茸 飯   106句

一壷酒のめでたく尽きし茸飯    遠藤梧逸

 きのこ 松茸 舞茸 けむり茸   茸飯 茸汁 占地 くさびら

作品
作者
掲載誌
掲載年月
終命の何時か来るらむ茸飯 大平保子 いろり 199911
森見え来よ林見え来よ茸飯 林翔 199912
メモ添えて留守番たのむ茸飯 山本潤子 いろり 200001
品書きの松茸御飯太文字に 三上冨佐子 ぐろっけ 200001
松茸飯炊きし孫来よ曽孫も来よ 大西正栄 雨月 200012
日曜日松茸飯を二人分 城尾たか子 火星 200112
初ものの松茸飯を神仏に 井関祥子 酸漿 200112
褒められて土産に持たす茸飯 江原正子 春耕 200112
ふるさとの山を語りて茸飯 泉田秋硯 200201
裏山のとつぷり昏れし茸飯 三原清暁 春耕 200201
茸飯我家の味でもてなせり 網野茂子 酸漿 200202
松茸飯おのづと箸のかろくなる 山岸治子 馬醉木 200212
五合炊き松茸飯の足らぬとは 乾フジ子 雲の峰 200212
漆櫃の初茸飯と濁り酒 竹内弘子 あを 200312
礼状を書く暇のなし茸飯 山田六甲 六花 200312
茸飯一日半の頭痛なる 高田令子 200401
高盛りの松茸飯を仏にす 近藤豊子 雨月 200401
恙なき顔の揃へり茸飯 篠藤江 帆船 200401
この山の舞茸地鶏釜飯に 中澤文次郎 200402
日は海に松茸飯は焦げにけり 十川たかし 200411
言挙げして松茸飯を食ぶ世かな 大橋敦子 雨月 200411
友からの箸使ひ初む茸飯 山荘慶子 あを 200411
みよしのの松茸飯も酢松もや 大橋敦子 雨月 200412
松茸飯術後五年を無事に過ぐ 星野静子 200501
夫とゆく特急あずさ茸飯 小池津や子 帆船 200501
てのひらに茸御飯の出来味見 田上昭典 ホトトギス 200502
天空海闊みな茸飯食らふ 中島陽華 200502
炊飯器歌ふ茸飯炊き上り 柳生千枝子 火星 200502
一日の徒労を思ふ茸飯 大高芭瑠子 炎夏 200507
きのこ飯家兄の獲たる鹿茸ししたけ 瀧春一 菜園 200509
茸飯母に届けるつて探す 塚本泰子 酸漿 200511
箸置に箸揃ひけり松茸飯 太田佳代子 春燈 200512
松茸飯オペの門出の祝ひとて 大橋敦子 雨月 200512
松茸飯三合炊の織部窯 東亜未 あを 200512
松茸飯おかはかりの焦げ削る音 東亜未 あを 200512
茸飯一夜の歓を同期会 沖野貞子 ぐろっけ 200601
年故か松茸飯の香のうすし 芝尚子 あを 200611
ラストオーダー全員が茸飯 荒井千佐代 200612
弟に似て来たる子ら茸飯 前川明子 200612
この年の仏身近に茸飯 村越化石 200612
茸飯吟行弁当予約する 舘泰生 風土 200701
子の家に長居してをり茸飯 百瀬七生子 海光 200705
気の利かぬふりしてをるや茸飯 百瀬七生子 海光 200705
茸飯さげていそぐよ鯖街道 松下幸恵 六花 200705
前触れの無き子の帰宅茸飯 緑川啓子 馬醉木 200712
茸飯多目に炊いて一人なり 代田青鳥 風土 200712
割り箸を折るにも個性茸飯 岡野ひろ子 200801
杣小屋に飯炊く匂ひ梅雨茸 吉田康子 火星 200809
願ひ叶ふ松茸飯の夕餉かな 安本恵子 200901
茸飯子に告げることためらへり 笠井敦子 200901
茸飯東京の人にもてなせり 高木みさ女 炎環 200911
松茸飯かつぽかつぽと馬歩く 鈴木勢津子 樹間 200911
パソコンのレシピのままに茸飯 竹内悦子 201001
炊きたての松茸飯をまず亡夫に 中道愛子 201001
もてなしは茸飯なり山の宿 舩越美喜 京鹿子 201001
香りよき加奈陀産なる茸飯 竹内弘子 あを 201001
偏りし具に苦情つく茸飯 佐藤山人 201001
茸飯古きよき香を放ちをり 塩路五郎 201011
