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鴨の中の一つの鴨を見てゐたり   高浜虚子   五百五十句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
鴨と吹かるる旅アイロンをかけしあと 平野八重子 海程 199806
どの部屋も鴨の景あるホテルかな 稲畑汀子 ホトトギス 199811
若く見ず甘く見られり鴨にまで 丸山佳子 京鹿子 199811
波の綺羅鴨の所在を消すことも 稲畑汀子 ホトトギス 199812
湖の広さを知らぬ如き鴨 稲畑汀子 ホトトギス 199812
水の中まであをあをと鴨日和 鷹羽狩行 199901
鴨が来る美しき孤独の弁天に 丸山佳子 京鹿子 199901
静寂とは鴨来るまへの水景色 小澤克己 遠嶺 199901
俗抜けの主や鴨の骨叩き 井田実代子 雨月 199901
鴨鳴くに臆面もなく鴨食うべ 井田実代子 雨月 199901
ポロト湖の蒼き風波鴨潜く 村瀬初実 春耕 199901
漣は水の喜び鴨来たる 土田栄 199901
鴨の曳く水脈の吹かれてひろがれり 宮津昭彦 199902
休み田に水張り鴨の飼はれをり 山崎羅春 春耕 199902
水漬田の塚に鴨撃つかくし小屋 山崎羅春 春耕 199902
ひかりつつ鴨待つ湖となりにけり 高橋さえ子 199902
遠会釈してそれぞれに鴨を見て 松岡隆子 199902
鴨統べて杭に美男のゆりかもめ 村上光子 馬醉木 199903
鴨行つて来い来年も又ここで 稲畑廣太郎 ホトトギス 199903
鴨三羽日の斑散らして着水す 水野あき子 遠嶺 199903
鴨見るによき角櫓ありにけり 宮津昭彦 199903
鳩よりも胸張って鴨歩き出す 水谷芳子 雨月 199903
鴨下げて夜更けの父へ売炭屋 皆川盤水 春耕 199903
町川に鴨の遊べる松の内 山崎翠汀 春耕 199903
目に馴れしとき石塊の鴨となる 三浦恵子 円虹 199904
鴨すすむ等間隔を乱すなく 大橋宵火 雨月 199904
密集の鴨ころころと晴れつづく 岡本眸 199904
鴨啼いてネオン汚れの池の端 岡本眸 199904
背筋立てなほし鴨より離れけり 岡本眸 199904
深雪晴鴨かけて日のみづみづし ほんだゆき 馬醉木 199905
鴨宿の主の大き眼かな 内山芳子 雨月 199905
止まりてはまた鴨の骨叩く音 内山芳子 雨月 199905
鴨去りし沼森閑と余花の雨 沢聰 馬醉木 199906
鴨あまた寄せ老人の日向かな 土田栄 199906
首縮め鴨直進す直進す 津田このみ 船団 199907
残照ののこり鴨としただ黒く 岡本眸 199907
小名木川波郷の鴨と思ひけり 広渡敬雄 遠賀川 199909
鴨乱舞御陵の森と知られけり 稲畑汀子 ホトトギス 199911
長命寺湊の鳰に鴨飛来 大橋宵火 雨月 199911
金閣の映らぬところ鴨のゐて 櫨木優子 199912
寄りし鴨離れし鴨も波まかせ 稲畑廣太郎 廣太郎句集 199912
さるをがせ峰越の鴨と揺れかはす 岡田貞峰 馬醉木 200001
鴨が来て乱してしまふ魁夷の景 丸山佳子 京鹿子 200001
瀬頭のこゑに勢ひ鴨来る 小澤克己 遠嶺 200001
着水の荒々しきや鴨来たる 豊岡清子 遠嶺 200001
鴨が来る知事も市長もやさしくて 丸山佳子 京鹿子 200001
忘年の隔たりにある鴨と鳰 山尾玉藻 火星 200002
人間をやめたきときの鴨の水 田畑幸子 火星 200002
水中に荒々しきはつるむ鴨 三村禮子 酸漿 200002
鴨たちになにか疎まれゐる感じ 坊城としあつ 円虹 200002
