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冬   鴨(群)  鴨(水尾)  鴨の陣  鴨鍋  浮寝鴨  真鴨

夏 通し鴨 夏鴨  夏の鴨

作品
作者
掲載誌
掲載年月
その中に呼べば来さうな鴨が居り 岩垣子鹿 ホトトギス 201004
曇天や静寂の池の鴨のこゑ 小島とよ子 遠嶺 201004
川岸のなぞへを二羽の鴨がゆく 有賀昌子 やぶれ傘 201004
中の洲は夕日のあり処鴨睡る 石田きよし 201004
向き合ひて語らふ如くつがひ鴨 小寺ふく子 六花 201004
あたたかし泥湧きたたす鴨の嘴 永田二三子 酸漿 201004
冬川の中州に鴨の親子かな 池田いつ子 酸漿 201004
夙川の中洲草食む鴨番 高橋大三 ぐろっけ 201005
去年の鴨今年の水の上にかな 岩岡中正 ホトトギス 201006
沼一まい剥がるるごとく鴨かへる 中村恭子 201006
卒業の日の鴨沖に出てゐたり 山城孝子 火星 201006
鴨の恋一途見てゐるお人好し 丸山佳子 京鹿子 201007
鴨翔って尚昏れのこる海の芯 渡邉友七 あを 201008
鴨の子の水の景へと乗つかりぬ 湯川雅 ホトトギス 201009
水満ちし代田に鴨のくつろげり 岡田房子 酸漿 201009
溜池に鴨の来てゐる當麻みち 福田雅子 万象 201010
かきくらす雪より鴨の下りにけり 水原秋櫻子 馬醉木 201012
鴨飛んで紛るる果のなき空に 稲畑汀子 ホトトギス 201012
たたずめば知己のごとくに鴨寄り来 片山由美子 201012
夕鴨の鳴き止み海の消えにけり 近藤喜子 201101
鴨猟にみやび心の仕掛かな 能村研三 201101
明朝やゴシック体や鴨ゑがく 古屋元 201101
流さるる遊びもありて加茂の鴨 丸井巴水 京鹿子 201101
園丁の作業に馴れて鴨歩む 秋千晴 201101
日の鴨と日陰の鴨と入替る 芝尚子 あを 201101
羽繕ふ鴨を見てゐる園児列 竹内悦子 201102
帝陵の鴨のお濠となりにけり 中島霞 ぐろっけ 201102
鴨よ鴨羽繕ひせよ年はじめ 竹内悦子 201103
鴨の水より立ち上がる湖中句碑 今橋眞理子 ホトトギス 201103
十二羽の白鳥万の鴨制す 古賀しぐれ ホトトギス 201103
万の鴨湖面を剥すごと翔てり 古賀しぐれ ホトトギス 201103
五六羽に後れ二三羽鴨夕べ 今橋眞理子 ホトトギス 201103
鴨の輪に一羽を加へ日洽し 小野恵美子 馬醉木 201103
鴨百羽浮かべて川の動かざる 黒滝志麻子 末黒野 201103
鴨のゐて闇にぬくもりありにけり 山本久江 201103
鴨たちの水につづける野に遊ぶ 山尾玉藻 火星 201103
鴨啼いて夫に消灯時刻あり 杉浦典子 火星 201103
鴨つるむ羽音夕べを早めたる 山本耀子 火星 201103
千満の差なき与謝なる鴨雑炊 本城布沙女 雨月 201103
軽石の漂ふ鴨の去にし池 山田六甲 六花 201103
嘴に水零しつつ鴨走る 永田勇 六花 201103
皮靴のかきわけて行く鴨の中 芝尚子 あを 201103
暮れてゆく湖面を切つて鴨の声 今橋眞理子 ホトトギス 201104
まなじりに流るゝ鴨の水辺あり 浅井靑陽子 ホトトギス 201104
夕鴨のよべばこたへるところまで 岩岡中正 ホトトギス 201104
着水の鴨つんのめる角力灘 吉村摂護 201104
鴨啼くや浜に横たふ珪化木 矢野百合子 201104
ほろ酔の父と鴨見に恵方道 塚山田美恵子 火星 201104
夕鴨に明日を約す茜空 黒滝志麻子 末黒野 201104
水温み岸辺離るる二羽の鴨 野中弓子 酸漿 201104
白浪たつ湖の浮島鴨寄り来 久保晴子 雨月 201104
るるるぐぐぐ混みて鴨語と白鳥語 松井志津子 201104
携帯の高笑ひに鴨泳ぎ寄る 赤座典子 あを 201104
朝な冷え込みて鴨の輪解け切れず 久保東海司 201105
餌付人百千の鴨うねり寄る 小林愛子 万象 201105
鴨睦むとき金色を発しけり 成瀬櫻桃子 櫻桃子選集 201105
番鴨水輪ひとつに納まりて 秋千晴 201106
鴨の辺に雛を流す舟仕度 山田美恵子 火星 201106
渡り石歩せば鳴き寄る鴨なりし 大木さつき ホトトギス 201107
番鴨水輪一つに納まりて 秋千晴 201108
水ぎはに夏鴨のくる忌日かな 杉浦典子 火星 201108
しばらくは水脈の乱るる撃れ鴨 本間羊山 風土 201109
石ころのやうに鴨転がつてをり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201201
