待 宵     112句

待宵や女主に女客   蕪村

待 宵  小望月

作品
作者
掲載誌
掲載年月
待宵の地酒芳し島泊り 澤田緑生 馬醉木 199901
待宵の星一粒と並びけり 石山惠子 遠嶺 199901
待宵の月を見たると旅戻り 稲畑汀子 ホトトギス 199909
待宵の釆女の亀の浮いてきし 杉浦典子 火星 199912
待宵や鼓構へし眉若き 山岸治子 馬醉木 200011
待宵の貌のあたりの肘ゑくぼ 中島陽華 200012
楢山や待宵の月ふところに 阿部ひろし 酸漿 200111
待宵や女王花競ふ十三個 松崎鉄之介 200112
待宵の風に昂ぶる梢かな 岩田沙悟浄 円虹 200201
待宵の乾にこゑのありにけり 水野恒彦 200201
待宵や手毬模様の抹茶碗 鈴木伊都子 200202
待宵や石の温みに腰おろし 足立典子 雨月 200211
待宵や一刻水のごとく坐し 関川竹四 200212
待宵やひとり暮しに泊り客 奥名正子 帆船 200212
待宵や手をひく女児に従へり 出口一点 百鳥 200212
皓々と待宵心足る一と夜 青垣和子 雨月 200212
待宵の光が描く木々の影 渡辺初枝 酸漿 200212
待宵のタンカー青き灯を点し 岬雪夫 200301
待宵に都心のビルも輝けり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200302
見えてゐる待宵の月探しをり 稲畑汀子 ホトトギス 200309
待宵の月のあしたは問はざりし 稲畑汀子 ホトトギス 200309
待宵や床に備前の蹲< 祐森省造 雲の峰 200310
まほろばや待宵の月暈淡く 辰巳陽子 雲の峰 200311
待宵のことに火星のかがよへり 谷口みちる 200312
待宵や酒壺の贅古代より 坂ようこ 200312
待宵や星に寄りそひ雲に入る 田中清子 遠嶺 200312
待宵の火星一際輝けり 小島三恵 酸漿 200312
待宵の塀の向かうに人の声 八木玲子 百鳥 200312
待宵や雫して楠匂ひたつ 小野田和世 200312
待宵の心重ねて忌日来る 稲畑汀子 ホトトギス 200409
満ちてゆく心待宵なりしかな 稲畑汀子 ホトトギス 200409
待宵の客にもてなすうどんかな 細川知子 ぐろっけ 200409
待宵や塩の効きたる海のもの 武田芳絵 草の花 200412
待宵の鈴音高し三番叟 山崎祐子 200412
待宵や庭木の風のさまよへり 内藤紀子 遠嶺 200501
待宵や喜寿の月見を妹とせる 駒井でる太 200501
待宵のひとりに開くエレベーター 八田マサ子 馬醉木 200502
待宵や水に砕ける磧石 森嘉夫 春燈 200512
待宵を並のことばに囃し合ふ 風間史子 200512
待宵や妻に誘はれ門を出づ 大西裕 酸漿 200601
待宵の明日は晴れるといふ夜空 稲畑汀子 ホトトギス 200609
待宵の月見はかなへられさうに 稲畑汀子 ホトトギス 200609
待宵の月に重ねし旅寝かな 稲畑汀子 ホトトギス 200609
待宵やひとつの草になりてより 豊田都峰 京鹿子 200611
待宵や尻尾きれいな海老フライ 城孝子 火星 200612
待宵や去年のこの日姉在りし 窪田米子 遠嶺 200701
待宵や伊達の薄着の藍微塵 岡野イネ子 春燈 200711
待宵や竹の翁はシャツ召され 米澤光子 火星 200712
待宵や九谷の盃の白うさぎ 大坪景章 万象 200801
待宵の闇に活きたる五重塔 山崎靖子 200812
待宵の時分はづれのひつまぶし 風間史子 200812
待宵や高々とゆく鳥の影 近藤喜子 200812
待宵や産めよ増やせの世を生きて 峰幸子 200812
待宵の開け放ちある蔵座敷 蘭定かず子 火星 200812
待宵に懸る薄衣めきて雲  稲岡長 ホトトギス 200902
待宵の月刻々と満ちゆかむ 稲畑汀子 ホトトギス 200909
待宵の月を仰ぎて十余人 稲畑汀子 ホトトギス 200909
