二重虹    75句

虹二重神も恋愛し給へり   津田清子

 時雨虹 冬の虹 秋の虹 二重虹 虹の橋 虹の根 春の虹

作品
作者
掲載誌
掲載年月
神迎ふ沖に生れし二重虹 新家豊子 馬醉木 199903
虹二重瀬戸にこぼれし島いくつ 品川鈴子 ぐろっけ 199910
蛇なればポタラの穹の二重虹 岡井省二 200101
携帯灰皿とり出しぬ虹二重 桐木榮子 船団 200102
ふじ丸の冠となる二重虹 品川鈴子 ぐろっけ 200108
よきことの兆しのごとく虹二重 大和田鏡子 俳句通信 200109
彎曲を怺へあふかに二重虹 鷹羽狩行 200207
登四郎の口笛はろか虹二重 湯本道生 200208
虹二重遠くなりたる姉妹 井上玉枝 酸漿 200208
虹二重産院より嬰戻りくる 吉田政江 200209
虹二重芙美子の海を見て飽かず 百田早苗 六花 200209
虹二重かういふときにゐてくれず 田口傳右ヱ門 銀化 200210
虹二重父より享けて遠眼癖 高橋さえ子 200211
虹二重子にせがまれし肩車 高橋邦夫 風土 200308
許したり許されたりし二重虹 浜中雅子 遠嶺 200309
願掛けを忘れてゐたり二重虹 栗原公子 200309
虹二重大したことのないわたし 宇野友梨 200309
山ふかき村にかかりし二重虹 水田清子 200310
虹二重大菩薩嶺より立てり 山本令夏 風土 200409
丘を容れ二重朝虹濃く淡し 阿部ひろし 酸漿 200409
カルストの花野に立てり二重虹 水原春郎 馬醉木 200411
呼び声の転がり来り虹二重 亀ヶ谷照子 遠嶺 200411
忘れ物ありくつきりと二重虹 今瀬剛一 対岸 200508
すつと身の軽くなりゆく虹二重 高村洋子 遠嶺 200509
虹二重地球に母はひとりだけ 横山淑子 200609
吾よりも妻永らへよ二重虹 森竹昭夫 遠嶺 200610
夢叶ふ兆しや冬の二重虹 亀ヶ谷照子 遠嶺 200703
虹一重二重しぐるる日本海 浅野恵美子 酸漿 200705
セ・シ・ボンなどの歓声二重虹 塩路隆子 200709
虹二重日照雨に濡れて立ちゐたり 菊地惠子 酸漿 200709
二重虹東ベルリンにても見し 泉田秋硯 200711

 蛇笏賞詩歌文学館賞受賞

虹二重かうべを垂れてくぐりけり

鷹羽狩行 200807
マチュピチュに雨期の終りの二重虹 須賀敏子 あを 200807
虹二重葬の片付けはじまりぬ 富沢敏子 200808
群青忌淡路にかかる二重虹 長谷川史郊 馬醉木 200809
航跡のあと海光の虹二重 吉野のぶ子 遠嶺 200809
虹二重神に二心のあるごとく 布川直幸 200810
虹二重向う側にも誰かゐる 田口紅子 200812
虹二重いそげ急げと誘はるる 大場ましら 200812

 「虹」三周年を祝

たちまちに二重となりし海の虹

鷹羽狩行 200906
川上の山にかゝれる二重虹 滝沢伊代次 万象 200906
どこまでも追ひ駆けて来る虹二重 須藤トモ子 200908
言霊とも沼の霊とも虹二重 松井のぶ 200908
虹二重ハワイの神は太め好き 千田敬 200909
虹二重胸ふくらませ寿会 藤野寿子 あを 200909
虹二重老のつれづれ覚しけり 木下ふみ子 馬醉木 200910
武蔵野の夕べ寄り添ふ二重虹 上原重一 200910
大切な人と見上げし虹二重 山本浪子 風土 200910
虚子愛子再びは見ず虹二重 神蔵器 風土 200911
佐保姫の領布ともまがふ虹二重 小林共代 風土 200911
虹二重火を噴く島へ船通ふ 大西八洲雄 万象 201009
二重虹山河は色を奪はれし 大沼遊魚 201101
をさなごのまんまるまなこ二重虹 竹貫示虹 京鹿子 201107
新品の傘の柄細し二重虹 中村江利子 京鹿子 201109
穏やかな死に方祈る虹二重 高橋照葉 ぐろっけ 201210
石積みの技継ぐ裔や虹二重 小島昭夫 春燈 201212
果樹園を包みて秋の虹二重 笠井敦子 201212
時雨去り二重虹立つ山の寺 坂根宏子 野山の道 201404
数ならぬ身をなこひしき虹二重 神蔵器 風土 201407
二重虹得難き残像目に刻み 峰幸子 201408
久々に「お帰り」と子に虹二重 木多芙美子 春燈 201411
語り部のさらなる飛躍二重虹 岡山敦子 京鹿子 201411
鴎とぶ港や秋の虹二重 寺沢千都子 万象 201412
薬屋を出て厳冬の虹二重 時澤藍 201503
投函のあとの気がかり二重虹 門伝史会 風土 201610
二重虹くぐるや艇の光曳き 河野由美 馬醉木 201701
二重虹いつも未完の円のまま 高橋将夫 蜷の道 201703
心垢消ゆ片支へなき二重虹 鈴鹿呂仁 京鹿子 201705
西方に二重虹立つ椿寿の忌 工藤義夫 馬醉木 201805
気象急変くっきり二重虹癒す 長崎桂子 あを 201811
悔い少し薄れゆきたり二重虹 栗原公子 201909
一斉にスマホを向ける二重虹 原光生 202110
疫病禍の街へやさしく二重虹 石黒興平 末黒野 202112
二重虹苦楽笑うて受け流す 西村白杼 京鹿子 202209
墓参りの閻魔堂前二重虹 眞田忠雄 やぶれ傘 202302

 

2023年7月19日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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