雨の鴨沼の真中がひかりけり 宮津昭彦 200002
この湖やわが旅いつも鴨に遅れ 岡本眸 200002
ダム湖ゆく舟を追ひ越し渡り鴨 田中藤穂 水瓶座 200002
人影に湖心へ移る鴨百羽 村瀬初実 春耕 200002
ネッカー川鴨点景に古城映ゆ 村上光子 馬醉木 200002
鴨よりも多し双眼鏡の数 谷泰子 ぐろっけ 200002
飛来鴨池の面打ちて着水す 中川濱子 ぐろっけ 200002
鱒池に鴨の親子の羽繕ひ 三浦喜久子 ぐろっけ 200002
月光は砕け夜鴨の声ころげ 村松紅花 ホトトギス 200003
蹼のくはしく見えて鴨すすむ 岡本高明 200003
遠鴨や水で括くくりし天の雲 山田六甲 六花 200003
盧原の風枯色に鴨立てり 山本雅子 馬醉木 200003
うしろ手を解くとき鴨の二三声 高橋さえ子 200003
没日どき鴨かがやきて浮かびけり 宮津昭彦 200003
手の切れる紙幣で鴨の餌を買ひ 丸山佳子 京鹿子 200004
鴨の恋一途みてゐるお人好 丸山佳子 京鹿子 200004
鴨宿に野風呂軸あり懐古あり 鈴風仁 京鹿子 200004
うたかたとなるまで鴨の漂へり 小澤克己 花狩女 200004
餌付け人置去りに鴨帰りけり 松崎鉄之介 200005
沼を去る腕白き鴨花辛夷 沢聰 馬醉木 200006
死にたくて斯く生きたくて冬の鴨 浜芳女 海程 200006
鴨帰りがらんだうなる山の池 木内美保子 六花 200006
兄が消え夕鴨のくるパーカッション 若森京子 船団 200006
鴨の神ゐます花橘の香に 大橋敦子 雨月 200007
鴨の子や虚子曾遊の山の池 松尾緑富 ホトトギス 200009
鴨の闇照らしてしづか蓮の月 門屋大樹 春耕 200009
鴨が来て一変したる池の相 天岡宇津彦 200011
目の前に傘のとめひも鴨の海 山田六甲 六花 200011
沖に鴨あしやの砂嘴に潮さし来 山田六甲 六花 200011
一島が一低山や鴨来たる 浜福恵 風土 200012
長堤のやや寒にゐて鴨の声 大橋敦子 雨月 200012
鴨焼に箸の伸びけり佃島 二瓶洋子 六花 200012
くわうくわうと寒鯉の髭鴨の恋 神蔵器 風土 200101
上ミ下モの下の池だけ好きな鴨 後藤比奈夫 円虹 200101
やきもちを焼きゐる鴨と思はるる 後藤比奈夫 円虹 200101
鴨の数読めなくなつて川海へ 湯川雅 円虹 200101
暮れなづむ湖のどこかに鴨鳴いて 和田崎増美 雨月 200101
山の池霧の底より鴨鳴ける 定藤素子 雨月 200101
点々と浮きこの川に鴨来たり 宮津昭彦 200101
日溜に二月の鴨の汚れなし 盛良孝 200101
鴨の水来たうて来たるところなり 城孝子 火星 200102
鴨の水離れてたぶの木に凭る 浜口高子 火星 200102
渡り来し鴨水走り水走り 江木紀子 雨月 200102
田の中の後三年駅鴨の声 松崎鉄之介 200102
鴨数羽浚渫船と岸の間 宮津昭彦 200102
袋ふつて婆さん坐りの鴨を呼ぶ 丸山佳子 京鹿子 200102
子の投げるパンに集まる池の鴨 柴田美佐子 いろり 200102
鴨啼くや昼の月おく上野山 三代川次郎 俳句通信 200102
朝の日に炎色を曳きて鴨たてり 沢ふみ江 春耕 200102
交替の時来たるらし見張鴨 森景ともね 船団 200102
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2021年1月28日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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