(群)     136句

鴨群るるさみしき鴨をまた加へ    大野林火

冬   鴨(群)  鴨(水尾)  鴨の陣  鴨鍋  浮寝鴨  真鴨

夏 通し鴨 夏鴨  夏の鴨

作品
作者
掲載誌
掲載年月
遠比良や鴨ひと群れの波遊び 中浜菌芽 京鹿子 199904
水蹴って鴨の群れ翔つ日暮れ時 保坂加津夫 いろり 200002
さざ波のきらめく湖面鴨群るる 有山光子 遠嶺 200003
鴨の群れゆっくり見たし日の暮れは 松沢久子 いろり 200004
パンに群れ鴨に帰心のすこしづつ 小林輝子 風土 200006
鴨の群一羽離れてせせらぎに 石森和子 あを 200101
餌を撒かれ乱れ初めにし鴨の群 篠田純子 あを 200101
昼の海波のきららに群るる鴨 浅野恵美子 酸漿 200103
鴨池の鴨群れなせる冬隣 大塚洋子 酸漿 200103
池守の動けばうごく鴨の群 水野あき子 遠嶺 200104
鴨の群朱の反橋をくぐり来る 永見博子 酸漿 200202
鴨群るる偽りのなき青き空 高橋あゆみ 200202
湖一期波を一会に鴨の群 小澤克己 遠嶺 200202
白鳥の一羽をかこむ鴨の群 萩野谷三和 遠嶺 200203
夕迫り陣を解きたる鴨の群 越桐三枝子 春耕 200204
鴨群れる埋没林はこの辺り 小阪律子 ぐろっけ 200204
よちよちと鴨群なせり河原畑 渡辺貞子 春耕 200206
夕泳や岸辺狭しと家鴨群れ 網野茂子 酸漿 200210
鴨群るるほどに霞ヶ浦の寂 稲畑廣太郎 ホトトギス 200211
暮るる湖撒くごとく着く鴨の群 丸本博子 200302
群離る鴨を制する鴨居らず 新子禎自 築港 200303
一羽翔ち皆翔ちゆけり鴨の群 川瀬信子 築港 200303
きらめける波にたゆたふ鴨の群 網野茂子 酸漿 200303
群はなれ一羽の鴨の川となり 植松美根子 200304
風花の舞ひをり湖に鴨の群 河野政恵 酸漿 200304
手負鴨群れを離れて流さるる 下平しづ子 雨月 200304
鈴鴨の群をこぼさず波頭 永田二三子 酸漿 200305
日矢の伸ぶ湖面に揺れる鴨の群れ 水野弘 ぐろっけ 200306
神田川鴨が群るると声高に 芝宮須磨子 あを 200401
精進湖に動くものあり鴨の群 小林優子 酸漿 200402
漣の日を分かちつつ鴨の群 青木陽子 酸漿 200402
群るる鴨見て鴨てふ字昏きかな 宮津昭彦 200403
鴨の群浮きて並びてあしの中 大澤喜代子 草の花 200403
風のなき日当たる岸に鴨の群 沢聰 馬醉木 200404
まるまつて鴨群れ眠る銀山湖 吉成美代子 あを 200404
鴨の群夫婦親子の分らざる 塩川雄三 築港 200404
潮騒や猫の見てゐる鴨の群 景山まり子 百鳥 200404
群はなれ頸立ててゐる見張鴨 三関浩舟 栴檀 200405
大沢の池一群の鴨残る 綱頭久子 築港 200406
鴨群れ来餌を撤く子に声張りて 鈴木美江 雲の峰 200502
群鴨のみなそれぞれに無名負ふ 小澤克己 遠嶺 200503
鴨の群れ一様に揺れ船去りぬ 小國佐世子 遠嶺 200503
鴨の群脅かしゐる鴉かな 山本漾子 雨月 200504
三日暮る群れ鴨の声町こゆる 渡邉友七 あを 200505
休航の矢切の渡し鴨群れる 都築繁子 200508
一羽翔ちて千の群れ翔つ葦の鴨 金丸鐵蕉 200601
岸に寄り岩に上がりて鴨の群れ 大串章 百鳥 200601
にびいろの初鴨の群川昏るる 原田しずえ 万象 200601
暁光に鴨の群なす余呉の湖 名取袿子 200602
曇天を黙に徹して鴨群れる 松本鷹根 京鹿子 200602
鴨群れて水尾の光芒曳きゆけり 上原朝子 200605
内庭に鴨の群れなす池配し 松尾緑富 ホトトギス 200605
鴨の群目覚めて村の動き出す 佐藤和子 200702
元朝の外濠に群る鴨の声 赤松丹山 雨月 200704
傾きし日のまぶしさに鴨の群 東芳子 酸漿 200704
帰心まだ行き渡らざる鴨の群 百瀬七生子 海光 200705
虹色の水際にねむる鴨の群 中野京子 翁草 200710
餌をくはへ群より離れゆける鴨 ことり 六花 200711
餌に群るる鴨の間より赤き鯉 ことり 六花 200711
鴨一羽千鳥の群の中にをり 山田六甲 六花 200712
淀川の湾処に群るる鴨百羽 細川コマヱ 雨月 200803
鴨の群離れてひとつかいつぶり 田所洋子 雨月 200803
群れ立つに遅れて立てりはぐれ鴨 古田美恵 200803
独り鴨群を遠くに高鳴けり 浅野恵美子 酸漿 200804
鴨の群水底の餌をつひばめる 藤原春子 六花 200805
二羽の鴨群の中へと舞ひ降りぬ 藤原春子 六花 200805
鴨の群戯るも争ふも同じ声 鎌倉喜久恵 あを 200901
鴨ひと群増えてをりけり風の沼 藤原冬人 火星 200903
