満 月 1         303

満月を男が担ぎ来しごとく    和田耕三郎

名月  明月 満月 月今宵

良夜 望月 小望月 雨月

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書他
村出でず村の満月より知らず 保坂加津夫 自在抄 199600  
高階に美食の夫と雨満月 丸山佳子 京鹿子 199810  
満月に行きあたりをる汀かな 岡井省二 199811  
満月の嶺を離るる草子かな 深澤鱶 火星 199901  
満月をぶら下げてあり村芝居 川野紀代子 199901  
満月のうしろに恋をかくしけり 松山律子 船団 199902  
おかえりは満月そこにあるごとく 田中俊弥 船団 199903  
満月の木の腕大き人恋し 今城知子 船団 199903  
満月に蹴上げし鞠にある凹み 丸山海道 京鹿子 199906  
白し満月びょうびょうと我狂いたし 田中空音 海程 199909  
満月の木立の闇のうごきをる 岡井省二 199912  
満月へ己れの息をととのふる 松島不二夫 199912  
開いてゐる満月の窓恋遊び 鈴鹿百合子 京鹿子 200001  
乳含む嬰に満月渡るなり 高橋芳子 火星 200002  
満月のこんなに澄んでる命かな 河野志保 海程 200002  
満月や凪の入江の舟筏 川口襄 遠嶺 200002  
満月に驚く数へ日に入りて 宮津昭彦 200002  
誘うはブルーグレイの満月よ 尾上有紀子 わがまま 200002  
満月や子宮が痺れるほどの夜 尾上有紀子 わがまま 200002  
夜神楽に満月高くかかげけり 松崎鉄之介 200003  
満月を垂れ下がる紐引いてみる 三宅やよい 玩具帳 200004  
満月に骨鳴らしゆくほきほきと 三宅やよい 玩具帳 200004  
満月へ階段あがれば樹のにおい 三宅やよい 玩具帳 200004  
満月を指鉄砲で狙い撃つ 三宅やよい 玩具帳 200004  
満月や筋肉がふと緩むとき 三宅やよい 玩具帳 200004  
満月の蝕まれゆくキャンプの火 石本秋翠 馬醉木 200010  
満月の真夜中母はおしっこに 中原幸子 遠くの山 200010  
満月の南中したる曼陀羅華 岡井省三 200012  
雲こめて今日満月の薄あかり 林翔 200012  
満月の樫に獣の匂ひあり 小山森生 200101  
手術待つ妻に海上の満月 金子兜太 海程 200101  
満月や土手の窪みを透視せり 阿辺一葉 海程 200101  
満月のかけらは雨滴一炊の夢 阿辺一葉 海程 200101  
風狂のそも満月にふれしより 武田菜美 銀化 200101  
「こんばんは」満月だからごあいさつ 稲用飛燕 船団 200102  
満月や恋待ち顔の猫に遭ふ 花島陽子 遠嶺 200105  
満月に酒船石の傾ぎあり 岡井省二 200106  
昇りくる満月明日は仏生会 松崎鉄之介 200106  
酒呑むは逃げなり満月に鶏と遊び 吉田さかえ 海程 200107  
満月を黄金分割して君に 木戸渥子 京鹿子 200110  
夕陽撮りえっうしろには満月も 倉本マキ 船団 200111  
生れし雲みな満月をかすめゆく 岡田万壽美 雲の峰 200112  
満月の畳に犬と卓一つ 柴田久子 風土 200112  
満月に葬花供ふるごとくなり 野澤あき 火星 200112  
満月の波のきららや安乗木偶 木下玉葉子 酸漿 200112  
満月に打ち出てみむと町流し 小澤克己 遠嶺 200112  
丸窓と紛ふ満月ビル狭間 浜田南風 200201  
しなやかに猫満月を跳び越せり 田中武彦 六花 200201  
満月に繋がれてゐる孤舟かな 川口襄 遠嶺 200201  
満月にかけし明日の旅衣 佐藤康子 遠嶺 200201  
満月の届かぬ闇のありにけり 高梨美佐子 遠嶺 200201  
満月や赤信号の空にあり 滝本香世 百鳥 200202  
満月のその腰つきのただならず 貝森光大 六花 200202  
自転車をこげば満月舞ひ初めぬ 桜井ともや 六花 200202  
ボレロ聴く雨上がりの満月よ 尾上有紀子 船団 200202  
満月の遊び放題大水田 泉田秋硯 200208  
満月に白く照され訃の知らせ 早崎泰江 あを 200211  
満月へ麻痺免れし手をかざす 村上光子 馬醉木 200212  
大事成し終へ満月の遠嶺道 小澤克己 遠嶺 200212  
満月に呼ばれ眠りの覚めにけり 土岐明子 遠嶺 200212  
満月と一人行く夜の凍土かな 孝子・フォン・ツェルセン 円虹 200305  
満月や祖母に習ひし子守唄 高倉恵美子 200305  
満月に雲の高波しぶきかな 神蔵器 風土 200311  
満月の直下を横切る飛行灯 笠嶋陽子 築港 200311  
満月の降りてきさうな城址かな 川村政枝 築港 200311  
満月や飾包丁入れてをり 栗栖恵通子 200311  
満月や電柱も木も黒き線 三井孝子 六花 200312  
満月の革靴磨く男かな 射場智也 六花 200312  
満月を猫と見てゐる留守届かな 高倉恵美子 200312  
家中の灯を消してみる満月 松山律子 六花 200410  
満月や鯨のおよぐ星に棲み 中尾公彦 200411  
満月のイソツプ橋をたもとほる 神蔵器 風土 200411  
満月の引力に浮く遠嶺かな 栗原公子 200412  
満月の湖上影絵の舞踏会 小澤克己 遠嶺 200412  
満月や窓に寄りくる鬼女の面 岩渕彰 遠嶺 200412  
満月の更地になつてをりにけり 中野京子 200412  
満月を一匙掬つてみたきかな 鈴木綾子 百鳥 200412  
満月やこちら向きたる弓狭間 中田みなみ 200412  
落葉松の秀に満月の白きかな 秀島みよ子 栴檀 200501  
熊逃げし森に満月冴えにけり 大串章 百鳥 200501  
満月が昇る鳥獣戯画の山 笠間圭子 京鹿子 200501  
満月や菩薩の腹に水が鳴り 笠間圭子 京鹿子 200501  
満月を膝にころがす露天風呂 あさなが捷 200502  
満月を波が称へて熊野灘 鷹羽狩行 200508

