初時雨 4     126句

鳶の羽もかいつくろひぬ初しぐれ    去来

作品
作者
掲載誌
掲載年月
初時雨酒屋を覗くモアイ像 佐方敏明 ぐろっけ 201002
土佐硯の肌はんなり初時雨 延広禎一 201003
単線の錆の匂へる初時雨 谷村祐治 雨月 201003
華やかに御幸待ちわぶ初時雨 本城布沙女 雨月 201003
太腰の杉の直幹初しぐれ 小澤克己 遠嶺 201003
南座にまねきの上る初時雨 廣畑忠明 火星 201003
初しぐれ能登の港に地酒くむ 石原光徳 酸漿 201003
日帰りの旅もよきもの初時雨 佐藤博美 201004
竹の青きはだつ明日香初時雨 伊藤美音子 万象 201004
これよりの日々を告ぐるや初時雨 稲畑汀子 ホトトギス 201011
止みゐしと思ふもしばし初時雨 稲畑汀子 ホトトギス 201011
スケジュール割り込んで来し初時雨 稲畑汀子 ホトトギス 201011
現実と夢の中間初時雨 稲畑汀子 ホトトギス 201011
この傘をさして行きたし初時雨 稲畑汀子 ホトトギス 201011
碧空ののぞく北山初時雨 秋場貞枝 春燈 201012
句はなべて迷ひごととて初時雨 堀内一郎 あを 201012
人力俥行き交ふ「嵯峨野」初時雨 井口淳子 201101
初時雨燭の妖しき阿弥陀堂 三川美代子 201101
初時雨ひとの葬儀を見て通り 定梶じょう あを 201101
笹群らやささめきわたる初しぐれ 定梶じょう あを 201101
初時雨丹波のけもの待避せよ 泉田秋硯 201102
春日野の鹿遠ざかる初しぐれ 宮川みね子 風土 201102
迫り来る開演時間初時雨 山本浪子 風土 201102
かなちらすおほてらにゐて初しぐれ 雨宮桂子 風土 201102
枕ことばに紺が匂ふよ初時雨 水野恒彦 201102
大松の奥床しさも初時雨 本多俊子 201102
海は照り岬は昃る初しぐれ 藤岡紫水 京鹿子 201102
忌を修し帰るはらから初しぐれ 岡淑子 雨月 201102
奥の院織田も明智も初時雨 土屋青夢 ぐろっけ 201102
根を覆ふ苔のうねりや初時雨 能美昌二郎 201103
萩焼の底の薄紅初しぐれ 能美昌二郎 201103
初しぐれどんぐり山の匂ひけり 戸栗末廣 火星 201103
散骨の海へ合掌初時雨 柳澤宗正 万象 201108
祇園の灯点り叡山初時雨 稲畑廣太郎 ホトトギス 201111
初時雨止み東山現れ初むる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201111
パンとにんぎよの振り分け荷初しぐれ 中島陽華 201201
初時雨金色堂のしじまかな 松嶋一洋 201201
馬車道の古き道標初時雨 高橋泰子 201201
初時雨きらりと揺るる髪かざり 上原重一 201201
初しぐれ湖に波紋のすぐ消えし 坂上じゅん かさね 201201
安曇野の水車の急ぐ初しぐれ 宮内とし子 201201
携帯傘ありて親しき初時雨 北尾章郎 201202
足音の高きに安堵初しぐれ 山崎靖子 201202
聞き止めてをりつかの間の初時雨 風間史子 201202
広げをる風雷神図初時雨 竹中一花 201202
足早に辿る山道初時雨 米田文彦 かさね 201202
学園に雲が連れくる初時雨 池田光子 201202
バス停へ老女の小走り初しぐれ 小野寺節斤 風土 201202
一方は雑木の背山初時雨 上辻蒼人 風土 201202
初しぐれ砂にて磨く杉丸太 岡本尚子 風土 201202
木の根這ふ鞍馬の山や初しぐれ 岡本尚子 風土 201202
山門に日の差しをりて初時雨 谷村祐治 雨月 201202
遠山へ雲の片寄り初しぐれ 谷村祐治 雨月 201202
金色の点滴長く初しぐれ 乗光雅子 雨月 201202
ひりようづの芯に銀杏初時雨 大山文子 火星 201202
こんにやくの紅殻の色初しぐれ 浅井敦子 万象 201202
抽んづる塔一つあり初時雨 藤生不二男 六花 201202
初時雨かさを出す人走る人 菊谷潔 六花 201202
どちらかが一人となる日初しぐれ 岡澤田鶴 201203
佇めば一条戻橋初しぐれ 北村淳子 ろんど 201203
野火止の塚は傾ぎて初時雨 佐藤喜仙 かさね 201203
点滴の妻に付添ひ初しぐれ 鈴木一三 末黒野 201203
初しぐれ予約時間を気にしつゝ 古林田鶴子 ぐろっけ 201203
とつておきの火の酒酌めり初しぐれ 岡崎伸 遠眼鏡 201203
