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虹の中を人歩きくる青田かな    松本たかし

 時雨虹 冬の虹 秋の虹 二重虹 虹の橋 虹の根 春の虹

作品
作者
掲載誌
掲載年月
イグアスの滝の虹生みオーロラめく 二宮きみ枝 200409
虹仰ぐ間もFAXの途切なし 岡本眸 200409
虹渡るエホバの孤独人知らず 東亜未 あを 200409
虹消えて女ひとりの夜となる 尾堂Y 河鹿 200410
半円の虹開聞岳にかかりけり 中元英雄 河鹿 200410
我知らず踏み込みゐたる虹の端 天野きく江 200410
西方へなびく豆の葉喜雨の虹 小宮山勇 遠嶺 200410
噴水の虹のアーチや美術館 布施まさ子 風土 200410
朝虹や川上に師の住まはるる 林裕子 風土 200410
夕虹に祈り短く患者食 江崎成則 栴檀 200410
まねぶ嬰雄々しき虹の立ちにけり 今瀬一博 200410
波しぶき上ぐる船片や虹立てり 小嶋洋子 200410
夫と居る今を大事に梅雨の虹 長澤健子 酸漿 200410
夕虹の大きく町を跨ぎけり 長谷川通子 雲の峰 200410
柏翠も愛子も虹のかなたかな 室伏みどり 雨月 200410
ピアニシモの終曲めきて虹消ゆる 田中英子 200410
滝壷の湧きたつ波に虹生る 石田章子 200410
葬終へて土砂降りの雨に虹生まる 竹内美智代 酸漿 200411
かき氷琵琶湖に虹のかかりけり 沖増修治 百鳥 200411
夕虹の原発蔵す湾跨ぐ 間島あきら 風土 200411
もう少しも少し遠くに夏の虹 林裕美子 六花 200411
一瞬を峰より海へ梅雨の虹 丸田安子 酸漿 200412
虹の輪へ三たび潜きし鳰 丸山照子 火星 200503
智恵薄き子も神の子や虹拝む 成瀬櫻桃子 春燈 200504
両岸へかかる朝虹妓王の忌 大島翠木 200505
弧を描かぬ布哇の虹の日に幾度 梅村五月 栴檀 200506
消えし虹なほ一塊の雲を置く 稲畑汀子 ホトトギス 200507
虹を見し心の底に消えぬもの 稲畑汀子 ホトトギス 200507
その辺りはつきり虹といへぬほど 稲畑汀子 ホトトギス 200507
虹の脚湖に沈めてをりしかな 稲畑汀子 ホトトギス 200507
虹消えて汐騒の音よみがへる 柳生千枝子 火星 200507
大粒の雨垂が落ち虹立ちぬ 斎藤道子 馬醉木 200508
空と海室戸の虹の濃き日なり 中野京子 200508
虹立ちてフラスコの水沸騰す 杉浦典子 火星 200508
夕虹や石炉ふたたびくすぶれる 浜口高子 火星 200508
虹の端掴みて赤子泣きゐたり 河口仁志 200508
夕虹を吸ひし綿菓子買ひにけり 吉村一郎 百鳥 200508
虹かかる棚田の水は満々と 高木武人 百鳥 200508
ひとつこと考へをりて虹あはし 定梶じょう あを 200508
虹生んでつぶやきやめぬ田螺たち 渡邉友七 あを 200508
完璧や土曜の帰路に虹かかり 寺門丈明 あを 200508
讃美歌に被爆の空の虹消えず 苑田ひろまさ 200509
影絵なす岳の彼方の虹浄土 澤田緑生 馬醉木 200509
島むすぶ虹の輪くぐる帰帆かな 新田巣鳩 馬醉木 200509
喜雨の虹立ちて架橋の島と島 石本百合子 馬醉木 200509
一舟を待つときめきや朝の虹 橋本良子 遠嶺 200509
虹立つやバスのこれより行くところ 山田美恵子 火星 200509
ふるさとの虹地面にも映るかな 今瀬剛一 対岸 200509
瀬戸の海ひと跨ぎして虹たてり 岩林勇雄 築港 200509
南溟の虹はまつすぐ立つと知れ 佐藤喜孝 あを 200509
海虹や老マドロスと無言にて 泉田秋硯 200510
