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いづくにも虹のかけらを拾ひ得ず    山口誓子

 時雨虹 冬の虹 秋の虹 二重虹 虹の橋 虹の根 春の虹

作品
作者
掲載誌
掲載年月
天網や虹半分の残りゐて 竹内悦子 200611
山の上の虹に登らむ雲の湧く 杉本薬王子 風土 200611
虹の字の虫偏の意の如何にかや 大橋敦子 雨月 200611
虹の輪をくぐり夕刊届きたる 真保喜代子 200611
虹立ちぬひたむきといふ眩しさに 涌羅由美 ホトトギス 200612
かなしめば空また虹をかかげけり 岩岡中正 ホトトギス 200612
フィヨルドの巖眩しく虹見せて 中里カヨ 酸漿 200612
華厳滝とどろく裾に虹現るる 木暮剛平 万象 200701
夕虹の帯はニンフの森が曳く 山元志津香 八千草 200701
朝虹や故師の祝意と疑はず 藤浦昭代 ホトトギス 200702
虹立ちてたちまち色の束となる 鷹羽狩行 200706
田の神の虹を渡りて来たりけり 近藤公子 200706
青空も虹を彩るものとして 稲畑汀子 ホトトギス 200707
虹立ちてゐしこと知らぬ人もゐて 稲畑汀子 ホトトギス 200707
大げさに虹立ちゐしを告げに来し 稲畑汀子 ホトトギス 200707
運転のバックミラーにとらふ虹 稲畑汀子 ホトトギス 200707
夕虹といふすぐ消えてしまふもの 稲畑汀子 ホトトギス 200707
見つづけてをらねば虹の消えさうに 稲畑汀子 ホトトギス 200707
片寄せてゐる虹の空ありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200707
半分の虹全景へ至りけり 稲畑汀子 ホトトギス 200707
運転の視界に入り来たる虹 稲畑汀子 ホトトギス 200707
片虹の未完の空へ離陸せり 北川英子 200707
初虹や森の館に天使来る 土岐明子 遠嶺 200707
こぼれくる波の端より虹立ちぬ 吉野のぶ子 遠嶺 200708
朝の虹ニコライ堂をまたぎたる 三枝正子 万象 200708
虹消えて日照雨はげしくなるばかり 長沼三津夫 200708
いま虹の真下にゐると知らさるる 戸栗末廣 火星 200709
虹に乗り風にのりたるかの痛み 山崎靖子 200709
検査さる眼がとらふうすき虹 竹下昌子 200709
残影に尚立ちつくす峡の虹 高橋照子 雨月 200709
片脚の葦原に消え梅雨の虹 乗光雅子 雨月 200709
パレットの翼を虹へひらきたる 林昭太郎 200709
真イルカの跳びて求愛虹立てり 中田みなみ 200709
虹消えて連山湖と藍きそふ 薮脇晴美 馬醉木 200709
三毳嶺を丸ごと虹の輪の中に 駒形祐右子 万象 200710
夕虹に明日も晴るると浜を去る 高橋峰村 200710
幅広の虹顕れし相模灘 小島みつ代 200710
虹立たせ里山窓に近づけり 東野太美子 ホトトギス 200711
黙契のごと雲海に虹沈む 高久清美 200711
なけなしの財をなげうち虹を買ふ 土井田晩聖 万事 200711
振り向けば信濃の田圃虹立ちぬ 星輝子 遠嶺 200711
メキシコとの国境超えて虹かかる 伊吹之博 京鹿子 200711
虹見た日クレヨン好きの子に電話 伊吹之博 京鹿子 200711
虹消えてふと夕風のみほとりに 長山あや ホトトギス 200712
まだ言葉もたざる嬰に虹高し 岩岡中正 ホトトギス 200801
氷河を跨ぐ虹のひととき濃かりけり 吉原田鶴子 万象 200803
初虹に高階の句座ひと休み 品川鈴子 ぐろっけ 200803
眞晝の丘に描くメルヘン虹の門 新関一杜 京鹿子 200806
はらはらと虹の後方にニューギニア 谷山花猿 頂点 200806
虹消えしあとの棒立ち師の訃報 柴崎英子 絹の波 200806
目を上げて正面の虹見とどけぬ 稲畑汀子 ホトトギス 200807
虹を見る日々の忙しさかこちつつ 稲畑汀子 ホトトギス 200807
正面に立てば隠るる虹の脚 稲畑汀子 ホトトギス 200807
虹消えて旅も遥かとなりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200807
条件の揃ひたるより虹探す 稲畑汀子 ホトトギス 200807
虹消えて残像のなほある如く 稲畑汀子 ホトトギス 200807
目を上げて虹の方角正しけり 稲畑汀子 ホトトギス 200807
平かな丘に虹立つ夏きざし 鈴木勢津子 200807
傘のごとく枝はる樹々や昼の虹 黒須洋子 遠嶺 200808
一本の白き川ゆえ虹立てる 天野きく江 200808
弔ひの人くちぐちに虹称ふ 定梶じょう あを 200808
虹明り唐の渡来の木彫椅子 石田克子 馬醉木 200809
虹立ちて晩鐘ひびく外海町 山田ひさし 馬醉木 200809
