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ひとめぐりしても一人や鴨の池   深見けん二

作品
作者
掲載誌
掲載年月
月光をゆらして湖の鴨翔てり 穐好樹菟男 馬醉木 200712
くちばしを時をり湿し遊び鴨 山田六甲 六花 200712
暇あらば羽根繕ふよ朝の鴨 山田六甲 六花 200712
遊びゐる一羽を鴨の呼びもどす 山田六甲 六花 200712
桟橋の影に及べる鴨の澪 山田六甲 六花 200712
鴨の餌濡れし手摺に置きにけり 山田六甲 六花 200712
穂芒や鴨場に鴨の影未だ 田中よしとも 酸漿 200712
鴨日和魚梯に藻草ゆらぎをり 本多ちづ子 馬醉木 200801
四高碑にわれは湖の子鴨集ふ 丸山佳子 京鹿子 200801
三四羽の鴨のきてゐる川日和 豊田都峰 京鹿子 200801
鴨着きて湖面の逆さ富士消ゆる 鈴木ひろ子 200801
まだ此処がどことも知らず鴨着いて 野路斉子 200801
小波を揺藍として鴨浮寝 西口万佐子 200801
いかがかと回り見もして鴨寄せ場 松尾緑富 ホトトギス 200802
内庭に鴨池のある佇まひ 松尾緑富 ホトトギス 200802
日溜りの池塘に挙る鴨の声 中村悦子 200802
着水の足を踏んばり鴨一家 小城綾子 200802
羽搏いて湖ふるはせる真鴨かな 水野加代 万象 200802
飛び立ちし鴨の水音の崩れをり 竹中一花 200802
葦間より澪すぢにのるつがひ鴨 中山皓雪 200802
杭あまたお供へ餅のやうな鴨 富沢敏子 200802
釣人の鼻先鴨の深もぐり 相良牧人 200802
鴨の背に飛沫の玉や朝日さす 山田六甲 六花 200802
沼よりも鴨の暮色や四囲の枯 加瀬美代子 200802
呼び合ひてさみしさ頒つ寒の鴨 加瀬美代子 200802
貸ボート繋れ鴨の池となる 伊藤静香 200802
池の面を嘴にて叩き鴨進む 赤堀洋子 万象 200803
日表にあれば睦まじ鴨かもよ 松本桂子 200803
たちまちに奥山の池鴨あふれ 石脇みはる 200803
ここからは非武装地帯鴨ばかり 坪内稔典 船団 200803
不満だが沼に居残る太り鴨 中島玉五郎 200804
鴨降りて歩み危ふき氷かな 吉沢陽子 200804
鴨日和喧よりこぼる陽のしづく 和田照海 京鹿子 200804
鴨日和押されて動くベビーカー 和田照海 京鹿子 200804
閘門を抜ける小舟へ鴨集ふ 小池八重子 200804
着水の鴨いきいきと寒の入 内田妙子 酸漿 200804
ほどほどに鴨らが浮かぶ梅見月 坪内稔典 稔典句集 200804
鴨のしづこころを眺むしづこころ 上崎暮潮 ホトトギス 200805
淀川の夕暮杭に鴨百羽 廣瀬義一 雨月 200805
戦中派鴨軍艦と見なしたり 河井富美子 ぐろっけ 200805
鴨を得て沼おだやかに昏れにけり 藤原春子 六花 200805
浮く鴨に湖のさざなみやさしかり 藤原春子 六花 200805
湖暮れてさみしさ誘ふ鴨の声 藤原春子 六花 200805
鴨のこる淡海てふ名をすてがたく 豊田都峰 草の唄 200805
風よりも淋しき声に鴨啼けり 長山あや ホトトギス 200806
あの浮気この浮気また浮気、鴨 中原幸子 船団 200806
古草やまるくねむれる鴨十羽 永田二三子 酸漿 200806
銃眼のある尼僧院鴨泳ぐ 木暮剛平 万象 200901
夕鴨の水の冥きを鳴きにけり 山田天 雨月 200901
鴨遊び雲場ヶ池に雲もなし 阿部ひろし 酸漿 200901
