松 茸     167句

松茸や知らぬ木の葉のへばり付く   芭蕉

 きのこ 松茸 舞茸 けむり茸   茸飯 茸汁 占地 くさびら

作品
作者
掲載誌
掲載年月
フルートや焼松茸を裂いてをる 延広禎一 199901
松茸の傘うつくしき荒目籠 田井はつゑ 雨月 199901
松茸の香り一本柔らかな 吉岡世志子 船団 199906
松茸や値を確めてそれっきり 伊藤一歩 いろり 199910
松茸や高嶺の花とふり向いて 熊谷みどり いろり 199911
身を裂きて証しとしたり松茸も 中原道夫 銀化 199912
品書きの松茸御飯太文字に 三上冨佐子 ぐろっけ 200001
松茸と靴下並ぶ朝の市 松本恒子 ぐろっけ 200002
子よこれが松茸といふ貰ひ物 年森恭子 ぐろっけ 200002
松茸飯炊きし孫来よ曽孫も来よ 大西正栄 雨月 200012
松茸や一本見つけ賑にぎし 松沢久子 いろり 200012
松茸を大胆に焼く友なりし 熊谷利子 俳句通信 200101
松茸のもつこり落葉もちあぐる 渡美知子 200101
松茸は国産のみと品書に 中田征二 ぐろっけ 200101
戸板一つに松茸と山菜と 水上れんげ 200102
松茸やふるさと恋し父在らば 松沢久子 いろり 200104
吸物の早松茸添ふ牡丹鱧 藤田誉子 雨月 200110
昼の灯に松茸を売る山家あり 熊岡俊子 雨月 200112
松茸の縁は今も旧任地 村上沙央 200112
来よといふ電話松茸料理とは 山田弘子 円虹 200112
新道に切らる故郷の松茸山 杉本寛 200112
朝市に松茸求む湯宿かな 山本潤子 いろり 200112
日曜日松茸飯を二人分 城尾たか子 火星 200112
初ものの松茸飯を神仏に 井関祥子 酸漿 200112
鉋屑ほどの松茸汁に浮く 泉田秋硯 200201
松茸に阿波の酸橘を添はせけり 大堀鶴侶 雨月 200201
二の膳におよぶ松茸坊泊り 山田弘子 円虹 200201
肉厚の松茸食べるしこしこと 島内美佳 ぐろっけ 200201
松茸の山を横目の登りかな 鳴海清美 六花 200202
弁当や松茸もどきはられあり 浜麻衣子 六花 200202
松茸を値切つて値切つて買ひにけり 松下幸恵 六花合同句集 200205
松茸の出るぞ出るぞと風の音 中村房枝 六花 200210
松茸籠遺影はいつも微笑むよ 山岸治子 馬醉木 200212
松茸飯おのづと箸のかろくなる 山岸治子 馬醉木 200212
路線バスへ乗るに松茸匂ひけり 金升富美子 200212
雨を吸ふ松茸山が庭つづき 山田弘子 円虹 200212
五合炊き松茸飯の足らぬとは 乾フジ子 雲の峰 200212
焼松茸の香に椿象のじわと寄る 内山芳子 雨月 200302
早松茸義兄取りしと贈りくれ 近藤豊子 雨月 200309
松茸の一本にある天地かな 鷹羽狩行 200311
松茸の薫り形良く値は高し 上岡末喜 築港 200311
精進上げ松茸入りのすまし汁 松崎鉄之介 200311
祝膳のなごんで来たる早松茸かな 高尾豊子 火星 200311
松茸の籠に咲くあり蕾あり 鷹羽狩行 200312
松茸や産地確かめ素通りし 鏡山千恵子 帆船 200312
籠盛の松茸にやや緊張す 廣島啓子 雲の峰 200312
息深く吸ひ松茸を焼きにけり 廣島啓子 雲の峰 200312
高盛りの松茸飯を仏にす 近藤豊子 雨月 200401
松茸一本思案の果のどびん蒸 近藤豊子 雨月 200401
七輪の松茸を待つ夕ごころ 山下朋子 草の花 200401
松茸の群れて法界無縁かな 延広禎一 200402
クルージングに早松茸の馳走かな 手嶋小夜子 200411
日は海に松茸飯は焦げにけり 十川たかし 200411
言挙げして松茸飯を食ぶ世かな 大橋敦子 雨月 200411
口数の多き父なり松茸椀 片岡静子 200412
松茸の籠の大小語り草 梅村五月 200412