遠つ嶺に虹かかりたる記念祭 遠藤和彦 遠嶺 200809
たまゆらの風織りなすや虹の帯 後藤眞由美 春燈 200809
片脚の虹立つ新宿都庁前 柿沼盟子 風土 200809
虹立てりけふの名残りをさそふかに 豊田都峰 京鹿子 200809
ペンギンの撮られ上手や虹入れて 前川ユキ子 200810
草を食む虹の中なる羊かな 岩月優美子 200810
虹立ちて啼き合ふ山羊の親子かな 田巻和子 遠嶺 200810
虹の弧の端をしつかと雲の石 布川直幸 200810
夕虹やブラジルよりの風来坊 伊吹之博 京鹿子 200810
子を呼びに出て美しき虹に会ふ 波田美智子 火星 200810
夕虹や秩父連山ずぶ濡れに 藤原冬人 火星 200810
ファミリーの歯ブラシ多彩朝の虹 木田益穂 風土 200810
虹の輪をくぐり来るみな善人なり 村越化石 200810
虹立つや白寿の句碑の今除幕 浅井青陽子 ホトトギス 200811
大夕虹江田島の上で消えにけり 四條進 200811
朝の虹針葉樹林まだ覚めず 西村梛子 馬醉木 200811
夕虹や雨滴の残るバスの窓 浅野恵美子 酸漿 200811
高階の窓に直立虹の足 来海雅子 200811
円虹や寒山拾得笑ひをり 中島陽華 200812
虹立つや神殿跡の深谷に 三好かほる 万象 200812
はしがきに虹の懸りし美濃の城 長田等 200901
虹の輪に神見るまでの不眠症 松田都青 京鹿子 200901
虹立つと綾子呼ぶこえ風木舎 斉藤敬子 火星 200904
透きとほる色を束ねて虹懸かる 鷹羽狩行 200906
郷はよしねぎごと叶ふ瀧の虹 禰寝瓶史 京鹿子 200906
虹立てり都心のビルを低くして 稲畑廣太郎 ホトトギス 200907
夕虹の立てばあなたと会へさうな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200907
夕虹を突き抜けてゆく蝦夷の旅 稲畑廣太郎 ホトトギス 200907
夕虹の色を数へし冠の下 安本恵子 200908
朝虹にいちばん遠い人と居る 小形さとる 200908
ケータイで誰に知らせん夕虹を 後藤とみ子 ぐろっけ 200908
空と海つなぐ夕虹やはらかし 中村恭子 200908
虹に弦あるやに女神奏でけり 平野加代子 春燈 200908
夕虹や句会帰りの橋の上 中村クミ子 遠嶺 200909
夕虹に父母の山河を重ねけり 川上成弥 遠嶺 200909
人寰や虹消ゆるまで見つくせり 水野恒彦 200909
下駄履き機虹を目指して飛び立てり 廖運藩 春燈 200909
夕虹の縁まで母の車椅子 近藤敏子 200909
虹の輪の中に浮びし家路かな 半澤正子 馬醉木 200910
虹立つや明日の音するランドセル 寺内信 遠嶺 200910
たまさかに虹を見てゐる窓の椅子 木村眞樹子 遠嶺 200910
武蔵野の夕べ寄り添ふ二重虹 上原重一 200910
国道の真正面に虹を追ふ 中谷葉留 風土 200910
夕虹はや湯上りの吾に消えてなし 小林清之介 風土 200910
半円の夕虹を見き子のくる日 三代川玲子 春燈 200910
クリムトや虹きりきりと川跨ぐ 大島翠木 200910
虹の根に魚が飛ぶよ草田男忌 雨村敏子 200910
囀を音の虹とも思ひけり 渡部節郎 転舵の渦 200911
町ひとつ洗ひつくして虹立てり 井上浩一郎 ホトトギス 200911
消ゆるため虹美しき双体神 神蔵器 風土 200911
虹消えてそのまま残る空の張り 宮川みね子 風土 200911
雨雲をよぎりて谷へ架かる虹 久永つう 六花 200911
野仏に虹の大きく残りけり 五領田幸子 馬醉木 200912
夕暮れの荒川に虹立ちにけり 廣瀬雅男 やぶれ傘 200912
空港の虹に到着便を待つ 大久保白村 ホトトギス 201001
かすがより朝の虹立つ東大寺 狭川青史 馬醉木 201001
娶る日にガラス細工の様な虹 松田都青 京鹿子 201001
円虹や草木も吾も影絵なる 淺井照子 京鹿子 201001
円虹を渡り巨星となり賜ふ 三宅久美子 ホトトギス 201006
論と句と携へてをり虹へ発つ 能村研三 201006
かすれ虹慕ひて零る沙羅の花 品川鈴子 ぐろっけ 201006
スプリンクラー追いかけていた虹は消え 阿部知代 201007
虹立ちて虚子と愛子はあの辺り 稲畑廣太郎 ホトトギス 201007
物語生れて虹の消えにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201007
虹 →6      

 

2021年7月14日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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