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 時雨虹 冬の虹 秋の虹 二重虹 虹の橋 虹の根 春の虹

作品
作者
掲載誌
掲載年月
消えのこる虹うすきほど胸に濃き 中野さき江 春燈 201908
泣いて出て笑うて消ゆる虹の橋 平野多聞 201908
虹消えし渚にひとつパイプ椅子 七田文子 201908
人は百牛三千の島に虹 佐久間敏高 201908
時ならぬ虹かかりたる義仲忌 千原叡子 ホトトギス 201909
虹くつきり雨すつきりとあがりけり 佐津のぼる 六花 201908
虹の橋かけかた探るは理系の徒 高野昌代 201909
旅立てる人の残り香今朝の虹 田中信行 201909
たがために神降臨す虹の橋 柴田靖子 201909
検問の国境の寂虹立ちぬ 松橋輝子 末黒野 201909
雲梯にぶらさがる子ら虹叫ぶ 太田佳代子 春燈 201909
紐育の子よりのメール虹立てり 宮田豊子 春燈 201909
頬杖を解く夕虹の立ちたれば 増成栗人 201909
仰ぎ見る神の手抜きのやうな虹 栗原公子 201909
悔い少し薄れゆきたり二重虹 栗原公子 201909
夕虹や豆腐屋の笛きこえ来る 吉田政江 201909
虹薄れ解体工事音高し 安藤久美子 やぶれ傘 201910
朝虹の近さや海のこちらがわ おーたえつこ 201910
朝虹の端ひっかけて弓がゆく たかはしすなお 201910
子の上に小さき虹立ち水鉄砲 滝口洋子 末黒野 201910
虹立つや川の落ちあふ辺りから 岡澤田鶴 201910
朝の虹男にほぐされゆく卵 はしもと風里 201910
夕虹にココロを持つていかれたか はしもと風里 201910
虹晴れて木槌の音の籠もりがち 辻水音 201910
夕虹のしづかに消えてしまふまで 滝澤圭子 雨月 201911
時雨止む宮津の虹に傘たたみ 山田六甲 六花 201911
白壁は更に真白に虹矧鳴く 安藤久美子 やぶれ傘 201911
父母の在せる空へ虹の橋 山田閏子 ホトトギス 201912
虹消ゆるまで御墓前を去り惜む 藤浦昭代 ホトトギス 201912
雲の間にほどいてゐたる虹の帯 住田千代子 六花 201912
麗子像水彩もあり虹消える 辻征雄 船団 201912
七歳の最良の日や朝の虹 仲里奈央 201912
夕虹を人待つひとと眺めをり 近藤真啓 春燈 202001
呼びに行くまでに半分消ゆる虹 高倉和子 202002
橋立の松のきらめく時雨虹 田中佐知子 風土 202002
鉄橋に子らの歓声山の虹 岩永みはる 追伸 202003
時雨虹友の訃のまた人伝に 中原敏雄 雨月 202003
虹色の魚が泳ぐ久女の忌 つじあきこ 202003
山毛欅の芽の虹色になる夜明かな 平居澪子 六花 202005
消えてゆくこと知つてをり虹の立つ 稲畑汀子 ホトトギス 202007
虹消えて旅の心を納めけり 稲畑汀子 ホトトギス 202007
虹立ちて遠近感を失ひぬ 稲畑汀子 ホトトギス 202007
母の日も母の忌も過ぐ沖つ虹 安立公彦 京鹿子 202008
白虹を追ひかけてをり夏の尾瀬 河添久子 202008
苗床へ散水日矢の虹を撒く 田中臥石 末黒野 202008
辿りたる袂は何処虹の橋 小林清彦 末黒野 202009
消ゆるとき虹にかすかな銀のこる 辻美奈子 202009
親指と人差指にかかる虹 安齋正蔵 やぶれ傘 202009
集団下校虹の真下を通りけり 高倉和子 202010
夕虹の浦賀水道大跨ぎ 七種年男 202010
噴水の虹をたたみて了りけり 藤生不二男 六花 202010
夕立あと高田馬場に虹ふたへ 松村光典 やぶれ傘 202010
若き日の夢は今でも虹のなか 中川のぼる 202011
虹の環をくぐつてきたるモノレール 浜田はるみ 202011
訣れてもなほ俳諧の虹わたる 本郷桂子 ホトトギス 202012
