深 海     65句

深海のさざえ全身青藻かな  細見綾子

日本海  海原  海底  深海  海光  海坂  海鳴り

  太平洋  黒潮

作品
作者
掲載誌
掲載年月
深海の彩して隠岐の若布着く 密田真理子 199908
夕されば深海の色あぢさゐ寺 田中藤穂 水瓶座 200002
深海の帆柱ゆらぐ春の星 能勢京子 船団 200109
深海の水売りに来る日の盛り 阪本哲弘 200202
梅雨籠して深海にゐる思ひ 白石峰子 円虹 200210
年詰る深海の魚深海に 田中忠子 帆船 200302
焼芋を割れば深海噴煙口 玉川悠 遠嶺 200303
深海の底の魚や十二月 植松美根子 200403
深海の色の水着や泳初 西山美枝子 酸漿 200403
深海の音聴くパイプ寒晴るる 花島陽子 遠嶺 200404
熔岩原は深海のごとサングラス 沼口蓬風 河鹿 200410
踊るサテュロス夏の深海思ひをり 岩月優美子 200509
深海のあぶくぽつりと竜の玉 井潟ミヨ 京鹿子 200606
蛍烏賊食み深海の声を聞く 上原朝子 200607
流星や深海に産卵始まりぬ 近藤公子 200610
大空の深海汲むや御忌小袖 本多俊子 200708
深海の魚の灯明お霜月 南一雄 200803
深海の光を放つ螢烏賊 服部鹿頭矢 馬醉木 200807
熱帯夜星深海に棲むごとし 山中宏子 200811
深海の冥さ思へり日射病 定梶じょう あを 200909
深海のうつぼの群れも屠蘇心地 栗栖恵通子 201004
元旦の満月深海の静寂 雨村敏子 201004
深海の命は光る春の星 高橋将夫 201005
炎昼の聖堂といふ深海に 荒井千佐代 201011
深海の青さにも似て風邪心地 樋口英子 201103
白木蓮に月深海のごとくあり 樋口英子 201107
深海の怪魚揚がりし二日月 あさなが捷 201111
春眠の深海にゐて電話鳴る 掛井広通 201204
父の日や水族館に深海魚 川崎真樹子 春燈 201207
深海の真闇へ施餓鬼太鼓かな 遠藤真砂明 201210
深海の色の作務衣やあいの風 大川ゆかり 201210
秋茄子の色は深海冷たかり 古川忠利 ろんど 201301
深海のごとき北空寒満月 土井ゆう子 風土 201305
霜の夜の機体深海鮫の如し 辻美奈子 201401
深海の色のジーンズ小鳥来る 涼野海音 火星 201412
深海に眼を忘れ金目鯛 一民江 馬醉木 201504
深海の水母重い重い口ひらく 直江裕子 京鹿子 201512
煮凝りの深海の色ふるへをる 中島昌子 201603
深海に悪相おこぜ花曇 能村研三 201605
涼しさや髭ながながと深海魚 戸栗末匿 201611
オルゴール鳴り深海に冬来たる 川嶋健佑 船団 201707
深海の如し雲間の夏の空 植村蘇臣 京鹿子 201709
帰省子の眠り深海魚のごとく 橋添やよひ 風土 201711
ただならぬ闇の深海巨大烏賊 飯田久美子 末黒野 201712
月光や深海に降るものの嵩 辻美奈子 201712
日も月も知らぬ魚や深海は 岩月優美子 201712
銀河から零れ落ちたる深海魚 三木享 201712
風の萩ゆうらり白き深海魚 塩貝朱千 京鹿子 201712
深海の鱶を喰らひし男かな 瀬川公馨 201804
深海の色の喪服を着ておぼろ 有松洋子 201805
春光に誘はれてをる深海魚 岩田洋子 201807
深海の魚の進化図紙魚はしる 鷺山珀眉 京鹿子 201809
朱夏のバー深海魚らが閃光す 園部蕗郷 春燈 201810
紫陽花の青にかくれる深海魚 鶴濱節子 船団 201812
菜の花忌深海に棚あるといふ 佐久間敏高 201905
修司忌や浮袋なき深海魚 広渡敬雄 201909
深海に埋もる猫や小六月 鈴鹿呂仁 京鹿子 202001
春愁の底を無心の深海魚 伊藤希眸 京鹿子 202006
乾くほどに深海の色干若布 田中佐知子 風土 202006
満月や切手のなかの深海魚 田中一光 202011
山茱萸のあたり一帯深海めき 沼田巴字 京鹿子 202105
深海に眠る海の日など知らず 直江裕手 京鹿子 202112
春の夢見て発光す深海魚 高橋将夫 202205
海朧進化おぼろの深海魚 峰崎成規 202205
木枯は別の世のこと深海魚 中村重幸 202302

 

2023年4月22日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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