ふりむけば失せてをりけり月の鴨 十川たかし 201202
鴨二匹水面にゆれて冬の朝 田島昭久 かさね 201202
鴨の列カメラ目線に寄りてくる 北村幸子 201202
吟行の遠き思ひ出鴨を見に 岸本林立 雨月 201202
寄り合うて流れてゐたる雨の鴨 山尾玉藻 火星 201202
羽づくろふ鴨に煙のただよひ来 浜口高子 火星 201202
長靴の神官が鴨数へをり 渡辺数子 火星 201202
銃口の鴨がこちらへ向き変ふる 柴田佐知子 201203
煌めきを裁つて水尾曳く番鴨 伊藤百江 春燈 201203
ざわざわと寄りさつと散る巴鴨 加藤峰子 201203
はばたきの光を入るる鴨の池 成田美代 201203
鴨の空仰ぎをり残されてをり 柳生千枝子 火星 201203
ひとところ緩びて鴨の番かな 紅露恵子 万象 201203
杭の鴨祈りの形してねむる 吉清和代 万象 201203
夕闇を呼び寄するかに鴨鳴ける 堀田恵美子 雨月 201203
鴨羽搏ち逆さ伊吹を崩しけり 水谷靖 雨月 201203
陰になり鴨はよちよち水に入る 森理和 あを 201203
細波や鴨の寄り添ふ木の芽冷え 田中繁夫 末黒野句集 201203
二羽の鴨つかずはなれず流れけり きくちきみえ やぶれ傘 201203
V字水尾引きゆく鴨の気品かな 前川ユキ子 201204
眠たくてたまらぬ鴨の脚動く 橋本くに彦 ホトトギス 201204
神の池鴨はひかりにつつまるる 犬塚芳子 201204
波にのる鴨の蹼せはしかり 石田きよし 201204
鴨翔つや思はぬ羽音高みより 永井惠子 春燈 201204
人声に鴨動き出づ神の池 小山直子 末黒野 201204
水の辺にかがみて鴨の胸白し 杉浦典子 火星 201204
山に没る夕日に鴨の声荒し 茂木弘子 万象 201204
遡り潮波の数ほど鴨を連れ 細川知子 ぐろっけ 201204
どぶ川に何を漁るか鴨番 松木清川 ぐろっけ 201204
鴨と聞くガイドの話間延びして 須賀敏子 あを 201204
芽吹き待つもののいろいろ鴨の声 田中藤穂 あを 201204
鴨七羽スワンボートについてゆく 藤井美晴 やぶれ傘 201204
鴨の池点景としての臥龍松 小林美登里 かさね 201205
鴨鴨鴨鴨鴨鴨鵜杭の上 田丸千種 ホトトギス 201205
水の面を搏ちて名残の鴨ならむ 水谷靖 雨月 201205
鴨羽撃つ引く日間近かの昂りに 谷田部栄 万象 201205
杳として残雪の嶺鴨鳴けり 岩城茂 風土 201205
のぞき見る岸辺の暗さ鴨のこゑ 安田とし子 ぐろっけ 201206
鴨のこえ丘があるから夢を見る 中原幸子 船団 201206
羽づくろふとき脚朱き雄の鴨 竹内弘子 あを 201206
おさむ忌や真向ふ鴨の水脈扇 吉田克美 万華鏡 201206
昨日より近寄つてゐる人と鴨 稲畑廣太郎 ホトトギス 201211
魞縫うてゆく舟一つ鴨一羽 稲畑廣太郎 ホトトギス 201211
その中の哲学者めく鴨一羽 稲畑廣太郎 ホトトギス 201211
近付ける鴨と人との生活かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201211
鴨増えて湖の輪郭失へり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201211
吟詠に和して一羽の鴨鳴けり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201211
みづうみは器であらめ鴨渡る 広渡敬雄 201211
鴨浮かべ名園の景出来上る 稲畑廣太郎 ホトトギス 201212
雨つぶの輪を切り開く鴨一羽 北村ちえ子 六花 201212
北空は海より邃し鴨渉る コ田千鶴子 馬醉木 201301
遊船に発ちし鴨どち湖めぐる コ田千鶴子 馬醉木 201301
田の沼に百の鴨ゐて夜の黙 浜福惠 風土 201301
結末はどんでん返し鴨飛翔 塩貝朱千 京鹿子 201301
身繕ふ水輪ひろごる月の鴨 すずき巴里 ろんど 201301
伊吹嶺へ返しむらさき立ちし鴨 山尾玉藻 火星 201301
陰を出て真鴨の色となりにけり 細野恵久 ぐろっけ 201301
先陣の鴨とし大琵琶に消ゆる 古賀しぐれ ホトトギス 201302
鴨 →8      

2021年2月2日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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