初時雨 6     95句

新藁の屋根の雫や初しぐれ    許六

作品
作者
掲載誌
掲載年月
金堂跡歩数ではかる初時雨 棚橋朗 201803
百幹の竹に音なし初時雨 吉田きみえ 末黒野 201803
高齢者運転試験初時雨 藤波松山 京鹿子 201803
六十を早逝といふ初時雨 岩岡中正 ホトトギス 201804
湖に綺羅をこぼして初時雨 湖東紀子 ホトトギス 201804
初時雨インクの青に染まる指 吉田悦子 201806
山は照り峠は翳る初時雨 藤岡紫水 京鹿子 201812
初しぐれカミオカンデン通り抜け 佐藤喜孝 あを 201901
初時雨まつ毛に重し驢馬がゆく 塩貝朱千 京鹿子 201901
北山の稜線糺す初時雨 松本鷹根 京鹿子 201901
初しぐれ京に七口ありにけり 能村研三 201901
一幅の俳画を納む初時雨 加藤北天 雨月 201901
経蔵の扉のかたき初時雨 ほんだゆき 馬醉木 201901
優先席譲られ惑ふ初時雨 中谷未知 末黒野 201902
国東の奇岩の秘仏初しぐれ 斉藤マキ子 末黒野 201902
初時雨烏丸通り二つ折れ 吉田政江 201902
初しぐれ前方後円墳さびし 寺田すず江 201902
首竦め杖を急がす初しぐれ 松本幹雄 馬醉木 201902
夜もなほ耳朶やはらかし初時雨 斉藤玲子 馬醉木 201902
またしても心変わりや初時雨 楠本和弘 201902
石畳音なく濡らす初時雨 外山妙子 雨月 201902
飛石を鎮むる程の初時雨 石谷淳子 雨月 201902
茶畑の静けさにあり初時雨 塩見治郎 雨月 201902
生駒嶺は晴れて峠の初しぐれ 谷村祐治 雨月 201902
山門にしばらく凭れ初時雨 大石よし子 雨月 201902
初時雨心静かに日々過ごす 安部和子 雨月 201902
街道松二三残れる初しぐれ 浅井青二 雨月 201902
開眼の地蔵まばたく初しぐれ 雨宮桂子 風土 201902
初時雨御番屋敷の土間を抜け 善野行 六花 201902
初時雨史跡を語る石垣に 岡田史女 末黒野 201902
沖合の漁火滲む初時雨 高木邦雄 末黒野 201903
蓑垣へ鉄砲垣へ初時雨 岡野里子 末黒野 201903
初しぐれ花見小路の丸ポスト 多方清子 雨月 201903
いたはられゐてふと淋し初しぐれ 今井千鶴子 ホトトギス 201904
西の旅終へて出会ひし初時雨 稲畑廣太郎 ホトトギス 201911
又一人友失ひし初時雨 稲畑汀子 ホトトギス 201911
朝の間に上りてをりぬ初時雨 稲畑汀子 ホトトギス 201911
航跡の綾なす港初時雨 小形博子 201912
急かさるる三年坂の初しぐれ 笹村政子 六花 202001
急ぎ足駆けだす人も初時雨 長崎桂子 あを 202002
行きずりの人の空似や初時雨 笹村政子 六花 202002
駅カフェの窓に顔寄せ初しぐれ 辻泰子 京鹿子 202002
処により小雨とはこれ初時雨 柴崎甲武信 京鹿子 202002
母の手を撫づれば白し初しぐれ 雨宮桂子 風土 202002
すぐと言ふ駅の遠しや初時雨 黒滝志麻子 末黒野 202002
初時雨町を平らに鳥轍す 松本鷹根 京鹿子 202002
遥かなる沖の光芒初時雨 松本鷹根 京鹿子 202002
初しぐれ老師を施設に捨てるなり 梅津昌広 船団 202003
金輪際貼り付く護符や初時雨 柴田佐知子 202003
初時雨常夜鍋でも作らうか 北城美佐 202003
反り橋を写す水面や初時雨 丸山千穗子 末黒野 202004
文豪の句碑読む寺苑初時雨 長尾タイ 末黒野 202004
偲ぶひとあまたなる宴初しぐれ 山田閏子 ホトトギス 202004
初時雨教皇ミサを彩りて 稲畑廣太郎 ホトトギス 202011
教皇の現れしタラップ初時雨 稲畑廣太郎 ホトトギス 202011
祝福の声を濡らして初時雨 稲畑廣太郎 ホトトギス 202011
色硝子灯る教会初時雨 石井美智子 風土 202011
航跡の綾なす港初時雨 小形博子 201911
相傘に早鐘を打つ初しぐれ 鈴鹿呂仁 京鹿子 202101
初しぐれ鴉は変な鳴き声で 小山よる やぶれ傘 202101
年輪の輪の明かさや初時雨 後藤美智子 202102
四辻の信号待ちや初時雨 小林紫乃 春燈 202102
初しぐれ明かりの洩るる格子窓 松橋利雄 春燈 202102
窯出づる白きけむりや初しぐれ 藤生不二男 六花 202102
橋叩き山へ走れり初時雨 太田良一 末黒野 202103
八日月かかげし峡の初しぐれ 山田閏子 ホトトギス 202104
初しぐれ一日一日を大切に 大橋晄 ホトトギス 202104
知らぬ間に声の老いゆく初時雨 山本則男 202104
対岸に日差集めて初時雨 稲畑廣太郎 ホトトギス 202109
足早に舞妓過ぎ行く初時雨 稲畑廣太郎 ホトトギス 202109
層巒の一つの翳り初しぐれ 鈴鹿呂仁 京鹿子 202110
麗人と蕎麦をすすれば初時雨 山田六甲 六花 202110
六甲の全容隠し初時雨 稲畑廣太郎 ホトトギス 202111
対岸に日差集めて初時雨 稲畑廣太郎 ホトトギス 202111
足早に舞妓過ぎ行く初時雨 稲畑廣太郎 ホトトギス 202111
初時雨湖北は数多哀史秘め 稲畑廣太郎 ホトトギス 202111
初時雨白きも混じり湖北かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 202111
自由自在に遊ぶ園児や初しぐれ 沼田巴字 京鹿子 202111
山頂に軋むケーブル初時雨 沼田巴字 京鹿子 202111
初しぐれ気休めに寄る二八蕎麦 鈴鹿呂仁 京鹿子 202112
初時雨歯科医帰りの下り坂 松本鷹根 京鹿子 202112
石蕗叢にささる雨おと初時雨 枇杷木愛 202201
落雁のほどよき甘味初しぐれ 小林輝子 風土 202201
火を待てる秋葉灯籠初しぐれ 兵藤惠 202202
初時雨猫にんまりと傍らに 久保夢女 202202
初時雨漢字パズルに没頭す 岡尚 風土 202202
遠忌なる夫の墓前や初しぐれ 渡辺美智子 末黒野 202203
なつかしき人のごとくに初時雨 岩岡中正 ホトトギス 202204
切れかかる駅の一灯初時雨 湯川雅 ホトトギス 202204
すぐと言ふ駅の遠しや初時雨 黒滝志麻子 薫風 202205
初時雨木の香のしるき落し蓋 兒玉充代 202206
ひとところ日矢さしてをり初時雨 栗原公子 202301
タナトスのなみだを燃やし初時雨 篠田大佳 あを 202301
ポツクリの走る花街初時雨 高橋宜治 やぶれ傘 202302
初時雨→1      

2023年10月26日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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