時 雨 5    130句

Kみけり沖の時雨の行處   丈草

春時雨  秋時雨  初時雨  時雨  青時雨 青葉時雨

村時雨  片時雨  時雨雲

作品
作者
掲載誌
掲載年月
足元を時雨に濡らす少女像 三井公子 酸漿 200901
時雨るる朝塀の上這ふ蝸牛 松崎鉄之介 200901
病院で待つ間の讀書時雨来る 鎌倉喜久恵 あを 200901
小夜時雨道行く人のくぐもれり 日山輝喜 200902
葛城の神々隠す時雨かな  岩垣子鹿 ホトトギス 200902
小夜時雨亡き友をるらし止り木に 西村純太 200902
飛石に白く艶しく時雨かな 四條進 200902
世を責むる河童も棲まむ沼時雨 鈴木阿久 200902
遅き歩の時雨の中を来る二人 小澤克己 遠嶺 200902
一畑に黒旗はためく夕時雨 小澤克己 遠嶺 200902
ゆきずりの人振り返る時雨かな 西村昌三 遠嶺 200902
墨蹟の唯佛是眞時雨きく 石田厚子 馬醉木 200902
聞法に籠る山茶花時雨かな 石本秋翠 馬醉木 200902
水軍の島を踏まへて時雨虹 石本秋翠 馬醉木 200902
時雨寒ひとり住ひの部屋灯る 大西八洲雄 万象 200902
焼藷の湯気のむらさき時雨くる 城孝子 火星 200902
時雨るるや櫛目の粗きお六櫛 豊谷青峰 春燈 200902
松島の一景なるや時雨舟 豊谷青峰 春燈 200902
さうかうをするうち時雨上りけり 吉川隆 春燈 200902
洗心の音の時雨となりにけり 吉田とよ子 春燈 200902
旅先の地酒に酔ひて時雨かな 大文字孝一 春燈 200902
投函し時雨るる中を小走りに 前川千恵子 雨月 200902
追懐や時雨来る夜の古きうた 折橋綾子 200902
時雨るるやめをと並びに潮仏 遠藤真砂明 200902
時雨鴨水のおもてをへこませる 八田木枯 晩紅 200902
湯の山てふ湯宿の駅の時雨かな 青木政江 酸漿 200902
忘れある色傘借りる夕時雨 吉田晴子 200903
遠山は時雨れてゐるか模糊として 稲岡長 ホトトギス 200903
時雨れゐる端は日当り雑木山 稲岡長 ホトトギス 200903
夜の時雨反省のみの日記閉づ 野中啓子 200903
まつさらに時雨の洗ふオペラ街 瀬川公馨 200903
朱の箱に芸妓の名前夕時雨 花島陽子 遠嶺 200903
沖時雨海の空より寄せにけり 増田明美 炎環 200903
満願の一つ手前の時雨かな 松田都青 京鹿子 200903
城郭の道へめぐれる村時雨 栗田武三 ぐろっけ 200903
夕時雨くるりと巡る二季桜 堤節子 ぐろっけ 200903
元海女と言ふつくも髪時雨傘 鈴木伸一 200903
時雨来て湖心の魚の目のつぶら 坪内稔典 船団 200903
青石の階段濡らし時雨いく 陽山道子 船団 200903
音もなく落葉ふみゆく時雨かな 菊谷潔 六花 200903
時雨るるや丹波さび色情あり 稲岡長 ホトトギス 200904
時雨来て伊良湖岬の遠灯 飯田角子 酸漿 200904
唇の紅を隠せり時雨傘 小野木雁 酸漿 200904
仏より神へ時雨を歩きけり 岩垣子鹿 ホトトギス 200905
紫野は御所の北西時雨来る 間島あきら 風土 200905
京時雨龍笛一本百万円 小阪律子 ぐろっけ 200905
一列車遅れしことに時雨虹 安原葉 ホトトギス 200906
時雨虹立ちし辺りを通過中 安原葉 ホトトギス 200906
ひと時雨ありし夕日の鰡見台 岡本高明 船団 200906
黒々と鵜の漁りをる時雨かな 永見博子 酸漿 200906
時雨るるや深川めしに人の列 奥太雅 万象 200908
時雨るるや岩とびうつり楮刈 八田木枯 晩紅 200908
山茶花の花びらくらき時雨かな 八田木枯 晩紅 200908
時雨馳せうこんの花のさかりなる 大野林火 ぐろっけ 200910
せみ時雨駅はまぶしき人の列 秋田建三 200910
東山結界として時雨雲 稲畑廣太郎 ホトトギス 200911
東山時雨天王山の黙 稲畑廣太郎 ホトトギス 200911
時雨雲湖西湖北に繋がれり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200911
東山集つて来る時雨雲 稲畑汀子 ホトトギス 200911
ともし火を吹消すあとの時雨かな 水原秋櫻子 馬醉木 200912
天平の鴎尾をけぶらせ片時雨 荻原八重子 200912
夕時雨あるべし夜となる家路 稲畑汀子 ホトトギス 200912
時雨るるといふも不確かなる外出 稲畑汀子 ホトトギス 200912
牛の背に湯気立ちゐたる時雨あと 山田六甲 六花 200912
青不動明王開帳片時雨 坪内稔典 船団 200912
