時 雨 2      198句

楠の根を静にぬらす時雨哉   与謝蕪村

雨の季語  

春時雨  秋時雨  初時雨  時雨  青時雨 青葉時雨

村時雨  片時雨  時雨雲

作品
作者
掲載誌
掲載年月
こわい夢掴まりさうな朝時雨
山田万木野
ぐろっけ
200204
時雨るるや出し忘れたる出席状
山田万木野
ぐろっけ
200204
音も無く鴎飛び交ふ雪時雨
孝子・フォン・ツェルセン
円虹
200205
灰汁抜きの酢を少し足す時雨かな
万城希代子
200205
灯台や荒藻の靡く磯時雨
三浦ひろみ
ぐろっけ
200205
湖風の時雨は山で雲になる
松本鷹根
京鹿子
200206
皇子の墓長居させじと薮時雨
小阪律子
ぐろっけ
200206
ロンドン橋照り降り返す夏時雨
真鍋瀧子
ぐろっけ
200210
富士の威を今日は鎮めて時雨雲
稲畑廣太郎
ホトトギス
200211
時雨るるも日ざすも山の意のままに
稲畑汀子
ホトトギス
200211
露座仏の大きな耳朶に時雨降る
栢森定男
あを
200211
もののふの能面古りし村時雨
斉藤由美子
ぐろっけ
200211
島々の墨絵ぼかしに時雨来る
藤原たかを
馬醉木
200212
滑走路時雨のあとの夜の色に
宮津昭彦
200212
海の紺深めて時雨去りにけり
吉原一暁
200212
陽の散つて菊花時雨のやうな湖
小澤克己
遠嶺
200212
縁欠けし塩舐め石や時雨来る
岡田万壽美
雲の峰
200212
磐梯の日陰くつきり時雨来る
斉藤静枝
あを
200212
後の月並ぶ傘亭時雨亭
井口ふみ緒
風土
200301
一時雨あるかも知れぬ山の色
南孝
円虹
200301
崩れゆく山の容や遠時雨
浜崎壬午
円虹
200301
熊笹の尾根を駈け降り来し時雨
村越化石
200301
時雨雲山の彼方に収れる
藤居長治
築港
200301
終電車降りて時雨の北陸路
藤居長治
築港
200301
時雨るるや悍馬湯気たつまで磨く
斉藤和江
帆船
200301
行く人の皆やさしくて北時雨
子安教子
200301
小走りに外湯めぐりや夕時雨
金山千鳥
酸漿
200301
仏国寺沈香の中時雨けり
武田美雪
六花
200301
時雨るると目鼻こけしに似たるかな
橋本榮治
馬醉木
200302
また時雨コーヒー梯子とはなりぬ
泉田秋硯
200302
母を恋ふときはは遠し時雨虹
高根照子
200302
魚の棚蛸を這はせて時雨けり
深澤鱶
火星
200302
新しき薪の積まれて時雨けり
鈴木清子
遠嶺
200302
薬師寺の塔より塔ヘ夕時雨
小宮山勇
遠嶺
200302
合戦図見あきて落葉時雨かな
柴田由乃
風土
200302
片時雨光悦垣に名残りかな
大森美恵
風土
200302
豆腐一丁買つて時雨の道急ぐ
田中佐知子
風土
200302
時雨来て小鼻ふくらむ鬼瓦
吉岡久江
火星
200302
松が枝の時雨れてきたる浮御堂
廣畑忠明
火星
200302
学生とすぼめて走る時雨傘
山田美恵子
火星
200302
人近く鳥のきてゐる時雨かな
山田美恵子
火星
200302
ゆきづりのたれかれはるか時雨月
水野恒彦
200302
開帳の時雨じめりの五色かな
山崎靖子
200302
時雨来て橋の全長濡らしけり
飯田登美子
200302
水滴の生れぬ程の時雨降る
綱頭久子
築港
200302
入魂の墓に時雨の降り来たり
河井史
築港
200302
時雨降り新墓の燭燃え尽きず
河井史
築港
200302
火の国の杉山跨ぐ時雨虹
安部義子
築港
200302
