小望月          83句

堂守の番茶焙る香や小望月     寺内一砂

名月  明月 満月 月今宵 良夜 望月 小望月 待宵 雨月

作品
作者
掲載誌
掲載年月
小望月よぎる飛行機点滅し 岡野峯代 ぐろっけ 199901
小望月出しほの船の座にありて 能村登四郎 芒種 199911
小望月夜干しのものを取りに出て 服部幸 200002
告告と吾を蝕む小望月 尾上有紀子 わがまま 200002
つやつやと子の髪乾く小望月 湯橋喜美 200011
定刻に遅速などなし小望月 宇都宮滴水 京鹿子 200211
子の旅荷大方成りし小望月 塩谷はつ枝 馬醉木 200212
バスと共にひたすら走る小望月 松崎鉄之介 200212
廃船に潮明りして小望月 山口幸子 200212
念願の島へ発ちけり小望月 高柳かつを 百鳥 200301
大海に小舟が一つ小望月 若生まりあ 遠嶺 200306
薄雲をやうやく抜けし小望月 坂井和子 酸漿 200311
母のなき我に祖母あり小望月 山田孝枝 酸漿 200312
ペンライトでお神籤を読む小望月 牧悦子 200312
母の忌の星ひとつ連れ小望月 土屋酔月 火星 200401
焔星ひたと侍らせ小望月 藤原りくを 八千草 200404
夫の下駄借りて出づるや小望月 千田百里 200412
川岸を微吟する影小望月 内田稔 遠嶺 200501
いまここにわれ生きてあり小望月 伊藤白潮 200510
星一つなき明るさに小望月 阿部ひろし 酸漿 200511
足弱の客を見送る小望月 築城百々平 馬醉木 200512
文机の片付いてゐる小望月 廣畑忠明 火星 200512
陰神の穴を風吹く小望月 須田紅三郎 200609
舫ひあふ船のふね打つ小望月 飛鳥由紀 200612
湯かげんを父に合はせて小望月 田千鶴子 馬醉木 200701
古ギターぼろんと鳴らし小望月 塩路隆子 200712
小望月妣の桐下駄履きて出づ 東野鈴子 雨月 200712
回廊は湖に尽きたり小望月 深澤鱶 火星 200712
小望月誓ひおほきく子の発ちぬ 太田昌子 馬醉木 200812
板橋を高き下駄音小望月 吉田裕志 200812
海坂も空もひと色小望月 柴野静 200812
砂山の亀裂深まる小望月 田村園子 200812
お猪口置きお猪口を持ちて小望月 小林正史 200812
天領村なりし高嶺の小望月 山中志津子 京鹿子 200812
校正の泪目となる小望月 川口襄 遠嶺 200901
今日もまた感謝で暮れて小望月 与川やよい 遠嶺 200901
かたはらに衣ずれのあり小望月 縄文人 炎環 200912
母の衣をいたはり畳む小望月 環順子 遠嶺 201001
講演を済せし帰路の小望月 大橋晄 雨月 201011
お旅所の松亭々と小望月 浜福惠 風土 201012
伝教の仏燈掲ぐ小望月 村井二郎 馬醉木 201101
講演を済せし帰路の小望月 大橋晄 雨月 201011
お旅所の松亭々と小望月 浜福惠 風土 201012
伝教の仏燈掲ぐ小望月 村井二郎 馬醉木 201101
街灯に勝り明るき小望月 大橋晄 雨月 201111
夫恋ふや雲間にじらす小望月 茂木なつ 春燈 201112
小望月明日着る服を吊しおく 河村啓花 ろんど 201112
小望月窓に離陸となる家路 安原葉 ホトトギス 201202
餺飥を甲斐にすするや小望月 小林愛子 辻楽師 201206
マニ族の手踊り真似る小望月 青山正生 201212
たし算へ貸す婆の指小望月 村上千紫 京鹿子 201302
父癒えて母の背まろし小望月 コ田千鶴子 馬醉木 201311
露天湯に先客小望月に暈 土井ゆう子 風土 201312
小望月学僧あまた無言なり 兵泉美 京鹿子 201401
お勝手の窓に飛び込む小望月 兵泉美 京鹿子 201401
おほてらの鴟尾へ皓々小望月 国包澄子 201411
蒼々とただ蒼々と小望月 橋本靖子 201411
薄雲を透け来し光り小望月 齋藤朋子 やぶれ傘 201412
気をもめば形なし来し小望月 山田六甲 六花 201510
太郎冠者のこゑも金色小望月 原田達夫 箱火鉢 201511
激津瀬を羚羊渉る小望月 根岸善雄 馬醉木 201512
中天へ置かれしごとき小望月 森山暁湖 万象 201512
西沼に絵巻のやうな小望月 森屋慶基 風土 201512
小望月にも必衰のありにけり 竹下陶子 ホトトギス 201603
賜ひたる桃にかげさす小望月 岡田和子 馬酔木 201611
どことなくいびつ今宵は小望月 今橋眞理子 ホトトギス 201702
横雲の台座に暈の小望月 岡崎郁子 馬醉木 201801
小望月のいささか伸びる草の丈 高木晶子 京鹿子 201801
手鏡を曇らす吐息小望月 丸井巴水 京鹿子 202002
小望月孫の喃語に和みたる 稲畑廣太郎 ホトトギス 202109
言の葉を覚えゆく孫小望月 稲畑廣太郎 ホトトギス 202109
小望月線香の束解きにけり 佐渡谷秀一 春燈 202112
小望月有為の奥山照らしけり 佐藤忠 春燈 202112
投函を済まし帰りの小望月 土井ゆう子 風土 202112
古みちの葎括られ小望月 赤石梨花 風土 202112
小望月線香の束解きにけり 佐渡谷秀一 春燈 202212
小望月有為の奥山照らしけり 佐藤忠 春燈 202212
やがて夜半雲間かがやく小望月 長崎桂子 あを 202211
小望月不夜城めける海ほたる 谷安喜美子 末黒野 202212
叢雲と遊び疲れし小望月 塩貝朱千 京鹿子 202212

 

2023年9月22日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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