塚月凡太句集

『青熊野』序句

昇り来る巨き満月我を呑む 田代風子 四葩 200512  
雨止みて森の満月濡れて出づ 吉原一暁 200512  
満月の百のダチュラの影なりき 中野京子 200512  
満月へまつすぐ翼灯の点滅 宇垣みきえ 200512  
満月の大潮の渦高かりき 近藤豊子 雨月 200512  
満月の水舞台にて「ムーンリバー」 水野範子 ぐろっけ 200512  
満月や琴の音ひびく三渓園 山本久美子 ぐろっけ 200512  
逃げ隠れせぬ満月でありにけり 鹿野佳子 200512  
満月の道灌山や火の用心 中島陽華 200601  
満月や横顔少し大人びて 平田倫子 百鳥 200601  
のぼりきつたる満月のゆらぎなし 吉田陽代 200601  
太鼓台満月へ挙げ鬨の声 村上和子 ぐろっけ 200601  
南座の跳ねて満月ほしいまま 中川美代子 ぐろっけ 200601  
満月の懐にある大東京 浅利恵子 ホトトギス 200602  
満月や羽田空港小さく見ゆ 浅利恵子 ホトトギス 200602  
外つ国に住む子想いつ見る満月 真木早苗 八千草 200604  
満月の落ちてきさうな露天風呂 秋千晴 200604  
高原の満月テラスに酒の樽 東亜未 あを 200610  
胃薬を飲み満月を探しに行く 田中藤穂 あを 200611  
ことはりもなく満月のついてくる 大川ゆかり 200611  
満月を来るあをがねの麒麟かな 栗栖恵通子 200612  
満月の皓々追悼句会の夜 大橋晄 雨月 200612  
満月を砕いて汲みぬ長柄杓 木内美保子 六甲 200612  
満月をつかまん両手差し伸べる わかやぎすずめ 六甲 200612  
無口なる子が満月を告げに来る 平居澪子 六甲 200612  
満月や影引きずりて猫がゆく 田代貞枝 200612  
満月や五代同堂の四合院 廖運藩 春燈 200701  
消灯の窓に満月入れにけり 苑実耶 200701  
満月へ今年の鬼をやらひけり 藤井昌治 200704  
抱合の神満月のさくらかな 大島翠木 200705  
満月の抽斗にある母子手帳 竹貫示虹 京鹿子 200709  
満月にあかんぼ泣いてしまひけり ことり 六花 200710  
満月に期す心あり職退きて 富川明子 200711  
満月やこの世の有様不透明 芝宮須磨子 あを 200711  
満月に背をおされ行く句会場 芝宮須磨子 あを 200711  
雲に入る大満月の休み刻 泉田秋硯 200712  
墓きめて満月高くありにける 中野京子 200712  
浦風の静かに満月上りたる 鴨下昭 200712  
満月を連れながながと貨車通る 小城綾子 200712  
満月の稲架父の国母の国 有働亨 馬醉木 200712  
満月や巨漢テノールみまかりぬ 片山タケ子 200712  
戸口までにこにこ満月ついて来る 森岡正作 200712  
病室を出て満月の下帰る 藤井昌治 200712  
満月をそびらに嶺の出帆す 戸村よねこ 遠嶺 200801  
満月に彷徨したる白鼻心 金子慶子 遠嶺 200801  
満月を浴びてカフカの夢を見る 津田礼乃 遠嶺 200801  
満月を連れて湖上の二人かな 佐藤康子 遠嶺 200801  
満月を掬ふてのひら露天風呂 中山静枝 200801  
水玲瓏と満月の夜を流れけり 白数康弘 火星 200801  
安閑として満月を待つ孤り 柳生千枝子 火星 200801  
更けてよりいよよ満月金色に 柳生千枝子 火星 200801  
満月の村出て水の冥さかな 外川玲子 風土 200801  
淡海を蹴つて満月伊吹嶺へ 千田敬 200801 淡海
満月はなんとかなつて行くかたち 倉持梨恵 200801  
満月の帰路はゆつくりペダル踏む 岡本幸枝 ぐろっけ 200801  
