(水尾・水脈)     114句

冬   鴨(群)  鴨(水尾)  鴨の陣  鴨鍋  浮寝鴨  真鴨

夏 通し鴨 夏鴨  夏の鴨

作品
作者
掲載誌
掲載年月
すぐ水尾を曳きてすなはち鴨の湖 稲畑汀子 ホトトギス 199812
日の岸へ流れてゆきし鴨の水尾 浜福恵 風土 199902
餌に向ひ一直腺に鴨の水尾 稲畑廣太郎 ホトトギス 199912
鴨の水尾幾何学模様なしにけり 笠井育子 200002
意志を持つときしろがねの鴨の水尾 岡本眸 200002
鴨の水尾番と判る迄の距離 稲畑廣太郎 ホトトギス 200007
末広に水尾ひく鴨の声揃ふ 澤野粂子 春耕 200111
鴨の水尾冬日崩してをりにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200112
相寄りて一筋となる鴨の水尾 水原春郎 馬醉木 200112
鴨の水尾のびゆく光夫の予後 城石美津子 京鹿子 200202
鴨の水尾ふたつ嵯峨野の隠沼に 佐保美千子 円虹 200204
犇いて鴨に水輪も水尾もなし 西山紀代子 200204
ただなかを鴨の水尾すぐ花筏 小野恵美子 馬醉木 200206
ぐんぐんと朝日迫るや鴨の水尾 小野恵美子 馬醉木 200304
影富士の頂までの鴨の水尾 上田繁 遠嶺 200304
小春日や鴨は光の水尾を引き 小石秀子 酸漿 200402
水尾引きて寄り添ひてをりつがひ鴨 森永敏子 河鹿 200504
鏡湖の一穢となりて鴨の水尾 稲畑廣太郎 ホトトギス 200511
水尾交す鴨の対話でありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200512
鴨着きて一直線に水尾引けり 松崎鉄之介 200512
初鴨や琵琶湖に水尾を描きつつ 家塚洋子 酸漿 200602
鴨群れて水尾の光芒曳きゆけり 上原朝子 200605
鴨の曳く水尾のきらめく湖月夜 根岸善雄 馬醉木 200702
相寄りて水尾をひとつに月の鴨 浅田光代 風土 200702
池の面に刃を入れし鴨の水尾 曷川克 遠嶺 200704
鴨の水尾大坂の陣めく乱れ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200812
蓬莱島生まれの鴨か水尾長し 山崎靖子 200902
消し合つて又作り合ふ鴨の水尾 川合まさお ぐろっけ 200904
渡り来て鴨白銀の水尾を曳く 小山徳夫 遠嶺 201001
嶋上の陵水尾ひいて鴨が守る 鈴木浩子 ぐろっけ 201005
ひとたびは水尾の分れて番鴨 木内博一 春燈 201102
煌めきを裁つて水尾曳く番鴨 伊藤百江 春燈 201203
V字水尾引きゆく鴨の気品かな 前川ユキ子 201204
初鴨のそれぞれの水尾引きゐたる 森岡恵子 万象 201301
離れては又触れ合へる鴨の水尾 塚越弥栄子 末黒野 201302
鴨の声走り池面に水尾を引く 塚越弥栄子 末黒野 201302
一斉の末広がりの鴨の水尾 中野京子 201302
夕鴨の水尾を大きく岸に着く 笹村政子 六花 201302
一瞬の水尾の残照鴨翔てり 福島茂 201303
鴨の曳く水脈の吹かれてひろがれり 宮津昭彦 199902
明日を引く鴨か由々しき水脈交し 岩崎きゑ子 馬酔木 200106
春の鴨日のある方へ水脈曳けり 志水千代子 雲の峰 200204
三角の水脈並べゆき鴨の声 仙石君子 雨月 200303
餌を撒きて春鴨の水脈(みお)乱しけり 三澤福泉 雲の峰 200304
通し鴨水脈(みお)金色に引きにけり 池屍足穂 雲の峰 200309
朝日射す初鴨の水脈輝けり 荻原トシ子 対岸 200311
水脈作るより鴨浮寝解きにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200411
鴨進む末広がりを水脈といふ 今瀬剛一 対岸 200501
空色の水脈うつくしき鴨の陣 篠田純子 あを 200504
水温む水脈ひく鴨の首伸びて 内堀京子 河鹿 200607
水脈引いてばかり初鴨落着かず 宮津昭彦 200801
連翹の影に水脈曳く残り鴨 永峰久比古 馬醉木 200806
六月のひかり家鴨の引く水脈に 大崎紀夫 やぶれ傘 200808
しばらくは水脈の乱るる撃れ鴨 本間羊山 風土 201109
舟の水脈消ゆるところに鴨の群 藤井美晴 やぶれ傘 201202