北山杉昼をくらめて時雨くる
藤田八重子
築港
200302
時雨中大正琴の音が聞ゆ
石黒八重子
築港
200302
川へだて甲斐駒ヶ岳よりの時雨来る
芦澤一醒
200302
みちのくの時雨に果つる葬かな
下平しづ子
雨月
200302
田の神のこと終へ珠洲の時雨れけり
春田淳子
雲の峰
200302
時雨るるや大屋根光る増上寺
清水和子
酸漿
200302
耳鳴りのふと止みにけり小夜時雨
芝尚子
あを
200302
塔五重鳥を収めて時雨けり
木内憲子
200302
古書提げて俎橋に時雨れけり
香川正子
200302
揖斐川につくばふごとく時雨虹
品月鈴子
ぐろっけ
200302
傘とりにゆく程もなし小夜時雨
鈴木喜三郎
ぐろっけ
200302
墨を選る時雨いつしか雪となり
長沼冨久子
馬醉木
200303
侮りし時雨に延びし半端酒
泉田泉一
200303
太陽も時雨に濡れてありにけり
粟津松彩子
ホトトギス
200303
この庭に何句読みけん時雨の忌
牧野耕二
ホトトギス
200303
まなぶたの時雨に濡るる染野しめなれや
大橋敦子
雨月
200303
幸福論尽きず時雨るる旅の宿
池田倶子
雨月
200303
老僧に時雨の魚板聞えぬげ
園多佳女
雨月
200303
北山時雨背に磨きをり杉柱
島崎晃
遠嶺
200303
時雨るるや竹百幹の寂青し
島崎晃
遠嶺
200303
昼時雨少し曇りし会席膳
島崎晃
遠嶺
200303
石庭の波間に北山時雨聴く
島崎晃
遠嶺
200303
夕時雨斜めに走る嵯峨野かな
島崎晃
遠嶺
200303
コーヒーの豆を挽く音時雨来る
長志げを
遠嶺
200303
鷹が峰やはり時雨れて比叡晴る
森ふみ子
遠嶺
200303
時雨傘より白き船見てをりぬ
坊城俊樹
円虹
200303
時雨冷まとひ寡黙に轆轤蹴る
坂中紀子
円虹
200303
御降りの朝を時雨の如く過ぐ
松崎鉄之介
200303
一山に時雨去りたる寺廂
武井美代子
風土
200303
しづしづとうつろふ日射時雨止む
市場基巳
200303
筑波下山岩場時雨の滑り癖
奥村鷹尾
京鹿子
200303
紅襦袢格子の内に時雨けり
服部郁史
京鹿子
200303
時雨虹越え来し山を低くせり
松本鷹根
京鹿子
200303
千曲川ここから時雨はじめけり
河西志帆
京鹿子
200303
伊吹嶺に片足かかる時雨虹
内藤順子
酸漿
200303
小鳥屋をバスが過ぎゆく時雨雲
田中藤穂
あを
200303
伊勢丹のドアに逃げ込む夕時雨
那須淳男
馬醉木
200303
寄り添うに時雨の傘は一つなる
鈴木喜三郎
ぐろっけ
200303
宇治山は時雨るるらしく虹たちて
野川義宣
円虹
200304
裏山の時雨のあとのざんざ降り
庄中健吉
200304
読さしの本を閉づれば小夜時雨
網野茂子
酸漿
200304
三階の向こう三階時雨けり
物江昌子
六花
200304
山時雨る手擦れ納めの句座辞典
丸山冬鳳
京鹿子
200304
だれ彼のことを思へば時雨けり
生方ふよう
200304
一時雨一尼寺を濡らし過ぐ
村松紅花
ホトトギス
200305
時雨るるや花舗の灯にじむ石畳
清水晃子
遠嶺
200306
遊船を追ふ松島の時雨かな
河野友人
200307
路地狭きガムラスタンの夕時雨
能村研三
200310
八雲居を出て長物の時雨傘
品川鈴子
ぐろっけ
200310
霧時雨納経待ちを岩の穴
柴田由乃
風土
200311
時雨雲芭蕉の心ふれて過ぐ
稲畑汀子
ホトトギス
200311