みよしのの松茸飯も酢松もや 大橋敦子 雨月 200412
松茸の一本なれば供へけり 小林和子 風土 200501
境内に松茸売場がらんどう 坂上香菜 200501
松茸飯術後五年を無事に過ぐ 星野静子 200501
山の宿松茸づくし膳並ぶ 吉川澄子 築港 200501
歯ごたえの松茸局部麻酔中 中島陽華 200502
大勢に嗅がれ松茸売れ残る 栗田武三 ぐろっけ 200502
特価てふ丹波松茸素通りす 石橋萬里 ぐろっけ 200502
七五三松茸買うて帰りけり 吉田康子 火星 200502
松茸を買ひ年金を減らしけり 岩永トヨノ 200502
其の上は知らず松茸山香る 稲畑廣太郎 ホトトギス 200510
灯台下暗き松茸狩りなりけり 鈴木榮子 春燈 200510
松茸の精進料理精進す 山田六甲 六花 200511
箸置に箸揃ひけり松茸飯 太田佳代子 春燈 200512
松茸飯オペの門出の祝ひとて 大橋敦子 雨月 200512
松茸飯三合炊の織部窯 東亜未 あを 200512
焼松茸歯応へといふ味もあり 大森慶子 母衣 200602
松茸を裂く快感のありにけり 楠原幹子 白卓布 200602
松茸を飽くほど贈られし昔 丁野弘 200610
いつまでも松茸匂ふ釜洗ふ 福島吉美 万象 200612
村起し松茸当たる籤付けて 永井雪狼 200701
一片の松茸匂ふ澄まし汁 井山幸子 万象 200702
誕辰を祝がる松茸伊勢海老と 杉山瑞恵 雨月 200702
待ちわびし郷里松茸小振りなる 野村智恵子 八千草 200704
松茸を燒く松茸の香の中に 岸風三樓 200710
山の香を包み松茸奉書焼き 中村悦子 200712
松茸の紙のごときが旅の膳 片山茂子 遠嶺 200712
カナダ産白き松茸香りけり 福盛悦子 雨月 200712
雲一つなき丹波なり焼松茸 石脇みはる 200801
律儀にも京の尼ごぜ松茸を 細川コマヱ 雨月 200801
この丘の松茸山で在りし日も 浅井青陽子 ホトトギス 200803
買うて欲しさうに松茸くねりけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200810
松茸の品をいただくゴルフかな 佐藤健伍 200812
砦跡ならぶ松茸五六本 滝沢伊代次 万象 200812
願ひ叶ふ松茸飯の夕餉かな 安本恵子 200901
松茸を卒寿祝と賜れり 松崎鉄之介 200901
松茸飯かつぽかつぽと馬歩く 鈴木勢津子 樹間 200911
松茸を焙りて青き炎かな 高橋将夫 200912
国史跡てふ墳山の松茸ぞ 金子つとむ ろんど 200912
松茸山囲へる縄の湿りゐし 松井倫子 火星 200912
縄張りて松茸山の事件めく 中田みなみ 201001
炊きたての松茸飯をまず亡夫に 中道愛子 201001
賜りし松茸の香はカナダ産 森山のりこ あを 200912
縄張りて松茸山の事件めく 中田みなみ 201001
炊きたての松茸飯をまず亡夫に 中道愛子 201001
土間にまで松茸飯の匂ひかな 滝沢伊代次 万象 201011
松茸の父子相伝の穴場かな 秋葉雅治 201012
松茸の檜葉青々と届きけり 浅木ノヱ 春燈 201012
仮の世に棲みて松茸御飯かな 芝尚子 あを 201012
松茸の香りこぼるる旅鞄 安本恵子 201101
もてなしの松茸づくし師の供養 高埜良子 春燈 201101
豊作の松茸横に見てとほる 小俣剛哉 春燈 201101
松茸や広き加奈陀のいづこより 島谷征良 風土 201102
松茸と思ふ落葉の盛り上がり 小林清子 末黒野 201102
団欒の宿に初物やき松茸 恒成久美子 ぐろっけ 201102
松茸の香り厨に妻の古稀 林哲夫 ぐろっけ 201102
豊作といふ松茸を献立に 稲畑汀子 ホトトギス 201110
配膳車松茸の香をこぼしゆく 塩路五郎 201112
土瓶蒸しの松茸眺め食べぬなり ことり 六花 201112
