海 坂     60句

よく凪ぎし海坂に船ひとつなく    高島茂

日本海  海原  海底  深海  海光  海坂  海鳴り  太平洋  黒潮

作品
作者
掲載誌
掲載年月
白日の海坂なりし蝉の殻 水野恒彦 199810
海坂は太初の青さ建国日 田中みちよ 199905
流氷の海坂白し果てしなく 松崎佐 円虹 199906
月明の海坂なりし鬼子母神 小菅佳子 199911
海坂の藍の深さや雁渡し 水原春郎 馬醉木 199911
海坂の流れてゐたり黄水仙 岡井省二 200104
海坂に轍が二本霜柱 嵯峨根鈴子 火星 200202
寒晴や海坂に見ゆ定期船 吉岡久江 火星 200204
青き踏む海坂の弧のやはらかく 西村葉子 京鹿子 200205
船一つ海坂に見ゆ良夜かな 松林順子 雨月 200302
海坂を目指すごとくに青き踏む 馬場公江 200310
海坂の烏賊火を畳む波寄せ来 木下ふみ子 馬醉木 200311
粛々としらむ海坂初日待つ 長沼冨久子 馬醉木 200404
海坂へ茅花流しの吹き出づる 加藤みき 200407
逃水につづく海坂真つ平ら 雨村敏子 200408
海坂に白帆散らして雲の峰 石本百合子 馬醉木 200509
海坂の烏賊火龍宮闇に浮く 泉田秋硯 200511
海坂をふはりふうはり歯朶胞子 加藤みき 200601
海坂やあらせいとうの出荷どき 伊藤白潮 200602
海坂を窓辺にはづむ年忘 瀬尾幸代 200603
海坂を見て極月の忌を修す 環順子 夢帽子 200608
海坂に落暉半円一飛燕 白井友梨 馬醉木 200611
日を返す海坂目指す鰆船 泉田秋硯 200706
海坂の見えぬ日の桑いちごかな 定梶じょう あを 200708
鳥賊火燃え海坂の星なき夜なり 塩見治郎 雨月 200709
海坂のかがやき媛の神迎ふ 水田壽子 雨月 200803
海坂にゆらぐ白帆や花菜風 岡佳代子 200805
亨保雛海坂の気を吐いてをり 中島陽華 200805
海坂のおぼろなる日や雛飾る 田中佐知子 風土 200806
海坂も崎も塗り込め梅雨滂沱 柴野静 200809
海坂も空もひと色小望月 柴野静 200812
海坂をはるかにしたり雁渡 中島陽華 200901
岬は夕焼海坂に凧はずみ出て 瀧春一 深林 200901
梅天に海坂消えし砂丘かな 泉田秋硯 200909
海坂に星の殖えゆく茅の輪かな 間宮あや子 馬醉木 200911
海坂の色深めゐる秋の暮 大平和男 200911
海坂に夕日どっしり蚊喰鳥 定梶じょう あを 200911
秋雨に海坂のなき沖を舟 柴野静 201001
海坂を越え雪雲の南下軍 泉田秋硯 201002
海坂にうすく雲ある冬の海 國保八江 やぶれ傘 201006
海坂に船現るる人丸忌 川端俊雄 火星 201006
船忽と現れぬ黄砂の海坂に 紫野静 201008
現にも海坂燃えて地蔵盆 小形さとる 201012
海坂へ巨船消えゆき秋うらら 柴野静 201012
海坂もゆきあひの空新松子 山本無蓋 201012
鷹渡り終へ海坂の夕焼美し 室伏みどり 雨月 201012
海坂に滲む夕日や寒湯治 石川かおり 201103
逝く雲の溜まる海坂梅雨夕焼 鈴木良戈 201209
海坂に漁舟溶けゆく朝曇 阪上多恵子 雨月 201210
背泳ぎで海坂の孤を確かめる 松岡和子 201211
雲一つなき海坂や秋入日 菅野日出子 末黒野 201301
海坂のあるや枯野の向かうにも 菊川俊朗 201302
小鳥来る海坂藩の五加垣 成宮紀代子 201311
初日いま音に海坂越ゆるなり 井上信子 201402
夏潮や海坂をさす羅針盤 高瀬史 馬醉木 201410
海坂にすとんと消ゆる冬没日 土田亮 末黒野 201503
今年米海坂藩の話など 根橋宏次 やぶれ傘 201701
海坂へ夕日すとんと雁のこゑ 石田厚子 馬醉木 201702
海坂や裾消えかかる皐月富士 中根美保 風土 201709
ザンボアの熟るる海坂夜の弥撒へ 荒井千佐代 201906
海坂の紺敷きつめて成人日 平田はつみ 馬醉木 202004
海坂を出で雲抜ける初日の出 木下圭子 ホトトギス 202005
夜の弥撒へ南風の海坂のぼり切り 荒井千佐代 202006
海坂の空に解け合ふ遠霞 加藤静江 末黒野 202006
夜の弥撒へ南風の海坂のぼり切り 荒井千佐代 202007
穏やかな安房の海坂夏逝けり 山岸明子 202110

 

2022年4月24日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。