34      117句

   初雪  雪折れ  雪国  雪籠  雪見

雪催  雪やどり  雪の精  豪雪

作品
作者
掲載誌
掲載年月
先生の尿のあとの雪五尺 中島陽華 200904
月山の雪襞ほそり剪定す 和田和子 馬醉木 200904
代替はりしてをり桂雪雫 数長藤代 200904
くべられて燻り消える薪の雪 沖則文 ぐろっけ 200904
托鉢や深雪のポストかへりみる 定梶じょう あを 200904
中也似とすれ違ひたる街に雪 遠藤若狭男 200904
津軽三味聞く夜は雪を想ひけり 渡邊泰子 春燈 200904
げんを恋ふ蕪村に雪の与謝郡 神蔵器 風土 200904
爪立ちて伝言板の雪払ふ 中村洋子 風土 200904
庭の木々を達磨に変えし夜半の雪 達山丁字 200904
紅き実に雪あはあはと留まりぬ 後藤とみ子 ぐろっけ 200904
行人につづくものなし雪の原 大坪景章 火星 200904
降る雪の瀬音も風も川の幅 成田美代 200904
降る雪は灯のもとに集まりし 高橋将夫 200904
砂時計落つる速さや夜の雪 櫨木優子 200905
のつぺらと雪積む墓のない在所 鎌田政利 京鹿子 200905
雨こんこ雪のこんこん妻の背 太田一貴 炎環 200905
雪淡く被して山襞現れる 坂口三保子 ぐろっけ 200905
雪しまき貫きしみ泣く家郷捨つ 鈴木伸一 200905
静けさや雪としるせし初日記 青山悠 200905
たのもしと見る雪晴の岩手山 中緒和子 酸漿 200905
小児病院潰すなの署名雪降る日 田宮勝代 酸漿 200905
しんしんと雪一村の時紡ぐ 梶川智恵子 200905
本を閉づ音のたちける雪の夜 鈴木多枝子 あを 200905
一月の終のどか雪幾度も掻く 野沢しの武 風土 200905
ブルックナー聴くべし雪の降る街に 橘正義 春燈 200905
ひとり来し余呉の湖辺の深雪晴 山口順子 200905
伊吹嶺に雪煙の立ち野は晴るる 栗田武三 ぐろっけ 200905
雨より雪に冬至一日人に会はず 野沢しの武 風土 200905
ビニールハウス積りし雪が滑り落つ 坂口三保子 ぐろっけ 200905
ミサ曲や濁世浄むる朝の雪 金山藤之助 200905
棟上げの柱のほぞの雪佛ふ 高橋ひろ 万象 200905
匂ひ立つ松の折れ口深雪晴 小山徳夫 遠嶺 200905
笹薮へまた投げてみる雪礫 安藤久美子 やぶれ傘 200905
白山へ現れては消ゆる雪の川 山田暢子 風土 200905
山深く流刑小屋あり雪明り 山田暢子 風土 200905
半身を雪につつまれ遊女の碑 須田千鶴子 炎環 200905
師の句碑の雪を掃ひし遠野かな 大山春江 万象 200905
朱印帳バッグに雪の瑞巌寺 村田文一 遠嶺 200905
目覚見て万作に降る雪淡し 柿崎寿恵子 酸漿 200905
終日雪降るだけ降らし一月去る 野沢しの武 風土 200905
旅の夜の眠り誘ふ雪しづく 峰幸子 200905
両肩に齢の重さ雪しづる 木村ふく 馬酔木 200905
海鳴りのいつしかやみし雪月夜 近藤敏子 200905
懺悔坂雪煙あげすべりゆく 川合八重子 酸漿 200905
障子あけ母に見せをり雪景色 三浦カヨ子 酸漿 200905
城崎の慣れぬ下駄ばきささめ雪 藤本秀機 200905
信濃路や坂の堅雪子等の声 末吉治子 春燈 200905
振り塩をぱらとしたよな京の雪 島貫寿恵子 雨月 200905
新築の礎石に雪の堆し 安藤久美子 やぶれ傘 200905
それぞれの墓に似合ひの雪帽子 宮入河童 200905
暁に無垢なる白さ雪景色 池田美代子 200905
暁光に雪の風紋浮びけり 川合八重子 酸漿 200905
青空に噴煙高し雪浅間 瀬沼利雄 酸漿 200905
雪つもる細き流れの河童淵 大山春江 万象 200905
雪の尾根刃のごとく日を撥ねる 小阪律子 ぐろっけ 200905
雪止むや寒満月の与謝郡 柴野静 200905
雪宿に灯の点りゆく夕間暮れ 粟倉昌子 200905
雪晴や厩の扉開いてをり 川口襄 遠嶺 200905