鴨の水脈寄りて離れて筒井筒 福永尚子 ろんど 201204
春雨や家鴨水脈引く舟溜り 大島英昭 やぶれ傘 201205
おさむ忌や真向ふ鴨の水脈扇 吉田克美 万華鏡 201206
鴨の水脈のびゆきて日の暮れにけり 大崎紀夫 やぶれ傘 201301
池尻へ水脈をひきゆく残る鴨 有賀昌子 やぶれ傘 201306
溝蕎麦や番いの鴨は水脈を引き 渡邉孝彦 やぶれ傘 201312
ゆるき水尾広げて鴨の番ひかな 鈴木良戈 201402
着水の波に乱るる鴨の水脈 蒲田豊彦 雨月 201402
鋭角の水脈を重ねて鴨三羽 青木朋子 201403
方舟へ水尾ひく残り鴨一羽 橋場美篶 末黒野 201406
初鴨の短き水尾を引きにけり 塩野谷慎吾 201501
水尾引きて白蛇の塚へ番鴨 辻知代子 201504
すれちがふ鴨すれちがふ水脈のまた 大崎紀夫 虻の昼 201510
鴨の水脈ひかりさざ波ひかりけり 大崎紀夫 虻の昼 201510
初鴨の水尾の長さにある主張 稲畑廣太郎 ホトトギス 201511
鴨の水尾長さは馴染みゆく早さ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201511
木洩日に水脈重ねゆく鴨の群 山下健治 春燈 201602
先陣の鴨の曳きたる水尾の濃し 山田六甲 六花 201602
鴨の水尾拡ごる果の賤ヶ岳 森脇貞子 雨月 201604
曳く水脈のVやWや春の鴨 小林陽子 201606
残照の湖に水尾引く残り鴨 吉田順子 201607
池の面を整えてゆく鴨の水脈 篠田純子 あを 201703
夕暮や水脈細くひき番鴨 佐藤和子 万象 201704
湖の凪水尾の生まれて鴨の陣 市川夏子 末黒野 201704
初明り水脈引く鴨のしづかさよ 島田和枝 万象 201704
隠沼の水脈の二筋残る鴨 森清堯 末黒野 201706
モロツカンオイル引くやに鴨の水脈 瀬川公馨 201707
残り鴨平行線の水脈を引き 西村白杼 京鹿子 201801
初鴨の離宮の池に水尾を引く 飛高隆夫 万象 201802
鴨の水脈池を大きく使ひけり 太田良一 末黒野 201803
隠沼の音なき水脈や夏の鴨 長尾タイ 末黒野 201804
蒼天の鏡池なり鴨の水尾 廣畑育子 六花 201804
舟べりに消えてゆきけり鴨の水尾 永田万年青 六花 201804
鴨の水尾ま昼けだるき沼を裂き 升田ヤス子 六花 201804
大手濠水脈長く引き春の鴨 大島寛治 雨月 201806
存分に水脈を広ぐや残る鴨 神谷さうぴ 末黒野 201806
鴨涼しゆつたりと引く水尾ひとつ 梅田武 末黒野 201808
真つ直ぐに鴨二羽並び水尾を引く 長谷仁子 春燈 201903
鴨の水尾にほの水輪のうち混じり 南うみを 風土 201903
母在せ春鴨の水尾届きくる 森祐司 201905
つがひ鴨しづかに水脈を重ねけり 善野行 六花 201905
春鴨の水脈離れつつ交差しぬ 平居澪子 六花 201906
川幅に水脈を広げて春の鴨 森田節子 風土 202007
群れ集ひ水脈整ふる春の鴨 横路尚子 末黒野 202007
水脈かさね湖の真中へ春の鴨 林徹也 202010
水脈広げ来るつややかな鴨の胸 善野行 六花 202103
鴨の水脈延ぶるや胸のすく思ひ 善野行 六花 202103
足元の岸に寄りくる鴨の水尾 湯本正友 やぶれ傘 202103
己が曳く水尾足し鴨の鴨に蹤く 湯川雅 ホトトギス 202104
寺領出でず水尾をゆたかに春の鴨 柴ア英子 202105
空に水脈描きて鴨の帰りけり 升田ヤス子 六花 202106
末広の水尾の寄り来や春の鴨 岡野里子 末黒野 202108
水尾歪むより初鴨となりゆけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 202111
春鴨の水脈が別れてゆくところ 大崎紀夫 やぶれ傘 202205
隠沼の一筋の水脈残る鴨 長尾タイ やぶれ傘 202207
水尾曳いて水尾曳いて鴨陣を組む 稲畑廣太郎 ホトトギス 202212
漣に対峙してゐる鴨の水尾 稲畑廣太郎 ホトトギス 202212

 

2023年1月22日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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