オバマ氏の初来日に時雨けり 日山輝喜 201001
ハリ鼠のワルツらしきや片時雨 瀬川公馨 201001
勤行の鉦のにごりし時雨寺 羽田岳水 馬醉木 201001
玉砂利が重し時雨をふみし試歩 高木智 京鹿子 201001
顔見世のうすくれなゐに時雨けり 山尾玉藻 火星 201001
命毛のゆるりとぬける小夜時雨 岸本幸 ろんど 201001
村時雨降りたる後の鐘の声 菊谷潔 六花 201001
椎の実の落ちて時雨るる夕べかな 菊谷潔 六花 201001
参道に時雨ざくらの幾花ぞ 阿部ひろし 酸漿 201001
時雨るるを聴き給ひけり野の仏 松岡和子 201002
時雨来て雨宿りせし庵軒 小澤菜美 201002
翔先生在さぬ真間の時雨寒 村上光子 馬醉木 201002
唐松の落葉時雨や遠浅間 渡辺崖花 末黒野 201002
時雨やみ甲斐の山々第二幕 清水佑実子 201002
時雨るるや返しにかへす砂時計 田村園子 201002
油揚を大甘に煮て時雨けり 田中涼平 201002
あっといふ間の初対面時雨来て 泉田秋硯 201002
朝時雨露地石濡らし行きにけり 成田なな女 春燈 201002
かけはぎ屋の灯ともす京の時雨かな 栗原完爾 春燈 201002
竹林の中の宿りや夕時雨 環順子 遠嶺 201002
山路来て榛名恋しと時雨れけり 竹久みなみ 風土 201002
小倉山消して時雨の通り過ぎ 藤岡紫水 京鹿子 201002
奥飛騨の酒は辛口小夜時雨 藤本一城 201002
招提の鴟尾をりをりの時雨雲 宮木忠夫 201002
終の住処決めしと文や小夜時雨 上田明子 雨月 201002
ただ一人の叔母の葬の時雨かな 寺岡ひろし 雨月 201002
出棺の迫るや時雨つのり来る 寺岡ひろし 雨月 201002
時雨るるや三昧にある大きな木 高尾豊子 火星 201002
小夜時雨ありしや朝の雨戸繰る 筒井八重予 六花 201002
和宮の御降嫁の道時雨けり 内藤順子 酸奬 201002
老優の逝きたる街の時雨かな 青木政江 酸奬 201002
行く方のありて船ゆく時雨かな 定梶じょう あを 201002
保津峡に隠れ道あり時雨来る 坂根宏子 201003
片時雨抜けて迷ひの森に入る 柳川晋 201003
鴛鴦の帝と拝す時雨中 本城布沙女 雨月 201003
時雨雲に富士隠るるも祝ぎの旅 西村しげ子 雨月 201003
再診日はその時なりよ冬時雨 山口天木 雨月 201003
時雨るる夜ひとり仏の灯を守りて 綿谷美那 雨月 201003
潮の香や浜の時雨れて杜国の碑 奥村真人 雨月 201003
磴険し紅葉時雨に息を呑み 小川玉泉 末黒野 201003
時雨るるや解毒のやうな旅なりし 戸村よねこ 遠嶺 201003
鉤の手の廊下の軋み時雨来る 中条さゆり 201003
時雨きて時雨かさなる粟田口 深澤鱶 火星 201003
猫がさつと出づる時雨の芭蕉庵 鈴木浩子 ぐろっけ 201003
時雨れては学府の門扉重からん 瀬口ゆみ子 ぐろっけ 201003
時雨来て銀杏黄葉を濡らし過ぐ 広瀬敏子 酸漿 201003
気ままなる小樽時雨も旅心地 伊藤一枝 酸漿 201003
信玄の秘湯の宿や小夜時雨 片野美代子 酸漿 201003
返却日過ぎてなほ読む小夜時雨 吉弘恭子 あを 201003
気紛れな村の時雨の幾そたび 能勢栄子 201004
母見舞ふ欅並木の時雨かな 小澤克己 遠嶺 201004
弔ひへひと行く路地の夕時雨 高橋均 やぶれ傘 201004
深大寺の蕎麦啜りをり小夜時雨 田中臥石 末黒野 201004
続きたる時雨籠となりにけり 石川元子 酸漿 201004
庭下駄に庇の浅し時雨雲 湯川雅 ホトトギス 201005
枇杷島は枇杷のかたちや夕時雨 河合とき 末黒野 201005
炯眼の日蓮像や夕時雨 本田耕造 末黒野 201005
ロンドンの街に道問ふ時雨かな 坂本哲弘 山ざくら 201009
点滴の遅速を言へば時雨けり 坂本哲弘 山ざくら 201009
ガスの灯のぽぽと今宵は時雨かな 吉永すみれ 風土 201009
富士山見えて青葉時雨に打たれけり 白石正躬 やぶれ傘 201010
古池の秘密を明かしゆく時雨 稲畑廣太郎 ホトトギス 201011
片時雨古新聞を丶と濡らし 稲畑廣太郎 ホトトギス 201011
古今集時雨の余韻聞きながら 稲畑廣太郎 ホトトギス 201011
時雨 →6      

 

2022年11月21日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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