初しぐれ垣内かいとに濠の遺りけり 松橋利雄 光陰 201203
初時雨礎石大きな西大寺 平居澪子 六花 201203
酒器の名を妹背と言へり初しぐれ 延広禎一 201204
初時雨本堂奥の盧舎那仏 辻紅葉 かさね 201204
初時雨いつもの刻に野良猫来 藤井美晴 やぶれ傘 201204
初時雨零して雲の消えてをり 稲畑汀子 ホトトギス 201211
笹山の音の明るき初しぐれ 広渡敬雄 201212
初時雨かたきこころのとけてゆく 沼田桂子 春燈 201301
初時雨ひざをかかへて長電話 森岡陽子 かさね 201301
家々に早ばや灯る初時雨 田中清秀 かさね 201301
七宝の深きくれなゐ初時雨 大川ゆかり 201301
けものらの息をひそめて初時雨 関根揺華 201301
初時雨湖面に影さす浮御堂 江見巌 六花 201301
初しぐれ波郷の墓をまづ濡らす コ田千鶴子 馬醉木 201301
連結の軋みの音や初しぐれ 前川京子 201301
牛乳瓶の白き曇りや初しぐれ 高田風信子 京鹿子 201301
吊橋を渡る怖さや初時雨 田下宮子 201302
ペンを置く音の吸はれて初時雨 小河原清江 201302
丹沢の麓の宿や初時雨 芝孝子 末黒野 201302
欠札の便り来はじむ初時雨 石井勇 末黒野 201302
初時雨北山杉の幹の色 三輪慶子 ぐろっけ 201302
身ほとりに欠けゆく人や初時雨 武政礼子 雨月 201302
病癒えし夫に寄り添ひ初時雨 堀田清江 雨月 201302
初時雨北にたづねる句碑ひとつ 藤生不二男 六花 201302
義仲寺に本堂はなし初時雨 江見巌 六花 201302
ひとつかみ程の雲より初しぐれ 大場町子 馬醉木 201302
鷹ヶ峰鷲ヶ峰へと初しぐれ 阪上多恵子 雨月 201302
竹林のひそと落柿舎初時雨 園田惠子 末黒野 201303
碁盤目の京の賑はひ初時雨 中村紘 ぐろっけ 201303
誰も来ぬ門燈点し初時雨 小川凉 201303
初しぐれ火床に罅の走りたる 深澤鱶 火星 201303
初時雨母と日比谷を歩きけり 亀田やす子 ははのこゑ 201306
初時雨百年前の東京駅 中谷三千子 船団 201306
一灯をのこす社や初時雨 島谷征良 風土 201311
昨日会ひ今日も教室初時雨 稲畑汀子 ホトトギス 201311
何事も早目に用意初時雨 稲畑汀子 ホトトギス 201311
初時雨通りすぎたること確か 稲畑汀子 ホトトギス 201311
初時雨庭師休憩時間帯 稲畑汀子 ホトトギス 201311
廂なき家は無韻に初時雨 瀧春一 花石榴 201312
初時雨郵使受の濡れずあり 瀧春一 花石榴 201312
初時雨とは朝の間のことなりし 稲畑汀子 ホトトギス 201312
巡礼の四・五寺を残し初時雨 渡部節郎 201401
文楽の近松に泣く初しぐれ 神田恵琳 春燈 201401
初しぐれ生命の森の靄囲ひ 千田百里 201401
焦げ跡のある流木や初時雨 野口宗久 京鹿子 201401
村跡や石にも天地初しぐれ 工藤ミネ子 風土 201401
大杉や襟を正して初時雨 鈴木阿久 201401
初時雨電話の鳴らぬ午後長く 柿沼盟子 風土 201402
初しぐれ秘仏堂まで帽まぶか 片山喜久子 雨月 201402
ゆき過ぎてもどる子規庵初時雨 井上淳子 火星 201402
音たてず噛む沢庵や初時雨 佐渡谷秀一 春燈 201402
林道に肩組む子猿初時雨 青木由芙 末黒野 201402
初時雨心の奥に悲のよどむ 長崎桂子 あを 201402
初時雨母の声鳴る古箪笥 松本恒子 ぐろっけ 201402
み吉野の象の小川や初しぐれ 小幡喜世子 ろんど 201402
丸太積む木曾の奥山初しぐれ 豊田高子 万象 201402
句碑訪ひて巡る余呉湖や初しぐれ 大橋淳一 雨月 201402
蒼然と古都の樹木や初しぐれ 小倉正穂 末黒野 201402
退院の押す車椅子初時雨 鎌田篤 雨月 201402
托鉢の僧の錫杖初しぐれ 田代貞枝 201402
袴着の児に降りそそぐ初時雨 菅野日出子 末黒野 201403
馬小屋の敷き藁新た初時雨 大霜朔朗 末黒野 201405
初時雨 →5      

2022年11月21日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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