数へ日 3    212句

数へ日の町に伸びゐる山の影   伊藤通明

数へ日 年惜しむ 年の内 年の暮 年用意 行年 極月 年歩む 年移る 年送る 年守る

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書その他
数へ日や眠れない夜のくすりゆび 堀内一郎 あを 200712  
数へ日の回覧板はすぐ回り 能村研三 200801  
数へ日のまたも畳屋から電話 伊藤白潮 200801  
数へ日の残る十日をいとほしむ 中村悦子 200802  
数へ日の刻を使ふに一と思案 大橋敦子 雨月 200802  
数へ日の河内の句会果として 大橋晄 雨月 200802  
数へ日のアロマセラピー至福とも 西面和子 200803  
数へ日や珠の原稿殺到す 塩田博久 風土 200803  
常の事して数へ日の妻と居り 塩田博久 風土 200803  
数へ日や厨に貼つて火伏護符 塩田博久 風土 200803  
日めくりも何時しか数へ日となれり 木暮剛平 万象 200803  
数へ日の法主の教義堂に聴く 大橋晄 雨月 200803  
城址を訪ね数へ日忘れゐる 加地芳女 雨月 200803  
数へ日や生活の節目一つづつ 久保田雪枝 雨月 200803  
数へ日の山野楽器をとほり抜け 中村恭子 200803  
病窓に数へ日の星犇めけり 戸田和子 200803  
数へ日の光集めて玻璃みがく 小林恵子 遠嶺 200804  
数へ日の街騒の中髪切りに 森佳子 遠嶺 200804  
数へ日や床屋の椅子にまどろみて 久世孝雄 やぶれ傘 200805  
数へ日に玻璃越しミイラまのあたり 品川鈴子 ぐろっけ 200812  
数へ日や五指靴下の乾きをり 今城あき子 炎環 200902  
数へ日や句点をつけて稿終へて 千田敬 200902  
数へ日やなすべきことの目白押し 鎌倉喜久恵 あを 200902  
数へ日に含む幸せ宗祇水 中里カヨ 酸漿 200902  
数へ日や弾まぬ手まりつくごとく 宮崎左智子 200903  
数へ日や母の忌日の墓を訪ふ 竹内悦子 200903  
数へ日や捨て去る本を読み耽けし 佐々木暢 炎環 200903  
数へ日の厨に砥石沈めをり 林いづみ 風土 200903  
数へ日のカレーうどんに老いにけり 高橋澄子 200903  
数へ日の金属かぶれしたる指 加藤峰子 200903  
数へ日や余計なことをしてしまふ 高橋みつ 200903  
数へ日の川面きらめくばかりなり 田原陽子 200903  
数へ日の人の背を抱く夕日かな 葦原葭切 春燈 200903  
数へ日や多くなりたる一人言 家塚洋子 酸漿 200903  
数へ日や友の情を思ひける 家塚洋子 酸漿 200903  
数へ日の八百屋勧むる泥野菜 菊池由惠 酸漿 200903  
数へ日のひと日暮れつつ星光り 伊藤一枝 酸漿 200903  
夕星の下数へ日の街の灯よ 伊藤一枝 酸漿 200903  
数へ日の空晴れやかや掃除終ふ 吉野さと 酸漿 200903  
数へ日のマチネ桟敷に子が躁ぐ 品川鈴子 龍宮の客 200904  
数へ日の人それぞれの歩幅かな 北川孝子 京鹿子 200904  
数へ日や田園調布へ豆買ひに 矢島久栄 200904  
数え日を人形の身揚にて暮れる 羽生きよみ ぐろっけ 200904  
今生のいまが数へ日少し酔ふ 野沢しの武 風土 200905  
数へ日や時つつかかりつつ流れ 鷹羽狩行 200912  
数へ日や来し方のまだ生乾き 村上幸子 京鹿子 201001  
数へ日の柚子の黄まぶし風木舎 大坪景章 万象 201001  
数へ日や署して仮の名めく本名 鷹羽狩行 201002  
数え日や卒塔婆風にゆうらゆら 高橋泰子 201002  
数へ日やまっいいかなとおっしゃって 芝宮須磨子 あを 201002  
数へ日や今年逝きにし人憶ふ 田中芳夫 201003  
数へ日の電話用件のみの友 泉和美 末黒野 201003  
