数へ日 2     111句

数へ日の町に伸びゐる山の影    伊藤通明

数へ日 年惜しむ 年の内 年の暮 年用意 行年 極月 年歩む 年移る 年送る 年守る

作品
作者
掲載誌
掲載年月
数へ日の敷居を拭いてゐたりける
雨村敏子
200303
数へ日や父と子が待つ紙芝居
大山文子
火星
200303
数へ日の夢のなかまで探しもの
鈴木夫佐子
200303
施錠して数へ日の闇まとひけり
長岡新一
200303
数へ日の一日は句碑に潮の香に
新田巣鳩
馬醉木
200303
数え日や歯科の階段のぼりつめ
植松美根子
200304
数へ日のくるくるまはす万華鏡
三崎由紀子
遠嶺
200304
数へ日や気懸りのこと三つ四つ
谷上佳那
百鳥
200304
数へ日の地下雑踏にゐて孤独
平野静
京鹿子
200304
数へ日の雑踏にゐて人遠し
坂本敏子
京鹿子
200304
数へ日の筌(うへ)立てかけてある日向
山尾玉藻
火星
200401
数へ日や昼の木立に子の遊び
岡本眸
200401
数へ日の一舟もなき舟溜
青砥真貴子
200401
数へ日や釣に行く竿たしかめて
藤田あけ烏
草の花
200401
十二行の詩に数へ日の一日かな
平間裕子
対岸
200402
指の爪伸びてゐしかな数へ日を
林翔
200402
来週はいよよ数へ日昼に酒
長谷川鉄夫
200402
携帯電話数へ日の世に戻さるる
福山広秋
200402
数へ日のまた生返事してをりぬ
塩川雄三
築港
200402
数へ日の男は妻の言ふままに
塩川雄三
築港
200402
数へ日の吾にも欲しきロスタイム
安達加寿子
200403
数へ日や忌籠り酒をこぼしつゝ
上薗櫨夫
河鹿
200403
ポン菓子屋来る数へ日の夕暮に
大山文子
火星
200403
数へ日や小間物ばかり買うてをり
深澤鱶
火星
200403
数へ日の吹きこぼれさう落し蓋
大東由美子
火星
200403
数へ日の夕星はやも煌めけり
中川悦子
酸漿
200403
数へ日の朝市に買ふ実蕎麦かな
橋添やよひ
風土
200403
数へ日のもう一日を探しゐる
池田加代子
風土
200403
数へ日のひと日を山の美術館
平田紀美子
風土
200403
数へ日の常とかはらぬひと日なり
芝宮須磨子
あを
200403
数へ日の時計外せし一日かな
出来由子
200403
数へ日や自づからなる前のめり
栗原公子
200404
数へ日のひと日運転とふ枷を
竹内喜代子
雨月
200404
数へ日のひと日は父の忌日かな
平田紀美子
風土
200404
数へ日や左脳に詰めることばかり
山元志津香
八千草
200406
数へ日の起居老懶ゆるさざる
橘澄男
山景
200408
数へ日や富士に真向ふ峠口
橘澄男
山景
200408
数へ日を数へても日の増えもせず
山田六甲
六花
200412
数へ日や昼の木立に子が遊び
岡本眸
200412
数へ日の旅荷に覗く犬の顔
品川鈴子
ぐろっけ
200412
数へ日の閂ゆるき父母の家
辻美奈子
200501
数へ日や用の多くて無きごとく
鷹羽狩行
200501
数へ日のどこか無骨にラ・フランス
水原春郎
馬醉木
200502
数へ日や犬には犬の脳溢血
森理和
あを
200502
数へ日や終夜灯してビルの窓
芝宮須磨子
あを
200502
あれあれと入りし数へ日とどまらず
宮津昭彦
200502
数へ日の喪服の重き羽田かな
於久昭臣
雲の峰
200502
数へ日やがらくたと言へ子の宝
鈴木美江
雲の峰
200502
数へ日の大鍋小鍋使ひきる
宮内とし子
200502
数へ日の夜はゆつくりと楽茶碗
上田玲子
200502
数へ日や母の手ずれの鯨尺
久保久子
春燈
200502
数へ日の巨き口開けカーフェリー
安藤しおん
200503
数へ日のすぐ閉ぢたがる文庫本
鈴掛穂
200503
数へ日の風にちぎれし世界地図
堀口希望
200503
数へ日の海行く雲の白さかな
榎本文代
万象
200503
数へ日の日を数ふるに指を折る
青山丈
200503
数へ日や形見の帯を固く締め
鈴木綾子
百鳥
