黒 潮  144句

黒潮が流れる森の鯉幟    呉田刈歩

日本海  海原  海底  深海  海光  海坂  海鳴り  太平洋  黒潮

作品
作者
掲載誌
掲載年月
黒潮へ出水濁りのふくれ来し 稲畑汀子 ホトトギス 199905
擦りながら黒潮の差す彼岸かな 小形さとる 199906
黒潮の岩に腹這ひ石蓴掻く 加藤和子 春耕 199906
鸞が舞ひ蛇がおどろき黒潮よ 岡井省二 199907
甘庶刈りしあと黒潮の風の音 皆川盤水 春耕 200004
黒潮に錆びてゐたりし白椿 武井美代子 風土 200006
黒潮の音に寝まりぬ雛の日 高村梢子 火星 200006
手をあげて黒潮すでに隠岐を指し 森田緑郎 海程 200007
飛魚の眼下に黒潮しぶきけり 長谷部雉子 200007
黒潮に瞬時影置くとびの魚 長谷部雉子 200007
親潮も黒潮も鯨の遊歩道 松山律子 船団 200007
黒潮にぽつんと置かれ夏の島 中川二毫子 夏木立 200008
黒潮のうねり遥かに鷹柱 益本三知子 馬醉木 200101
鯖地どれわたしも地どれ黒潮滾る 阿辺一葉 海程 200101
黒潮の荒ぶる浦の大根引く 武政礼子 雨月 200101
黒潮の遠州灘や雪を見ず 大平保子 いろり 200102
黒潮に吠ゆる獅子岩寒の凪 山口たけし 俳句通信 200103
人日や黒潮の香を甘しとも 加藤いろは 200103
黒潮のうち砕けたる椿かな 山尾玉藻 火星 200104
黒潮のしぶき眩しみ鹿尾菜干す 高橋好温 馬酔木 200106
黒潮を越え来しならん鰹船 稲畑汀子 ホトトギス 200106
黒潮の海へなだるる椿山 鰍澤真佐子 春耕 200107
黒潮の岬に緑もりあがる 玉川悠 遠嶺 200107
蝦蛄はねる黒潮市場は人の波 万波允恵 ぐろっけ 200108
浜昼顔黒潮浜を洗ひをり 渕江千代 酸漿 200109
黒潮の怒々と崩るる浜薊 石原義輝 馬醉木 200112
黒潮は男の流れ鮪追ふ 松本圭司 200201
鷹舞へり黒潮晴れの沖の空 久保東海司 200203
黒潮の濃し大根の花の上 神蔵器 風土 200205
黒潮の島へ島へと抱卵期 中村智恵子 200206
黒潮の蒼濃き背波鰹時 永井雪狼 200207
黒潮の沖に四股ふむ入道雲 関口ゆき あを 200209
浜木綿の匂ひ黒潮とどろける 武政礼子 雨月 200210
黒潮と真水のなじむ良夜かな 長岡新一 200211
黒潮の色濃くなりし桃の花 松下八重美 200304
黒潮の恵みあまねし椿咲く 長崎桂子 あを 200304
黒潮を引きて鞦韆戻りけり 高畑信子 遠嶺 200305
黒潮の岬を回して鳥帰る 島玲子 風土 200305
髪と遺書知覧ざくらは黒潮へ 林日圓 京鹿子 200307
海女あがる黒潮の髪曳きながら 苑実耶 200308
鯖の斑の黒潮もどき並びをり 河内桜人 京鹿子 200312
黒潮の奔流見たり曼珠沙華 平山風鳥 河鹿 200402
黒潮のにほひのしたる秋遍路 前田美恵子 200403
強東風に触れて黒潮立ち上り 稲畑廣太郎 ホトトギス 200403
遠巻きに黒潮ながれ端午かな 藤原照子 余韻 200403
黒潮の怒濤の島や海老飾る 九万田一海 河鹿 200404
黒潮に鯛の近づく菜の花忌 神蔵器 風土 200404
黒潮の洗ふ開聞岳菜の花忌 沼口蓬風 河鹿 200406
黒潮のよせる岬や花蜜柑 大久保恵美子 遠嶺 200408
黒潮に突き出す岬武者幟 長野純顕 対岸 200408
黒潮に張出す岬麦の秋 山田弘子 ホトトギス 200410
浜木綿や黒潮寄する鬼ヶ城 仲井義明 雲の峰 200410
黒潮の沖に高鳴り鷹渡る 中島ため 200501
黒潮の岸の掛小屋朱欒売る 西屋敷峰水 河鹿 200503
黒潮に乗りし船足風光る 西村梛子 馬醉木 200505
黒潮の潮目の見える二月尽 若泉真樹 200506
うねり来る沖の黒潮草田男忌 九万田一海 河鹿 200510
黒潮の水平線に日の永し 佐藤淑子 雨月 200510
黒潮をひきつれて烏賊波打てり 秋千晴 200510
灯台の下は黒潮石蕗の花 清水明子 遠嶺 200604
黒潮の洗ふ五島や冬燕 吉村摂護 200606
まず一貫黒潮を来し初鰹 宇田喜美栄 200608
黒潮を抜けしばかりの初鰹 稲岡長 ホトトギス 200609
黒潮と照り合ふ安房の花菜畑 館容子 200705
黒潮の「島の花」なり極楽鳥花ストレチア 有働亨 馬醉木 200706
黒潮の沖へ真向かふ鰆舟 倉谷紫龍 万象 200706
黒潮の怒濤や島の花盛り 宮崎見昭 遠嶺 200706
黒潮や沖の白帆が夏を呼ぶ 宇都宮滴水 京鹿子 200707
黒潮の力にそだつ初鰹 松本圭司 200707
黒潮の耀ひかりはるかに犬ふぐり 大泉伸 遠嶺 200708