待宵の太宰旧居に女ひと 安立公彦 春燈 200912
待宵の娘の炊きし強き飯 山田美恵子 火星 200912
待宵の越の国より八束脛 中島陽華 201001
待宵の滾る茶釜の音ばかり 吉岡知香 京鹿子 201001
待宵の指しほりして七部集 伊藤白潮 201107
日数はや明日は待宵月仰ぐ 稲畑汀子 ホトトギス 201109
待宵の雲と存問はじまりぬ 稲畑汀子 ホトトギス 201109
育ちゆく月待宵となりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 201109
待宵の駅に我待つ夫の影 堀田清江 雨月 201111
待宵や裏富士雲に隠れゐる 小野寺節子 風土 201112
待宵の仄明りとも雨の空 安原葉 ホトトギス 201302
待宵の雨は今宵へ及びけり 稲畑汀子 ホトトギス 201309
待宵や猫舌で猫顔洗ひ 山田六甲 六花 201311
待宵や青毬栗は高く活け 瀧春一 花石榴 201312
待宵やカレーの香り厨より 山本町子 風土 201312
待宵の月に水音韻きけり 藤井君江 馬醉木 201312
待宵や刻をひとつに喜寿傘寿 安立公彦 春燈 201411
待宵や六月の赤子泣きにけり 藤丸誠旨 春燈 201411
待宵や刻々変る雲のさま 齋藤朋子 やぶれ傘 201412
待宵の影やはらかにエンタシス 服部早苗 201501
大待宵草一輪掌に 市川伊團次 六花 201501
待宵草藪より風を集めをり 上田由姫子 京鹿子 201501
待宵のはじかみの端噛みにけり 山田六甲 六花 201510
待宵の東より潮昏れて来て 山田六甲 六花 201510
待宵の映るものなき浦曲かな 山田六甲 六花 201510
待宵の櫟たちはだかりゐたり 山田六甲 六花 201510
待宵の猫いくたびも膝にくる 原田しずえ 万象 201512
待宵の流れし雲を戻しくる 笹村礼子 六花 201512
待宵の古本市の匂ひかな 藤井啓子 ホトトギス 201602
待宵や鳥の煌めきゐるばかり 志方章子 六花 201602
待宵の月の所在は問はずとも 稲畑汀子 ホトトギス 201609
待宵の町へ小走りパンを買ふ 渡邊孝彦 やぶれ傘 201611
待宵のすこし汚れて猫戻る 浅田光代 風土 201612
待宵やペルシャンブルーの紬かけて 中島陽華 201701
待宵の少し欠けるといふ雅 稲畑廣太郎 ホトトギス 201709
雲払ひ待宵といふ露払ひ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201709
待宵をかこちて髪の手櫛かな 山田六甲 六花 201710
待宵や独身寮は真新し 渡邉孝彦 やぶれ傘 201711
待宵やななめに舫ふ屋形船 岸洋子 201803
待宵や下五へ結ぶ恋ひとつ 鈴鹿呂仁 京鹿子 201811
待宵や尼君墨の香をまとふ 塩貝朱千 京鹿子 201812
待宵や雲退けて退けて 稲畑汀子 ホトトギス 201909
待宵のあえかな灯り仕付け糸 鈴鹿呂仁 京鹿子 202011
待宵の猫ゆつくりと裏返る 北川孝子 京鹿子 202011
待宵の影ゆらしゐる宿の鯉 村田あを衣 京鹿子 202011
待宵や夢二館に灯が仄と 村田あを衣 京鹿子 202011
待宵の夜風に笑むは石羅漢 菊池和子 京鹿子 202101
待宵や待つといふ事いつも不安 本郷公子 京鹿子 202101
待宵へ飛び立ちさうな白鷺城 水田むつみ ホトトギス 202102
待宵や箪笥ひとつの妣の部屋 林徹也 202112
待宵や身ばなれの良き白身魚 能村研三 202112
待宵のすでに全き光かな 今橋眞理子 ホトトギス 202202
待宵の本棚へ本返し置く 山崎正子 202212

 

2023年9月27日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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