200503
数へ日に紐くくりつけ豆を煮る
武田美雪
六花
200503
数へ日や津波に揺るるインド洋
河合佳代子
栴檀
200503
数へ日のその一日の暮れゆきぬ
太田佳代子
春燈
200503
数へ日の消防詰所ゆるぎなし
吉田飛龍子
春燈
200503
数へ日や散髮までの不精髭
沼口蓬風
河鹿
200503
母の忌を終へて数へ日一日減る
森永敏子
河鹿
200503
数へ日の吾事なかれ事なかれ
浅井青二
雨月
200504
数へ日の暮れゆく水の行方かな
佐久間多佳子
京鹿子
200504
数へ日や恩師の墓参すまさねば
荒川清司
遠嶺
200504
数え日や閑を楽しむ四畳半
馬場龍雨
200505
数え日や駄菓子の壺に赤い飴
大村錦子
200505
数へ日を前倒しして手を空けて
鈴木榮子
春燈
200511
数へ日の海鼠の水に顔映る
山尾玉藻
火星
200512
数へ日や人づてに聞く突然死
鷹羽狩行
200601
数へ日の寸暇を縫ひし旅にあり
能村研三
200601
数へ日の脹らんでゐる客蒲団
大森慶子
母衣
200602
数へ日の夜や人形の舞ひ納め
中島あきら
200602
数へ日に過去なつかしむ友と居り
村越化石
200602
数へ日や子に書く封書量らるる
菅原末野
風土
200602
数へ日の川より嬉戯の羽音して
鈴鹿仁
京鹿子
200602
数へ日や抓んですてる卵の芽
竹内弘子
あを
200602
数へ日の川音細りい一山家(いちやまが)
淵脇護
河鹿
200603
数へ日や浴後の母の髪を梳く
久保アツ子
河鹿
200603
数へ日の油のやうな隅田川
渡辺鮎太
200603
数へ日や読み返したき本の失せ
井上昭太郎
春燈
200603
数へ日のお風呂勝手に沸きにけり
城孝子
火星
200603
数へ日のもういいかいにまあだだよ
大東由美子
火星
200603
数へ日の峠を越ゆる夜汽車かな
新保文子
百鳥
200603
数へ日の取材の人を取材せり
保科次ね子
百鳥
200603
数へ日の薬缶に光戻しけり
大海いつ子
百鳥
200603
数へ日や形なきもの捨てられず
直江裕子
京鹿子
200603
数へ日や胸乳に当てる聴診器
小野寺節子
風土
200603
数へ日や怠けの虫を叱咤して
片山喜久子
雨月
200603
数へ日や朝刊チラシ少し減り
池崎るり子
六花
200603
神信ぜよと数へ日の銀座かな
成井侃
対岸
200603
数へ日や路地に入り来る箒売
佐藤司
200604
数へ日の椅子積み上げて茶店閉づ
安室敏江
百鳥
200604
数へ日や田ごとに違ふ土のいろ
鈴木厚子
栴檀
200604
数へ日や地下駅までの九十九折
塩田博久
風土
200701
数へ日やロストボールは松の上
鷹羽狩行
200702
数へ日の毛馬の閘門鉄扉閉づ
藤野智弘
200702
数へ日の望となりゆく月ありて
大橋敦子
雨月
200702
数へ日の青空高く凧の舞ふ
須賀敏子
あを
200702
数へ日や錐ををろがむ指物師
久保久子
春燈
200703
数へ日のとんぼ返りの発車ベル
宮島宏子
200703
数へ日の白木の墓に詣でけり
浜口高子
火星
200703
数へ日や夜逃げのやうに旅仕度
門伝史会
風土
200703
軽き音して数へ日の雑木山
浅田光代
風土
200703
数へ日の神木の杉清々し
川原典子
酸漿
200703
数へ日の一と日天女の舞を見に
小林愛子
万象合同句集
200703
数へ日の込み合ふ犬の美容室
石橋萬里
ぐろっけ
200703
数へ日や母の忌日を忘れまじ
竹内悦子
200704
数へ日や花舗のせり出す駅通路
山本ミツ子
六花
200704
数へ日となる卒壽とは避けられず
角直指
京鹿子
200705
進級発表して数へ日の一つ減る
角直指
京鹿子
200705
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2020年12月28日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。