茸汁・茸鍋   55句

みちのくの空気一緒に茸汁   松本米子

 きのこ 松茸 舞茸 けむり茸   茸飯 茸汁 占地 くさびら

作品
作者
掲載誌
掲載年月
茸汁うからやからの声の満つ 森景ともね 船団 199909
姉の名は今もちゃん付け茸汁 酒井多加子 俳句通信 199912
陀羅尼助黒色小粒茸汁 田中藤穂 水瓶座 200002
湯治場の煤け柱や茸汁 乾佐知子 春耕 200010
山の日の射し込んでゐる茸鍋 粟津松彩子 ホトトギス 200103
本降りの雨となりたる茸汁 福永みち子 馬醉木 200111
杉箸の匂ふ妻籠の茸汁 原茂美 雲の峰 200112
鉋屑ほどの松茸汁に浮く 泉田秋硯 200201
自在鉤揺るる旅籠の茸汁 中御門あや 春耕 200201
阿武隈の雨鳴る夜の菌汁 古市枯声 春耕 200201
子と少し話つづきし茸汁 田宮勝代 酸漿 200202
茸汁きのふの空を眼裏に 朝妻力 雲の峰 200211
きのふけふつつがなかりしきのこ汁 佐山文子 200211
茸汁舌先三寸しびれをり 川戸田悠 銀化 200301
精進上げ松茸入りのすまし汁 松崎鉄之介 200311
葛城の行者も召すや茸汁 中田寿子 ぐろっけ 200401
乗りつぎのバスを待つ間のきのこ汁 安永圭子 風土 200401
畑のもの足して夕餉の茸汁 浅川悦子 春耕 200412
神祀るロッヂにいこふきのこ汁 澤田緑生 馬醉木 200501
手頃なる七輪を借り茸鍋 二村蘭秋 雨月 200501
唄のなき一旅過ぎゆく茸鍋 井上信子 200503
煙出しに夕日しばらく茸汁 高千夏子 200601
山小屋の明日は閉ざすと茸汁 頓所友枝 200602
一膳に一汁に茸尽しなる 堤京子 馬醉木 200603
二日ほどあしたゆふべの茸汁 瀧春一 常念 200606
落葉松の葉屑なつかし茸汁 瀧春一 常念 200606
山知らぬきのこも入るる茸汁 甲州千草 200702
一片の松茸匂ふ澄まし汁 井山幸子 万象 200702
きのこ汁旅先に聞く国なまり 伊藤一枝 酸漿 200712
今生きてある身が不思議茸汁 村越化石 200801
明日嫁ぐ子にたつぷりと茸汁 上嶋昭子 200802
帰省子へ朝餉の汁のとんび茸 山形悦子 万象 200811
名も知らぬものもごったに菌汁 木村茂登子 あを 200812
天井に物音のあり茸汁 中田禎子 201001
車酔ひ和らいでゆくきのこ汁 島内美佳 ぐろっけ 201002
荒行の阿闍梨やしなふ茸鍋 三村純也 ホトトギス 201003
好き嫌ひ太宰語るに茸鍋 川上久美 ろんど 201003
椀二つ揃へてひとり茸汁 岡野ひろ子 201101
打ち立てのうどんを入れる茸汁 廣瀬雅男 やぶれ傘 201201
生酔ひの本音がのぞく茸鍋 斉藤裕子 あを 201211
ようおいでなしたと熱つあつ茸汁 樋口英子 201301
お任せの料理なかばに茸汁 大西和子 ぐろっけ 201302
二人居の作りすぎたり茸汁 沼崎千枝 末黒野 201402
唄のなき一旅過ぎゆく茸鍋 井上信子 201412
茸汁縄文人の舌づつみ 坂場章子 201501
深々と谿の風聴くきのこ汁 徳田千鶴子 馬醉木 201510
決断の箸つけにけり茸汁 井上石動 あを 201611
茸汁住職むかし会社員 森なほ子 あを 201612
いかがですセシウム入りの茸汁 森なほ子 あを 201811
茸汁「こはい」に漢字二つある 森なほ子 あを 201812
それぞれの旨み引き立て茸汁 江口恵子 やぶれ傘 202101
焼く茸汁の茸と分けてゆく 三村純也 ホトトギス 202102
ペンションといふに一と夜を茸汁 中野陽路 薫風 202205
太梁の峡の湯宿や茸汁 黒滝志麻子 末黒野 202212
頬ゆるむ椀一杯の茸汁 竹内陽 春燈 202301

2023年11月4日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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