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   鴨(群)  鴨(水尾)  鴨の陣  鴨鍋  浮寝鴨  真鴨

 通し鴨 夏鴨  夏の鴨

作品
作者
掲載誌
掲載年月
名園の水和らげて鴨浮寝 稲畑廣太郎 ホトトギス 201612
水の綺羅日の綺羅浮寝鴨の綺羅 稲畑廣太郎 ホトトギス 201612
早鴨の来てゐる気配山の堰 中嶋昌子 春燈 201612
鵜の潜り鴨の浮寝を乱さずに 大坪景章 椿垣 201612
鴨降りて波太くなる中の海 栗山恵子 雨月 201701
照りかげる波の揺籃鴨浮寝 久保東海司 201701
初鴨や夕日こぼるる沼の奥 江見悦子 万象 201701
鴨の陣やつちや場裏のオアシスに 能村研三 201701
鴨の陣解く指揮棒の羽拡げ 平松うさぎ 201701
鴨場跡とはつゆ知らず浮寝鳥 大島寛治 雨月 201702
餌を競ひ鴨の陣営総くづれ 堀田清江 雨月 201702
千里来て鴨は琵琶湖に抱かれり 外山妙子 雨月 201702
渡り来て母なる湖や鴨眠る 外山妙子 雨月 201702
吹き溜まる落葉分け入る番鴨 岡田正義 雨月 201702
一斉に水面をたたき鴨の翔つ 白石正躬 やぶれ傘 201701
池の面の光を乱す鴨の声 荻布貢 201702
奥琵琶の藍深まりぬ鴨の陣 山口順子 馬醉木 201702
翔つ鴨の尻が遅れてならぬなり 南うみを 風土 201702
うさぎ跳びの波と遊べる鴨の群 奥田茶々 風土 201702
番鴨居つき泳ぎの氷室池 和田照海 京鹿子 201702
鴨集ふ池の端に立つただひとり 大坪景章 万象 201702
水音と鴨の声のみ森の奥 大坪景章 万象 201702
夜の川鴨を浮かべて光りをり 飛高隆夫 万象 201702
潮入の池に初鴨着きにけり 山田春生 万象 201702
鴨鳴くや芭蕉を売りの川下り 卜部黎子 春燈 201702
郷川に鴨の安堵や小波す 永井惠子 春燈 201702
水面一枚剥がして飛翔鴨の陣 田中臥石 末黒野 201702
鴨が二羽身づくろひする昼下がり 松村光典 やぶれ傘 201702
羽搏てるは長旅忘ず鴨の群 山本雅子 馬醉木 201703
村楚楚と湖の際まで鴨の陣 上野紫泉 京鹿子 201703
雨降れば雨に声上げ夜の鴨 飛高隆夫 万象 201703
鴨発てり沼の明るさ引き連れて 松本三千夫 末黒野 201703
日面となりて動きぬ鴨の陣 石黒興平 末黒野 201703
堤ゆくジョギング鴨を発たせたり 石黒興平 末黒野 201703
鴨の池と言はるるほどに群れ遊ぶ 久保晴子 雨月 201703
鴨一羽来て大琵琶の広すぎる 樺山翠 雨月 201703
組むとなく崩るるとなき鴨の陣 熊岡俊子 雨月 201703
ゆるやかに組みただよへる鴨の陣 熊岡俊子 雨月 201703
鴨なべて番水面をすべりゆく 佐藤貞子 雨月 201703
いつせいに川上へたつ鴨の声 菊池洋子 やぶれ傘 201703
鴨の群れ日向の岸に上陸す 久世孝雄 やぶれ傘 201703
鴨一羽水を叩いて立ち上がる 山本久枝 やぶれ傘 201703
鴨鍋や湖賊の話聞きながら 三村純也 ホトトギス 201704
揺れてゐる鴨ごと水の昏れゆきぬ 山内碧 201703
混沌はやがて秩序へ鴨の陣 高橋将夫 201704
倒影の富嶽ゆるがせつがひ鴨 内田順治 201704
いつせいに鴨に鳴かるる寒さかな 黒滝志麻子 末黒野 201704
暮れなづむ沼忽ちに鴨の陣 安斎久英 末黒野 201704
風凪ぎて水面に鴨の陣二つ 片岡さか江 末黒野 201704
湖の凪水尾の生まれて鴨の陣 市川夏子 末黒野 201704
