2    100句

太き尻ざぶんと鴨の降りにけり   阿波野青畝   旅塵を払ふ

作品
作者
掲載誌
掲載年月
羽摶きは見張り鴨なり波立てり 浅野恵美子 酸漿 200103
おほつぶの雨にうたれて鴨の昼 彌榮浩樹 銀化 200103
北上川の鴨に親しむ初の旅 棚山波朗 春耕 200103
一月の鴨のよく飛ぶ顎なり 岡井省二 200103
白波に鴨のまぎるる那須おろし 加瀬美代子 200103
鴨さばくゾーリンゲンの骨鋏 泉田秋硯 月に逢ふ 200103
池凍るオレンジ色の鴨の足 須賀敏子 あを 200103
見張鴨暮れゆく海に頸のばす 合川月林子 ぐろっけ 200103
喧嘩とも戯れとも鴨の小突き合ふ 友田直文 200104
鴨捌きし羽毛の始末掃除機にて 渡辺美知子 200104
はけの石ときどき鴨になつてをり 曷川克 遠嶺 200104
鴨雄々し美々津の荒き濤に乗り 熊岡俊子 雨月 200104
鴨やたら逆立ちを見せ日脚伸ぶ 堀田清江 雨月 200104
昇る日を真つ正面に鴨百波 鳴海清美 六花 200104
吹き晴れて吹きはらはれて鴨よるべなし 岡本眸 200104
遠景は風の白さや鴨の水 岡本眸 200104
水つねに陸より低し鴨羽搏つ 岡本眸 200104
上京の鴨にネオンのまた増えし 岡本眸 200104
蒲団干す鴨の水照のここにまで 高橋愛子 200104
人参の大畑が照り鴨わたる 岡井省二 200105
帝陵に啼いて夕づく鴨二百 内山芳子 雨月 200105
宮内庁の鴨場に近き花堤 萩谷幸子 雨月 200106
十薬の鴨場の跡にはびこれる 沢ふみ江 春耕 200108
夕祓汀に鴨もみそぎして 増田八重 酸漿 200110
藩邸の鴨ともうなり切つてをり 稲畑汀子 ホトトギス 200111
澪ひらく幾何学模様鴨三羽 森理和 あを 200111
人去つて情豊かなる鴨の池 渡邉友七 あを 200111
先づ昏るる鴨よ白鳥まだ昏れず 林翔 200112
枯蓮は動くともなし鴨の波 林翔 200112
いま着きし鴨かも眠り深かりし 樋口英子 200112
嶺くもり鴨の飛来を待つ大河 渡邊牢晴 雨月 200112
雲低く低く過りぬ鴨の空 稲畑汀子 ホトトギス 200112
大阪に鴨来ゐしきに根太あり 岡井省二 200112
藻屑焚き鴨来る天を焦がしけり 高橋好温 馬醉木 200201
鴨宿の箸置きて聴く鴨の声 阪上多惠子 雨月 200201
国境の空越えて来し鴨ならむ 田所洋子 雨月 200201
餌を投ぐ小柄な鴨を目掛けては 岡田万壽美 雲の峰 200201
尾越の鴨湖へ光を撒くごとし 磯崎兼久 200201
車囲む鴨轢かぬやう冷汗かく 渡辺美知子 200201
鴨迎ふ波や光の渦なして 高橋たか子 馬醉木 200202
八日吹きに玻璃戸の鳴れり鴨の宿 矢田鹿苑子 200202
放水路にも鴨日和ありにけり 山田弘子 円虹 200202
たちまちに鴨流さるる梓川 出原博明 円虹 200202
石山に石巡りして鴨のこゑ 雨村敏子 200202
みささぎの濠を自在に鴨浮かぶ 志水芳秀 雲の峰 200202
釈迦堂の茅葺古りぬ鴨の声 永見博子 酸漿 200202
朔風に頸無きごとく鴨進む 林翔 200202
着水の鴨のめりつつ飛沫あげ 大石喜美子 雨月 200202
水掻きのよく動きをり鴨の晴 松本恭昂 火星 200202
池鴨をへだつる径枯はげし 奥田節子 火星 200202
夕ぐれの鴨に屈みし喪装なり 城孝子 火星 200202
