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一羽にていそぎおよいでゐる鴨よ  京極杞陽   くくたち下

作品
作者
掲載誌
掲載年月
生き方も小鴨の尻も定まらず 吉田明子 200404
ゆつたりと川の流れて鴨日和 恒川絢子 対岸 200404
鴨静止くちばしの水垂るるまで 望月澄子 対岸 200404
鴨あまたゐて声なきも寒ならめ 市場基巳 200405
鴨昼寝日の岸にゐて楽しめり 市場基巳 200405
百までは数へし鴨に翔たれたり 安達風越 雨月 200405
裏は湖細長き鴨の宿 萩谷幸子 雨月 200405
湖中句碑淋しからずや鴨の浮き 関木瓜 ホトトギス 200405
鈴鴨の羽音一挙に沼の乱 石岡祐子 200405
あれこれと煮てゐて鴨に帰られし 福井隆子 つぎつぎと 200405
鴨一羽寄り来し顔を逸らしつつ 浜口高子 火星 200405
鴨の湖保養所は湯を溢らしむ 金澤明子 火星 200405
あるところまでは許して鴨の水 足立幸信 200405
啄める親鴨子鴨大干潟 岡本直子 雨月 200406
パンの耳投げれば踵かへす鴨 梅村五月 栴檀 200406
水化粧して淋しさの居付鴨 禰寝瓶史 京鹿子 200407
鴨葱の話あひるが岸離る 禰寝瓶史 京鹿子 200407
鴨の子のそろはぬ羽根の羽搏ちかな 須永トシ 栴檀 200408
下校児や鴨の親子も列なして 山口秀子 酸漿 200408
鴨の胸散弾一発くひ込める 中和田洋美 万象 200409
塗り立ての畦すべり落つ子鴨かな 上岡三江 栴檀 200409
池面蹴り一目散に子連れ鴨 角谷美恵子 ぐろっけ 200409
不忍や鴨のこゑする小抽斗 八田木枯 夜さり 200409
梅雨の月照らす草むら鴨孵る 須永トシ 栴檀 200410
鴨の子の浅瀬を渡る羽搏ちかな 須永トシ 栴檀 200410
着地する鴨に油断のなかりけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200411
不忍ノ池にいつしか鴨の数 安陪青人 雨月 200412
一合の酒に満ち足り尾長鴨 土肥屯蕪里 春耕 200412
禅寺丸ほどの入日に鴨の池 森理和 あを 200412
ぞろぞろと川へ転進陸の鴨 細野恵久 ぐろっけ 200412
朝の鴨烏の上を飛びゆけり 細野恵久 ぐろっけ 200501
鴨進む末広がりを水脈といふ 今瀬剛一 対岸 200501
温泉の町に鴨の遊べる流れあり 河中透水 雨月 200501
鴨の湖なれば自在の波遊び 鈴鹿仁 京鹿子 200501
堤防を行く鴨をれば鴨を見て 渡辺喜久子 築港 200501
砂洲歩き水に浮かべば鴨寧し 渡辺喜久子 築港 200501
鎌倉や俄に昏き鴨の池 相馬計太 帆船 200502
話すごと鳴く住吉の番鴨 谷野由紀子 雲の峰 200502
今日もまた沖向く鴨を見てしまふ 豊田都峰 京鹿子 200502
鴨翔ちしあとのさざなみ湖昏るる 水田清子 200502
一斉に鴨翔つ沼の水匂ふ 須永トシ 栴檀 200502
鴨百羽飛地のやうに散りゐたる 中尾公彦 200502
夕映えや水のしたたる鴨の嘴 太田佳代子 春燈 200502
草明りかくも平たき鴨の嘴 風間史子 200502
鯉はねて鴨悠々や冬うらら 小山ナオ子 酸漿 200503
夕鴨の声低くあり寒の川 村井洋子 酸漿 200503
太りをり身ぶるひをして去りし鴨 斧田綾子 対岸 200503
毟りたる鴨の羽毛や夜のカフカ 須佐薫子 帆船 200503
鴨の向き一つに揃ふ初景色 大庭三千枝 200503