桟橋は鴨の憩ひ場乱さずに 山本とく江 万象 201704
夕暮や水脈細くひき番鴨 佐藤和子 万象 201704
鴨の陣障子あかりに心解く 山田天 雨月 201704
池の面を整えてゆく鴨の水脈 篠田純子 あを 201703
比叡の影より湖心へと鴨の陣 千原叡 ホトトギス 201705
重さうに長き助走の鴨翔てり 千原叡子 ホトトギス 201705
木の陰に群れざる鴨や夕明り 青木朋子 201705
孤の鴨の斃れてをりぬ今朝の雪 青木朋子 201705
鴨の群しづか一羽を失ひて 青木朋子 201705
鴨の背に鴨の乗りつつ餌を欲る 細島孝子 末黒野 201705
鴨残る日暮の湖に片寄りて 谷村祐治 雨月 201706
群鴨や人退けば迫り来る 塩貝朱千 京鹿子 201706
望郷の瞳は空のいろ鴨の陣 塩貝朱千 京鹿子 201706
行く鴨のみたび旋回湖の空 竹内涼子 末黒野 201707
ホスピスの池に残りし番鴨 金森教子 雨月 201707
モロツカンオイル引くやに鴨の水脈 瀬川公馨 201707
鴨歩く図鑑通りの脚の縞 岩井京子 201706
鴨鍋の鴨ひらひらと取り分くる 三井所美智子 201706
見上げれば城見下ろせば鴨来る 稲畑廣太郎 ホトトギス 201710
初鴨の消息も聞き忌を修す 稲畑汀子 ホトトギス 201710
初鴨の来し消息の中にをり 稲畑汀子 ホトトギス 201710
十羽ほど初鴨がゐてまた小雨 大島英昭 やぶれ傘 201711
初鴨のしだいに混んできたりけり 根橋宏次 やぶれ傘 201711
芦の湖の真青な湖や鴨来たる 黒滝志麻子 末黒野 201711
徳川の庭を攻めたる鴨の陣 稲畑廣太郎 ホトトギス 201711
城垣を伝うてきたる鴨の冷え 山田六甲 六花 201712
ミサイルや初鴨ゆるき陣がまへ 石田きよし 201712
伝統の川に千羽の鴨の来し 竹下陶子 ホトトギス 201712
鴨の陣皇居の濠を知り尽し 稲畑廣太郎 ホトトギス 201712
鴨の湖ほとりに宿りたる会に 稲畑汀子 ホトトギス 201712
初鴨の陣かまへたる浜離宮 山田春生 万象 201801
自由が好きはぐれ鴨とは呼ばないで 西村白杼 京鹿子 201801
夜を鳴きし鴨に記憶の蘇る 間島あきら 風土 201801
一羽潜けば次々潜き鴨遊ぶ 江木紀子 雨月 201801
鴨来る疾うに居たかのごとき顔 辻前冨美枝 201801
引き潮となるらし鴨の向き変る 樋口英子 201801
白川の速きに乗れり初鴨は 升田ヤス子 六花 201801
つぎつぎに尾羽突き上げ鴨餌時 谷田明日香 風土 201802
初鴨のひとつひとつと日に消ゆる 南うみを 風土 201802
鴨撃たれ翅はハートの形で落つ 丸井巴水 京鹿子 201802
夕されや初鴨の陣ととのはぬ 上岡佳子 万象 201802
初鴨の離宮の池に水尾を引く 飛高隆夫 万象 201802
城跡の木の間にひかる鴨の湖 渡会昌広 馬醉木 201802
日だまりの艫にねむりぬ鴨一羽 加藤静江 末黒野 201802
甲斐信濃徐々に整ふ鴨の陣 上谷昌憲 201802
鴨は鴨の群に紛れて安堵せり 上谷昌憲 201802
羽ばたきて水輪を拡ぐ夫婦鴨 鈴木良戈 201802
膨らみつ漂ひつ去る夫婦鴨 鈴木良戈 201802
鳰の湖見に来て鴨を見てをりぬ 安居正浩 201802
日燦々鴨には鴨の時間かな 飛高隆夫 万象 201803
鴨→10      

2021年11月2日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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