数へ日やなにかにつけて空仰ぐ 戸村よねこ 遠嶺 201003  
数へ日や屋根に青鷺来てをりぬ 山崎靖子 201003  
数へ日や画鋲ばかりの掲示板 高田令子 201003  
数へ日や満中陰の返し物 岩井泉樹 春燈 201003  
数え日に犬も籠さげおつかいす 鈴木てるみ ぐろっけ 201003  
数へ日やゆづられし席あたたかし 小野澤ゆたか 201003  
数へ日の街や口なき人ばかり 遠藤和彦 遠嶺 201004  
病窓より数へ日の街眺めをり 北村香朗 京鹿子 201004  
数へ日やほろ酔ひに買ふ宝くじ 菅野日出子 末黒野 201004  
数へ日の街人波に溺れけり 木下和代 末黒野 201004  
数へ日や止まりしままの鳩時計 八木喜世子 201004  
一日もおろそかならぬ数へ日に 稲畑汀子 ホトトギス 201006  
数へ日の雀こぼるる天龍寺 山尾玉藻 火星 201101  
数へ日や原稿用紙二行ほど 吉田希望 201102  
数へ日やありて使はぬ勝手口 宮沢治子 春燈 201102  
数へ日のちちの欅に凭れけり 荒井千佐代 201102  
数へ日の貧乏揺すりと隣り合ふ 森岡正作 201102  
数へ日へ追ひつめてゆく町の騒 鈴鹿仁 京鹿子 201102  
数へ日となりたる空よ雲一つ 植田利一 春燈 201103  
数へ日の生活に記す詩いくつ 小島禾汀 春燈 201103  
数へ日や剣の舞の夢にまで 近藤喜子 201103  
数へ日の水あをあをと思川 本文代 万象 201103  
はやぶさを観て数へ日の街を行く 松平菩提子 京鹿子 201103  
数へ日の梯子して来しクリニック 笠井敦子 201103  
数へ日の水を打ちある母の家 小林成子 火星 201103  
数へ日やさしづめ用のなき鞄 川端俊雄 火星 201103  
数へ日の護持費払ひに行くところ 西畑敦子 火星 201103  
数へ日の門扉のペンキ匂ひけり 藤田素子 火星 201103  
数へ日や一と日ひと日が逃げてゆく 小寺ふく子 六花 201103  
数へ日の客の童女の髪を編む 伊藤一枝 酸漿 201103  
数へ日の包丁並ぶ刃物店 根橋宏次 やぶれ傘 201102  
数へ日にあわてて成田山参り 白石正躬 やぶれ傘 201102  
数へ日の短針はあと五周半 涌羅由美 ホトトギス 201104  
数へ日の空をみてゐる鴉かな 河隅惠子 201104  
数へ日の猫戻り来しといふ電話 河隅惠子 201104  
数へ日や失せ物神籤どほり出づ 安藤久美子 やぶれ傘 201104  
数へ日の日向千金賜りし 長崎桂子 あを 201103  
数へ日やヴィーナスことにかがやける 成瀬櫻桃子 成瀬櫻桃子俳句選集 201105  
数へ日を天命捲る如くにも 竹下陶子 ホトトギス 201106  
数へ日を里人寄りて宮掃除 上﨑暮潮 ホトトギス 201106  
数へ日のどよめきジエットコースター 齋藤朋子 やぶれ傘 201106  
数へ日やソロコンサート終へし指 稲畑廣太郎 ホトトギス 201109  
数へ日の今朝の木屑やけらつつき 鈴木千恵子 万象 201109  
何となく猫も数へ日知るやうな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201112  
数へ日や仕事十指に余るほど 稲畑廣太郎 ホトトギス 201112  
数へ日のひと日葬りに使ひけり 佐津のぼる 六花 201201  
数へ日や各階止まりのエレベーター 能村研三 201202  
晩年や数へ日に似て過ぎゆくも 辻直美 201202  
数へ日の蛇口の水の勢ひたつ 宮内とし子 201202  
数へ日やまた口に出るどつこいしよ 宮崎左智子 201203  
数へ日の軒端の桶をひきよする だいじみどり 201203  
数へ日や天井桟敷にバッハ聴き 西川保子 春燈 201203  
数へ日の日差だいじに使ひけり 浅木ノヱ 春燈 201203  
