房 田中藤穂 あを 201601
病む犬の眼うつろや初時雨 山荘慶子 あを 201601
踏切の向かうの肉屋初しぐれ 大島英昭 やぶれ傘 201601
時雨来るタクシーを待つひと時に 廣瀬雅男 やぶれ傘 201601
夕鐘の音色を濡らす時雨かな 安立公彦 春燈 201602
初時雨狛犬の胸濡らさざる 荒井慈 春燈 201602
風の音にしぐれ華やぐ小督塚 田部明子 馬醉木 201602
阿蘇時雨馬のたてがみ濯ぎゆく 建部洋子 馬醉木 201602
光悦寺しぐれの傘をたたみけり 齊藤いさを 馬醉木 201602
時雨来るゆかりの文人絵地図前 柿沼盟子 風土 201602
青空のすぐ甦る初時雨 根岸善行 風土 201602
先客は雀なりけり初しぐれ 竹内悦子 201602
人に酔ひホームでころぶ夕時雨 後藤マツエ 201602
精神の芸の板碑や初しぐれ 杉原ツタ子 201602
時雨るるや昔なじみの店は閉ぢ 久世孝雄 やぶれ傘 201602
吊橋の時雨心地となりにけり 高橋道子 201602
焼き立てのクロワッサンと初時雨 田部井幸枝 201602
屹立のアンデルセン像しぐれけり 齋藤厚子 201602
陶器市に半日過し初時雨 高橋照子 雨月 201602
師父と父の故郷は湖北時雨れけり 久保田雪枝 雨月 201602
遠山を烟らせてゐる初時雨 蒲田豊彦 雨月 201602
住み慣れし路地の匂ひや夕時雨 大木清美子 201602
義理ひとつ果しに出づる片時雨 黒滝志麻子 末黒野 201602
母の忌や一会の人と時雨傘 田中臥石 末黒野 201602
滑川の朱橋明るき時雨かな 正谷民夫 末黒野 201602
天井画の竜の呼びたる時雨かな 正谷民夫 末黒野 201602
ふたつみつ小さき病夕時雨 上家正勝 末黒野 201602
時雨ても原発ノーのデモ行進 上家正勝 末黒野 201602
刈株に光宿れり時雨あと 山田六甲 六花 201602
海峡に日の差しきたる時雨かな 藤生不二男 六花 201602
神南備山のしぐれに道の細りけり 升田ヤズ子 六花 201602
降り癖の湖北時雨に馴れて住む 神谷文子 馬醉木 201603
あの距離は傘が要るはず時雨雲 甲州千草 201603
診断の腑に落ちぬまま時雨寒 中原敏雄 雨月 201603
うなむすびほほばりをれば時雨くる 服部早苗 201603
振り向けば灘一色に時雨けり 矢野百合子 201603
ふくれ来し五年日記や初時雨 西住三惠子 201603
風鐸にしぐれ兆しの雲かかる 和田照海 京鹿子 201603
梢の葉の縮む月日よ京しぐれ 伊藤希眸 京鹿子 201603
夕時雨帰宅それぞれ散り急ぐ 岡山敦子 京鹿子 201603
村しぐれ水ごつごつと樋走る 加藤峰子 201603
電飾の微笑むごとく時雨けり 成田美代 201603
真つ直ぐに天城山より時雨来る 吉永すみれ 風土 201603
しずしずと歩くロボット朝時雨 のざきまみこ 201603
ちんどん屋を追ひ他所の町時雨けり 篠田純子 あを 201603
鎌倉は由比ヶ浜より時雨けり 松本三千夫 末黒野 201603
微酔ひのネクタイ外す小夜時雨 松本三千夫 末黒野 201603
たまさかに訪ふ智恵子碑や夕時雨 田中臥石 末黒野 201603
湾奥の連なる舟屋片時雨 森清堯 末黒野 201603
崖裾にはりつく舟屋夕時雨 森清信子 末黒野 201603
夕暮れの町小走りに時雨傘 青木由芙 末黒野 201603
片時雨木肌あらわに白くなる 伊藤昌枝 201603
チャペルいま諸霊のミサか初時雨 大久保白村 ホトトギス 201604
御堂の扉開けて忌の鐘時雨れけり 大木さつき ホトトギス 201604
時雨るるや父の忌夫の忌を修す 大木さつき ホトトギス 201604
母の忌やしぐれ催ひの墓に佇ち 山田閏子 ホトトギス 201604
初時雨インクラインヘ坂がかり 今村千年 末黒野 201604
しぐれ来る女坂から男坂 山田正子 201604
パイ生地を寝かす間通るひとしぐれ 深川淑枝 201604
片しぐれ浚渫船がぬれてゐる 定梶じょう あを 201604
箒目のしぐれてきたる御陵かな 笹村政子 六花 201604
音もなくしぐれて烟る余呉の湖 尾崎みつ子 雨月 201604
夕時雨山から村へ移り来る 蒲田豊彦 雨月 201604
友達の友達と遇ふ時雨傘 風間史子 201605
英語みな片仮名にして街時雨 木暮陶句郎 ホトトギス 201606
島時雨して人生の端にゐる 岩岡中正 ホトトギス 201606
時雨傘濡れてる方が濡れてゐる 山田六甲 六花 201610
幸村は父と同年朝時雨 稲畑廣太郎 ホトトギス 201611
幸村の涙雨とも朝時雨 稲畑廣太郎 ホトトギス 201611
初時雨朝より出掛け本降りに 稲畑汀子 ホトトギス 201611
降られても待ちゐし如く初時雨 稲畑汀子 ホトトギス 201611
快晴の昨日の遠く初時雨 稲畑汀子 ホトトギス 201611
初時雨ありしと気づきたるよりは 稲畑汀子 ホトトギス 201611
大役を一つ終へ来し初時雨 稲畑汀子 ホトトギス 201611
明暗を分けたる午後の初時雨 稲畑汀子 ホトトギス 201611
ほころびし空の一劃初時雨 稲畑汀子 ホトトギス 201611
朝晴れてをりし油断の初時雨 稲畑汀子 ホトトギス 201611
庭師去ぬ時雨るる午後の予報聞き 稲畑汀子 ホトトギス 201611
時雨→10      

 

2022年11月21日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。