満月へ立ち登りゆく草樹の香 真保喜代子 200801  
満月や椎間板にふと浮力 七種年男 200802  
ことわりもなく満月のついてくる 大川ゆかり 炎帝 200804  
満月や祖母に夜更かし叱らるる 森山美紀 200805  
満月を見上げ思はず手を合はす 森山のりこ あを 200112  
尾を持てる鳥よ獣よ満月ぞ 山田六甲 六花 200810  
日没の前に満月昇りたる 秋千晴 200811  
満月やマーブル柄の雲流れ 宮田香 200812  
満月のいびつにおはす千曲川 薗田英治 遠嶺 200812  
満月の潮寄せ来る鳥居かな 新井田晃 遠嶺 200901  
満月に解かれし歩み交叉点 丹間美智子 炎環 200901  
満月や大人もすなる鬼ごつこ 辻直美 200901  
満月の右手に大仏殿の鴟尾 中村洋子 風土 200901  
満月を見上げ思はず手を合はす 森山のりこ あを 200112  
満月のミシミシと来る重さかな 中島玉五郎 200911  
満月の海へ自転車ふたり乗り 一ノ木文子 炎環 200912  
満月や通夜の甍の影深し 稲見寛子 炎環 200912  
満月やこんこんと眠る人の顔 加藤みき 200912  
満月を抱へて卑弥乎やつて来る 栗栖恵通子 200912  
満月やおとぎの国の笛の音 林友次郎 遠嶺 200912  
満月の現れ刈りたての田が匂ふ 辻直美 200912  
満月や火災報知器つく新居 辻直美 200912  
満月の球形ときにおそろしき 辻美奈子 200912  
満月を抛り上げたる山毛欅林 柴田良二 雨月 200912  
釣り人ら暁の満月気づかざる 佐方敏明 ぐろっけ 200912  
満月の天へ孤高や杉の鉾 浅野恵美子 酸漿 200912  
満月も流るる雲も輝ける 伊藤克子 酸漿 200912  
満月が雨戸閉ぢるをこばみをり 早崎泰江 あを 200912  
満月の出にほの白き三上山 増田一代 201001  
湯煙の中の満月露天風呂 林和子 201001  
満月は母の微笑み一夜恋 白髭美佐子 201001  
法悦とせり満月のひかり浴び 川口襄 遠嶺 201001  
満月の降りてきさうな路地に立つ 八木久江 馬醉木 201001  
満月に溺るるごとく坐してをり 半澤正子 馬醉木 201001  
見送つてくる子満月指差せり 太田慶子 春燈 201001  
満月を隠して雲の薄明り 有村キミ子 酸漿 201001  
満月の明りを部屋に通しけり 廣瀬雅男 やぶれ傘 201001  
満月の出に暇ある風岬 川口襄 遠嶺 201002  
うすがみのやうな満月明けの空 有賀昌子 やぶれ傘 201002  
日没の前に満月昇りゐる 秋千晴 201002  
満月の子供部屋より灯が洩るる 中村恭子 201003  
陣痛襲ふ満月の近づけり 中島玉五郎 201010  
半鐘は満月を得てぶら下がる 定梶じょう あを 201011  
雲間より満月ひそと暈を被て 横田矩子 201012  
満月の窮屈さうなビル狭間 古屋元 201012  
満月のひかり切りとる屋根の影 沼田桂子 春燈 201012  
満月に上りつめたる観覧車 浅田光代 風土 201012  
満月の山へ傾く根釣り舟 戸栗末廣 火星 201012  
満月や妻の消えゆく試着室 濱上こういち 201101  
満月や吃水深き油送船 重田修 末黒野 201101  
太鼓打ち満月を打つ男かな 古屋元 201101  
満月や見られ聞かれているような 下平誠子 ろんど 201101  
満月に線路枕木替える音 大西ユリ子 ぐろっけ 201102  
満月をぐいと押し上げ鬼瓦 小林千草 馬醉木 201110  
生命産む潮の干満月の技 山崎真義 201111  