数へ日や朝から河豚の一夜干 伊勢きみこ 火星 201203  
数へ日の供花に埋もるる野の仏 西村節子 火星 201203  
数へ日や命なる臍清めをり 西村純太 201203  
数へ日や雲の離れぬ山並ぶ 小林輝子 風土 201203  
数へ日や身過ぎの昭和なつかしむ 小野寺節子 風土 201203  
数へ日や一日一句の日記閉づ 田村すゝむ 風土 201203  
数へ日や留守番だけの役もらふ 代田青鳥 風土 201203  
数へ日や造り酒屋に長居して 三輪慶子 ぐろっけ 201203  
数へ日の川鵜集まりゐる中洲 大島英昭 やぶれ傘 201203  
数へ日や電脳街の両替所 山本久江 201204  
数へ日のひと日予約の取り消さる 森清堯 末黒野 201204  
数へ日の水音やさしき蟹満寺 城孝子 火星 201204  
数へ日の駅に七福神の幕 丑久保勲 やぶれ傘 201204  
数へ日の昼餉館ぱんメロンぱん 安藤久美子 やぶれ傘 201204  
数へ日や第九は耳に何時までも 稲畑廣太郎 ホトトギス 201212  
数へ日といふ数へてはならぬもの 稲畑廣太郎 ホトトギス 201212  
数へ日や九九を覚えし頃のこと 稲畑廣太郎 ホトトギス 201212  
数へ日のラップ流るる美容室 森理和 あを 201302  
数へ日や家より高き薪の嵩 野坂民子 馬醉木 201303  
数へ日の油地蔵へ酒供ふ 飯塚ゑ子 火星 201303  
数へ日や中京に昼すこし酔ひ 蘭定かず子 火星 201303  
数へ日の昼を灯せる佃煮屋 渡辺数子 火星 201303  
数へ日の小回り利かす郵便車 上谷昌憲 201303  
数へ日の予定に夫の爪を切る 山田暢子 風土 201303  
数へ日や忘るることも生きること 上村葉子 風土 201303  
数へ日を右近のゆかり濃き町に 大橋晄 雨月 201303  
数へ日の随道のバス寡黙なり 西田敏之 ぐろっけ 201303  
数へ日の氏神様の大はしご 垣岡暎子 火星 201304  
塵一つなき数へ日の巫女溜 山口誠 馬醉木 201304  
数へ日の紅茶のレモン厚切りに 安藤久美子 やぶれ傘 201304  
数へ日の寺に「開運」幟立つ 有賀昌子 やぶれ傘 201304  
数へ日の誰も気付かぬ入日かな 岩村恵子 ホトトギス 201305  
数へ日や少し手荒に揉み療治 田岡千章 201305  
数へ日の寿司屋見知りの客ばかり 松本善一 やぶれ傘 201306  
数へ日の親子旅なり時止まれ 柿本麗子 千の祈り 201307
数へ日やあべ川餅も術后食 瀧春一 花石榴 201312 国立病院医療センターに入院
数へ日の京に菜箸もとめけり コ田千鶴子 馬醉木 201402  
数へ日のイヤホーンわたしだけのレノン 千田百里 201402  
数へ日のゆとり持ちたき遊歩して 長崎桂子 あを 201402  
数へ日を右近の影の濃き町に 大橋晄 雨月 201403  
数へ日や大売出しの店仕舞 竹内悦子 201403  
数へ日やスーパーの灯の二十四時 上家弘子 ろんど 201403  
数へ日やあねさん被り解け易き 渡辺若菜 春燈 201403  
数へ日の旅にあらねど海を見に 落合紺代 風土 201403  
数へ日の夢買ふをみな籤売場 高埜良子 春燈 201403  
数へ日の動くともなく松に雲 工藤ミネ子 風土 201403  
数へ日の開かず踏切日を沈め 山本喜朗 雨月 201403  
数へ日の家居ひと日を無駄使ひ 三代川玲子 春燈 201403  
流れ星賜り数へ日一つ消ゆ 熊川暁子 201403  
数へ日の港のバーは昼間から 福島茂 201403  
数へ日や一語交してすれ違ふ 山村幸苑 馬醉木 201403  
数へ日や露地行灯の一つづつ 平松うさぎ 201403  
数へ日や街を縫ひゆく救急車 塩田博久 風土 201404  
数へ日の冷蔵庫より物落ちる 小山陽子 やぶれ傘 201404  
数へ日のこの一日をいとほしむ 江島照美 201404  