土間にまで松茸飯の匂ひかな 滝沢伊代次 万象 201011
十津川の川沿ひの宿や茸飯 笠井清佑 201101
茸飯食めり玻璃透く海の音 田中臥石 末黒野 201101
あによめの残るふるさと茸飯 小林千草 馬醉木 201103
街道の今日も売切れ茸飯 内藤三男 ぐろっけ 201103
里山に雲降り来る茸飯 上林富子 やぶれ傘 201104
叡山に忌心深め茸飯 稲畑廣太郎 ホトトギス 201110
森の風特大釜の茸飯 数長藤代 201112
魯山人の器また佳し茸飯 相沢有理子 風土 201201
きのこ飯一汁一菜振舞はれ 下平しづ子 雨月 201201
ヘルパーの里の味はひ茸飯 酒井秀郎 返り花 201211
独り用釜にぞお焦げきのこ飯 佐藤美紀 ろんど 201212
駅弁の輪ゴム弾きて茸飯 河口仁志 201212
諍ひの理由忘れし茸飯 佐々木紗知 京鹿子 201212
きのこ飯香るよろづ屋返事無く 小澤菜美 201301
満面に笑みうかべたる茸飯 田中臥石 末黒野 201301
亡き夫の齢越えたり茸飯 井上静子 201302
佐津さんは予約の席へきのこ飯 山田六甲 六花 211310
放送にかすかな訛茸飯 あさなが捷 201312
挨拶は松茸御飯と荷物解く 居内真澄 ぐろっけ 201401
病院食に松茸飯や夢道の忌 今井春生 201401
隣から松茸ご飯有難し 樋口正輝 ぐろっけ 201401
トンネルに耳のつまりし茸飯 中尾安一 火星 201401
よろしゆうにおあがりやすと茸飯 白井友梨 馬醉木 201410
石橋を渡れば店にきのこ飯 山田六甲 六花 201411
雲海の機内しずもる茸飯 湯谷良 火星 201412
そのまさかなのよと出さる松茸飯 石田きよし 201412
炊立ての湯気香りたつ茸飯 斉藤裕子 あを 201501
装ひては二つ三つ足す茸飯 斉藤裕子 あを 201501
さてさてと男が結ぶ茸飯 斉藤裕子 あを 201501
LED灯す食卓きのこ飯 土谷倫 船団 201505
茸飯食ベスペインのチョコも食べ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201510
山の湯に硫黄の匂ひ茸飯 安藤久美子 やぶれ傘 201512
目つむりて松茸飯の香をふふむ 井島郷雲 万象 201512
茸飯具材あれこれ夕仕度 吉野夢宙 201512
松茸飯囲む七人家族かな 水井千鶴子 風土 201512
野仏の半紙に置かる茸飯 榎本佐智子 末黒野 201602
宿坊の庫裏より茸飯の香が 有賀昌子 やぶれ傘 201612
退院後の初の手料理茸飯 井上正子 童女 201701
隣家より松茸飯の馨りくる 秋葉雅治 201711
ドイツより帰国せし子に茸飯 井上正子 春燈 201712
道の駅きのこご飯に人並ぶ 東秋茄子 京鹿子 201802
茸飯よりも気に入り曲げ輪つぱ 原友子 201801
ほとけと頒つ駅弁の茸飯 田代民子 201902
焦げ目よき土釜に炊けし茸飯 能村研三 201911
階段に来てゐる日暮茸飯 平沢恵子 春燈 201912
あたふたと生きて貪る松茸飯 亀田虎童子 201912
青磁より白磁がよろし松茸飯 赤石梨花 風土 202001
家中を松茸飯の香が占むる 園部蕗郷 春燈 202001
松茸飯老のたつきをかがやかす 赤石梨花 風土 202001
在所守る叔母のふるまひ茸飯 佐俣まさを 春燈 202011
峠茶屋いぶりがつこに茸飯 延川五十昭 六花 202012
古民家の火のなきかまど茸飯 山田正子 202105
茸飯ひとりに炊くは流寓めく 中野あぐり 春燈 202110
茸飯の焦げたるあたり旨かりき 津野桂子 末黒野 202112

2022年11月5日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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