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夕虹へストレッチャーと流れ込む   長谷部朝子   暖流

作品
作者
掲載誌
掲載年月
声挙げて虹を薄めてしまひけり 中田みなみ 201607
連山に大き虹立つ昼餉かな 加藤峰子 201609
つかの間のこの世に虹の立ちにけり 石田きよし 201609
夕虹やバトンを飛ばしくぐらせて 中嶋陽子 風土 201609
夕虹や母でも妻でもなき時間 古山智子 201609
縄文の丘に虹立つ左近詩碑 藤代康明 201609
大川や虹の根つこの吾妻橋 太田良一 末黒野 201609
噴水の虹を紡ぎて浜の風 坂口郁子 末黒野 201609
夕虹や駅より海へ路線バス 田中臥石 末黒野 201610
虹消えてなほ掌に炎ゆるもの 本多俊子 201610
夢追へば虹の橋見ゆ夕明り 柴田靖子 201610
投函のあとの気がかり二重虹 門伝史会 風土 201610
斎場より浄めの席へ虹の橋 鈴木石花 風土 201610
虹の立つ空の蒼より海のあを 中村洋子 風土 201610
虹立ちて羊は群れを解きにけり 遠藤逍遙子 風土 201610
娘の葬り果てたる安堵虹の立ち 高橋照子 雨月 201610
虹二節とはおもろうて涼しうて 古賀しぐれ ホトトギス 201611
虹の橋渡りたき子の瞳かな 久保東海司 201611
夜の虹みんな見たくて誰も知らぬ 伊藤希眸 京鹿子 201611
虹消ゆる背後に夫の立つてをり 笹村政子 六花 201611
ひと嵩の虹しらくもを繋ぎをり 鎌田光恵 201611
半円の虹郷愁を湧き立たす 小川玉泉 末黒野 201611
夕虹を見ず雑踏の八重洲口 是松三雄 末黒野 201611
今生や泣いて笑うて虹渡る 久保夢女 201612
夕虹を一人見てゐるベシチかな 三村純也 ホトトギス 201612
虹に手の届くはずなく人偲ぶ 三村純也 ホトトギス 201612
虹たちぬご飯とカレーの黄金比率 鈴木みのり 201612
瞑想は闇に月虹立つごとし 高橋将夫 201701
二重虹くぐるや艇の光曳き 河野由美 馬醉木 201701
円虹を見にコックまで外に出で来 千原叡子 ホトトギス 201702
遠山に虹懸かりたる峡夕 小林はじめ 六花 201702
汗たっぷりとかいたので虹を渡る 赤石忍 船団 201702
二重虹いつも未完の円のまま 高橋将夫 蜷の道 201703
心垢消ゆ片支へなき二重虹 鈴鹿呂仁 京鹿子 201705
円虹に飛行機雲の突き刺さり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201707
虹立ちて君との過去を清算す 稲畑廣太郎 ホトトギス 201707
夕虹に突つ込んで行く空母かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201707
虹消えて空の広さの戻りけり 稲畑汀子 ホトトギス 201707
生きてゐる言葉の中に消えし虹 稲畑汀子 ホトトギス 201707
虹消えし後を充たして街の音 林昭太郎 201708
虹立ちぬ形見の帯の長さほど 有松洋子 201708
帆船の点となる沖虹二重 田村園子 201708
診療船大いなる虹くぐり来る 工藤義夫 馬醉木 201708
虹の橋妣は裏見の遠きより 丸井巴水 京鹿子 201709
天空の丸さ見えたる虹の橋 近藤喜子 201709
水やりの虹の零れを蜥蜴過ぐ 諸岡和子 201709
訓練の放水はじめ虹立てり 稗田寿明 201709
雨上がる相模の海に太き虹 堀江久子 末黒野 201709
あんみつや切子の皿の虹色に 浅嶋肇 やぶれ傘 201709
話さねば言葉忘るる虹二重 菊地光子 201710
虹の根へ行つたきりなり球拾ひ 篠藤千佳子 201710