黒潮の幸の太刀魚鮨得たり 池田かよ ぐろっけ 200708
ちぬ釣や黒潮に息合はせつつ 杉本光 200709
黒潮の大き蛇行に年迎ふ 水野恒彦 200804
黒潮の流れ見ゆるや雛飾る 田中佐知子 風土 200806
黒潮を渡る鐘の音麦鶉 延広禎一 200808
黒潮の削る断崖花菜畑 山下由理子 200810
黒潮の潮目さだかに鷹渡る 松本圭司 200812
黒潮に友船交はす初汽笛 品川鈴子 龍宮の客 200904
黒潮の涛のうねりや春嵐 増田一代 200905
黒潮の風の岬の寒桜 大坪景章 万象 200905
黒潮にみがかれし艶若布刈鎌 松本圭司 200907
ポピー摘む声に黒潮応へけり 赤羽正行 遠嶺 200908
玉砂利は黒潮の贈青葉闇 加藤みき 200908
青々と曲る黒潮夏蓬 柴田佐知子 200908
黒潮を日の躍り出て菜の花黄 武政礼子 雨月 200908
木斛の花に黒潮よりの風 藤井美晴 やぶれ傘 200911
黒潮の香ももろともに鰹釣る 入澤正 春燈 200912
黒潮の海を眼下や鳥渡る 岡田史女 末黒野 201002
黒潮に湧き金風となりにけり 竹下陶子 ホトトギス 201003
黒潮の洗ふ岬の紅椿 原桂子 201005
黒潮や岬にエリカ咲く小径 石川友江 風土 201007
黒潮の砕ける岬木々芽吹く 加藤克 201008
黒潮の直行に夏来たりけり 遠藤真砂明 201008
秋潮となる黒潮の色極め 稲畑廣太郎 ホトトギス 201009
黒潮の遠流の里や夏つばめ 小泉貴弘 春燈 201009
シリウスや黒潮の幅百キロに 雨村敏子 201103
黒潮の入り込む湾や草の絮 吉村摂護 201104
春疾風黒潮の海荒れに荒れ 尾崎みつ子 雨月 201105
黒潮の沖縹渺と鰹来る 松本幹雄 馬醉木 201108
枇杷熟るる太平洋の黒潮に 神蔵器 風土 201108
群青のこれぞ黒潮小鯵刺 塩路隆子 201109
黒潮の西日眩しき紀の岬 和田一 雨月 201110
黒潮の横波三里桜鯛 松下八重美 夢見の鐘 201203
黒潮に入日を惜む初景色 西出しず子 雨月 201204
秋鯖の背に黒潮の匂ひけり 小池清司 かさね 201212
黒潮を見る万緑の高みより 柴田佐知子 201211
黒潮本流完璧の四温晴 遠藤真砂明 201303
黒潮のぬくもり纏ひ早桜 板倉安正 201305
黒潮のうごいてゐたる雛の市 水野恒彦 夢寐 201306
黒潮の匂う窓辺やデイゴ咲く 名倉悦子 ろんど 201311
黒潮に突つ込む舳先一気に夏 遠藤真砂明 201408
黒潮の北上鮭を周章てさす 土屋草子 ろんど 201502
黒潮の風に猛りしどんどかな 鈴木庸子 風土 201504
黒潮の沖の眩しさ鰹来る 益本三知子 馬醉木 201506
荒神輿黒潮洗ふ御浜入り 石崎和夫 201510
黒潮と親潮の合ふ辻踊 松井志津子 201511
黒潮を出て東京へ桜鯛 柴田佐知子 201605
黒潮の潮目はるかに春逝けり 森岡正作 201606
黒潮へ加速促す初鰹 峰崎成規 201607
余花よりも高き黒潮太平洋 山本無蓋 201608
房総の黒潮守りて雛かな 島田万紀子 馬醉木 201705
黒潮の洗ふ岬の水仙花 榎本秀治 201705
黒潮の洗ふ奇岩や梯梧咲く 中村洋子 風土 201708
黒潮に交す船笛青岬 西村操 雨月 201710
黒潮に突き出す岬銀河濃し 和田紀夫 201712
黒潮は海の街道鯨来る 栗坪和子 201803
波状岩あらふ黒潮厄おとし 田代民子 201806
春昼や黒潮の帯銀色に 岩田洋子 201807
黒潮は大きく蛇行鰹来る 能美昌二郎 201808
ぶつかれる黒潮に反る青岬 柴田佐知子 201809
黒潮は海の街道鯨来る 栗坪和子 201901
黒潮の光へなだれ野水仙 三輪温子 雨月 201903
黒潮のたぎる岬や冬すみれ 松本幹雄 馬醉木 201904
黒潮に乗りて来れり七福神 秋津令 201907
黒潮に欺かれたる秋刀魚漁 碇天牛 雨月 201911
醤造る沖を黒潮奔流す 栗坪和子 201911
黒潮の香やぞくぞくと芥子咲けり 小河原清江 梛の木 202007
黒潮に銀の風巻く大鰯 澤田英紀 202012
黒潮の匂うてきたる初日の出 戸栗末廣 202107
初鰹ここは黒潮番外地 鷺山珀眉 京鹿子 202108
黒潮の帯あをあをと孕馬 戸栗末廣 202112
黒潮に上がる緞帳初日の出 池田光子 風土 202204
梅が香の風黒潮の日をたたむ 本郷桂子 ホトトギス 202207

 

2023年4月25日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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