初時雨 5     153句

新藁の屋根の雫や初しぐれ    許六

作品
作者
掲載誌
掲載年月
恋心濡らしてゆきし初時雨 稲畑廣太郎 ホトトギス 201411
水に色重ね重ねて初時雨 稲畑廣太郎 ホトトギス 201411
初時雨備前の空を引き締めて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201411
比良の色比叡の色に初時雨 稲畑廣太郎 ホトトギス 201411
伝説ももろとも沈め初時雨 稲畑廣太郎 ホトトギス 201411
初時雨濡れて行きまひよ歩きまひよ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201411
初時雨余呉の日差を遠くして 稲畑廣太郎 ホトトギス 201411
初時雨いざなふ雲を仰ぎけり 稲畑汀子 ホトトギス 201411
初しぐれ鼻ぐり塚に灯の点り 曽根薫風 馬醉木 201412
初しぐれ相生松をめぐりけり 小林成子 火星 201412
オランダ橋濡らして過ぎし初時雨 築城百々平 馬醉木 201501
落書の相合傘へ初しぐれ 黒住康晴 201501
尾を引かぬ出船の汽笛初時雨 落合晃 201501
三井寺の仁王恐し初時雨 竹内悦子 201501
やはらかき水面や京の初しぐれ 安立公彦 春燈 201501
水にまだ甲斐の空あり初時雨 藤丸誠旨 春燈 201501
鳥籠に布被せあり初しぐれ 広渡敬雄 201501
たもとほる晶子歌碑の辺初時雨 片岡良子 雨月 201501
初時雨せせらぎの音曲奏づ 四條進 201501
初しぐれありし犀川渡りけり 山尾玉藻 火星 201501
艫のこゑの近づいてくる初時雨 藤井美晴 やぶれ傘 201501
ここと決め鷺は動かぬ初時雨 森理和 あを 201501
初時雨しなの五号に身をゆだね 橋本靖子 201502
放れ馬途方に暮るる初時雨 廖運藩 春燈 201502
入館の列のしんがり初しぐれ 門伝史会 風土 201502
野宮に黒木鳥届や初しぐれ 岡本尚子 風土 201502
かまぼこの底板厚し初しぐれ 柴田志津子 201502
初時雨隠し十字の耶蘇の墓 松本三千夫 末黒野 201502
登校の児竜にそそぐ初時雨 佐々木永子 末黒野 201502
痛き足さすりておれば初しぐれ 鈴木阿久 201502
旅ひと日残し湖北に初しぐれ 福島照子 京鹿子 201503
中山道六十九次初時雨 金子正道 京鹿子 201503
納豆の絲落しけり初しぐれ 柳本渓光 ろんど 201503
骨付きのチキン頬ばる初時雨 陽山道子 船団 201505
朝風呂を沸かし漁夫待つ初時雨 渡部恭子 馬醉木 201510
初時雨弥撒へ昂る歩幅かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201511
初しぐれ明るき油断ありしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201511
御縁とはつかず離れず初時雨 稲畑汀子 ホトトギス 201511
初時雨ふと息を抜くほどのもの 稲畑汀子 ホトトギス 201511
消息の乗つて来たりし初時雨 稲畑汀子 ホトトギス 201511
僧遷化せし消息と初時雨 稲畑汀子 ホトトギス 201511
北山杉越え来て京の初しぐれ 河口仁志 201512
モネの池通りすぎたる初しぐれ 中谷富子 201512
初時雨構へ変へたる出版社 名和政代 万象 201512
病む犬の眼うつろや初時雨 山荘慶子 あを 201601
踏切の向かうの肉屋初しぐれ 大島英昭 やぶれ傘 201601
初時雨狛犬の胸濡らさざる 荒井慈 春燈 201602
青空のすぐ甦る初時雨 根岸善行 風土 201602