仙人岳より観音山へ虹の橋 鈴木石花 風土 201710
噴水の虹をくぐりてチェックイン 岩木茂 風土 201710
雨女ときをり虹を独り占め 有松洋子 201710
はるかなる山に虹立ちゐたりけり 成田なな女 春燈 201710
筑波嶺に片脚かけて夕の虹 山田春生 万象 201710
円虹に手をふつてゆく登山隊 山田春生 万象 201710
大いなる夕虹かけて畦の道 黒滝志麻子 末黒野 201710
夕虹をくぐりタンカー沖を指す 安斎久英 末黒野 201710
八十の光陰虹を見て思ふ 田中臥石 末黒野 201710
虹消えて腕白まぶた擦りけり 梅田武 末黒野 201710
夕まぢか虹の真下を通りゆく 高田令子 201711
虹消ゆるまでわが思ひ語らざる 浜崎素粒子 ホトトギス 201711
懸谷や妖精架くる虹の橋 森清信子 末黒野 201711
虹消えて空は大人の色となる 小田嶋野笛 末黒野 201711
朝虹の一跨ぎせる隣村 小松敏郎 万象 201802
虹色の小さな指輪暖炉燃ゆ 火箱ひろ 201803
夕虹を見よと嫁ぎし子の電話 磯貝尚孝 清閑 201804
西方に二重虹立つ椿寿の忌 工藤義夫 馬醉木 201805
大いなる虫の吐息の虹立ちぬ 高橋龍 201805
虹消えて思ひ出だけが残りをり 稲畑汀子 ホトトギス 201807
虹を見し旅路遥の日々となる 稲畑汀子 ホトトギス 201807
虹といふはかなきゆゑに美しく 稲畑汀子 ホトトギス 201807
又虹を見そこなひたる家居かな 稲畑汀子 ホトトギス 201807
虹の脚消えて湖畔の景戻る 稲畑汀子 ホトトギス 201807
虹の元白波の立つ岬かな 大日向幸江 あを 201807
海堡に片脚かけぬ虹の橋 安斎久英 末黒野 201808
夕虹の環(わ)の中にゐる虚舟かな 水野恒彦 201809
美酒に虹の女神の微醺かな 柳川晋 201809
父母の待つ虹の彼方へ急ぎをる 中西厚子 201809
片虹の重さを量る長き橋 丸井巴水 京鹿子 201809
虹立つや棚田へこぼす山の水 石橋邦子 春燈 201809
詩一篇詠むかに仰ぐ朝の虹 安立公彦 春燈 201809
出来たての虹を見せたく電話口 大日向幸江 あを 201808
まぼろしのごと短夜の月の虹 おーたえつこ 201809
虹入れる鞄持ってるお父さん たかはしすなお 201809
初虹やまだたひらなる喉仏 辻水音 201809
虹二重いっしょに泣いてくれた人 波戸辺のばら 201809
お日様の直球虹の変化球 波戸辺のばら 201809
母のせな虹掴まむと稚の反る 伊吹之博 京鹿子 201810
虹の色あり梅雨明の水溜り 森なほ子 あを 201809
陸奥湾に二重にかかる朝の虹 秋川泉 あを 201809
夕虹の消えたる後の黙長し 金森教子 雨月 201810
開国の港音なく虹立ちぬ 平沢恵子 春燈 201810
翠巒やダム放水に虹生まれ 加藤静江 末黒野 201810
七彩を一筆に引き虹立てり 稗田寿明 201811
帆の形の家持の歌碑虹立ちぬ 栗坪和子 201811
虹かけて余呉に天女の物語 西村しげ子 雨月 201811
足首の小さなタトゥー蛇と虹 西村亜紀子 船団 201812
初虹のデジャビュの街は遠き恋 鈴鹿呂仁 京鹿子 201905
虹消えて消えざるものの中に立つ 稲畑汀子 ホトトギス 201906
朝虹に富士全容を明さざる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201906
虹立つや空まだ硬き中宮寺 斉藤玲子 馬醉木 201907
虹→8      

 

2021年7月15日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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