松茸に突つ立つてゐる松の針 根岸善行 風土 201201
眼福をもて松茸を焼くことに 下平しづ子 雨月 201201
老舗宿松茸づくし堪能す 冨田ヒナ江 201202
松茸を貰ふお辞儀は深々と 竹中一花 201202
松茸を買ふに決断いる値段 山下美典 ホトトギス 201203
松茸の香に近づいてゆく帰宅 稲畑廣太郎 ホトトギス 201210
初物の松茸香る酒の友 丸山酔宵子 かさね 201211
裏表見し松茸に刃を入るる 犬丸勝子 201301
汁椀にひらり松茸寺の膳 古井公代 ぐろっけ 201302
松茸の足うるはしや一口に ことり 六花 201311
挨拶は松茸御飯と荷物解く 居内真澄 ぐろっけ 201401
一山の気一本の松茸へ 有松洋子 201401
病院食に松茸飯や夢道の忌 今井春生 201401
父母をりて焼松茸の匂ひかな 石脇みはる 201401
隣から松茸ご飯有難し 樋口正輝 ぐろっけ 201401
船宿の贅ふんだんに松茸煮 十時和子 201401
松茸の素性たしかに求めけり 木下慈子 馬醉木 201402
葬の膳まづ松茸のお吸物 仁平則子 201402
松茸の小ぶりを愛づる祝膳 安立公彦 春燈 201412
そのまさかなのよと出さる松茸飯 石田きよし 201412
松茸の剥がれさうなるにぎり飯 前田忍 火星 201501
松茸や出張帰りの婿土産 水谷直子 京鹿子 201501
子の見する薄き松茸幕の内 荻野嘉代子 春燈 201502
百名山松茸採れることを秘す 橋本知笑 201502
今はもう松茸狩りとは何のこと 時澤藍 201512
目つむりて松茸飯の香をふふむ 井島郷雲 万象 201512
松茸飯囲む七人家族かな 水井千鶴子 風土 201512
松茸に檜葉のせんべい蒲団かな 原友子 201601
紙のごとき松茸二枚土瓶蒸し 國保八江 やぶれ傘 201602
一本の松茸分かち合ふも良し 井上静子 201702
松茸は貴重品なりはるばると 水谷直子 京鹿子 201702
松茸をはこぶ仲居の白き足袋 亀井紀子 201702
名を問へば文珠と言へり松茸売 福島せいぎ 万象 201702
松茸を包む京都の新聞紙 有賀昌子 やぶれ傘 201702
初物の松茸づくし花御膳 岡山敦子 京鹿子 201703
初ものや松茸を先づつまむ箸 稲畑汀子 ホトトギス 201710
隣家より松茸飯の馨りくる 秋葉雅治 201711
松茸はまつこと隠れ上手なり 高橋将夫 201711
ほんのりと松茸ごはんありがとう 大坪景章 万象 201712
松茸と共に届きぬ熊野筆 住田千代子 六花 201803
朝まだき松茸たちの舞踏会 遠山悟史 京鹿子 201901
松茸の香りや喜寿の祝ひ膳 内田梢 末黒野 201904
はぐれたる末に見つけぬ松茸狩 中島秀夫 王水 201909
仲直り初松茸の椀澄みし 武田未有 201911
縄張りのしてある松茸山通る 山田六甲 六花 201912
初物の松茸光る良夜かな 市ヶ谷洋子 馬醉木 201912
あたふたと生きて貪る松茸飯 亀田虎童子 201912
青磁より白磁がよろし松茸飯 赤石梨花 風土 202001
家中を松茸飯の香が占むる 園部蕗郷 春燈 202001
誰ならん今朝の戸口に早松茸 園部蕗郷 春燈 202001
松茸飯老のたつきをかがやかす 赤石梨花 風土 202001
メキシコの松茸炙り独り酒 増田裕司 やぶれ傘 202002
親指ほどの松茸退院おめでたう 岸洋子 202005
土嗅いで松茸さがす父の顔 延川五十昭 六花 202012
アトリエに松茸の香の残りをり 笹村政子 六花 202101
うな垂れて松茸狩の終りけり 谷口一献 六花 202101
結界の松茸山を覗きけり 延川笙子 六花 202101
松茸の香りを放つ一人鍋 増田裕司 やぶれ傘 202302

2023年10月30日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。