時雨雲どこかが零しゆきにけり
稲畑汀子
ホトトギス
200311
時雨るるといひしばかりに晴れてをり
稲畑汀子
ホトトギス
200311
時雨るるは芭蕉のこころ伊賀親し
稲畑汀子
ホトトギス
200311
道迷ひつつ時雨雲払ひつつ
稲畑廣太郎
ホトトギス
200311
時雨雲久居の空に育てつつ
稲畑廣太郎
ホトトギス
200311
大川の時雨に京の旅偲ぶ
稲畑廣太郎
ホトトギス
200311
時雨雲払ひ三河路輝かに
稲畑廣太郎
ホトトギス
200311
北山に日矢射す京の時雨かな
稲畑廣太郎
ホトトギス
200311
軍鶏伏せし籠に時雨のありにけり
山尾玉藻
火星
200311
猿ならぬ身も着てみたき時雨蓑
福山広秋
200312
電線に一羽の烏夕時雨
八木葉子
酸漿
200312
仰ぐもの俯けるもの時雨けり
村越化石
200312
僧兵の山はとんがり時雨雲
鈴鹿仁
京鹿子
200312
もてあます暁のかなかな時雨かな
糸井芳子
200312
ルミナリエ時雨れの潦に映え
品川鈴子
ぐろっけ
200312
時雨止み雲三彩と空の色
林翔
馬醉木
200401
ひもろぎの幣に風立つ時雨雲
岡本まち子
馬醉木
200401
うたびとの詠みし時雨と思ひ見る
大串章
百鳥
200401
法要の五色幔幕時雨けり
白鳥義岳
帆船
200401
亜浪忌の朝の時雨の小諸過ぐ
松崎鉄之介
200401
黒海の時雨るる中に糸杉立つ
足立陽子
200401
夕時雨院内マイク淡淡と
亀井幸子
築港
200401
薬待つ数多の人や夕時雨
亀井幸子
築港
200401
時雨るるや病院行のバスを待つ
亀井幸子
築港
200401
時雨きて人形の紅烏賊の紅
今瀬剛一
対岸
200401
時雨るるや辻に一条下り松
谷野由紀子
雲の峰
200401
四季のなきダラスにほろと時雨かな
原田伸夫
雲の峰
200401
番傘の色は紫夕時雨
伊藤総司
雲の峰
200401
首すじに残る気配や野路時雨
土生逸磨
河鹿
200401
築地時雨刃物屋の奥刃物研ぐ
田中藤穂
あを
200401
暮れ泥む青梅街道夕時雨
芝宮須磨子
あを
200401
人恋ひの虜となりて時雨雲
田中立子
草の花
200401
老松の亀甲締まる時雨かな
長坂慶子
草の花
200401
時雨るるや白鳳仏の面輪寂び
水原春郎
馬醉木
200402
ぐつぐつと豆の煮えきぬ小夜時雨
平田はつみ
馬醉木
200402
天女来と湖に彩なす時雨虹
松村富子
200402
時雨来て吾に始まる第二幕
苑田ひろまさ
200402
軍刀の時雨滴る南洲像
山元海郎
河鹿
200402
幻の如く時雨の虹立てり
柳生千枝子
火星
200402
時雨るるや川面を叩く楮みだし
岩木茂
風土
200402
時雨るるや阿武隈川は鋼いろ
深田雅敏
200402
古書市に古書あさりゐる夕時雨
塩川雄三
築港
200402
時雨道過去振り返ることもなし
塩川雄三
築港
200402
窓たたく時雨を夫の声かとも
揚原れい子
築港
200402
時雨るるや百地蔵尊数足らず
上石哲男
築港
200402
時雨来て宗祇の墓の艶めける
上石哲男
築港
200402
ローマ一と日フリータイムに時雨来し
久保晴子
雨月
200402
ランドセル掲げ時雨の中駈くる
堀田恵美子
雨月
200402
時雨虹七色なさず赤と青
栗田稚津子
雨月
200402
夕時雨岩陰に照る石蕗の花
松田欽吾
雨月
200402
音として闇夜の時雨聞くばかり
綿谷美那
雨月
200402
銅羅鳴りて老爺残りぬ片時雨
大塚まや
