初時雨 3           100句

初時雨真昼の道をぬらしけり    大魯

春時雨  秋時雨  初時雨  時雨  青時雨 青葉時雨

村時雨  片時雨  時雨雲

作品
作者
掲載誌
掲載年月
晴れてゐて空のどこかに初時雨 稲畑汀子 ホトトギス 200611
逗留の長くなりたる初時雨 稲畑汀子 ホトトギス 200611
初時雨余呉は歳月くり返し 稲畑廣太郎 ホトトギス 200611
明日とはきのふの今日や初しぐれ 堀内一郎 あを 200611
初しぐれなるを確かめ歩きだす 鷹羽狩行 200701
田端文士村初時雨とてさめざめと 鈴木榮子 春燈 200701
トタン屋根青く塗りしへ初時雨 定梶じょう あを 200701
初しぐれ出雲北稜昏めけり 浜田南風 200702
嵐電のごとりと発車初しぐれ 廣畑忠明 火星 200702
どぶろくの壷に蓋あり初しぐれ 城孝子 火星 200702
ログハウス風の禅堂初時雨 滝澤秀克 遠嶺 200702
初時雨車中のこころ急がせり 目黒慧 遠嶺 200702
化野の仏と濡るる初時雨 森脇貞子 雨月 200702
レリーフの烏天狗に初時雨 池田かよ ぐろっけ 200702
初しぐれ煮込みうどんの昼餉とす 大野ツネ子 酸漿 200702
病院に着きて安堵の初時雨 平島利男 酸漿 200702
初しぐれ真意つかめぬままにかな 井尻妙子 京鹿子 200703
観音の湖北の里や初時雨 大石たか 遠嶺 200703
初時雨形見の傘をそつと差し 藤井久仁子 ぐろっけ 200703
初時雨ガレのランプの灯りけり 中村洋子 風土 200704
六角堂へそ石斜めに初時雨 神田惣介 京鹿子 200706
初時雨ありし都心を後にして 稲畑廣太郎 ホトトギス 200711
初時雨八雲旧居に小さき句碑 稲畑汀子 ホトトギス 200711
旅人とここで落ち合ふ初時雨 稲畑汀子 ホトトギス 200711
初時雨ありし旅路と聞くにつけ 稲畑汀子 ホトトギス 200711
メトロ出で濡るるもうれし初時雨 鈴木阿久 200801
シャンソンを聞きに行く夜の初しぐれ 中村悦子 200801
御僧のあつきもてなし初時雨 高橋照子 雨月 200801
初しぐれ音なくひかる余呉の湖 宮内とし子 200801
ふところに文をぬくめり初しぐれ 森本虹泉 京鹿子 200801
電車待つホームより見る初時雨 熊谷かよ子 200801
羊羹の照りのとうろり初時雨 布川直幸 200802
初時雨大皿に盛る筑前煮 中山静枝 200802
初時雨矢立の墨の澗れてをり 花島陽子 遠嶺 200802
これがまあ翁の杖や初しぐれ 嶋木勝次郎 遠嶺 200802
初時雨向かう岸より渡りくる 貴志尚子 200802
金毘羅の五百段目の初時雨 七種年男 200802
七七忌に集ふ春属初しぐれ 椋本一子 雨月 200802
初しぐれ松の葉の先づ雫して 丸尾和子 雨月 200802
日の匂ひ立たせて過ぎし初時雨 長山あや ホトトギス 200803
ふるさとに老いし誰彼初しぐれ 田所洋子 雨月 200803
石蛙にいにしへ問はな初時雨 大谷茂 遠嶺 200803
オカリナの響く駅舎や初時雨 山下美絵子 遠嶺 200803
ツアーらに抹香匂ふ初時雨 奥田順子 火星 200803
三河路の空白々と初時雨 稲畑廣太郎 ホトトギス 200805
初時雨耳つる俳句論 安田久太朗 遠嶺 200806
城壁の村の入口初しぐれ 津田礼乃 遠嶺 200806
気づきたるとき初時雨なりしかな 稲畑汀子 ホトトギス 200811
この空のどこか虹置く初時雨 稲畑汀子 ホトトギス 200811
初時雨余呉は昔を語らざる 稲畑汀子 ホトトギス 200811
初時雨羅漢の頬を滴れる 西川五郎 馬醉木 200811
メンソレータムのみを届けに初時雨 伊藤白潮 200811
軒下の猫の小走り初時雨 中川すみ子 200901
初時雨茶筅すこしく性抜けて 辻直美 200901
旅先の一ト日籠りて初時雨 西本輝子 雨月 200901
草加宿松に音きく初時雨 石原光徳 酸漿 200901
南京の古佛の道の初時雨 西村純太 200902
電線のたわみをめがけ初時雨 黒澤登美枝 200902
妻ですと答へてをりし初時雨 村上ひで香 炎環 200902
譲られし優先席や初時雨 内田玉G 炎環 200902
初時雨茶店のこゑの女づれ 林成子 火星 200902
保育子を迎へて帰る初時雨 岡本直子 雨月 200902
初時雨通りすがりのかな書展 木原今女 ぐろっけ 200902
初時雨銚子の地図を屏風折り 和田満水 200902
初時雨濡れて届きし訃の知らせ 木内美保子 六花 200902
もう少し行けばコンビニ初時雨 丑久保勲 やぶれ傘 200902
空もまた偲ぶものなり初時雨 山下しげ人 ホトトギス 200903
目礼ですれちがふ人初時雨 今橋眞理子 ホトトギス 200903
そこはかとなく日の香立つ初時雨 長山あや ホトトギス 200903
遅まきの手習ひの文字初時雨 小山百合子 遠嶺 200903
メモ帳の墓の番号初時雨 曽根新五郎 炎環 200903
二三戸の残る集落初時雨 岡本直子 雨月 200904
枯れてゆくものに静かや初時雨 八田木枯 晩紅 200908
初時雨子規庵昏く灯されし 稲畑廣太郎 ホトトギス 200911
これよりの京を語りて初時雨 稲畑汀子 ホトトギス 200911
灯ともせば灯に華やぎて初しぐれ 鷹羽狩行 200911

