2     100句

紅き茸礼賛しては蹴る女   八木三日女   紅茸

 きのこ 松茸 舞茸 けむり茸   茸飯 茸汁 占地

作品
作者
掲載誌
掲載年月
茸狩の大声山にひゞきたり 滝沢伊代次 万象 201110
ひろげたる筵に山ほど雑茸 滝沢伊代次 万象 201110
毒茸に注意の札や登山口 田下宮子 201111
天狗茸森の小人を誑かす 中村ふく子 201112
茸狩名人飯田家十代目 橋本榮治 馬醉木 201112
三つに見え一つでありぬ毒茸 大山文子 火星 201112
歩き出しさうな形の茸なり 天谷翔子 火星 201112
狛犬の台座の辺り毒茸 藤田かもめ ぐろっけ 201112
つつましき貌つきをして毒茸 史あかり ぐろっけ 201112
乗鞍へ六根清浄茸狩 桑原逸子 201112
酒強きをんな大見得月夜茸 竹中一花 201112
リゾットの茸や欧州旅行談 宮田香 201201
万病に効くと貰ひし猿茸 柴田志津子 201201
奉納鳥居裂け目に茸整列す 加舎廣子 京鹿子 201201
薄暗き小屋に売らるる茸かな 小池一司 やぶれ傘 201201
子音めく十一月の乾し茸 甲州千草 201202
月夜茸不思議の国に紛れ込む 間島あきら 風土 201202
一本の茸めし汁茶碗蒸し 蓮尾みどり ぐろっけ 201202
美しきゆゑ毒茸と言はれたる 岩田公次 ホトトギス 201205
目の前にありて流離や月夜茸 安田優歌 京鹿子 201208
竹林の絹笠茸や網レース 坂根宏子 201209
食べられる茸と言はれても躊躇 稲畑汀子 ホトトギス 201210
呟きしは茸か夫か山の昼 山尾玉藻 火星 201210
青桧葉の貼り付いてゐる茸かな 宮井知英 201210
東山三十六峰笑ひ茸 竹中一花 201211
生酔ひの本音がのぞく茸鍋 斉藤裕子 あを 201211
丸三角四角なきもの茸とり 柳川晋 201211
高みよりここまでおいでましら茸 細川知子 ぐろっけ 201212
月夜茸しこたま取つて捨てる破目 大畑善昭 201212
高砂の松に生えたる茸かな 山田六甲 六花 201212
木洩れ日の幹に茸のシャンデリア 森理和 あを 201212
昏れのこる古木の高さ月夜茸 成田美代 201301
月夜茸迷はし神に迷はされ 栗栖恵通子 201301
小天狗の温もり残る猿茸 柳川晋 201301
旨酒の山の響きを月夜茸 柳川晋 201301
ひかりては何も語らず月夜茸 寺田すず江 201301
茸狩るどの道行くも獣道 森岡正作 201301
裂けば水噴く白神の月夜茸 甲州千草 201301
倒木に怪しき茸集まれり 宮内とし子 201301
毒茸の谿に無くせしポーチかな 藤本千鶴子 火星 201301
茸採る妻や海透く松林 田中臥石 末黒野 201301
甘樫の赤い茸を怪しめり 北村淳子 ろんど 201302
ひと先づは足で値踏みの茸かな 和良牧人 201302
新釜に茸尽しの炊きあがる 安藤久美子 やぶれ傘 201302
茸狩前を横切るは専女(たうめ)かな 中島陽華 201303
稲光干し椎茸がもどるもどる 中原幸子 船団 201304
明るみてかさと紅茸こそと初茸 火箱ひろ 船団 201304
日がな雨狐の絵筆といふ茸 ふけとしこ 船団 201304
歳月のところどろに猿茸 水野恒彦 夢寐 201306
春茸の干しある村の道閑か 松林順子 雨月 201306
先採りは熊らし朝のたもぎ茸 松川悠乃 ろんど 201310
紅つけて白粉つけて毒茸 鈴木セツ 201311
岩陰に一点の赤毒茸 仁平則子 201311
老いの手で握りつぶせし笑茸 山田六甲 六花 201311
鳶茸の濡れ羽色なる饅づくり 吉田政江 201311
毒茸の話聴きつつ句を選む 山田六甲 六花 201311
踏み込めばたちまち迷路樹海茸 渕上千津 201311
スロージャズ流す料亭茸和 坂上香菜 201311
茸莚繭臭しとも思ひけり 瀧春一 花石榴 201312
茸山下りきて犬に嗅がれたる 山尾玉藻 火星 201312
蜻蛉来て椎茸榾の廃れあり 能村研三 201312
林相を見て的中の茸狩 大畑善昭 201312
夜は土を割る音あらむ茸山 甲州千草 201312
かたぶつと言はるる人と茸狩 山尾玉藻 火星 201312
煩悩のごとけむり吐く毒茸 池内結 ろんど 201312
月夜茸われの海馬も光る頃 近藤喜子 201312
切株の椅子やあやしき茸出て 宮内とし子 201401
魑魅来て灯してゆけり月夜茸 熊川暁子 201401
奥多摩に出没したる天狗茸 服部早苅 201401
あたふたと男の炊事しめじ茸 太田健嗣 ぐろっけ 201401
渓谷の雑木に宿り猿茸 菅野日出子 末黒野 201401
茸狩やかわいてゐたるけもの径 城孝子 火星 201402
山中に妖術ありし月夜茸 宮崎高根 201402
内輪もめありしごとくに茸かな 原友子 201402
茸狩ブーツの少女おくれがち 村田とくみ ぐろっけ 201403
女正月肴は笑ひ茸なるか 佐藤山人 201404
紅茸にメルヘン世界広がれる 坂根宏子 野山の道 201404
齢経るも片手で足りる茸の名 布川直幸 201408
新潟の人は茸を見分けたり 須賀敏子 あを 201409
これがまあ毒茸かと蹴つてみる 上原重一 201410
こもれびや森の茸の隊列に 坂根宏子 201411
茸山女ざかりの声が呼ぶ 山尾玉藻 火星 201411
赤銅の月上がりゐる茸山 山尾玉藻 火星 201411
切り株を縁どるやうな茸かな 廣瀬雅男 やぶれ傘 201411
俳人らに猿の腰掛とふ茸 磯野しをり 雨月 201411
茸めし食べむとすれば準備中 山田六甲 六花 201411
茸山の四方へ向きゐる拡声器 小林成子 火星 201412
おみくじは大吉にして毒茸 竹内悦子 201412
京近き鬼の里山茸採る 竹中一花 201412
大岩に幣めぐらして茸ほだ 半田稜 ろんど 201412
むさし野の日の降りそそぐ猿茸 山田春生 万象 201412
唄のなき一旅過ぎゆく茸鍋 井上信子 201412
茸誕生老婆が影をかぶせるとき 堀内一郎 堀内一郎集 201412
踏み次がれ種の尽きたる煙茸 佐藤山人 201501
初茸の木の葉隠れを見逃さず 岡真紗子 201501
茸山鈴を鳴らして入りにける 柳橋繁子 201501
毒の字に何故か母ゐる茸山 藤岡紫水 京鹿子 201501
女らに踏まれうそぶく煙茸 兼久ちわき 馬醉木 201501
マテバシイ茸を着けて伐られけり 瀬島洒望 やぶれ傘 201501
椎茸の形の大小直売所 上月智子 末黒野 201502
茸 →3      

2021年11月3日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。