夕虹や渡舟ななめに遠ざかる 金川眞里子 百鳥 200510
虹消えて風船かづらほどの悔 木戸渥子 京鹿子 200510
かにかくに虹の大橋わたりきる 伊藤希眸 京鹿子 200510
リムジン洗ふホース捻ぢれて虹立てり 小田元 六花 200510
岩奔る水の飛沫に虹現る 山田圓子 築港 200510
虹に音あらばハープの流し弾き 千坂美津恵 200511
くつきりとわが夕空に虹立てり 今井千鶴子 ホトトギス 200511
六月の虹よ遊子のたよりとも 今井千鶴子 ホトトギス 200511
人悼み虹消ゆるまで見てゐたり 遠藤三鈴 栴檀 200511
医王山はるかに虹の欠けそめし 山田耕子 京鹿子 200511
夕虹や卓袱台にのる畳鰯 吉弘恭子 あを 200511
かくれんぼみんな出て来て虹仰ぐ 長山あや ホトトギス 200512
朝虹につばさ連ねて鷺の群 細谷とく子 栴檀 200512
短命の虹へ農夫ら掌を合はす 渡邉友七 あを 200512
虹懸かり乾坤しばし結ばれし 松村響子 四葩 200601
夕虹やかりゝと噛みし青林檎 瀧春一 常念 200606
虹の尾に落葉松昏くたたなはり 瀧春一 常念 200606
虹消えしところに星のとどろける 八田木枯 晩紅 200606
虹に触れきしひとひらの葉書かな 宮澤さくら 遠嶺 200606
落葉松や虹のかけらの白く褪せ 瀧春一 瓦礫 200606
虹架けし草木の歓呼音もなし 瀧春一 瓦礫 200606
虹の空離りつつ鞄米を秘む 瀧春一 瓦礫 200606
この空のどこかに虹の立つべかり 稲畑汀子 ホトトギス 200607
三瓶野に虹の条件ととのひし 稲畑汀子 ホトトギス 200607
虹立ちて旅立ち前の吉となす 安永圭子 風土 200608
知らぬこと多くて虹を渡り得ず 風間史子 200608
もう一度手を洗つてから虹に触る 松田都青 京鹿子 200608
強き雨去りたり確と虹たたせ 宮津昭彦 200608
虹二日つづけて見たること記す 宮津昭彦 200608
善知識となり給ひけむ虹かけて 大橋敦子 雨月 200608
夕虹の端より舟の現れにけり 環順子 夢帽子 200608
虹見しと言ふ幸せを分ちあひ 堀内一郎 あを 200608
虹消えていづれの木々も濡れ色に 岡田和子 馬醉木 200609
小諸なる古城にかかり虹の端 宮入河童 200609
嫁入りの狐は見えず虹かかる 鷹羽狩行 200609
虹消えてピエロは涙ふきにけり 一ノ瀬次郎 春燈 200609
陰神の杜に消えたる夕の虹 大島翠木 200609
飛沫たつ舳先に虹の生まれけり 平田裕子 遠嶺 200609
片虹や今降りて来し坂の上 林翔 200609
片脚を皇居に入れて虹太し 上谷昌憲 200609
通り雨美しき虹置きて過ぐ 後條さと子 200610
うつろからうつつへと虹かかりたる 高橋将夫 200610
虹消えて子の声透る河川敷 加藤美代子 万象 200610
虹消えし沖を遠目の観音像 佐々木恭子 遠嶺 200610
夕虹は束の間若き師を悼む 水谷芳子 雨月 200610
虹仰ぎ詮も無きことまた思ふ 萩谷幸子 雨月 200610
ゆくりなく虹つれてくる日照雨かな 川崎光一郎 京鹿子 200610
電工夫空の高さで虹を見る 合川月林子 ぐろっけ 200610
赤とんぼ渓に生れて虹映ゆる 竹下幸子 火星 200611
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2021年7月13日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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