群れて来て鴨散り散りに着水す 國保八江 やぶれ傘 201002
冬うらら五体投地の鴨の群 濱田カノエ 酸漿 201003
鴨群れの渦巻きほぐすつがひあり 久津見風牛 201005
車椅子ぽつんとはなる鴨群るる 吉弘恭子 あを 201012
鴨群れて飛翔滑走湖広き 桂敦子 201105
流れては戻りて残る鴨の群 永田二三子 酸漿 201107
鴨の来る一群波に陽を浴びて 竹内悦子 ちちろ虫 201108
群鴨や水面の山を動かしぬ 瀬戸峰子 春燈 201202
舟の水脈消ゆるところに鴨の群 藤井美晴 やぶれ傘 201202
婚活のごとき騒ぎの鴨の群 小林正史 201203
鴨の群逆ふ一羽何処までも 久保晴子 雨月 201203
餌を貰ひ修羅場と化せり鴨の群 塩路五郎 201204
石像の一休さんと鴨の群 谷村幸子 201204
群たのむ鴨の円陣まぶしみて 山口貴美子 雨月 201205
一声低く群を統べゆく鴨の在り 浜福惠 風土 201301
鴨の群れに歪みて逆さ伊吹かな 阪上多恵子 雨月 201302
鴨群れて野川の水の細濁り 菅野日出子 末黒野 201303
昨夜の鍋のはらからなりや鴨の群 山口キミコ 201304
鴨の群れ離れし一羽われに似る 竹貫示虹 京鹿子 201312
鴨来る群れのかたちに逆はず 石原健二 やぶれ傘 201312
群るる如く離るる如く池の鴨 大橋晄 雨月 201402
ぺたぺたと草地を歩く鴨の群 久世孝雄 やぶれ傘 201402
引き鴨の群れの阿吽の呼吸かな 西川みほ 末黒野 201407
動くたびさざ波たてて鴨の群れ 出口誠 六花 201502
胸揃へ風に真向きて鴨の群 杉山瑞恵 雨月 201503
太公望並み居る湖岸鴨の群 西川みほ 末黒野 201503
鴨群るる餌は禁止の池なれど 松村光典 やぶれ傘 201504
一羽鳴き百羽の羽音鴨の群 山本とく江 万象 201504
天敵に陣たて直す鴨の群 稲垣佳子 末黒野 201505
水際の日あたるところ鴨の群 白石正躬 やぶれ傘 201506
荒川の中州近くを鴨の群 廣瀬雅男 やぶれ傘 201601
木洩日に水脈重ねゆく鴨の群 山下健治 春燈 201602
一水の曲りに集ふ鴨の群 笹村政子 六花 201603
鴨冴えて孤影群影それぞれに 鈴木良戈 201605
鴨群れて園児の列の騒立てり 石川叔子 201606
うさぎ跳びの波と遊べる鴨の群 奥田茶々 風土 201702
羽搏てるは長旅忘ず鴨の群 山本雅子 馬醉木 201703
鴨の池と言はるるほどに群れ遊ぶ 久保晴子 雨月 201703
鴨の群れ日向の岸に上陸す 久世孝雄 やぶれ傘 201703
木の陰に群れざる鴨や夕明り 青木朋子 201705
鴨の群しづか一羽を失ひて 青木朋子 201705
群鴨や人退けば迫り来る 塩貝朱千 京鹿子 201706
鴨は鴨の群に紛れて安堵せり 上谷昌憲 201802
四万十の河口まぢかに鴨群るる 藤生不二男 六花 201803
弥生坂くだれば池に鴨群れて 大崎紀夫 やぶれ傘 201803
銃声に群れを離るる鴨一羽 藤生不二男 六花 201804
先導もしんがりも居る鴨の群 久保夢女 201804
群れはづれ沖へ沖へと番鴨 林徹也 201806
遠山と鴨の群れみて帰りけり 白石正躬 やぶれ傘 201901
鴨は群れ鷺は孤高を守り抜く 稲畑廣太郎 ホトトギス 201901
鴨の群数へて一羽増えにけり 善野行 六花 201902
幾群となき鴨の群一になりぬ 大橋櫻坡子 雨月 201912
瞑想の鴨ゐて群れに近寄らず 尾野奈津子 京鹿子 202002
近づけば川に飛び込む鴨の群れ 白石正躬 やぶれ傘 202002
海光に収まりきらぬ鴨の群 笹村政子 六花 202003
群れゐるは風のなき日の浮寝鴨 立石まどか 202003
鳴きこゑの一つ一つや鴨の群れ 藤生不二男 六花 202003
発つ前のざわめいてゐる鴨の群 永田万年青 六花 202004
逆光のさざめき鴨の群帰る 伊藤希眸 京鹿子 202005
片側に移されしごと鴨群るる 高倉和子 202006
初鴨の群れて池面の波の綾 高木邦雄 末黒野 202102
鴨の群れ潮満ちくれば数を増し 鈴木英雄 末黒野 202102
心字池にこころ許せり鴨の群 中貞子 202102
先陣といふには多き鴨の群 藤生不二男 六花 202102
雪舟の松を遠目に鴨の群れ 浜福惠 風土 202104
寄りわかれ鳴き交はしては鴨の群 岡田史女 末黒野 202105
フォーカスは鴨の群れへと息をつめ 池乗恵美子 末黒野 202105
残る鴨池の日向に群れなして 佐藤稲子 やぶれ傘 202105

 

2022年1月24日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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