鴨 5     100句

さみしさのいま声出さば鴨のこゑ   岡本眸

作品
作者
掲載誌
掲載年月
水あれば鴨ゐて美術館の庭 今瀬剛一 対岸 200602
羽づくろひしてゐる鴨の水輪かな 杉浦典子 火星 200602
しんがりの鴨着水の煙上ぐ 小林和子 風土 200602
太鼓橋くぐりて神の鴨となる 桑島啓司 200603
しろがねの遠嶺呼ぶかに鴨の声 木山白洋 馬醉木 200603
墓のみの故郷は遠し鴨あそぶ 長戸喜久男 百鳥 200603
五浦の江遍き日なり鴨眠る 飯田角子 酸漿 200603
三月の羽うら見せあふつがひ鴨 竹貫示虹 京鹿子 200603
瀬の音のやさしきところ冬の鴨 長沼紫紅 200603
それぞれの鴨に山の日やさしくて 長沼紫紅 200603
隠れやうなき雪原に鴨降りて 澤井悠紀子 200603
鴉一羽すべての鴨の振りむけり 須賀敏子 あを 200603
したたりつ水を離れし鴨の足 浅田浦蛙 対岸 200603
山晴れてダム湖に鴨のひとたむろ 淵脇護 河鹿 200604
鴨浮かべ谿ひたすらに身を細る 淵脇護 河鹿 200604
夕映えや水のしたたる鴨の嘴 太田佳代子 春燈 200604
つくづくと風波密に鴨の数 永田二三子 酸漿 200604
日向ぼこ足りし鴨より池に入る 中島伊智子 酸漿 200604
凍らざるところに鴨の泳ぎをり 牧原佳代子 酸漿 200604
吹き流され吹き戻されて冬の鴨 荒井千佐代 200604
倒立を繰り返す鴨倣ふ鴨 落合絹代 風土 200604
鴨歩む晴れつくしたる氷の上 内山芳子 雨月 200604
酒断つて日の暮れぎはの鴨のこゑ 淵脇護 河鹿 200605
拉致されし浦とも見えず鴨あそぶ 駒井でる太 200605
日向ぼこよき岩選び番鴨 桑田青虎 ホトトギス 200605
浜離宮今も尚ある鴨寄せ場 松尾緑富 ホトトギス 200605
堰落ちて音の変れる鴨の水 青山悠 200605
延命措置拒みて鴨を見てをりぬ 中野八重子 火星 200605
虹立つや湖に浮寝の鴨ばかり 内藤恵子 万象 200605
大琵琶の礫の如く鴨浮寝 桑田青虎 ホトトギス 200606
五十路また鴨のはぎかと思ふなり 小形さとる 200606
着水の音歯ぎれよし番ひ鴨 西村摩耶子 京鹿子 200606
園丁が子鴨を見よと目をほそむ 福澤乙 酸漿 200608
起きあがりこぶしのやうに池の鴨 ことり 六花 200608
離宮発つ鴨の親子の嘴揃ふ 高木美波 万象 200610
全身の鴨の着水入り日さす 高橋あさの 200611
湖面縹渺寝返るときの鴨のこゑ 伊藤白潮 200612
枯蓮の向う流るる鴨の胸 山尾玉藻 火星 200612
よろけつつ鴨の横切る磧かな 山田六甲 六甲 200612
水に立ち羽ばたかむとす暮の鴨 山田六甲 六甲 200612
着水の鴨はひかりの水散らす 徳永亜希 馬醉木 200701
動かうとせぬ陵の月の鴨 内山芳子 雨月 200701
水押して冬日をすくふ鴨の嘴 神蔵器 風土 200701
甘泉園このしじまこそ鴨の水 堀内一郎 あを 200701
鴨移る水に動きのあるごとく 宮津昭彦 200702
直進も旋回もその鴨の意志 大橋晄 雨月 200702
枯蓮の林の深さ鴨の声 森田孟 200702
映りたる山横切りて鴨一羽 小滝奈津江 酸漿 200702
夕づきし湖に遊べり鴨と鳰 横川泰子 酸漿 200702
鴨の所作見をる時雨の湖畔かな 長谷川たか子 酸漿 200702
飛石のごとく鴨浮く御濠かな 岩松八重 六花 200702