満月の横を一筋飛行雲 堀田清江 雨月 201111  
満月に逃げも隠れもできぬ峡 松岡和子 201112  
煌々と照らす満月胸に抱く 池田光子 201112  
満月に小さく吐息止めにけり 椿和枝 201112  
庭園灯消し満月に包まれる 前田玲子 ぐろっけ 201112  
満月や逆さに立てて竹箒 池田光子 風土 201112  
満月を一人占めして石の上 近藤公子 201112  
満月や蓮華の舟に小籠包 栗栖恵通子 201201  
満月やルソーの森へ水汲みに 小形さとる 201201  
満月や鬼には鬼の女房ゐて 柴田佐知子 201201  
家の灯を消して満月入れにけり 秋千晴 201201  
満月の湖畔のカヌー五人組 陽山道子 船団 201201  
乱視も可満月二つ並ぶ見ゆ 丹生をだまき 京鹿子 201201  
満月や心やさしく酌みかはす 東秋茄子 京鹿子 201201  
満月に向きあひて橋渡りけり 瀬島洒望 やぶれ傘 201201  
音消して満月の声聴きにけり 中田禎子 201202  
満月やいつそ獣になりて野へ 栗原京子 201202  
満月や母のうしろで泣きたる日 高倉和子 夜のプール 201203  
一満月一晦澁の一凡夫 川井秀夫 万華鏡 201206  
満月や竹灯籠の林立す 神蔵器 風土 201210 大宮八幡宮
満月と一緒に闇の中にをる 高橋将夫 201211  
満月の影ひきゐたる蟹満寺 石脇みはる 201211  
通夜の家満月ゆくりなく懸かり 定梶じょう あを 201211  
満月の後シテ正座つかまつる 栗栖恵通子 201211  
寝やの窓開けて満月後光さす 長谷川としゑ ぐろっけ 201212  
黎明の満月白く透けてをり 栗原公子 201212  
満月を祝ぎけり角燈ランタン万と吊り 伊藤純子 201301  
満月を真上に雨後の海鼠壁 藤井美晴 やぶれ傘 201301  
うさぎ抱く満月真上代官山 本郷宗祥 かさね 201301  
満月や鉄の香匂ふ露天風呂 和田勝信 かさね 201301  
満月の喘いで上る大都会 関根揺華 201301  
満月や庭にもののけゐる気配 木村信 201301  
満月と気付けり露天湯に浸り 伊庭玲子 201302  
一考の書が満月に呼応せり 田中貞雄 ろんど 201310  
中天の満月目指しヘリコプター 青木英林 かさね 201311  
満月や好きな言葉に朱線引く 遠山のり子 201311  
満月はバニラ味かな帰り道 鈴木江奈 201311  
満月の落ちればきっと弾みけり 吉田希望 201311  
満月の方より風の吹き来たる きくちきみえ やぶれ傘 201311  
煌煌と照る満月や土手の怪 吉田博行 かさね 201312  
満月や北半球に住み慣れて 望月晴美 201312  
満月や顎の奥なるほくろ見ゆ 石坂比呂子 ろんど 201312  
満月の嘘いつはりのなきひかり 望月晴美 201312  
満月のとろりと蜜のひかりかな 内山花葉 201312  
満月のこれ程近し二月堂 国包澄子 201312  
満月に空のととのふ大都会 黒澤登美枝 201312  
黄金の大満月やひがし空 山本孝夫 201312  
叡山を離れ満月光増す 坂根宏子 201312  
校庭の部活静まり満月出ず 居内真澄 ぐろっけ 201312  
中天に掲げ満月翳りなく 三川美代子 201401  
真ほろばや満月あげて岩屏風 舩山東子 ろんど 201401  
満月の浜にルシアンウルフ立つ 井上加世子 ぐろっけ 201401  
満月を愛でに集まる露天風呂 井上加世子 ぐろっけ 201401  
満月や横顔ばかり過ぐる汽車 柴田志津子 201401  
満月や異次元界の人となり 松本文一郎 六花 201401  
満月は川中に影落としけり 白石正躬 やぶれ傘 201401  