 「初蝶」二十五周年を祝して

初といふめでたきものに初しぐれ

鷹羽狩行 200912
朝市の屋台うちゐる初しぐれ 山田和夫 200912
一泊の旅に出る日の初しぐれ 和田森早苗 201001
野仏の供花の色褪せ初しぐれ 塩千恵子 201001
初時雨遠くなりゆく耳に降る 四條進 201001
年波の寄する速さや初時雨 青柳雅子 春燈 201001
草千里吹き傾けて初しぐれ 高村令子 風土 201001
本堂の幡を仰げば初時雨 稲岡長 ホトトギス 201002
初時雨跳ねし芝居の余韻とも 川上久美 ろんど 201002
盛装の帰途待ち伏せの初時雨 泉田秋硯 201002
初時雨色を束ねし京野菜 割田容子 春燈 201002
やや馴れし減塩食や初しぐれ 松本俊介 春燈 201002
初しぐれ嵯峨野の寺の青き苔 河瀬俊彦 遠嶺 201002
湖晴れて山辺をよぎる初時雨 山口耕堂 万象 201002
初時雨温もり残る母の胸 栗下廣子 万象 201002
窓辺にて書を播くや初しぐれ 舩越美喜 京鹿子 201002
初時雨糸底厚き湯呑なる 松井千鶴子 201002
碑の濡るる裏紋初時雨 米田正弘 201002
大耳の飛鳥大仏初しぐれ 水谷芳子 雨月 201002
親鸞像の数珠の雫す初時雨 西村操 雨月 201002
都大路半分濡るる初時雨 浜口高子 火星 201002
初しぐれ一盞にして華やげり 深澤鱶 火星 201002
手どりたる鯉に鯉の香初しぐれ 山本耀子 火星 201002
初時雨宵のまつりの狐面 高松由利子 火星 201002
初時雨 →4      

 

2022年11月21日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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