天高し珍し白虹のニュース 長崎桂子 あを 202012
夕虹にしのぶ歳月遠流の地 藤浦昭代 ホトトギス 202101
虹消えて珈琲の豆挽き始む 瀬戸薫 風土 202102
天上に近き村なり虹二重 中田禎子 202104
うす虹やはたとあひたる古馴染み 根來隆元 202107
夕虹に靴擦れ紅き乙女どち 根來隆元 202107
麦色の髪の少女と虹を見る 大日向幸江 あを 202107
あやす児のあり初虹を窓に嵌め 丸井巴水 京鹿子 202107
虹の根よ雲の支へのあればこそ 伊藤希眸 京鹿子 202109
絶え間なく潮吹く岩や虹二重 池谷鹿次 末黒野 202109
土砂降りが止みたちまちの大き虹 谷田貝順子 202109
那智の虹神の懸けたる首飾り 釜田敬司 202109
夫に添ふ水の安曇野虹立てり 笹村政子 六花 202109
夕虹のかかりし旅の淡海かな 笹村政子 六花 202109
写生子の消えたる虹を描きをり 笹村政子 六花 202109
眼裏や虹の彼方に笑みて逝く 今井充子 202109
バックミラー故郷小さく虹の中 澤田英紀 202110
一斉にスマホを向ける二重虹 原光生 202110
湾岸を都心へ虹の伸びゆけり 田丸千種 ホトトギス 202111
虹の根に巨船静かに滑り入る 金光浩彰 202111
黒雲を抑ふるやうや虹の帯 滋野暁 末黒野 202111
虹立つて子はウクレレをくり返す 秋山信行 やぶれ傘 202111
無造作に虹を作りし水遊び 江口九星 202112
海風やバックミラーで拾ふ虹 荒井桂子 ホトトギス 202112
虹に脚人にふるさとありにけり 岩岡中正 ホトトギス 202112
虹立ちていよいよ小さき我となる 岩岡中正 ホトトギス 202112
詩といふ心の虹を架けんとす 岩岡中正 ホトトギス 202112
疫病禍の街へやさしく二重虹 石黒興平 末黒野 202112
朝虹やビルに半分かくされて 平野秀子 末黒野 202112
ヘッドホンはづしてしばし夕の虹 小泉量香 やぶれ傘 202112
バックミラー故郷小さく虹の中 澤田英紀 202201
杏の精釜にちりばむ虹の跡 岸本順子 京鹿子 202201
白墨の虹は七色卒業す 佐俣まさを 春燈 202206
渡らむと寄るや遠のく虹の橋 篠原幸子 春燈 202208
虹二重かかれり虚子に相聞歌 田中佐知子 風土 202208
夕虹を皇女と重ね草津宿 鈴鹿呂仁 京鹿子 202208
梅雨の虹手垢のつかぬ言葉欲る 山中志津子 京鹿子 202209
二重虹苦楽笑うて受け流す 西村白杼 京鹿子 202209
虹の脚生活犇めく街に立つ 峰崎成規 202209
子らはしやぐ蛇口に小さき虹の出て 倉澤節子 やぶれ傘 202210
乗継ぎの地方空港虹二重 河田水尾 春燈 202210
夕虹の片足海にとどきけり 小林共代 風土 202210
虹立つや風呂敷ひとつ転棟す 和田照海 京鹿子 202210
虹消えてひとりひとりに詩の言葉 藤井啓子 ホトトギス 202211
束の間の湖の晴虹の橋 森清堯 末黒野 202211
廃村や谷に根を置く虹の橋 太田良一 末黒野 202211
浄土への光の橋か朝の虹 鈴木英雄 末黒野 202211
北山の虹は片虹北の窓 梶野興三 京鹿子 202211
せめぎあふ大きな雲と太き虹 横井遥 202211
師の墓を覆ふ松が枝虹立てり 山崎正子 202211
妻の忌や烏丸口に虹の立つ 北川博司 202211
夕虹や一本残る母の帯 大西乃子 202212
墓参りの閻魔堂前二重虹 眞田忠雄 やぶれ傘 202302
虹立つやある日遺品となる句帳 井上菜摘子 京鹿子 202305
虹→1

 

2023年7月15日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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