暫し見とるる数へ日の叩き売 池田華甲 201404  
数へ日で点滅始む青信号 久世孝雄 やぶれ傘 201404  
数へ日のだんだん数へ易くなる 後藤立夫 ホトトギス 201405  
数へ日の声こぼしゐる雀の木 山尾玉藻 火星 201502  
蝋燭の減る数へ日を惜しみつつ 福永尚子 ろんど 201502  
数へ日や塩屋市場のひつそりと 廣畑育子 六花 201503  
数へ日の前掛真っ赤辻地蔵 石谷淳子 雨月 201503  
廃材を置く数へ日の天神社 丑久保勲 やぶれ傘 201503  
数へ日の予定溢れてしまひけり 鈴木石花 風土 201503  
数へ日の波が波追ふこころかな 熊川暁子 201503  
数へ日の襲ふがごとく流れけり 寺田すず江 201503  
数へ日となりて働きだす翁 柳川晋 201503  
数へ日や木枯節も出し昆布も 雨村敏子 201503  
蝋燭の減る数へ日を惜しみつつ 福永尚子 ろんど 201503  
数へ日やこだはり棄てて福のあり 吉田克美 ろんど 201503  
数へ日や風の音さへ常ならず 松本三千夫 末黒野 201503  
数へ日や白鳳仏を見て帰る 田村すゝむ 風土 201503  
数へ日の通院二つ済ませけり 仙田孝子 風土 201503  
数へ日の潮目くつきり塩買ひに 荒井千佐代 201503  
数へ日やシニア大学合否なき 呉文宗 春燈 201503  
数へ日のビルの内なる墓参り 奥太雅 万象 201504  
数へ日や眼鏡のレンズ抜けおちる 松原三枝子 万象 201504  
数へ日の刻音をたて過ぎゆけり 寺田すず江 明日葉 201505  
数へ日のさ庭の土俵掃かれをり 大崎紀夫 虻の昼 201510  
数へ日のいつきに剥がす貼薬 きくちえみこ 港の鴉 201510  
数へ日や今年も旅で締め括る 稲畑廣太郎 ホトトギス 201512  
数へ日や数へ切れざる仕事量 稲畑廣太郎 ホトトギス 201512  
数へ日を使ひ切つたる事務机 稲畑廣太郎 ホトトギス 201512  
数へ日ややつと踏ん切りつきしこと 稲畑廣太郎 ホトトギス 201512  
錯落と時の流れに数へ日や 齋藤晴夫 春燈 201602  
数へ日も孫の笑顛に負けにけり コ田千鶴子 馬醉木 201602  
数へ日や景移りゆく歩道橋 臼井珊瑚 201602  
数へ日の鍋はとろ火に季寄せかな 須賀敏子 あを 201602  
数へ日や餅米漬けて豆漬けて 山口順子 馬醉木 201603  
数へ日や遠き潮騒夢に聴く 上原重一 201603  
数へ日の倭へ奔るうさぎ波 千田百里 201603 船上吟
数へ日のメモに書き足す角砂糖 大石よし子 雨月 201603  
数へ日や忍の一字をいつ崩す 伊東淑子 京鹿子 201603  
数へ日のことはりがたき置き薬 柳橋繁子 201603  
数へ日や重たきものを買ひ足しぬ 根岸善行 風土 201603  
数へ日や暖簾の古き佃屋 小林共代 風土 201603  
数へ日や差し出す文をまた忘れ 上村葉子 風土 201603  
数へ日や病院二軒夫婦して 松崎雨休 風土 201603  
数へ日を歩いて鴨に会ひに行く 生田恵美子 風土 201603  
数へ日に一本伸びる髭を抜く 小山陽子 やぶれ傘 201603  
数へ日に晴たる事や捗りて 長崎桂子 あを 201603  
数へ日や成すべき事の増えゆける 永田万年青 六花 201603  
数へ日のごみに群がる鴉かな 野口希代志 やぶれ傘 201604  
数へ日の壁に馴染みて犬矢来 高木晶子 京鹿子 201604  
数へ日の餅をしづかに焼いてをり 松田泰子 末黒野 201604  
数へ日や亡き輩を指折りて 吉村摂護 201604  
数へ日や一筆筆の走り書き 吉永すみれ 風土 201604  
藷の葉育つ数へ日の流し台 原田達夫 201604 数へ日→ 1

 

2016年12月29日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。