雪晴間出羽三山の緩びなき 粟倉昌子 200905
雪積める窓の灯や合掌家 高木典子 雨月 200905
雪覆ふまたぎの村の無音界 粟倉昌子 200905
千畳の雪の田しんと石狩野 梶川智恵子 200905
警策をいただく思ひしづり雪 内山照久 200905
足あとを風が追ひゆく雪野原 遠藤和彦 遠嶺 200905
村の雪もらひ大雪像の城 梶川智恵子 200905
多喜二忌の魚くさき雪海に押す 梶川智恵子 200905
しじまとも違ふ静けさ雪の夜 佐藤博美 200905
大雪や陸封のごと今日も在り 梶川智恵子 200905
丹後一の宮雪晴の真名井澄み 福永みち子 馬酔木 200905
とほく行く旅三月の雪の中 山本喜朗 雨月 200905
五箇山に雪降るこきりこささら節 山田暢子 風土 200905
トンネルを出づればこれぞ雪景色 橘正義 春燈 200905
鳥海山ちょうかいの雪の雄姿や日本海 粟倉昌子 200905
紅殻格子下京は雪となり 川口襄 遠嶺 200905
転勤の孫より届く雪便り 稲次登美子 雨月 200905
冬至どか雪翌朝刊の総遅れ 野沢しの武 風土 200905
比良暮雪琵琶湖は波の音ばかり 陽山道子 船団 200906
肩の荷を降ろすがごとく雪しづり 村上礼 200906
モスクワの友より投句今雪と 村松紅花 ホトトギス 200906
独り来て比良の暮雪を遠景に 坪内稔典 船団 200906
遠山は雪の気配やお白酒 垣岡暎子 火星 200906
菜の花の沖に光るよ雪の比良 坪内稔典 船団 200906
波頭北から北は雪が消す 松本鷹根 京鹿子 200906
万華鏡まはしてをれば雪が降る 内田美紗 船団 200906
櫻隠しの雪に触れをる金剛杵 延広禎一 200906
猩々袴雪降る中にはや咲けり 田中喜久子 酸漿 200906
雪時雨乗る人もなき渡し舟 上田明子 雨月 200906
坂上に海見る嘉兵衛雪しまき 藤沢秀永 200907
弾丸を作る手投げる手雪合戦 國田欽也 200907
雲上に雪の北岳桐咲けり 阿部悦子 酸漿 200907
山門に雪の大路が入りゆけり 柴田佐知子 垂直 200907
まつくろな空に雪舞ふ鰤場かな 八田木枯 晩紅 200908
八鬼山の雪に手かざし鰤見番 八田木枯 晩紅 200908
雪の上に落ちし篝火鰤供養 八田木枯 晩紅 200908
雪の木がありて誰かを喚むでゐる 岡村一郎 200908
白樺の根方窪める雪の原 奥太雅 万象 200908
百獸の王に見えゐる雪の杉 佐藤喜孝 あを 200908
くちびるの青くなるまで雪まろげ 高橋ひろ 万象 200908
安達太良の山に切り絵を残す雪 水谷洋子 十進法 200911
獄庭の雪いつまでも汚れざる 三浦如水 はらから 200911
雪しまく寺の焚き木の積み崩れ 木村公子 花貝母 200911
庚申塔咫尺に雪の遠浅間 神蔵器 風土 200911
冠雪便り一人暮しの姉思ふ 芝宮須磨子 あを 200912
初冠雪甲斐駒聳えゐたりけり 宇佐美ゆき 酸漿 200912
雪抱く崑崙の嶺に秋の雲 三井公子 酸漿 200912
雪来さうなり青鷺の肩の張り 山尾玉藻 火星 200912
展望室雪の孤島となつてをり 小嶋洋子 泡の音色 200912
桃園の畦踏めば見ゆ雪白根 伊藤敬子 201001
雪を被て峯は姿を整へし 泉田秋硯 201001
巴里近し雪のウラルを越えたれば 泉田秋硯 201001
背山より雪飛びきたる年の市 山尾玉藻 火星 201001
山霊の鎮もりきりて雪高野 西村操 雨月 201001
山廬囲める雪の未踏の山ばかり 伊藤敬子 201001
残照に初冠雪の剣岳 塩見治郎 雨月 201001
風見えて雪に重さのなかりけり 稲畑汀子 ホトトギス 201001
牧閉ざす北緯四十度雪置きぬ 石崎浄 風土 201001
雪→ 35      

 

2021年12月6日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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