いつせいに鴨を翔たせし餌付笛 桑田眞佐子 火星 200202
最上川ゆるき河口に鴨集ふ 菅原庄山子 春耕 200202
鴨千羽川原の石に湧くごとし 門屋大樹 春耕 200202
鴨餌付け阿修羅の淵となりにけり 門屋大樹 春耕 200202
雲切れて湖心の鴨へ日のこぼる 岡村優子 春耕 200202
鴨殖えて行く人々の弾む声 稲辺美津 遠嶺 200202
塔影の届かぬ岸辺鴨だまり 寺内佶 遠嶺 200202
鴨を見てをり退勤の官吏らし 高橋愛子 200202
池の端待つといふこと鴨にもあり 戸田喜久子 200202
囲まれて鴨の数よむ読みきれず 戸田喜久子 200202
頑是なき鴨と遊びし疲れとも 戸田喜久子 200202
湖に午后の冷えくる鴨啼けり 川上昌子 200202
湖まぶし鴨を無言にして浮かす 松本鷹根 京鹿子 200202
餌を捕ふ逆さくぐりの鴨の尻 栢森定男 あを 200202
夜の鴨老人が来て石拾ふ 山田六甲 六花 200202
水温む鴨に白鷺川鵜どち 稲畑廣太郎 ホトトギス 200203
茶房の灯ながるゝ闇は鴨の海 村元子潮 ホトトギス 200203
鴨たちの胸雪暗ゆきぐれを押し合へる 山尾玉藻 火星 200203
躓いて笑ふ女に鴨の水 城孝子 火星 200203
高音にピアノ終りし鴨の水 城孝子 火星 200203
鴨下りて池の遠近定まれり 辻田明 200203
鴛鴛鳰も鴨に紛れて暮れゆけり 島すが子 200203
鴨発つや湖一枚を傾けて 中村房子 馬醉木 200203
妻亡くせし鴨宿の主もの寂ぶし 大橋敦子 雨月 200203
何たたふともなき湖景鴨の宿 大橋敦子 雨月 200203
離れ鴨湖北に淡き虹かかり 池田草曷 雨月 200203
拍手に鴨の寄り来る旅一日 大村孝 百鳥 200203
鴨下りてざぶんとつかる里の池 木内美保子 六花 200203
ひと騒ぎして飛び立てり鴨日和 遠藤若狭男 200203
鴨着きて点呼のごとく啼き交す 伊藤洋子 200203
鴨山の水音と聞く人丸忌 稲畑汀子 ホトトギス 200204
茶室よりのぞむ薄日の鴨の池 今井松子 遠嶺 200204
富士颪鴨の波乗ひもすがら 手島靖一 馬醉木 200204
一とクラスの写生子囲む鴨の池 横山茂子 200204
鴨一羽はなれて水輪ひろげけり 山県照江 百鳥 200204
丁子屋の名もわびさびて鴨の宿 大橋敦子 雨月 200204
鴨宿の湖の見え居る隙間風 大西正栄 雨月 200204
鴨の骨叩く一芸見ず仕舞ひ 中林京子 雨月 200204
湖展け空の展けて鴨の宿 中林京子 雨月 200204
鴨を見てふたたび宿へ戻りけり 沢崎ゆきえ 春耕 200204
光りつつ鴨着水の勢ひあり 木内憲子 200204
はぐれ鴨草にこもりて鳴きにけり 高橋さえ子 200204
鴨あひる遊びて神の池汚す 西郷利子 200204
鴨に餌をやる淋しさのひとつかみ 若菜純子 200204
市街地を貫く川に流れ鴨 川合正男 ぐろっけ 200204
鴨遊ぶさかさ伊吹の頂に 松村富子 200205
月に舟舫ひし葦に鴨ら寝し 志賀青柿 ホトトギス 200205
白鳥も鴨も寄りくる舟着場 河野扶美 ホトトギス 200205
水のきららに何れ鴛鴦かや鴨なるかや 大橋敦子 雨月 200205
鴨 3      

 

2021年1月29日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。