三夕をそびらにしたり鴨の尻 九竜庵玄 200503
門川を親鴨子鴨覗く人 渋谷まさ江 築港 200503
今日はもう数へもあへず鴨の数 松林順子 雨月 200503
友禅の町純白の鴨ばかり 小島みつ代 200503
下池の鴨上池へ移りたる 山田六甲 六花 200503
己が背に嘴乗せて鴨の夢 木内美保子 六花 200503
空駆ける速さの揃ひ鴨飛翔 三関浩舟 栴檀 200503
青空を映し鴨待つ沼なりし 岡村葉子 栴檀 200503
御猟場の姿あらねど鴨のこゑ 金子慶子 遠嶺 200503
離れしか疎外されしか鴨流る 野口香葉 遠嶺 200503
暫くは鴨の優劣言ひ合へり 伊藤早苗 200503
鴨数ぞふ山並淡く湖北霽れ 松本鷹根 京鹿子 200503
浮御堂水輪幾重にも鴨の池 伊藤雅子 200503
身のうちに鴨の水輪の響きけり 玉井百合子 遠嶺 200503
冬の鴨人恋ふ声を上げにけり 長沼紫紅 200503
日溜りへ移りてゆきし鴨の数 藤井昌治 200503
鴨寄ればそこが日溜り年忘 加瀬美代子 200503
ただ無音湖上に鴨の十ありや 佐々木国広 築港 200504
枯葦の靡きて洩るる鴨の声 浅野恵美子 酸漿 200504
尾長鴨雌の囲めるをとこぶり 浅野恵美子 酸漿 200504
破蓮の池の迷路に鴨遊ぶ 木村迪子 酸漿 200504
川の面の輝く中に小鴨かな 大山妙子 酸漿 200504
人立てば鴨のすぐ来る五色沼 田中章子 酸漿 200504
一滴の夕日こぼるる鴨の嘴 鈴掛穂 200504
ひとりきて鴨には鴨の思案顔 鈴木多枝子 あを 200504
並びたる鴨右へ習へにはあらず 山崎靖子 200504
鴨まろく眠りて帰心更になし 府中谷幸枝 馬醉木 200505
白無垢の鴨追ふ鴨の播磨越え 荻野千枝 京鹿子 200505
鴨威す板木吊さる時雨雲 芦川まり 八千草 200505
鴨遠し人またとほし養生す 森洋子 200505
おほかたは無想の鴨となりて浮く 片山茂子 遠嶺 200506
風きびし海の没日に鴨ちりばめ 市場基巳 200506
冬の鴨客をせせるや浜離宮 春日久子 八千草 200506
大のぞき小のぞき冴ゆる鴨場かな 春日久子 八千草 200506
鴨歩くよろける泳ぐ水ぬるむ 寺門丈明 あを 200506
夕暮の代田に鴨の番かな 小野タマ枝 酸漿 200508
そよ風の川面映りに子鴨付く 松本鷹根 京鹿子 200508
鴨乱舞見たる記憶のダムに来し 稲畑汀子 ホトトギス 200510
鴨日和児のポスターに目鼻なく 橋添やよひ 風土 200511
水嵩も鴨を育むものとして 稲畑廣太郎 ホトトギス 200512
鴨を見る身の黒仕立余呉の湖 永井雪狼 200601
鴨一羽我一人今集中す 大串章 百鳥 200601
水濁し鴨の年季の始まりぬ 高橋澄子 200601
鴨潜く水の中にも石の階 吉田三保 200601
夕鴨の水に倦みては草踏んで 吉田三保 200601
梵唄や鴨一列に石の上 岩月優美子 200602
暮れ際の湖の日しぼる鴨の声 一瀬昭子 馬醉木 200602
山影を乱して余呉の鴨発てり 大橋淳一 雨月 200602
鴨の池昨日も今日も変らざり 堀田こう 雨月 200602
ゆるゆると雲流れゆき鴨の水 三由規童 雨月 200602
鴨 →5      

 

2021年1月31日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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