京鹿子
200402
時雨傘かたむけ見上ぐ忘れ傘
岩崎憲二
京鹿子
200402
時雨降るお国の像は濡れて舞ふ
岩崎憲二
京鹿子
200402
夕時雨わからぬやうに鍵匿す
柴田朱美
京鹿子
200402
洛北へ夢を辿れば時雨虹
高木智
京鹿子
200402
入相の鐘に時雨るるすべり坂
岡本明美
雲の峰
200402
時雨るるや杉はなやかにざはめきて
川野喜代子
雲の峰
200402
ふと思ふ父征きし日の小夜時雨
小山漂葉
酸漿
200402
水面から雨の降り出す片時雨
丸山敏幸
200402
時雨いつ雪へと化すや奥信濃
宮入河童
200403
ドーナツの湿つてきたる時雨かな
植松美根子
200403
石寺の杉の木立の那谷時雨
小澤克己
遠嶺
200403
断崖に立ちて時雨の獣となる
小澤克己
遠嶺
200403
真っ直ぐな径の遠さよ村時雨
金國久子
遠嶺
200403
霊峰は消えずに在す村時雨
赤羽正行
遠嶺
200403
暮れなづむ湖に墨さす時雨かな
内田稔
遠嶺
200403
時雨るるやガス燈の立つ記念館
清水晃子
遠嶺
200403
時雨月雲に滲むと言ふのみぞ
滝青佳
ホトトギス
200403
光ることなくしみじみと伊賀時雨
稲岡長
ホトトギス
200403
人形供養時雨の中の白き頬
鍬形幸子
百鳥
200403
時雨るるや水よりくらき池の鯉
渡邉友七
あを
200403
蕎麦つゆの味の濃かりし片時雨
田中藤穂
あを
200403
しづけさや街灯に見る小夜時雨
山口マサエ
雲の峰
200403
横時雨山湖は人を拒みをり
矢崎すみ子
200403
鬱の字の書けて鬱癒ゆ時雨虹
大塚まや
京鹿子
200403
本堂へつづく竹垣時雨けり
恒川絢子
対岸
200403
門前町霽れて深山の時雨かな
岩村立風
草の花
200403
駅ビル化八雲の泪時雨とも
品川鈴子
ぐろっけ
200403
三宝の鐘撞きてより時雨れたる
谷泰子
ぐろっけ
200403
時雨るるも泰然自若越の漢
中田征二
ぐろっけ
200403
時雨来て何時みても佳し辰鼓櫓
伊藤光子
ぐろっけ
200403
時雨来て夜のささやきかと思ふ
関田実香
200404
慶びを頒つ心に時雨虹
辻口静夫
ホトトギス
200404
時雨るると芭蕉の往きし山路見る
稲岡長
ホトトギス
200404
虚子句碑に佇てばこぼれてきし時雨
安原葉
ホトトギス
200404
駅伝の画面に郷の京時雨
金澤明子
200404
村時雨影あるものを濡らしけり
若林花枝
200404
涅槃仏見て濡れて行く時雨かな
丸山敏幸
200404
柄の太くぶつきらぼうな時雨傘
今井千鶴子
ホトトギス
200405
露座仏の大きな耳朶に時雨降る
栢森定男
『風よ』
200407
空はまた時雨づもりや貝の蓋
八田木枯
『夜さり』
200409
旅心三河時雨に解きにけり
稲畑廣太郎
ホトトギス
200411
時雨雲青空こぼし日をこぼし
稲畑汀子
ホトトギス
200411
さつきまで時雨れてゐしと迎へられ
稲畑汀子
ホトトギス
200411
時雨るると予報の先に待つ峡路
稲畑汀子
ホトトギス
200411
時雨るるやずんずん暗く山の中
加茂志津子
帆船
200411
時雨雲追ふ青空のありにけり
稲畑汀子
ホトトギス
200412
ハケ奧の叢祠に時雨宿りかな
柴崎甲武信
春燈
200412
時雨 3      

 

2022年11月21日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。