さきがけの鴨容れ暮るる浅野川 小島みつ代 200702
寒波近づく逆光の鴨百羽 山尾玉藻 火星 200703
一隅に鴨の羽毛のかたまれる 吉田明子 200703
鴨の宿夕照窓にはじけゐる 豊田都峰 京鹿子 200703
上流へ一途な視線つがひ鴨 荻野照 遠嶺 200703
大利根の銃声に鴨立ちにけり 嶋田武夫 遠嶺 200703
鴨眠る水に昇りし月泛かべ 宮津昭彦 200703
胸ふかく差入れて鴨氷割る 小山梧雨 200703
押麦に洒落者真鴨集まれり 新倉舒子 200703
鴨の池鴛鴦いろどりを一人占む 菊地惠子 酸漿 200703
鴨のせて薄氷ゆらぎ始めたる 三澤治子 万象句集 200703
着水の下手な鴨ゐて飽きもせず 須賀敏子 あを 200703
夕映えてひゅるると鴨の声の良し 市橋章子 ぐろっけ 200703
背に羽を組みて浮寝の老の鴨 齋部千里 ぐろっけ 200703
薄ら氷の縁どる湖や鴨鳴ける 手島靖一 馬醉木 200704
対岸の日差しに移る寒の鴨 島津治子 万象 200704
餌を啄む白鳥の静鴨の騒 戸辺信重 春燈 200704
鴨百がとんび一羽に気負けとは 丸山佳子 京鹿子 200704
鴨たちも夫もねむりし水飲めり 杉浦典子 火星 200704
手から手へ渡して鴨の首なりし 堀志皋 火星 200704
羽毛流れ寄る産土の鴨の池 深澤鱶 火星 200704
あれほどの鴨立たせたる鷹の影 西山美枝子 酸漿 200704
浮寝鴨園の内なる富士見山 足立武久 酸漿 200704
風にのる小鴨の笛の届きけり 菊地恵子 酸漿 200704
釣り人を無視せる鴨のデイスプレー 金山藤之助 200705
ぞろぞろと湖を出る鴨草ぬらす 百瀬七生子 海光 200705
空襲の忌や街川に鴨遊び 加瀬美代子 200705
浮寝鴨覚めて日当る方へ行く 木村享史 ホトトギス 200706
一と騒ぎしてまた浮寝する鴨に 木村享史 ホトトギス 200706
三月や手漕ぎボートを鴨が追ひ 野路斉子 200706
謂ふならくけんちん汁も鴨の味 瀧春一 200706
スチロール箱と浮寝し淀の鴨 品川鈴子 200708
鴨が去に橋が私を待ちくれて 丸山佳子 京鹿子 200708
逆立ちて鴨とんとんと波均す 浅田光代 風土 200711
鴨ねむる州のやはらかな石となり 浅田光代 風土 200711
鴨鳴くにドンマイひびく草野球 川越勢津子 200711
手摺から乗り出しぬ鴨触らむと 山田六甲 六花 200711
柵の影ゆがめて鴨に鴨寄れる 山田六甲 六花 200711
水にまり放ちて鴨の身震ひす 山田六甲 六花 200711
尻振つて鴨追ふ鴨の声高し 山田六甲 六花 200711
鴨の目に日のはね返る朝かな 山田六甲 六花 200711
水滴を嘴に光らせ鴨啼けり 山田六甲 六花 200711
水にゐて水を拒める鴨の胸 山田六甲 六花 200711
餌を鯉の口に譲りぬ池の鴨 山田六甲 六花 200711
鴨の餌に水の穴めく鯉の口 ことり 六花 200711
鴨の間すりぬけゆける真鯉かな ことり 六花 200711
蔭に入る鴨の嘴青かりき ことり 六花 200711
鴨の澪なりの崩れず消えゆけり ことり 六花 200711
鴨着けり蕪村句碑ある毛馬堤 紙岡三七子 200712
鴨 →6      

 

2021年2月1日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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