先客は雀なりけり初しぐれ 竹内悦子 201602
精神の芸の板碑や初しぐれ 杉原ツタ子 201602
焼き立てのクロワッサンと初時雨 田部井幸枝 201602
陶器市に半日過し初時雨 高橋照子 雨月 201602
遠山を烟らせてゐる初時雨 蒲田豊彦 雨月 201602
ふくれ来し五年日記や初時雨 西住三惠子 201603
チャペルいま諸霊のミサか初時雨 大久保白村 ホトトギス 201604
初時雨インクラインヘ坂がかり 今村千年 末黒野 201604
朝晴れてをりし油断の初時雨 稲畑汀子 ホトトギス 201611
ほころびし空の一劃初時雨 稲畑汀子 ホトトギス 201611
明暗を分けたる午後の初時雨 稲畑汀子 ホトトギス 201611
大役を一つ終へ来し初時雨 稲畑汀子 ホトトギス 201611
初時雨ありしと気づきたるよりは 稲畑汀子 ホトトギス 201611
快晴の昨日の遠く初時雨 稲畑汀子 ホトトギス 201611
降られても待ちゐし如く初時雨 稲畑汀子 ホトトギス 201611
初時雨朝より出掛け本降りに 稲畑汀子 ホトトギス 201611
初時雨ボク治りますかの文字消えず 頓所友枝 201701
初時雨川鶲は森に籠りたる 宮井知英 201701
濡縁を濡らさず過ぐる初時雨 内海良太 万象 201701
雑魚を煮る酒一勺や初しぐれ 茂木なつ 春燈 201701
桟橋を巨船去りゆく初時雨 小張昭一 春燈 201701
護摩行のもれ来る御堂初時雨 山本ひろ 雨月 201701
青空の少しほどけて初時雨 山田天 雨月 201701
初時雨一気に京都らしくなる 山田天 雨月 201701
塗り文箱に螺釦のもみぢ初時雨 有賀昌子 やぶれ傘 201702
翁碑に眼凝らすや初時雨 門間としゑ 末黒野 201702
蝉塚の石肌の濃く初しぐれ 森清堯 末黒野 201702
窯元の景はよく似て初しぐれ 白水良子 201702
小走りの露地を追ひくる初時雨 中原吟子 雨月 201702
叡山に残る青空初しぐれ 大石喜美子 雨月 201702
初時雨よく似て神と鬼の面 宮井知英 201703
襟立てて行くだけのこと初時雨 山田夏子 雨月 201703
幼児の涙の艶や初時雨 森清信子 末黒野 201703
藁屑が田ににほひゐる初時雨 大崎紀夫 やぶれ傘 201711
石庭は太古の匂ひ初時雨 沼田巴字 京鹿子 201711
初時雨街うろうろと着きにけり 稲畑汀子 ホトトギス 201711
浮かぬ顔捨ててしまひぬ初時雨 沼田巴字 京鹿子 201712
初時雨八幡さまの大いちやう コ田千鶴子 馬醉木 201712
初時雨リハビリ室の杖の音 赤座典子 あを 201801
赤瓦の家並光りし初時雨 岩下芳子 201801
銅葺へ緑ひと刷毛初時雨 森村江風 201801
初しぐれ鳥啄むに余念なし 松井志津子 201801
初しぐれ窯より高き薪の嵩 笹村政子 六花 201801
初時雨ぱらりと遊びごころほど 近藤喜子 201802
釈迦堂をほつほつ濡らす初時雨 布施まさ子 風土 201802
故郷へ入港テープ初時雨 吉田とよ子 春燈 201802
子には子の守るくらしや初時雨 溝越教子 春燈 201802
夢殿に音たててくる初しぐれ 山田春生 万象 201802
山手線またぐ架橋や初しぐれ 福岡かがり 雨月 201802
わらべ地蔵の帽の新たへ初しぐれ 大村仍子 雨月 201802
生湯葉の京より届く初時雨 西村操 雨月 201802
国宝の小さき金印初時雨 谷口律子 末黒野 201802
初時雨 →6      

2022年11月21日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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