先生の白鳥見守る鴨達を 芝尚子 あを 200901
白鳥にかしづくごとく鴨百羽 鷹羽狩行 200902
白鳥の余りの水に鴨遊ぶ 鷹羽狩行 200902
夜鴨啼く大河を近く棲みをりて 水谷靖 雨月 200902
玻璃へだて百余の夜鴨啼きてあり 水谷靖 雨月 200902
手漕舟に銃身伏せて鴨を追ふ 水谷靖 雨月 200902
時雨鴨水のおもてをへこませる 八田木枯 晩紅 200902
冬の鴨志士談合の庵あり 田下宮子 200903
三日月の天に貼り付き鴨眠る 徳井節子 馬醉木 200903
おどろいて水辺へ走る鴨の列 吉沢陽子 200903
浮橋に鴨を寄せてや御講凪 小形さとる 200903
石垣へ吹き寄せられて浮寝鴨 森脇貞子 雨月 200903
鴨百羽包めり朝の沼しづか 小林正史 200903
葭鴨に混じらぬ鷺のうなじかな 戸田春月 火星 200903
ウトナイ湖万の真鴨の丸みをり 安部康子 万象 200903
白銀の伊吹を遠見鴨食べに 塩路隆子 200904
ときをりは天に尻向け鴨の池 遠藤和彦 遠嶺 200904
鴨万羽賞めもくさしもせず眺む 丸山佳子 京鹿子 200904
主役なき鴨池騒ぐばかりなる 久津見風牛 200904
撒きし餌に外れたる鴨貌歪め 改正節夫 ぐろっけ 200904
ひとときを鴨の無言に付き合ひぬ 新井みゆき 炎環 200904
宙押してゐる逆立ちの鴨の尻 丸山照子 火星 200904
撒きし餌に鴨の坩堝となりゐたり 加藤季代 万象 200905
兼六園浮寝せし鴨築山ヘ 坂口三保子 ぐろっけ 200905
旅立を鴨幾千の集ひ待つ 柿崎寿恵子 酸漿 200905
長閑なり水辺に戯るる鴨親子 池田加寿子 200906
鴨去りし沼の日和の芋銭遺居 木山白洋 馬醉木 200906
仲間から尻を向けられゐたる鴨 山田六甲 六花 200911
残照の波乱しゆく手負鴨 山岸治子 馬醉木 200912
鴨飛べばそれと分りぬ首をのべ 稲畑汀子 ホトトギス 200912
大鷹の旋回千の鴨翔たす 水谷靖 雨月 201001
長者橋鴨二羽お達者桔梗橋 藤野寿子 あを 201001
毎日の遊びに馴れて鴨の水 堀内一郎 あを 201001
鴨千を掬はむとして北斗の柄 塩路隆子 201002
番鴨浮見堂下を潜りけり 笠井清佑 201002
大琵琶に鴨着水の日のかけら 村上絢子 馬醉木 201002
陽と風の匂ふ沼辺や鴨の声 穴澤光江 遠嶺 201002
舟着きの日溜り抱きし二羽の鴨 赤木和代 201002
日だまりに鴨遊びゐて沼静か 綿谷美那 雨月 201002
夕づつの光つよまる鴨のこゑ 徳井節子 馬醉木 201003
お鷹場の池に三日の鴨睦む 成宮紀代子 201003
淀川の鴨に夕日の漂ひ来 細川コマヱ 雨月 201003
目の馴れて鴨の動きの見えそめし 綿谷美那 雨月 201003
黄昏の翳りを縫へり鴨の声 小池みな 末黒野 201003
繋ぐもの太くつなげり鴨の昼 山崎靖子 201003
クラス会消ゆ鴨に会ふ日も消えにけり 久米なるを 201003
鴨ねむり一つ点らぬ池畔燈 戸田春月 火星 201003
啄めり鴨ら河原の日溜りに 塩出眞一 ぐろっけ 201003
鷺と鴨相寄りてゐる寒さかな 三井公子 酸漿 201003
鴨の背借りて立ちたし向う岸 森理和 あを 201003
鴨 →7      

 

2021年2月2日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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