満月のドーヴァー海峡渡りきる 宮路久子 201401  
満月に見透かされたる邪心かな 江島照美 201401  
満月や影絵の鬼が吼えて出る 丸井巴水 京鹿子 201402  
満月を湖心に宿す鳰の海 高橋将夫 201402  
満月や横顔ばかり過ぐる汽車 柴田志津子 201402  
満月の皓皓と照る原子の炉 木曽鈴子 ぐろっけ 201402  
満月やいつそ獣になりて野へ 栗原京子 201405  
満月やまなこ傷つくほど見つめ 布川直幸 201408  
満月の上りきつたる神田川 神蔵器 風土 201411  
満月やをさなに聞かすかぐや姫 藤見佳楠子 201412  
満月の明り吸ひ込む畳の目 田中淺子 201412  
ぐづつきてゐしが満月かかりけり 小川玉泉 末黒野 201412  
蒼白き満月懸り島眠る 小川玉泉 末黒野 201412  
満月に行く末祈る齢かな 小川玉泉 末黒野 201412  
天心の満月雲の皆去りて 新井八重子 末黒野 201412  
満月や素振りバットの音と影 桐島加代子 ろんど 201412  
満月は地球逃れる非常口 甕秀磨 201412  
水甕に満月迫り黙る村 堀内一郎 堀内一郎集 201412  
満月に兎をりしと言ひし子等は 小林輝子 風土 201412  
満月の雫たひらに浦の里 岡野ひろ子 201412  
満月や九十九島の如き雲 田部井幸枝 201501  
満月や舞台裏より能役者 松田明子 201501  
満月やエレベーターで着くわが家 田所節子 201501  
満月の森を離れぬ遠鴉声 岡野里子 末黒野 201501  
満月や今宵の幸をひとりごち 堺昌子 末黒野 201501  
鳥眠る森に満月欠け始む 竹中一花 201501  
満月の波に泳ぐや鯨岩 仙頭宗峰 万象 201501  
満月の空一枚を奪ひけり 竹田ひろ子 ろんど 201501  
満月や舞台裏より能役者 松田明子 201502  
両手もて満月作り外へ誘ふ 白水良子 201502  
電話にて妻満月を語り合ふ 市川伊團次 六花 201502  
満月の照らしだしたる寝釈迦かな 山田春生 万象 201505  
満月のみどり肺腑もみどりなし 大畑善昭 201508  
外野手が満月獲って二軍落ち ねじめ正一 船団 201508  
満月といふほかはなき今宵かな 稲畑汀子 ホトトギス 201509  
満月や幽明の空(くう)に吊られをり 犬塚李里子 201511  
満月や人も神話も抱きゐて 今井充子 201511  
満月の窮屈さうなビルの間 久染康子 201511  
満月や狸囃子のほしい刻 塩貝朱千 京鹿子 201512  
満月を足掻ひてとらん吾がポチは 高野昌代 201512  
満月を赤く花火の揚がりけり 今井春生 201512  
満月を小猫に語りかけながら 辻響子 201512  
満月や光を積みて貨車の過ぐ 竹生田勝次 風土 201512  
満月に考若かりて笑まふ見ゆ 椿和枝 201601  
満月の重さを曳いて晩年へ 鴨下昭 201601  
超満月寄する叢雲おあつらへ 井上石動 あを 201601  
満月に捧げてみたし一行詩 犬塚李里子 201601  
満月や引き込み線に眠る貨車 矢野百合子 201601  
満月の路地いつぱいや立ち疎む 野中圭子 京鹿子 201602  
満月に身の空洞を照らさるる 水野恒彦 201602  
満月が分け隔てなく聖夜かな 須賀敏子 あを 201602 満月 →2
満月の海の中道海の上 伊藤通明 201603 志賀島
満月に一と夜柩む預けおく 柴田佐知子 201603

伊藤通明

先生逝去

 

2019年9月20日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。